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3章 偶然の再会
偶然の再会 13-2
しおりを挟む陸矢に支えてもらいながら、そのマットの上に寝転がる。仰向けに寝転がり、ぐっと足を開かれた。ぴたりと後孔に欲望を当てて、焦らすように動かす。
「……りくや?」
「明日はゆっくり休んでください。代わりに、今日だけは――」
ぐっとナカに入り込んでくる彼のモノ。
「付き合ってくださいね」
硬く、熱いソレが一気に俺を貫く。
「ぁ、ァアアアッ!」
「流羽さん、もっと、声……聞かせて」
どこかうっとりとしたような表情を浮かべて、俺の感じるところを重点的に刺激された。もう出るもんも出ないくらい吐き出したのに、陰茎は緩く上を向いていた。それでも、完全に勃起するわけなく、陸矢が動くのと同時に、揺れていた。
それでも陸矢は嬉しそうにナカを突く。
「は、ぁ、やっ、ぁ……ッ」
出ないのに与えられる快感は、あまりに強すぎてツライ。
――でも、なんでかな。求められることに対しての、安堵感というかなんというか……。
だって、求められないよりは求められたほうが安心できる。特殊な関係ではあるだろうし……。ただ、この感情はどれなのか、わからない。
一夜限りの相手のときはしなかったキス。一度だけでの関係では、キスをしなくてもいいと思った。
そっと彼の頬に手を伸ばす。陸矢が俺の手に気付いて、「流羽さん?」と動きながらも首を傾げた。触れた陸矢の頬にふっと笑みがこぼれた。すると、陸矢が一瞬目を見開いて、それから――俺の手に自分の手を重ねて、微笑む。
なんでこんなに胸がドキドキするのだろう。躰を重ねていくうちに、情が湧いたのだろうか。
「陸矢、キスして」
俺がねだると、陸矢は嬉しそうに表情を綻ばせて、すぐに唇を重ねて俺の口内に舌を入れ、歯列をなぞってから舌を絡め、飲み込み切れない唾液が口の端から流れていく。
――ああ、きもちいいなぁ……。
考えてみれば、こんな風に何度も求められたことなんてなかった。だからなのかな、陸矢が何度も求めてくれるのが嬉しかった。というか、最初からそうだったような気がした。
躰は怠かったけれど、陸矢の首に腕を回す。頬に添えて重なった手はいつの間にか指が絡む握り方に変わり、キスをしながら最奥を突かれて嬌声は彼の口の中に吸い込まれた。
陸矢が俺のナカに放つのを感じて、はぁ、と甘く熱い吐息が漏れた。
「……も、無理……」
唇を離して、そう宣言した。そうしないと、このまま緩やかに続けられそうで。陸矢は少し残念そうに眉を八の字にしたけれど、抜いてくれた。
そして、躰を動かせない俺の代わりに再び後処理をして綺麗に洗ってくれた。されるがままの俺に、陸矢は小さく笑った。
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