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3章 偶然の再会
偶然の再会 10-1
しおりを挟むシャワーを浴びて、準備をして、部屋に戻ると陸矢がベッドに座っているのが見えた。こちらへおいで、とばかりに手招く姿は、とても絵になる。なんならモデルでも出来るんじゃないだろうか。いや、陸矢の職業はイラストレーターだけど。
「流羽さん?」
「……いや、こういうとこ似合う顔だと思って」
「……それは、どういう顔ですか」
呆れたような表情を見て、小さく笑ってしまった。陸矢に近付くと、手首を掴まれた。ぐいっと引っ張られて、陸矢の腕の中に閉じ込められた。びっくりして目を丸くしていると、陸矢が小さく笑い、そっと頬へ手を伸ばし、甘えるように頬を擦る。くすぐったい。
「陸矢?」
「今度、髪切りましょうよ、流羽さん」
「ええ?」
なんだってそんな話になったんだ。陸矢は頬に添えていた手を上に動かし、前髪を上げた。前髪が上げられたことで、パチッと陸矢と視線が合った。ふわりと微笑む彼の笑みに、心臓がドキドキと早鐘を打つ。
……? なんで? 鼓動が早くなったことを疑問に思いつつ、真っ直ぐな陸矢の視線から逃げるように視線を逸らそうとすると、ちゅ、と軽いリップ音を立てて額にキスをされた。
「り……!?」
「オレ、流羽さんの顔、好きですよ」
「……は?」
だから一体なんの話をしているのか。少し呆気に取られているうちに、バスローブの帯がしゅるりと解かれた。バスローブをはだけさせて、そっと首筋をなぞられる。その感覚にピクリと躰が反応した。
それを見た陸矢の嬉しそうな顔は、心臓に悪いような気がした。陸矢は俺の額から鼻先、首筋へとキスを落していく。首筋はキスというか、吸い付いてきた。
「んッ」
くしゃりと陸矢の髪を撫でると、陸矢が「ふふ」と笑い声をこぼす。何度も躰に吸い付かれてそのたびに躰が跳ねる。するりと脇腹を擦られて、「うわっ」と色気のない声が出た。
「……やっぱり敏感ですよね。感度上がってきましたか?」
「知るかっ」
自分でヤることもなくなったのに、そんなことを知るわけがない。にんまりと笑みを浮かべる陸矢は、脇腹を撫でながら、反応を示しだした胸の尖りへと吸い付いてきた。
「ひぁっ」
ぢゅっと吸われ、舌で転がされる感覚に段々と下半身に熱が集まっていくのを感じる。
口元を隠すように手で覆うと、陸矢がそれを咎めた。
「声、我慢しないで、聞かせてくださいって、いつもお願いしてますよね?」
確かにされてはいるけれど、気恥ずかしさのほうが勝つ。
「……まぁ、良いです。なにも考えられなくしてあげる」
それは本当に良いのか? と謎に思いながらも、彼の愛撫は止まらない。
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