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4章:十八禁BLゲームの中に迷い込んだら、最愛の人が出来ました!
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しおりを挟むのぼせはしなかったけど、躰が動かせなくて結局全部ルードにしてもらった……。それにしても感じすぎておかしくなりそうだった。でも気持ち良かった……って、それは置いといて。
翌朝、いつものようにルードはナイトテーブルの上に置き手紙を残して仕事に向かったようだ。ルードの丸い可愛い文字を読んで、ふふ、と小さく笑みを浮かべる。蔦が伸びてきて頬に触れる。「おはよう」と葉っぱを撫でるとうなずくように上下に動いた。
「……」
ちらりとナイトテーブルの引き出しに視線を向ける。一体ルードはどのくらい、大人の玩具を買ったんだろうか……。好奇心が勝って引き出しを開けてみる。小瓶がいっぱい……。中身はローションと、媚薬、かな。あと様々な大きさのローターや、バイブ、アナルビーズ……。
……一体いつこういうの買ったんだろう。尿道に挿れるやつも色んな太さがある……。……こんなのも入るんだろうかってくらい太いのも。……挿れたいのかな。じぃっとそんなものを眺めながら考えて、引き出しを閉じた。
昨日のことを思い出してベッドに戻る。恐る恐る、服の上から乳首に触れてみた。ルードに触れられるよりは感じないことに、ほっとした。
ニュルニュルと蔦が服の上から乳首を突く。それにもあまり感じない。って言うかなんで今突いた!
「だめ!」
おれがそう言うと蔦はしょんぼりとしたように離れて行った。……魔物、らしいけど、植物にしか見えないし、いやその植物が動いているから確かに魔物なんだろうけど、とりあえずよくわからない存在の蔦のコップを手にして水を替えて、光合成のために陽に当たる場所へと置いた。
朝からなにをやっているんだ、おれは。すーはーと深呼吸をしてから服を着替えて食堂に向かう。腰がちょっと怠い。昨日あのまま抜かずに何回ヤったのか覚えていない。
おれの体力がないんじゃなくて、ルードが絶倫なのでは? と最近ようやく思い始めている。もしもルードが満足するまでえっちをしたら、次の日絶対起き上がれない気がする……。その前におれの意識が飛ぶのが先か。
「おはようございます、ヒビキさま。顔が赤いですがどうしました?」
「なんでもない、大丈夫。えっと、今日はご飯食べたら書庫に居るね。……呼ぶまで誰も入れないでくれる?」
「かしこまりました」
リアに会った。そして、簡単に今日の予定を伝えると、彼女は笑ってうなずいてくれた。とりあえず、出会った人に伝えておけばいつの間にか広がっているから、集中したい時には良い。書庫でたっぷりと……とある本を探してみよう……!
朝食を食べて早速書庫に向かう。書庫に入って、きちんと扉を閉めてから本を探す。あるかどうかは知らないけど。
本棚の本を眺めていく。うーん……、ここは違う、かな。それとも恋愛ジャンルにあるんだろうか。恋愛か、それとも人体の仕組み……は違うか。えーっと……。とりあえず、この本を読んでみようかな。
ひょいと一冊の本を手にして、本を読むスペースへ。一応恋愛の本、だとは思うけれど……。ドキドキしながら物語を読んで――……ゆっくり読んで、というか、途中途中涙をハンカチで拭いながら、どうしてもゆっくりになった。二時間くらい経っているみたい。うう、こんなに可愛らしいピンクの表紙で悲恋ものだとは思わなかった……。病気の少女と、彼女を想う少年の物語。少女は少年を想って冷たく突き放し、少年はめげずに少女の見舞いに行って、結局少女の病気は治らず、それに絶望した少年が自らの命を絶ってしまう。ぐすぐす泣きながら本を閉じて元の場所へ戻す。悲しい。……なにか、幸せな物語が読みたい……。
そんなことを思いながら、違う本を手に取ってまた読書スペースへ。……数枚読んで閉じた。ホラーっぽい。パニックホラー。怖いのは苦手なのでこれは読まないでおこう。ホラーなのに恋愛ジャンルなのか、恋愛が主のホラーなのか。一行目から人が死ぬ描写があってびっくりした。
「うう……」
求めていた本に中々出会えないものだなぁ。そもそも年齢制限ってないのかな、この世界。タイトルだけじゃわからない本も多いし……。とりあえず気長に本を探そうと思ってまた本棚へ。数回それを繰り返して、ようやく求めていた本に出会えた。
その本をじっくりと読んで、お昼ご飯を食べるのも忘れるくらい読んで――ぱたんと本を読んだ後にくたりと机に突っ伏した。
い、色々と刺激が強かった……。
どうすればルードを満足させられるかなぁと考えて、とりあえず本で知識を得ようとしたんだけど……。色々と、おれには早かった、ような……。
書庫の扉がノックされてびくっと肩が震えた。あ、呼ぶまで入らないようにって言ってあったから、ノックされたのかな?
「はい!」
勢いよく返事をすると、ルードが顔を覗かせた。あれ、もうそんな時間!? そう思って窓を見ればもう夕暮れ時だった。どれだけ夢中になって読んでいたんだ、おれは!
「ヒビキ?」
「あ、えっと、お帰りなさい、ルード!」
ぱっとルードに顔を向けてそう言うと、ルードは嬉しそうにおれのほうに近寄ってぎゅっと抱きしめてから「ただいま」と言った。
「なにを読んで――……」
「あ」
「……ヒビキには早かったんじゃないか……?」
やっぱりルードもそう思うのか……。「とても刺激的な内容でした」と言うと、ルードはぽんぽんとおれの頭を撫でて「だろうね」と肩をすくめた。その本を本棚に戻そうと手を伸ばすと、ルードがひょいと本を持って本棚に戻した。早い。
「あ、あの。ルード、ちょっと確かめたいことがあるんですけれども……」
「確かめたいこと?」
「服の上から、おれの胸触ってもらって良いですか……?」
恐る恐る、窺うようにルードを見てそう聞くと、ルードは目を大きく見開いて、それから辺りを見渡し、おれの手を取るとスタスタと書庫を後にした。寝室について、ベッドにおれを座らせると、
「急にどうした?」
と聞いてきた。そりゃあ、そうだよなぁ……。おれはぼそぼそ小声で自分で触る時はルードに触られる時くらいの快感がないことを伝えると、恥ずかしくなって顔を手で覆い隠す。
「……触るよ」
「ァんッ」
つん、と服の上から的確に乳首を触れられる。びりっと電流が走るような快感が走ってビクビク躰が震えた。たった一度、ルードに触れられるだけでこんなに感じてしまって良いんだろうか……。
「最近、どんどんとヒビキの躰が敏感になっていくなぁとは思っていたけれど……」
私だけ? と首を傾げるルードに、こくりとうなずく。すると、ルードは「そうか」とすごく嬉しそうに笑うのが指の隙間から見えた。ルードはおれの両手をそっと掴んで、ぐっと顔を近付けて唇を重ねる。下唇を食まれて、舌で舐められる。口を開けるとルードの舌が入って来て、ちょん、とおれの舌を突く。舌を絡めてキスを交わし、ゆっくりと舌が抜かれていくのにもぞくぞくした。
「ヒビキの躰は本当に、全身が性感帯のようだ」
「……ルード限定の?」
「ふふ」
嬉しそうに目元を細めるルードに、おれは手を伸ばして彼の頬に手を添えて、いつもルードがやるように額や頬にキスをする。くすぐったそうに、でも幸せそうに笑うルードがなんだかとてもきれいに見えて――、なんだか胸がきゅんとした。
「でも、今日はしないよ。ちゃんと休みをもらってきたからね」
「もらえたんですね、良かったです」
本当にしないのかな、と思ってルードを見ると、「ん?」とばかりに首を傾げる。おれはなんでもないです、と笑みを浮かべると、夕食を食べようかと食堂に向かうことになった。夕食を摂って、お風呂に入って、明日に備えて早めに寝ることに。
ちなみに蔦はいつも日が暮れたらナイトテーブルに移動させている。
「あの……」
「うん?」
「ルードは、その、お、おれとのえっちに満足していますかっ?」
ベッドに横になって灯りを消して、ぎゅっとルードに抱きしめられながら……ばっと顔を上げて聞いてみた。ルードは消した灯りを点けて、「どうしたの?」と優しく聞いてきた。だって、気になったんだ。
「おれ、途中で気を失っちゃうことも多いし……、ルードは、その、満足出来ているのかなぁって、ずっと思っていて……」
「ああ、なるほど……。そうか、そうだな。言っていなかった私が悪い」
「え?」
ルードはするりとおれの背中を撫でて、ぽんぽんとあやすように背中を叩いた。
「私はね、ヒビキ。ヒビキの感じている姿を見るのが好きなんだ。加減できなくていつもヒビキをダウンさせてしまうけれど。確かにヒビキとするのは気持ち良いから好きだけど、私は、私の愛撫で気持ち良さそうに蕩けた表情を見るのが好きだから、ついやり過ぎてしまう。……ヒビキは、そんな私はイヤ?」
「そ、そんなことはありません! えっと、でも、おれだけ気持ち良くなっているんじゃ……?」
「そんなことはない。結局私も気持ち良くさせてもらっているしね。……だから、ヒビキは私の愛撫に溺れていて欲しい。それだけで私は満足なんだ」
……なんか、前にも似たようなことを言われたような記憶がある。そっか、ルードは満足していないわけじゃなかったのか……。ちょっと恥ずかしいけれど、聞いてみて良かった。なんだかホッとした。おれがぎゅっとルードを抱きしめると、ルードをも抱きしめてくれた。
「おやすみ、ヒビキ」
「おやすみなさい、ルード」
割ともやもやしていたことだから、ルードの言葉を聞いて安心した。明日はスッキリと目覚められそうな気がする。そんなことを考えながら、眠りに落ちた。
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