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4章:十八禁BLゲームの中に迷い込んだら、最愛の人が出来ました!

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 多分、ルードもそれに気付いている。おれの臀部を支えるようにして抱き上げると、そのままベッドへと移動した。ぎしりとベッドのスプリングが跳ねる。

 ルードは鈴を取り出してニコロに「誰も私の部屋に通さないように」とだけ告げると鈴をナイトテーブルの上に置く。おれも鈴を置こうとポケットから取り出そうとしたら、ルードが代わりに取ってナイトテーブルに置いてくれた。そして、引き出しから色々取り出してにっこり笑う。――あ、やっぱり使うんですね……。



「あの……」

「前は一番細いのだったから、今度はもうちょっと太いのにしようか」



 そう言ってこの前尿道に挿れたヤツともうちょっと太いヤツを持って微笑む。ルード、一体どこを目指しているんだろうか……。前は媚薬で痛みを感じなかったけど……おれがおろおろとしていると、ルードはよしよしとおれの頭を撫でて、それからゆっくりと焦らすように服を脱がせた。ショートパンツ一枚という、もしかして全裸より恥ずかしいんじゃないかと思うくらいの格好。じぃっとルードはおれの躰を凝視しているし……。



「ルード?」

「いや……うん。ふふ」



 なんで笑っているのかわからなくて首を傾げると、ルードはするりとおれの腰を撫でてうっとりと目元を細める。その視線は股間を見ていて、ハッとして視線を下げるとソコは既に反応をしていた。さっきのキスか! それとも揉まれたからか! どっちにしろ正直すぎる躰の反応におれは視線を動かす。



「ヒビキの躰は本当に感じやすいね。――どこまで感じるのか、試してみたくなるな」

「――ど、どこまでって……?」

「ふふ」



 綺麗に微笑むルードにおれはぞくりとしたものが背筋を走ったのがわかった。そして、それが――甘い期待を含んでいることにも気付いた。ルードがおれに与える刺激全て、気持ちの良いことだと知っているから。



「媚薬飲む? 多分、そっちのほうが楽だと思う」



 おれはちょっと考えて、こくんとうなずいた。ルードが小瓶を取り出して蓋を開けると自分の口に含んでからおれへと口移しで飲ませた。こく、こくと時間を掛けて飲み干したけど、口内に残っている分も舐め取るかのようにおれの舌が動く。キスだけでもこんなに気持ち良いのだ。媚薬の効果もあって、余計に興奮する。



「……ぁ、ふっ……ァん」



 唇が離れるとルードの手がおれの首筋をなぞり、鎖骨を撫でて焦らすように乳輪をくるくると指の腹で撫でまわす。ぷっくりと勃っている乳首に触れることなく……。媚薬の効果なのか、それともただ単におれがルードに触れて欲しいからか、無意識のままルードに手を伸ばして服を掴む。



「はだ、触れたい……ッ」

「うん、少し待っていて」



 くすりと笑うルード。ばさりと服を脱いでベッドの横に乱雑に落とす。露わになるルードの肉体の美しさに思わずごくりと唾を飲んで喉が鳴る。おれのショートパンツを脱がせて、自分も全裸になり、ひとつに纏めていた髪を解く。――この瞬間がたまらなく好きだ。



「ヒビキは私の髪が好きなようだ」

「うん、すき……」



 とろんとした目でそう言えば、ルードが嬉しそうに微笑む。癖のない真っ直ぐな髪は、ルードの心を表しているようで。それに、この姿を見られるのは恋人の特権だ。愛しくないはずがない。

 待ちに待ったルードの肌に手を伸ばして触れる。しっとりとしていて、そう言えば帰って来たばかりだったと思い出す。いつも情事が始まるのは大体お風呂に入ってからだから、なんだか新鮮。



「先にお風呂のほうが良かったかな」

「……?」

「ヒビキが可愛いから我慢できなかった、すまない」



 どうして謝るんだろう? そもそも可愛いことをした覚えがない。媚薬の効果でぼんやりとしている頭で、首を振る。性急に求められるのも悪くない。だって、それはルードがおれのことを好きだからってわかっている。



「ルードなら、いつでも、だいじょうぶ、だから……」



 だから触って、とルードの手をおれの胸元に導く。ルードは一瞬目を瞬かせて、それからふわりと微笑むと「御意に」と楽しげに言った。乳首が望んでいた刺激を与えられ、腰がビクンと跳ねた。ほんの少し乳首を、ルードの指が掠めただけなのに。快楽に弱いからか――おれがルードのことを大好きすぎるからか、理由は定かじゃないけど自分でするよりもかなりの快感が走り喘ぎ声が出てしまう。

 クニクニとおれの乳首を摘んで揉んだり、舌でチロチロと舐められると気持ち良くて頭が真っ白になってしまう。媚薬の効果もあるかもしれないけど、とにかく気持ち良いとしか考えられなくなる。



「ふ、ァアアああっ」



 ――五日ほど触れていなかったからか、あっという間に果ててしまった。それも――乳首だけで。はぁはぁと荒い息を繰り返すおれに、ルードは欲情を隠さない目でじっとおれを見ると、尿道に挿れるための道具を持ってとぷとぷとローションを掛けた。この前のよりちょっと大きい。ごくりと唾を嚥下すると、ルードがおれを安心させるように頬を撫でてそれから優しく「挿れるよ」と鈴口を棒で突く。



「あ、ァああっ」

「大丈夫?」



 こくこくうなずく。尿道に入っていく棒に思わず嬌声が上がる。媚薬効果でやっぱり痛みはない。広がっていく感覚に肌が粟立っていくのがわかる。ルードはそれを心配そうに、でも動きは止めずにゆっくり奥へと挿れていく。

 角度を変えて奥まで。とん、と前立腺を押されて背中が弓なりにしなる。



「頑張ったね、ヒビキ」



 えらいえらい、と頭を撫でるルード。少し太くなっただけなのに、圧迫感がすごい。って言うか入っちゃうのがすごくない? ちゅっ、ちゅっと軽いリップ音を響かせてルードがおれの首筋や胸元にキスを落とす。痕をつけられてるとわかるけど、それすら独占欲を感じてもっとと願ってしまう。きっと、ルードを好きにならなかったら知らない感情だったろう。



「んっ、ぁ……ルード……、こっちも……」



 おれが足を開くと、ルードは優しく目元を細めてローションの入った小瓶の蓋を開けて両手を擦り合わせて蕾へ塗る。つぷりと一本入って来て、息を吐くとルードの指がナカを広げるように動いた。前立腺に触れないのはわざとだろう。ルードは絶対、おれよりおれのナカのことを知っていると思う。



「ナカ、熱いね」

「ふぁッ、ぁ……ッ!」



 もう一本指を増やして、円を描くように慣らしていく。腹の奥がジンジンと熱を求めるかのように疼く。ルードを求めるように腰が揺れた。いや、ような、じゃない。求めているんだ。おれがルードの髪を引っ張ると、ルードは驚いたような顔をしていたけれど、すぐにおれの求めていることを理解したのか、ふるりと首を横に振った。



「もう少し解してからね」

「や、です……ッ、も、ほし……!」



 熱に浮かされたようにそう言うと、ルードが嬉しそうに目を伏せて笑う。ぐいぐいルードの髪を引っ張ると、あまり痛くなさそうに「痛いよ」と告げるルード。痛そうに見えない。



「熱望されるのも良いけれど……」



 三本目の指がナカに入って来た。ぐちゅぐちゅといやらしい水音が聞こえてきて顔が赤くなるのを感じた。



「ヒビキの口から、『いや』や『だめ』が聞けるようになったね」

「ァッ! やぁ、ンんんっ、それ、ダメッ、だめです……ッ!」



 ぐりぐりと尿道を塞いでいる棒を刺激されて首を振って耐える。頭の芯がぼーっとして、とにかく考えることが出来なくなる。感じているのは快感だけ。ルードはおれに快感だけを与えてくれた。



「欲しい?」

「ルード……ッ、ほし、も、はやくぅ……」



 ふ、とルードが口元を緩めて、指を抜くと熱い昂ぶりを蕾にあて、一気にナカへと貫いた。



「ぁッァアアああっ!」



 望んでいた熱いのが入ってきて、目の前がチカチカとした。イったと思う。多分、ドライで。媚薬の効果かもしれないけれど、とにかく気持ちいいしかわからない。腰を掴まれて奥まで突かれて、出てくる声は「あっあっ、ァああっ」と段々大きくなっていくのがわかる。感じすぎているのもわかっている。でも本当にきもちよくて……。奥まで突かれながらトントンと棒の先を突かれてぎゅうぎゅうとナカの熱を締め付けた。



「気持ちいい? ヒビキ……ッ」

「あっ、ァんッ、きもち、いいッ、ルード、もっと……ッ」



 ねだるように言えばルードが応えてくれる。互いの体温を分け合うような、なんて優しいえっちじゃない。奪い合うような激しいもの。それがすごくきもちいい……。ぎゅうっとルードに抱き着くと、ルードも抱きしめ返してくれる。触れる肌の温もりにおれは心地よさそうに目を閉じた。

 何度も突かれて、前立腺や乳首を刺激されて何度イったのかわからないほどにドロドロに溶かされた感覚。

 ルードもおれのナカに何度か出して、最後はキスをして――おれの意識は真っ白に染まっていった。
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