上 下
89 / 222
2章:1週間、ルードと一緒です!

48

しおりを挟む

 今までは息苦しさが勝っていたから、酸欠で頭がぼうっとするのかと思っていたけど……。性感帯多すぎだろおれの躰! どうなっているんだ! と混乱しているおれの様子をルードが首を傾げて見ていた。



「考え事?」

「あ、いえ……えっと。溶けそうだなって」



 そしておれはなにを口走っているんだろうか……。確かにそう思ってはいたけれど! おれの言葉にくすりと笑うと、そのまま額に唇を落とす。ちゅっと軽いリップ音を立てながら顔にキスの雨を降らす。くすぐるように耳たぶをふにふにと指で擦られる。くすぐったいのに、それが堪らなく気持ちいい。ルードがおれの服を脱がして、自分の服も脱いで共にベッドの下に落とした。ぱさり、と軽い音がして、それからするりと首筋を撫でられる。躰のラインを確かめるように、首筋から肩、肩から腕、それから指へと手を滑らせるルード。優しく撫でられているだけなのに、ルードが触るところ全てから甘い痺れを感じてしまう。おれの手を取って、ちゅっちゅっと指全部にキスを落とし、ぴちゃぴちゃとわざとらしく音を立てて指を舐める。指をこんなに丹念に舐められたことはない。なんかすっごく変な感じ……。ルードが指を舐めるたびに、ゾクゾクしたものが走る。指、舐められているだけなのに!



「ァッ」



 おれが指の刺激に耐えていると、ルードはもう片方の手でおれのわき腹を撫でる。思わず小さな声が出た。下から上へと撫でられて、わき腹から胸へと手が移動する。鎖骨を撫で、胸元を弄り、乳輪を何度も指の腹で撫でる。これ絶対焦らされている……!

 刺激に期待するように乳首が尖るのを感じた。それを見たルードが嬉しそうに口角を上げて指から唇を離すと片手で乳首を摘まみ、もう片方の乳首を口に含んで舌で転がす。



「ん……ぁ、ふっ……」



 口から堪えきれずに喘ぎ声が零れると、それを聞いたルードが楽しそうに乳首をクリクリと捏ねたり、吸ったりと乳首だけの愛撫に集中し始めた。乳首からの快感で、おれの中心はもう反応を示していて先走りで濡れているのがわかる。

 それに気付いているハズなのに、ルードは乳首にばかり刺激を与える。そして、ナイトテーブルに手を伸ばして引き出しの中からいつもの小瓶と――



「なっ、なんでソレが!?」

「隠していたつもりはないのだが……」



 ピンクローターがルードの手に四つ……。いつから入れてあったんだろう。ルードがベッドにローターを置いて、それから小瓶の蓋を開けて手のひらに液体を垂らす。両手を擦り合わせて温めてからおれの躰に塗って、乳首を入念に刺激する。ピンクローターを両方の乳首に挟むようにくっつけて、にこりと微笑みを浮かべる彼に、まさか、と口を開くのと同時にローターが振動を始めた!



「ひぁぁァああっ」



 最初から強めの振動で躰が跳ねる。ブルブルと震えるローターがおれの乳首を責め立てる。ジンジンとした痺れが躰中に広がって、目がチカチカするような感覚。イきたくて中心に手を伸ばすと、ルードがおれの手を取ってちゅっ、ちゅっとキスを落とす。ちょっと擦るだけでイけそうなのに、決してそうはしないルード。さらに振動を強めると、おれの耳元で声を低くして囁く。



「乳首だけでイってごらん」

「んっ、ぁ、ァァァああっ」



 そんな無茶な! と思ったけど、ルードの低音に躰が勝手に反応して目まぐるしい快感が走った。ああ、この感覚は――……。



「ドライでイけたね。かわいい、ヒビキ」

「ァッ、まっ、待って……!」



 乳首への刺激で出さないでイったことに呆然としてしまう。ただ快感が残っていて苦しい。乳首のローターを止めてポロポロと張り付いていたのがベッドに転がる。するりとルードが蕾へと指を這わせる。皺を伸ばすように触れて、つぷっと指を蕾に挿れた。



「ふぁっ!」

「もっと気持ち良くなろうね」



 ルードの指が前立腺を的確に捉え、ぐにぐにとソコばかりを刺激する。ドライの後にそんなことをされると、快感がぐるぐると躰を巡って口から喘ぎ声ばかりが出てしまう。指を増やしてナカを解すルードの手に翻弄されていると、ルードがニヤリと口角を上げているのが見えた。

 そして蕾から指を抜き、ナイトテーブルの引き出しからなにかを取り出す。てっきりあの前立腺を刺激するヤツかと思ったら、男性器を模様したモノを取り出した。それにローションをたっぷりと掛けてつん、とおれの蕾にあてがった。



「細いから大丈夫だとは思うけど」

「えっ? え? んァァああっ!」



 ぐっとナカにソレを挿れられて、甲高い声が上がった。じわりじわりとソレが熱を帯びるのと同時に、小さく振動し始めた! あの前立腺を刺激するヤツよりも奥へと入っていく……。



「バイブって知ってるかな。ヒビキの世界にもあった?」

「ァッ、あ、んッ!」



 こくこくとうなずく。ルードは楽しそうにバイブの根元を持ってぐちゅぐちゅ音を立てながらバイブをギリギリ抜いたり押し込んだりしてる。



「ひぁッん、ァあああああッ」



 ナカをブルブルと振動で責め立て、ルードがぐりぐりと前立腺に押し当てたり奥を突いたりとものすごく楽しそうにバイブを動かしている。二回目のドライは予想以上に早く来て、出していないから快感の熱がぐるぐると躰に回った。ずっと気持ちいいのが続いてツライ。



「どちらでもドライでイけたね」



 いい子とばかりに額にキスを落として、バイブを抜くとおれの膝裏を持ってぐっと一気に貫いた。



「ァァぁああああッ!」

「三回目? ふふ、たくさん感じて可愛いね、ヒビキ」



 イイ声でそういう事言わないで! と口にしたくてもおれの口から出てくるのは喘ぎ声だけで、ルードはナカを堪能するようにゆっくりと腰を動かす。ゆっくりと前立腺を刺激し、ゆっくりと最奥へ入っていく。それを繰り返して、もう少しで抜けるってところまで動かされて、思わずきゅうと締め付けた。



「――ッ、ヒビキ?」

「ぬいちゃやだ……」

「抜かないよ、もっともっと、ヒビキを堪能させて」



 ルードはおれの腰を掴んで、一気に最奥へと貫いた。結合部から水音が響いて、動きの激しさを知る。口からは細かく「あっあっあっ」って甘い声が出て、ルードの動きに合わせるように腰が動いてしまう。



「ァッ、ァん、ふっ、ぁああッ」



 気持ち良くてなにも考えられない。キスをねだるように唇を突き出すと、ルードがふっと笑ったような気がした。唇が重なって舌を吸われる。口の中も気持ちいい……。うっとりとしていると、ルードの動きがさらに激しさを増す。



「――ヒビキ……」



 最奥を何度も突かれてまたあの狂おしいほどの快感が躰を巡る。ルードの唇でおれの唇が塞がれていなかったら、いっそう甲高い声が出ていただろう。ぢゅっと舌を吸ってからルードがおれを抱きしめてナカに出したのを感じた。

 ルードの精液を搾り取るようにナカを締め付けると、ルードのモノが大きくなった。そして、抱きしめたままおれの額にキスをして、「まだ付き合ってね」と一度抜いておれをうつ伏せにさせると尻を高く持ち上げぱちゅんと勢いよく挿れた。ルードの精液でナカが滑りやすくなっているみたいだ。ナカでどんどんと大きく、硬くなっていくのを感じてゾクゾクと快感が回る。もっと気持ち良くなりたくて、もっと気持ち良くなって欲しくてナカをきゅうきゅうと締める。ルードの吐息が聞こえるのが堪らなく嬉しい。

 背後から抱きしめられて、ルードの手がおれの胸を弄り乳首に触れると引っ張った。



「んぁッ! ぁ、そこ、ひっぱっちゃ……!」

「引っ張るのはダメ? これは?」



 引っ張っていた乳首を今度はクリクリと捏ね回す。じんじんと甘い痺れがソコから広がって、頭が真っ白になった。



「ぁ、出る、来ちゃうッ、ふ、ァァあああああんッ」

「良いよ、いっぱい出して」



 耳元で囁かれるのと同時に、勢いよく白濁の液体を放った。……おれ、一度も触られてないのに出した……? どうなっているんだ、この躰……と考えているとルードがおれのモノに手を伸ばして先端ばかりを刺激した。出したばかりでソコを弄られるのはきつくて、逃げるように身を捩るけれどルードの手は離れない。離れないどころかナカを責めながら先端を弄られるもんだからまた大きくなってしまった。



「ほら、ヒビキ。前みたいにしてごらん?」

「ぁあッ、て、とめっ……ぁう、また来る、ひ、ァァあああッ」



 先端の窪みをぐりぐりと爪で責められて、最奥を突かれて、熱が一気に爆発するかのように尿道を駆け巡り透明な液体を勢いよく放つ。それと同時にぎゅうっとナカを無意識に締め付けるとルードは二度目の精を放った。どこにこんなにあったんだろうってくらい長く、透明な液体が出て行く。



「とま、とまらな……」

「潮吹きするヒビキも可愛いなぁ……」



 甘く囁かれて余計に止まらなくなってしまう。耳を舐められて、甘い言葉を囁かれて――おれの意識はそこで途切れた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

気が付いたら異世界で奴隷になっていた。

海里
BL
ごく平凡のサラリーマンだったツカサは、残業帰りに異世界へと迷い込んでしまう。言葉のわからない異世界で、気が付けば奴隷商人にオークションに出され、落札された。 金髪の青年――アルトゥルに買われたツカサは、彼にイヤリングをつけられると、言葉がわかるようになり、彼に「今日から私が、お前の主人だ。――奴隷」と宣言されてしまうツカサの話。 短いのでさらっと読めると思います。 攻め視点(三人称)追加しました。 ※ムーンライトノベルズ様にも投稿しています。

召喚された美人サラリーマンは性欲悪魔兄弟達にイカされる

KUMA
BL
朱刃音碧(あかばねあおい)30歳。 ある有名な大人の玩具の開発部門で、働くサラリーマン。 ある日暇をモテ余す悪魔達に、逆召喚され混乱する余裕もなく悪魔達にセックスされる。 性欲悪魔(8人攻め)×人間 エロいリーマンに悪魔達は釘付け…『お前は俺達のもの。』

魔王の最期の悪あがきで淫紋を刻まれた勇者の話。

海里
BL
 長きに渡って行われた勇者と魔王の戦いは、勇者が魔王を倒すことによってようやく世界に平和が戻った。  ――だが、魔王は最期の悪あがきに勇者の下腹部に淫紋を宿した。チリッとした痛みを感じた勇者だったが、あまり気にせずに国に戻り国王陛下に魔王討伐の報告をして、勇者は平和になった世界を見て回ろうと旅立った。  魔王討伐から数ヶ月――薄かった淫紋はいつの間にか濃くなり、とある村の森の奥で暮らしている勇者――アルトは、下腹部の甘い疼きに耐えながらひっそりと生活をしていた。  日課になっている薬草摘みでピンク色のスライムに襲われたことで、アルトの生活は淫らなものへと変わっていくことになった――……。 ※不定期更新 ※ムーンライトノベルズ様にも投稿しています。

異世界転移して岩塩を渇望していたらイケメン冒険者がタダでくれたので幸せです

緑虫
BL
#食欲の秋グルメ小説・イラスト企画 用に書き始めたら何故か岩塩メインになった短編(多分)です 母親の葬儀の後、空っぽになったイクトは目が覚めると異世界転移をしていた。異世界転移先で監督者のおじさんローランとスローライフを送っていたが、塩の入手が困難で実はかなり塩味に飢えていた。 そんな時、ローランの息子で冒険者のユージーンがふらりと立ち寄り……? エロなしです!

異世界でチートをお願いしたら、代わりにショタ化しました!?

ミクリ21
BL
39歳の冴えないおっちゃんである相馬は、ある日上司に無理矢理苦手な酒を飲まされアル中で天に召されてしまった。 哀れに思った神様が、何か願いはあるかと聞くから「異世界でチートがほしい」と言った。 すると、神様は一つの条件付きで願いを叶えてくれた。 その条件とは………相馬のショタ化であった!

転生令息は冒険者を目指す!?

葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。  救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。  再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。  異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!  とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A

兄たちが溺愛するのは当たり前だと思ってました

不知火
BL
温かい家族に包まれた1人の男の子のお話 爵位などを使った設定がありますが、わたしの知識不足で実際とは異なった表現を使用している場合がございます。ご了承ください。追々、しっかり事実に沿った設定に変更していきたいと思います。

中華マフィア若頭の寵愛が重すぎて頭を抱えています

橋本しら子
BL
あの時、あの場所に近づかなければ、変わらない日常の中にいることができたのかもしれない。居酒屋でアルバイトをしながら学費を稼ぐ苦学生の桃瀬朱兎(ももせあやと)は、バイト終わりに自宅近くの裏路地で怪我をしていた一人の男を助けた。その男こそ、朱龍会日本支部を取り仕切っている中華マフィアの若頭【鼬瓏(ゆうろん)】その人。彼に関わったことから事件に巻き込まれてしまい、気づけば闇オークションで人身売買に掛けられていた。偶然居合わせた鼬瓏に買われたことにより普通の日常から一変、非日常へ身を置くことになってしまったが…… 想像していたような酷い扱いなどなく、ただ鼬瓏に甘やかされながら何時も通りの生活を送っていた。 ※付きのお話は18指定になります。ご注意ください。 更新は不定期です。

処理中です...