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2章:1週間、ルードと一緒です!
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しおりを挟むいつも使っている小瓶やらこの前使ったローターやらを取り出して、にこりと微笑むルード。しかもローター三つ取り出してるし……、な、なにに使う気だろう。……いや、なんとなく想像がつくから困る。
ベッドに座ってルードを見上げると、ルードがおれの耳に手を伸ばしてくすぐるように指を動かす。それだけでぞくっと快感が走って視線を逸らした。
おれの様子にルードはくすりと小さく笑い、耳をくすぐっていた手を頬へと移動させ、身を屈めて額へと唇を落とした。ちゅっと軽いリップ音を響かせて、額から瞼へ、瞼から頬へと唇が下りていく。ふにっと唇を指の腹で撫でられて視線を上げると、ルードが楽しそうに目元を細めていた。
「ァっ」
するりと首筋を撫でられて声が出た。ルードがそれを狙ったかのように唇と唇を重ねる。唇を食むように柔らかく、舌で唇を舐めて更に口内へと入ってくる。舌を絡めて段々と深くなっていくキスに躰の力が抜けていった。
「……んっ、ぁ……」
優しくベッドに押し倒される。唇が離れて、そっと頬に手を添えておれを見つめるルードの目は、優しさの中に欲望が見えてドキリとした。その目で見られるのは弱いんだ。……いや、ルードの言葉や態度におれが弱いだけのような気がしてきた。
「ヒビキ?」
おれが考え込んだからか、ルードが首を傾げた。それに合わせて彼の髪が流れる。ルードの髪に手を伸ばして、痛くならない程度に引っ張ってみた。彼は意外そうに目を丸くして、それから「結ぼうか?」と聞かれたので、緩く首を横に振る。結んだほうが邪魔じゃないかもしれないけれど、解いているルードの姿を見るのが好きだ。
「ルードの髪下ろしている姿、好きだなぁって」
言葉にするとちょっと恥ずかしい。でも、心底嬉しそうに、そして照れたように笑うルードの顔を見るのは、おれだけの特権だと思うから口にする。掴んでいる髪を口元に持って行って口付けると、ルードは目を瞬かせた。それからクスクス笑っておれの手を取る。
「そう言ってくれると、伸ばしていた甲斐があるな」
ちゅっとおれの手のひらに唇を落とす。それからきゅっと手を握ってふたりで笑い合う。手を解いてルードの頭を抱き込む。ルードがおれにするように、優しくルードの頭を撫でた。
「昔は短かったんですか?」
「……そうだな、伸ばし始めたのは十五の頃だろうか。その頃は肩につくくらいだった」
「へぇ……」
おれがルードの頭を撫でていると、ルードは心地良さそうに目元を細めてこつんと額と額をくっつけて懐かしむように笑う。
それからちゅっ、ちゅっ、と顔中にキスの雨を降らせて、最後に唇を重ねた。触れるだけのキス。おれがルードの頭から手を離して、シーツを握るとちょっと残念そうに眉を下げた。
器用にバスローブを脱がせ、おれの躰のあちこちにキスを落として、時々強く吸って痕を残す。
「ルード」
「うん?」
「おれも、痕をつけてみたい」
おれがそう言うと、ルードは一瞬動きを止めた。あれ、ダメだったかな……? とちょっと不安になったけれどルードが起き上がって、おれの手を引っ張ってそのまま抱きしめられた。
「可愛いことを言うね、ヒビキ」
「おれからしたことないなぁって」
「積極的なのは大歓迎だ」
ああ、だからそんなに嬉しそうに声を弾ませているのか。納得。じゃあ、とおれがルードのバスローブを脱がせる。傷跡をなぞるように手を動かすと、ぽんぽんとルードがおれの頭を撫でた。
「……痛みはないんですか?」
「もう癒えた傷だからな」
「おれが治癒魔法を使ったら、こういう傷も消えるのかな……?」
ルードの躰に残る傷跡。それは彼が魔物と戦ってきた証明だ。ルードは少しだけ黙り込んだ。おれが首を傾げると、そっとおれの頬に手を添えてゆるりと首を振る。
「……良いんだ、この傷は。このままで」
優しく語り掛けるように言われて、おれはこくんとうなずいた。多分ルードは、おれが治癒魔法を使えばその傷が消えると考えている。そもそも治癒魔法使ったことないや。生活魔法以外使ったことない。
「今度魔法の使い方を教えてあげる。今は、こっちに集中。ね?」
トントン、と自分の首筋を人差し指で軽く叩くルードに、おれは小さく笑った。確かに、今する話題じゃなかったと反省して、ルードが示す場所へ唇を置いてちゅっと吸う。離れると薄っすらと痕がついていた。
おれに残るような跡じゃないことに、驚いた。
「もっと強く吸ってごらん」
ルードに言われて、痕を残した横に唇を移動して、さっきより強く吸う。唇を離すと、赤い痕が残って思わず「おお……!」と口に出てしまった。キスマークってこうやってつけるのか。
「出来た?」
「はい!」
顔を上げてルードを見ると、彼はおれの付けた痕へ指を滑らせた。そして、心底嬉しそうに笑う。なんでそんなに嬉しがるんだろう? と彼を見つめると、ルードがそのままおれを押し倒した。
「私にもそういう欲があったのだな……」
ぽつりと零れたルードの言葉。その意味がわからなくて首を傾げると、ルードはただ優しく、そして欲に燃える瞳でおれを見た。その目を見ればルードがおれを欲しがっているってわかるから、ぞくりとしたものが躰中を巡る。――多分、それは歓喜だ。
求められているのがわかる。でも本当に、ルードはどうしておれのことが好きなのかが謎だ。いつか、理由を話してくれるとは思うけど。彼の言っていた時期って一体いつになるんだろう。
「少し、団長の気持ちがわかったような気がする」
「それってどういう……?」
「独占欲とか束縛とか、縁遠いものだと思っていた」
……まさか、今までの言動すべて無自覚だったのか!? そっちのほうに驚いて目を丸くすると、ルードが甘えるようにすり寄って来た。もう一度ルードの頭を撫でると、ふふ、と笑い声が聞こえてドキッとした。
「思っていた以上に、私はヒビキのことを愛しているようだ」
「ありがとうございます……?」
思っていた以上ってどれくらいのことを指すのか。おれにはわからないけれど、ルードは気を取り直したようにおれの躰を愛撫し始める。乳首を撫でられてびくっと躰が跳ねた。ルードが触れる場所すべてが性感帯になっているんじゃないかって錯覚するくらい、おれの躰はルードに順応している気が……。
乳輪を撫でまわされて、ぷっくりと赤くなった乳首を指で弾かれる。そのたびに甘い痺れが広がって、目を閉じてきゅっと唇を結ぶ。上がる嬌声が自分の声じゃない気がして恥ずかしい。今更だけど! こればかりは慣れることがない……。
ルードはおれが声を我慢するの、最初はすごく残念そうだったけど、最近ではどうやっておれを啼かせようかとあの手この手でおれの思考を溶かしてしまう。
あのローターとか蕾に挿れたものとかも多分、そのために用意されていると思う。段々と息が荒くなって、なにも考えられなくなっていく。一度も乱暴にされたことはないし、おれが快感に酔う姿を見るのが楽しいと言われたこともある。
……そのたびに、ルードはどうなんだろう、と思ったことも多々あるんだ。ルードが満足するくらいってどんなくらいなんだろうって。
「……ッ、ぁ!」
もう片方の乳首を引っ張られて甘い声が出る。やっぱり自分の声じゃないように聞こえる。ルードの頭に置いていた手を力なくシーツに投げ出し与えられる快感に翻弄された。
同じように刺激を与えられたり、別々の愛撫を受けたり。どんどんと快感が躰中に広がっていく。乳首でこんなに感じるようになるとはだれが思うか……!
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