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2章:1週間、ルードと一緒です!
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しおりを挟む「ん、んぁっ」
ぐりっと前立腺を刺激されて甲高い声が出た。的確に弱いところばかりを責めてくるのだから、声を抑えるのに必死だ。指を増やされたのがわかる。二本の指で前立腺を擦られて、思わず目をぎゅっと閉じた。
「頃合いか……?」
抜かれていく指の感触を惜しむように中が動いた。蕾が収縮したのが自分でもわかる。名残惜し気にルードの指が蕾を撫でて、それからさっき見せた道具にローションをたっぷりと垂らしてこつんと蕾に当てた。
「る、ルード……?」
「大丈夫だ、ヒビキ。怖がらなくても良い。ただ、気持ちよくなるだけだから」
にこりと微笑まれた。ルード以外を受け入れたことはないけれど、中が疼いて止まらない。正直よくわからない物よりもルードが欲しかったけど、ドライでイくというのがどういうことなのか好奇心もあって色々感情がごちゃ混ぜだ。
「挿れるぞ」
ぐっとその道具を蕾に押し当て中へと埋めていく。異物感があるけれど、耐えられないほどじゃない。ルードを受け入れる時のように数回深呼吸を繰り返すと、最後のほうは勢いよく入って来た気がした。
「これで少しの間、じっとしていると良い、らしい」
「……なんか、すごい、変な感じがするんですが……」
多分、その知り合いって人に教わったことを思い出しているのだろう。ルードの言葉は曖昧だった。
しかし少しの間ってどれくらい待てばいいんだろう。それに――。
ちらりとルードの股間に視線を向けると、そこはもう立派に勃っていて、ルード自身もきついんじゃないかと思えるほどだ。
ルードって、自分の快楽よりおれに快楽を与えることに一生懸命になっているよな……。それで彼は本当にいいんだろうか……。与えられる快感に翻弄されすぎるおれが言うのもなんだけど。
「……ルード、キスしたい」
「……しかし、それは……」
ルードが戸惑ったように眉を下げた。多分、口の中におれの出したものの味が残ってるからだ。いいから、とおれがねだるとようやくキスしてくれた。――うん、やっぱり不味い。自分の精液の味を知る日が来るとは思わなかった……。よくそれを飲んだよ、ほんとうに!
キスを何度も繰り返して、どのくらいの時間が経ったのかわからない。異物感がほとんどなくなって来た。ルードの口に残っていた味も多分消えたと思う。むしろ消えてくれ。
「……ッ、ァぁッ!」
するりとルードが下へ手を伸ばして取っ手? みたいなところを軽く引っ張った。ぐりっと前立腺を刺激されて驚いて声が上がる。しかも、なんだか勝手に動いている気がするのは気のせいか!?
「なんか、変な感じが……」
「ここに力を入れられる?」
「ん、ぁぁあッ」
蕾をツンと指で突かれて思わず中をきゅっと締めてしまう。すると、中に入っているのが勝手に前立腺を突く。
「なに、これ……ッ!?」
「ヒビキの前立腺を可愛がる道具。気持ちいいだろう?」
気持ちいい、には気持ちいいけれどッ。ドライを覚えさせようとすルードの意図がわからないし、力を入れると勝手に動くこれに戸惑いが隠せない。ぐりぐり前立腺を刺激する動きに耐えるようにシーツを握る。そして、片方の手をルードに伸ばした。
おれの手を取って、ぎゅっと握る。その目はとても……その、楽しそうに輝いていたのはなぜだろうか。
「ルード、ルード……ッ」
「大丈夫、私はここに居るから。気持ちよくなることは悪いことではないんだよ、ヒビキ。だからもっと私に見せて」
――頭の中が真っ白になりそう。耳元で甘く囁かれて脳内が蕩ける。それでもイヤイヤするように首を横に振ると、ルードは「ヒビキ?」と不思議そうにおれの名を呼んだ。
「ルードも、気持ちよくなきゃ、いやだ……ッ」
おれだけなんてやっぱりだめだ。ルードも気持ちよくならなきゃ。だってそうだろ? 一方だけが気持ちよくなるなんて、おれはいやだ。その言葉がどういう風にルードに届いたのかはわからない。ただ、彼はぎゅうっとおれを抱きしめた。
「これ以上私を魅了してどうするんだい、ヒビキ」
柔らかくも艶のある声で囁かれて躰がぴくりと動いた。それでも、ルードは慎重におれの中に入っている道具を引き抜いて、収縮を繰り返すソコに自身の昂ぶりをあてがう。触れているところが熱くて、ごくりと喉を鳴らして唾液を飲んだ。
「ゆっくり呼吸をして」
「ん……」
言われた通りに呼吸を繰り返す。おれの呼吸に合わせるようにぐっと彼の熱いモノが中へと入っていく。何度経験しても、この時には慣れない気がする。一番太いところが入り、労わるようにおれの髪を撫でる。
一度も出していないから、つらいのはルードのほうなのに。こんな時でもおれのことを気遣ってくれる彼が好きで好きでたまらない。
「だいじょうぶ、だから……、もっと深くまで……」
ルードの首筋に抱き着いてそうねだる。ルードはおれの額にキスを落として、頭を撫でていた手を腰に回して固定すると、ぐっと奥まで熱いモノを挿れた。中がルードのモノで広げられているのがわかる。熱くて、大きくて、長いモノ。それが馴染むまで待ってくれるのは、ルードが優しいから?
だんだんと、境界線がなくなっていくような感覚に襲われる。ひとつに溶けるような、そんな感覚。この感覚が教えてくれるんだ、ルードがどれだけおれを大事にしてくれているのかってことを。動きたくて仕方ないだろうに、おれを気遣って耐えてくれるルード。
おれが落ち着くのを待って、「大丈夫か?」と。だからおれはこくんとうなずく。ルードの腰が緩やかに動き始める。中を乱暴に突き上げることなんてしないし、多分彼の頭にあるのはどうやっておれを気持ちよくさせるか、なのだろう。探るように内壁を擦られて「んぁっ!」と甘い声が出た。
「もっと聞かせて」
うっとりと呟かれておれはぎゅっと彼に抱き着く。息が荒くなっていくのを聞いて、ちゃんとルードも気持ちいいんだって安心してしまう。もっと気持ちよくなってもらいたくて、意図的に蕾を締めてみると、「こら」って怒られる。そんな些細なやり取りでさえ、心を満たしてくれて、後はもう、ルードに身を任せることしか出来なくなる。
「ぁっ、あぁあっ」
おれの口からは喘ぎ声が溢れて、ルードも快感に耐えるように「……ッ、ふっ……」と小さく息を漏らすのだ。その声を聞くのが好きだ。きっと、おれしか知らない声だから。
「気持ちいいか、ヒビキ?」
「ん、ぁ! きもち、いい……ッ、んぅ、ルード、は……?」
「気持ちいいぞ、とても、なッ」
ぐっと最奥を突かれて「ひぁっ」となんとも変な声が出た。ルードが気持ちいいのなら、おれも嬉しい。初めて抱かれた頃に比べて、その気持ちはとても強くなっていったと思う。そもそも最初に抱かれた時はルードのことをどう思っているのかなんて、考えてもいなかったしな……。
きっとルードに余裕がないのだろう、おれの感じるところを的確に刺激し、さらにおれのを手で扱く。感じすぎて頭の中が真っ白になっていく。嬌声が上がる前にルードがおれの唇を唇で塞いで、それと同時にふたりで果てた。中にルードのが放たれているのを感じて、躰が震えた。
唇が離れて、その代わりに額へとキスが降る。
「……ルード」
「なんだい、ヒビキ」
「だいすきです」
「私もヒビキが大好きだよ。今日はもうお休み。明日から、王都の観光だからね」
「……はい」
おれがうとうとし始めていることに気付いたルードは、優しくそう言った。多分、このまま眠るおれを風呂場へと連れて行って、中に出したものの後処理をしてくれる気なのだろう。ずるりと引き抜かれて躰が快感でぞくりとしたが、眠気のほうが勝った。ベッドの上に倒れこむようにして目を閉じる。ルードが、「ゆっくりおやすみ」とおやすみのキスを唇にしたことだけ、覚えていた。
――あとはもう、眠ってしまって覚えていない。
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