【本編完結】十八禁BLゲームの中に迷い込んだら、攻略キャラのひとりに溺愛されました! ~連載版!~

海里

文字の大きさ
上 下
8 / 222
1章:十八禁BLゲームの中に迷い込みました!

7

しおりを挟む

 ぐいっとおれの躰を引き寄せて頬に手を滑らす。至近距離で見つめ合う形になっておれは肩を跳ねさせた。そして彼の瞳に映るおれの表情に驚いた。なんだこの甘ったるい表情は!
 ルードはおれの唇に親指を当ててゆっくりとなぞる。その顔はとても楽しげに口元に弧を描いていて、彼の口から次に発せられる言葉の予想がついた。

「ヒビキを可愛がるほうが楽しい」

 絶対言うと思った! 想像通り! いや楽しいってどういうことだ!

「今日もたっぷり可愛がってあげよう」
「……た、楽しそうデスネ」
「楽しいぞ」

 おれの唇をなぞっていた手がするりと首筋を撫でる。ぴくりと躰を揺らすとルードはそのまま胸元まで手を滑らせる。服の上から的確に乳首に触れて、焦れったいようなもどかしい快感が広がっていく。きゅっと親指と人差し指で摘まれ、軽く上下に動かされる。

「ンッ、ぁ……!」

 甘い声が口から溢れた。簡単に快楽を拾ってしまう自分の躰が恨めしい……!

「ほら、こうやってすぐに感じてしまう」

 ルードは心底楽しそうにおれの乳首をクリクリと捏ねくりまわし、甘い痺れが腰に熱を集めていく。いや、だからやっぱりおかしいだろ! 昨日も散々出したのになんでこんなにすぐ反応するんだ!
 快楽に弱すぎないか、おれの躰!

「とりあえず風呂に入るとしようか」

 彼の言葉に小さくうなずく。三日目にして一緒にお風呂に入ることを疑問に思わない自分が怖い。まぁ、ほら、兄と入っていると思えば……、おれ兄貴居なかったけどな!
 でも髪を洗ってもらうのは心地いい。ルードの髪を洗うのも楽しかった。生活魔法とやらですぐに髪が乾くのは便利だと思う。生活魔法って他にどんなのがあるんだろう。
 ルードとお風呂に入りながら、そんなことを考えていた。
 バスローブに身を包んで、ルードに横抱きされて寝室に向かう。毎回のことだけど、なぜ横抱き!?
 寝室に入るとルードはおれをベッドに座らせてから扉の鍵を閉めた。そして、おれの元に来るとそのままバスローブの結び目を解く。ぱらりとバスローブがはだけて裸になる様子を、目元を細めてルードが見る。

「今日はこちらから愛撫してみよう」
「えっ、ちょっ!?」

 おれをベッドに押し倒すとごろんとうつ伏せにさせて、脚を撫でる。確かにそっちからされたことはない――って違うっ!
 脚をマッサージするように撫でて行く。下から上へとなぞられて、くすぐったい。ルードがローションを取り出しておれの脚に塗っていく。時折ちゅっ、ちゅっとわざとらしく音を出して吸い付く。足首からふくらはぎ、ふくらはぎから太ももとローションを塗る手がどんどん上がっていく。
 しかしなんだか、マッサージされているようで違う意味で気持ちよくなってきた。すっかりリラックスして力が抜けていく。が、次の瞬間びくっと躰が跳ねた。ルードの手がおれの尻を揉み始めたから。
 強弱をつけて揉んで、じわじわとそこから快感が広がっていく感じがした。ローションを足してさらに満遍なく揉む。尻の割れ目にも手を入れて隅々にローションを塗るかのように手を動かすルードに、おれはぎゅっとシーツを握った。

「ヒビキのここはとてもスベスベしているな。触り心地が良い」
「……ひ、ぁ!」

 尻を揉みながらちゅ、と腰に唇を落とす感触がした。それからぺろりと舐められて、よくわからない感覚にますますシーツを握る手に力が入る。
 ルードはおれの尻の割れ目を撫でて、奥の蕾に触れる。つぷ、と中指が一本中に入ってくる。昨日、一昨日と弄られていたからかあまり抵抗感がない。ルードは一旦指を引き抜いて、おれの膝を立てせると腰をぐっと突き上げるようにした。

「る、ルード!?」
「こちらのほうがやりやすい。……おや、ふふ。もうトロトロじゃないか」

 言うな、わかっているから!
 腰を高く上げたことでおれのモノがたらたらと先走りを流してシーツに水たまりを作っているのがバレた。居た堪れなくて頬が赤くなっていくのがわかる。尻を揉まれただけでこうなるっておかしいよな!?
 ルードはおれのモノに手を添えて、緩やかに扱く。快感があっという間に躰に広がって、おれは唇を噛み締める。油断すると自分でも信じられないくらいの高い声が出そうだった。

「声は抑えないほうがいい」

 ふるふると首を横に振ってみる。ルードがくすりと笑う気配がした。

「なら、声を出させてあげなければな」

 そう言ってルードはおれのモノから手を離して、また蕾へと中指を挿れる。中の感じるところ――前立腺を掠められて腰が揺れた。そこだけを刺激されて「ん、んぅ」と唸るような声が漏れる。

「柔らかくなってきたぞ」

 一度中指を抜いて、今度は二本の指が中に入る。慣れてきたからか、圧迫感は感じない。ただなにかが入っているっていう感覚だけがあって、不思議な感覚だ。――いや、だからおれの躰おかしいよな!?
 三日目にしてなんでこんなに……?

「痛いか?」

 ルードに聞かれて首を横に振った。痛みはないけれどやっぱり不思議な感じ。二本の指で中を広げていく。じっくりと時間を掛けて。ローションを足したりして、本当にゆっくりと指と中を馴染ませていく。
 また指を抜いて、三本の指が一気に中に入ってきた。

「んんっ!」

 キツイ、流石にキツイ……! それでも快楽に従順なおれの躰はルードの指をきちんと飲み込んでいく。痛みはない、だけど圧迫感が強い……! ぐりっと三本の指で前立腺を刺激されて「ひぁ、あああっ!」と高い声が出た。唇を噛んでいた意味がない。
 ルードは三本の指でおれの中をかき回す。徐々に徐々に圧迫感だけじゃなく甘く痺れるくらいの快感が広がり始めた。時折前立腺を狙われ、グチュグチュという音を立てながら指が動かされる。

「……ヒビキ、知っているかい?」
「んぁっ! な、にを……?」
「このくらいココが広がれば、私のモノを受け入れられるということを」
「え――……」

 ――ああ、そうだ、おれがルードを受け入れられる状態になったら――……。
 ……い、いよいよ抱かれてしまうのか、おれ! あれ? でもなんでだろう。三日前と比べてルードに抱かれるってことに抵抗感がない……?

「ヒビキは初めてだろう? 本来ならこのまま繋がるほうがヒビキの躰に負担は少ないが……、どちらがいい?」
「どちらが……とは……?」
「このまま繋がるのと、正常位で繋がるのと、どちらがいい?」

 このまま繋がるのと正常位で繋がるのと、ルードの言葉を頭の中で繰り返して、選択を迫られていることに気付きどうすればいいのかわからなくなった。だってどっちを選んでも抱かれることに違いはない。

「どちらがいい、ヒビキ?」

 おれに覆い被さるように密着して、耳元で囁かれる。彼の低音はとても甘くおれの鼓膜を揺さぶる。

「か、おが、見えるほうが、いい……」

 ようやく出た声は小さく震えていた。抱かれるってことに対しての恐怖心はまだあるけれど、これだけ大切にしてくれるルードになら抱かれてもいいと思ってしまう。
 おれの言葉を聞いて、ルードは「そうか」と嬉しげに呟いて中の指をゆっくりと抜いた。蕾が物足りなさそうにヒクヒクと収縮しているのを感じて、本当にこの躰はっ! とシーツに顔を埋めるしかできなかった。
 おれを仰向けにすると、ルードは自分のバスローブを脱いでベッドの外に放る。それから、おれの膝裏を持ってルードは己のモノを蕾にあてがう。
 い、いよいよ抱かれるのか……!
 おれの緊張を感じ取ったのか、ルードの唇がおれの太ももに触れた。ちゅっと軽く吸われて、ピクンと躰が動く。
 そっと彼に視線を向けると、ルードは柔らかく微笑んだ。なんでこんな……嬉しそうにおれを抱こうとするのだろう。

「挿れるぞ」
「……ん」

 こくり、と首を縦に動かす。ぐっとおれの中に熱くて太くて長いモノが入っていく感覚が広がっていく。指よりも質量のあるモノが入っていく感覚に思わず息を飲む。ルードはそれに気付いて、おれのモノを軽く握って扱く。

「ひぁぁあっ」

 中がルードのモノで広がって痛みを感じる。それなのに前を触られて声が出た。痛みで萎えていたモノを優しく扱かれて、痛みと快感でどうすればいいのかわからない。

「あ、ぁぁああっ」
「――ッ、やはり、キツイ、な……」

 ルードも痛みを感じているのだろう。そのキレイな顔にしっかりと眉間の皺が刻まれていた。痛いからか快感からなのかよくわからない感覚に目の前がぼやける。

「ゆっくり呼吸を繰り返してごらん」

 おれは深呼吸を繰り返す。痛みが少しマシになった。だけど、ルードのモノを締め付けてしまい、中々彼も動けないようだ。ようやく少し力を抜けるようになったのを狙っていたかのように、ルードが動く。
 一番太いところを挿れて、それが馴染むまで互いに動かなかった。いや、動けなかった。

「……大丈夫か?」
「……な、んとか……?」

 彼の長い髪がおれの頬をくすぐる。それすら刺激になって、気持ちよさに変わっていく。そう、痛みだけじゃない快感を既に中で拾ってしまっている。

「ヒビキの中は熱いな」
「……んぁっ、ひぅ、あぁああっ!」

 目元を細めてそう囁くような声で呟くルード。その甘い声で囁くように呟くのは結構腰にクるからやめてほしい! とは流石に口に出せず……。おれの力が抜けたのを見計らって一気に貫かれた。

「全部、入ったぞ、わかるか……?」
「るー、ど、ので……いっぱい、なのはわかる……」

 お腹に手を置いてそう答えると、ルードはおれの目尻に浮かんだ涙を舐めとってから嬉しそうに笑った。おれの躰がルードのモノに馴染むまで、時間は掛からなかった。痛みよりもジンとした痺れが腰に走る。

「も、だいじょうぶ……!」
「……ならば、動くぞ」

 ぐっとおれの腰を掴んでルードが動き始める。最初はゆっくりとした動きだったけれど、段々に激しいものに変わっていく。中が擦られる感覚は指よりもすごく、時折狙ったかのように前立腺を掠める。浅いところと深いところを順番に責められておれの口からは嬌声が途切れない。
 きゅうっと意識していないのに中でルードのモノを締め付ける。ルードの表情が快感で歪むのを見て、なんとなく嬉しくなった。

「私につかまりなさい」

 シーツを掴んでいたおれの手を自分の首に回す。ぎゅっと彼にしがみつくと、ルードは抱き返してくれた。それから一定のリズムでおれの躰を揺さぶる。

「ぁ、あ、ぁああっ」

 ひっきりなしに甘い声が溢れる。ルードの息も荒くなっているのがわかる。二日間、ほぼ余裕の表情しか見ていないから新鮮な気持ちになった。ちゃんとおれで感じているっていうのがわかって、安心したのもあるかもしれない。
 クチュクチュとルードがおれのモノを扱き、水音が室内に響く。もう限界が近い。目の前がチカチカとした。

「んぁ、も、だ、出る……!」
「ああ……」

 ルードにしがみついてそう伝えると、ルードはおれのモノを強く扱き、イかせようとする。快感が全身に走り、ぐりっと先端の窪みを指で押されたのと同時に最奥を突かれて、ルードのモノを締め付けた。

「あ、あ、あァァあああッ!」
「――ッ……」

 ルードも一緒に出したのだろう、中に熱いものが広がっていくのを感じた。
 はぁ、はぁ、と肩で息をしていると、ルードはおれの前髪を掻き上げて額に唇を落とした。

「よく頑張ったな、ヒビキ」

 ふわりと微笑むルードの表情はとても幸せそうで、彼のこの表情を見られるのなら抱かれるのも悪くないのかもしれない、なんて考えて――そのまま意識を失った。
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

異世界で騎士団寮長になりまして

円山ゆに
BL
⭐︎ 書籍発売‼︎2023年1月16日頃から順次出荷予定⭐︎溺愛系異世界ファンタジーB L⭐︎ 天涯孤独の20歳、蒼太(そうた)は大の貧乏で節約の鬼。ある日、転がる500円玉を追いかけて迷い込んだ先は異世界・ライン王国だった。 王立第二騎士団団長レオナードと副団長のリアに助けられた蒼太は、彼らの提案で騎士団寮の寮長として雇われることに。 異世界で一から節約生活をしようと意気込む蒼太だったが、なんと寮長は騎士団団長と婚姻関係を結ぶ決まりがあるという。さらにレオナードとリアは同じ一人を生涯の伴侶とする契りを結んでいた。 「つ、つまり僕は二人と結婚するってこと?」 「「そういうこと」」 グイグイ迫ってくる二人のイケメン騎士に振り回されながらも寮長の仕事をこなす蒼太だったが、次第に二人に惹かれていく。 一方、王国の首都では不穏な空気が流れていた。 やがて明かされる寮長のもう一つの役割と、蒼太が異世界にきた理由とは。 二人の騎士に溺愛される節約男子の異世界ファンタジーB Lです!

親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話

gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、 立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。 タイトルそのままですみません。

異世界に転移したら運命の人の膝の上でした!

鳴海
BL
ある日、異世界に転移した天音(あまね)は、そこでハインツという名のカイネルシア帝国の皇帝に出会った。 この世界では異世界転移者は”界渡り人”と呼ばれる神からの預かり子で、界渡り人の幸せがこの国の繁栄に大きく関与すると言われている。 界渡り人に幸せになってもらいたいハインツのおかげで離宮に住むことになった天音は、日本にいた頃の何倍も贅沢な暮らしをさせてもらえることになった。 そんな天音がやっと異世界での生活に慣れた頃、なぜか危険な目に遭い始めて……。

異世界で王子様な先輩に溺愛されちゃってます

野良猫のらん
BL
手違いで異世界に召喚されてしまったマコトは、元の世界に戻ることもできず異世界で就職した。 得た職は冒険者ギルドの職員だった。 金髪翠眼でチャラい先輩フェリックスに苦手意識を抱くが、元の世界でマコトを散々に扱ったブラック企業の上司とは違い、彼は優しく接してくれた。 マコトはフェリックスを先輩と呼び慕うようになり、お昼を食べるにも何をするにも一緒に行動するようになった。 夜はオススメの飲食店を紹介してもらって一緒に食べにいき、お祭りにも一緒にいき、秋になったらハイキングを……ってあれ、これデートじゃない!? しかもしかも先輩は、実は王子様で……。 以前投稿した『冒険者ギルドで働いてたら親切な先輩に恋しちゃいました』の長編バージョンです。

異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話

深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?

愛していた王に捨てられて愛人になった少年は騎士に娶られる

彩月野生
BL
湖に落ちた十六歳の少年文斗は異世界にやって来てしまった。 国王と愛し合うようになった筈なのに、王は突然妃を迎え、文斗は愛人として扱われるようになり、さらには騎士と結婚して子供を産めと強要されてしまう。 王を愛する気持ちを捨てられないまま、文斗は騎士との結婚生活を送るのだが、騎士への感情の変化に戸惑うようになる。 (誤字脱字報告は不要)

大魔法使いに生まれ変わったので森に引きこもります

かとらり。
BL
 前世でやっていたRPGの中ボスの大魔法使いに生まれ変わった僕。  勇者に倒されるのは嫌なので、大人しくアイテムを渡して帰ってもらい、塔に引きこもってセカンドライフを楽しむことにした。  風の噂で勇者が魔王を倒したことを聞いて安心していたら、森の中に小さな男の子が転がり込んでくる。  どうやらその子どもは勇者の子供らしく…

【完結】俺はずっと、おまえのお嫁さんになりたかったんだ。

ペガサスサクラ
BL
※あらすじ、後半の内容にやや二章のネタバレを含みます。 幼なじみの悠也に、恋心を抱くことに罪悪感を持ち続ける楓。 逃げるように東京の大学に行き、田舎故郷に二度と帰るつもりもなかったが、大学三年の夏休みに母親からの電話をきっかけに帰省することになる。 見慣れた駅のホームには、悠也が待っていた。あの頃と変わらない無邪気な笑顔のままー。 何年もずっと連絡をとらずにいた自分を笑って許す悠也に、楓は戸惑いながらも、そばにいたい、という気持ちを抑えられず一緒に過ごすようになる。もう少し今だけ、この夏が終わったら今度こそ悠也のもとを去るのだと言い聞かせながら。 しかしある夜、悠也が、「ずっと親友だ」と自分に無邪気に伝えてくることに耐えきれなくなった楓は…。 お互いを大切に思いながらも、「すき」の色が違うこととうまく向き合えない、不器用な少年二人の物語。 主人公楓目線の、片思いBL。 プラトニックラブ。 いいね、感想大変励みになっています!読んでくださって本当にありがとうございます。 2024.11.27 無事本編完結しました。感謝。 最終章投稿後、第四章 3.5話を追記しています。 (この回は箸休めのようなものなので、読まなくても次の章に差し支えはないです。) 番外編は、2人の高校時代のお話。

処理中です...