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2.彼女と沈む快楽の海
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快楽の海、
その水面に揺蕩うように、僕は溺れていた。
性科学的には、何か仕組みがあるのだろう。
残念ながら、その分野は専門外だ。興味はあったし、今もあるけれど。
知識も中学生の保健体育くらいすらない、忘却の彼方だ。
だけれど、理由や原理が分からずとも、この快楽を享受することはできる。
なら、それで十分だろう。
「気持ちいですか?」
「……ああ、気持ちいい」
意味のない、回答が分かりきっている質問。
けれど、彼女は僕の返答に満足そうに微笑む。
そして、質問の言葉を発した舌をねぷりと僕の口に滑り込ませる。
ちゅぱちゅぱと、卑猥な音が鼓膜を揺らす。
その音で、余計に僕の股間の紳士は硬直していく。
最早、紳士ではいられそうにない。
野獣と化すかもしれない。
「ーーごめん」
短く言って、彼女を床に押し倒す。
きゃっ、と可愛い声が漏れるのが聞こえた。
聞こえたが、僕の行動は止められない。
首元を舐めるようにキスをしていく。
汗の味だろうか、ほのかにしょっぱい。
そこらへんの構造は人間と同じなのだろうか。
実に興味深い、
興味深いのだが、今はそれどころではない。
攻守の変更。
ここからは僕のターン。
正しくは、理性から本能へのバトンタッチ。
人間と淫魔の構造の違いへの考察は、これが終わってからでいい。
行為が終われば、賢者的時間がある。
凡人の時よりも、少しでも利口な状態で考えた方が思考も捗るというものだ。
「んぁ…、っそこ、ちょっと….ああっ!」
継ぎ接ぎの言葉が、彼女の口から溢れた。
切なく、どこか愛おしい。
これが性行為を生業とする淫魔がする表情とは思えない。
その演技力には脱帽ものだ。
嫌がっているようで、その実嫌がっていない。
その曖昧な表情が、嗜虐心を刺激していく。
もっとこの声を聞きたい、
もっと彼女の表情を楽しみたい。
もっと、
もっと、
もっとーー
僕は左手で彼女の両腕を拘束し、唇を奪う
予想どおり、僕の中の紳士は野獣にのまれた。
「……むぅ、むむっぅう、むぐっむぐう……むーー」
彼女の呼吸が、直接僕の口の中に広がる。
むぐむぐと何かを言おうとしているが、反抗する気配はまるでない。
それはそうだろう、彼女自身も、この行為をするためにここに来ている。
完全に同意の上での行為。
嫌がる素振りも言葉も、盛り上げるためのスパイスに過ぎない。
そうである筈なのに、この現実感。
なんというプロ根性か!
拘束を続けながら、自由である右手で彼女の肩をそっと撫でる。
華奢な体つき、
それでいて、しっとりした柔らかな質感。
だが、それだけでは満足できず、
僕の右手は本能のままに彼女の胸へと伸びていく。
優しく、という余裕は僕にはなかった。
かと言って、僕の腕力・握力では暴力的な行動へは推移しない。
結果、どちらにも振り切れない、雑な手つきで彼女の片乳に触れる。
弾力性を持ちながら、それでいて張りもある。
掌に収まる程度の程よいサイズ感。
ただの脂肪の塊であるはずのそれは、僕の興味を捉えて離さない。
握っているのは僕のほうなのに、
触れるも離すも僕の自由意志のはずなのに。
夢中で僕は彼女の胸に触れて、揉んで、握って、撫でた。
もにゅ、
むにゅ、
ぽにゅ。
そんな気の抜けた、どこか愛らしい効果音が背景に出そうな。
「依知、さん」
急に、彼女が口を開いた。
「あの、お願いがあるんですけど」
頬を赤らめ、
目線を少し逸らし、
「舐めてもらって、いいですか?」
そう言いつつ、
僕の顔を、
自身の胸に押し込んで。
その水面に揺蕩うように、僕は溺れていた。
性科学的には、何か仕組みがあるのだろう。
残念ながら、その分野は専門外だ。興味はあったし、今もあるけれど。
知識も中学生の保健体育くらいすらない、忘却の彼方だ。
だけれど、理由や原理が分からずとも、この快楽を享受することはできる。
なら、それで十分だろう。
「気持ちいですか?」
「……ああ、気持ちいい」
意味のない、回答が分かりきっている質問。
けれど、彼女は僕の返答に満足そうに微笑む。
そして、質問の言葉を発した舌をねぷりと僕の口に滑り込ませる。
ちゅぱちゅぱと、卑猥な音が鼓膜を揺らす。
その音で、余計に僕の股間の紳士は硬直していく。
最早、紳士ではいられそうにない。
野獣と化すかもしれない。
「ーーごめん」
短く言って、彼女を床に押し倒す。
きゃっ、と可愛い声が漏れるのが聞こえた。
聞こえたが、僕の行動は止められない。
首元を舐めるようにキスをしていく。
汗の味だろうか、ほのかにしょっぱい。
そこらへんの構造は人間と同じなのだろうか。
実に興味深い、
興味深いのだが、今はそれどころではない。
攻守の変更。
ここからは僕のターン。
正しくは、理性から本能へのバトンタッチ。
人間と淫魔の構造の違いへの考察は、これが終わってからでいい。
行為が終われば、賢者的時間がある。
凡人の時よりも、少しでも利口な状態で考えた方が思考も捗るというものだ。
「んぁ…、っそこ、ちょっと….ああっ!」
継ぎ接ぎの言葉が、彼女の口から溢れた。
切なく、どこか愛おしい。
これが性行為を生業とする淫魔がする表情とは思えない。
その演技力には脱帽ものだ。
嫌がっているようで、その実嫌がっていない。
その曖昧な表情が、嗜虐心を刺激していく。
もっとこの声を聞きたい、
もっと彼女の表情を楽しみたい。
もっと、
もっと、
もっとーー
僕は左手で彼女の両腕を拘束し、唇を奪う
予想どおり、僕の中の紳士は野獣にのまれた。
「……むぅ、むむっぅう、むぐっむぐう……むーー」
彼女の呼吸が、直接僕の口の中に広がる。
むぐむぐと何かを言おうとしているが、反抗する気配はまるでない。
それはそうだろう、彼女自身も、この行為をするためにここに来ている。
完全に同意の上での行為。
嫌がる素振りも言葉も、盛り上げるためのスパイスに過ぎない。
そうである筈なのに、この現実感。
なんというプロ根性か!
拘束を続けながら、自由である右手で彼女の肩をそっと撫でる。
華奢な体つき、
それでいて、しっとりした柔らかな質感。
だが、それだけでは満足できず、
僕の右手は本能のままに彼女の胸へと伸びていく。
優しく、という余裕は僕にはなかった。
かと言って、僕の腕力・握力では暴力的な行動へは推移しない。
結果、どちらにも振り切れない、雑な手つきで彼女の片乳に触れる。
弾力性を持ちながら、それでいて張りもある。
掌に収まる程度の程よいサイズ感。
ただの脂肪の塊であるはずのそれは、僕の興味を捉えて離さない。
握っているのは僕のほうなのに、
触れるも離すも僕の自由意志のはずなのに。
夢中で僕は彼女の胸に触れて、揉んで、握って、撫でた。
もにゅ、
むにゅ、
ぽにゅ。
そんな気の抜けた、どこか愛らしい効果音が背景に出そうな。
「依知、さん」
急に、彼女が口を開いた。
「あの、お願いがあるんですけど」
頬を赤らめ、
目線を少し逸らし、
「舐めてもらって、いいですか?」
そう言いつつ、
僕の顔を、
自身の胸に押し込んで。
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