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第一章
男は皆狼なんて冗談だと思ってた 2
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アレンは身体に感じる違和感で目を覚ました。身体が火照って、熱があるのかもしれない…。身を起こそうとすると、腕が動かないことに気づいた。ガシャッという音がして、顔の上に伸ばされた手首を見ると、手錠でベッドサイドに拘束されていた。
「なんだ…これ…?」
アレンは血の気が引いた。すぐには状況を飲み込めなかった。昨日、谷垣の家に泊まり、カモミールティーを飲んでベッドでぐっすり眠ったはずだ。仕事の疲れで、すぐに眠りに落ちた記憶がある。
(寝てる間に何があった?ジュンはどこに?それに、この熱っぽさ…。頭がうまく働かない…。まさか…クスリを盛られたのか?)
アレンはこの感覚を知っていた。若い頃、ドラッグ中毒だった時に感じた、高揚感。
(エクスタシーか…)
その時、ドアが開く音がして、谷垣が入ってきた。
「レンカさん、目が覚めましたか?」
谷垣は落ち着いた様子で、ゆっくりとベッドに近づいてきた。
「おい…冗談だろ。今すぐこの手錠を外せよ。」
「どうしてです?これから楽しい時間が始まるというのに…あなたも興奮しているじゃないですか。」
「…俺にクスリを飲ませたな。」
谷垣はニヤリと笑い、アレンの上にのしかかって顔を近づけた。アレンの柔らかな金髪を撫でながら、うっとりとした表情を浮かべる。
「レンカさん…本当に美しい。初めて会ったときから、ずっとこの瞬間を待っていました…あなたを自分のものにする日を。」
「や…やめろっ…!」
アレンは全力で抵抗しようとしたが、手首を拘束されているため、身動きが取れなかった。
「…んっ…」
谷垣はアレンの顎に手をかけ、強引に口づけし、舌を絡ませてきた。ねっとりとしたキスで、長い時間をかけてアレンの口内を蹂躙していく。
嫌悪感を抱いているのに、身体は興奮してしまうのが悔しい。ようやく唇が離れると、アレンは荒い息をついた。
「あっ…はぁっ…やめろ…」
「かわいいですね、レンカさん。俺のキスで感じてくれているんだ。」
谷垣はうっとりとした目でアレンを見つめながら、シャツのボタンを外し始めた。
「はい、サンクリエイト株式会社です。柳沢でございますね?少々お待ちください。」
渋谷にある広告会社、サンクリエイトのオフィスで電話を受けた女性が営業部の柳沢を呼んだ。
「柳沢さん、ヒカルコーポレーションの荻原さんからお電話です。」
「ヒカルコーポレーション?そんな名前、覚えがないな…。わかった、代わるよ。」
柳沢は首をかしげながら電話を取った。
「柳沢さぁん、最近お店に来てくれなくて寂しいわぁ。ヒカルママでぇす。」
「げっ…ヒカル?!ちょ、ちょっとお待ちください。こちらから掛け直しますから!」
「逃げたら会社に直接押しかけるからな。1分以内に今から言う俺の携帯に電話しろ。」
光輝がドスの効いた声で脅すと、柳沢は慌てて顔色を変え、スマホを手に屋上に走った。
「困りますよ…会社に電話なんてされちゃ…」
「緊急事態だ。お前の後輩の谷垣の住所、知ってるか?」
「え?谷垣?あいつ今日は有給で会社には来てませんが、一度家に行ったことがあるんで住所はわかりますよ。」
「今すぐ教えろ。」
ディーンは光輝からの連絡を待ちながら、焦燥感で部屋の中を行ったり来たりしていた。光輝は谷垣の会社の先輩、柳沢という男に連絡を取って住所を調べると言っていたのだ。
その時、テーブルの上のスマホが振動した。ワンコールで電話に出ると、やはり光輝だった。
「谷垣の住所がわかったぞ。高田馬場だ。」
「なんだ…これ…?」
アレンは血の気が引いた。すぐには状況を飲み込めなかった。昨日、谷垣の家に泊まり、カモミールティーを飲んでベッドでぐっすり眠ったはずだ。仕事の疲れで、すぐに眠りに落ちた記憶がある。
(寝てる間に何があった?ジュンはどこに?それに、この熱っぽさ…。頭がうまく働かない…。まさか…クスリを盛られたのか?)
アレンはこの感覚を知っていた。若い頃、ドラッグ中毒だった時に感じた、高揚感。
(エクスタシーか…)
その時、ドアが開く音がして、谷垣が入ってきた。
「レンカさん、目が覚めましたか?」
谷垣は落ち着いた様子で、ゆっくりとベッドに近づいてきた。
「おい…冗談だろ。今すぐこの手錠を外せよ。」
「どうしてです?これから楽しい時間が始まるというのに…あなたも興奮しているじゃないですか。」
「…俺にクスリを飲ませたな。」
谷垣はニヤリと笑い、アレンの上にのしかかって顔を近づけた。アレンの柔らかな金髪を撫でながら、うっとりとした表情を浮かべる。
「レンカさん…本当に美しい。初めて会ったときから、ずっとこの瞬間を待っていました…あなたを自分のものにする日を。」
「や…やめろっ…!」
アレンは全力で抵抗しようとしたが、手首を拘束されているため、身動きが取れなかった。
「…んっ…」
谷垣はアレンの顎に手をかけ、強引に口づけし、舌を絡ませてきた。ねっとりとしたキスで、長い時間をかけてアレンの口内を蹂躙していく。
嫌悪感を抱いているのに、身体は興奮してしまうのが悔しい。ようやく唇が離れると、アレンは荒い息をついた。
「あっ…はぁっ…やめろ…」
「かわいいですね、レンカさん。俺のキスで感じてくれているんだ。」
谷垣はうっとりとした目でアレンを見つめながら、シャツのボタンを外し始めた。
「はい、サンクリエイト株式会社です。柳沢でございますね?少々お待ちください。」
渋谷にある広告会社、サンクリエイトのオフィスで電話を受けた女性が営業部の柳沢を呼んだ。
「柳沢さん、ヒカルコーポレーションの荻原さんからお電話です。」
「ヒカルコーポレーション?そんな名前、覚えがないな…。わかった、代わるよ。」
柳沢は首をかしげながら電話を取った。
「柳沢さぁん、最近お店に来てくれなくて寂しいわぁ。ヒカルママでぇす。」
「げっ…ヒカル?!ちょ、ちょっとお待ちください。こちらから掛け直しますから!」
「逃げたら会社に直接押しかけるからな。1分以内に今から言う俺の携帯に電話しろ。」
光輝がドスの効いた声で脅すと、柳沢は慌てて顔色を変え、スマホを手に屋上に走った。
「困りますよ…会社に電話なんてされちゃ…」
「緊急事態だ。お前の後輩の谷垣の住所、知ってるか?」
「え?谷垣?あいつ今日は有給で会社には来てませんが、一度家に行ったことがあるんで住所はわかりますよ。」
「今すぐ教えろ。」
ディーンは光輝からの連絡を待ちながら、焦燥感で部屋の中を行ったり来たりしていた。光輝は谷垣の会社の先輩、柳沢という男に連絡を取って住所を調べると言っていたのだ。
その時、テーブルの上のスマホが振動した。ワンコールで電話に出ると、やはり光輝だった。
「谷垣の住所がわかったぞ。高田馬場だ。」
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