不確定恋愛。

小都

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不確定恋愛。

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うぅ・・・きつい・・・

朝のラッシュの満員電車はきつい。
押されるし身動きとれないし足は踏まれるし
空気は薄いし何だか臭い。

気分が悪くなる人もたまに見かける。

毎日毎日の事だし、少しずつどうすれば自分が楽か、というのは学んだけれど
6駅で20分。
この距離と時間が何よりも苦痛なのはずっと変わらなかった。










「降ります!降ろしてください!」
ぎゅうぎゅう詰めの中、何とか人の波をかき分けて高校の最寄り駅で降りる。
毎朝毎朝、降りるのも一苦労なんて・・・
まだ高校一年なのに、これがあと二年以上も続くのかと思うと・・・

あ、朝から嫌な想像しちゃったなぁ。

げっそりとしながら俺はホームを歩きだした。


けど、その時、変な違和感を覚える。

・・・また?

ここ数日、何だか視線を感じるんだ。


始まりは、一ヶ月くらい前だった。
視線を感じて振り返っても、別に俺を見ている人はいない。
そんな事がたまにあるような気がしたけれど
ここ数日は異常だ。

ほぼ、毎日。
しかも駅のホームで感じる事が多い。

勘違いかもしれない。
ただの自意識過剰だっていうのも分かる。

でも本当にただの偶然なんだろうか?

本当に?


そう思って前を見た時、一人の人と視線がぶつかった。

「あ、」

そう呟いた時にはすでに、その人は視線を外して歩いて行ってしまった。


佐藤道隆。確か、そう書いてあったはずだ。


約一か月前に俺が拾った生徒手帳。
確か二年生で、俺より一個上。

駅の近くでそれを拾って、どうしようかと思っていた時に
駅の前で探し物をしている人を見つけた。

「もしかしてこれですか?」

そう声をかけると驚いたように俺を見つめた。

「ありがとう、どうしてこれを?」
「すぐそこで、拾って。何か探してるみたいだったから、もしかしたらって」
「そうか・・・ありがとう」

そんな他愛もない会話。

だけどそれから、その佐藤道隆とは
実は同じ時間の同じ車両に乗っている事を知ったり、
たまに目が合う事があったりして、

少し気になるような、少し気まずいような、
そんな存在だった。


「おーい幹!」
「おーおはよー健」

名前を呼ばれて振り返ると、クラスメイトの長崎健がいた。
そのすぐ後に首に片腕をまわされてぎゅっと締めつけられる。

「おま!」
「なぁなぁ、最近どうよ?」
「え?」

腕がまわされて少し近づいた距離でこそりと、健は言う。
「ほら、例の。なんかストーカー?」
「あぁ」

仲のいいこいつには話していたんだっけ。

視線を感じる他にも、最近困っているのが

「なんか、帰り道でつけられてる気がするって言ってたろ?」
「・・・あぁ」

気のせいかもしれない。
けど、気のせいじゃないかもしれない。

そんな、あやふやな現実。
でも、まさかだろ?
俺は男だし、女みたいな顔をしてるわけでもないのに。

そんな物好き、いるかよ。

「今の世の中、分からないぜ?BLが流行ってる時代だし」
「はぁ?何それ」
「ボーイズラブって意味だって。男同士の恋愛が、流行ってるの」
「気持ち悪い」

そう言って俺は健の腕を力づくで外した。

「そう言うなって」
「お前、もう近寄るな」
「お前なぁ、俺は違うって知ってるだろ?彼女いるし」

そう言う健をじろっと睨むと、
健は降参とでも言うように両手をあげた。

「詳しいな、お前」
それでもじとっと睨み続けてやると、健ははぁとため息をつく。

「俺の噂の彼女がなぁ・・・そういうの好きなんだよ」
「はぁ?」
「男同士の禁断の恋が、萌えなんだと」

その一言で、俺の周りの空気が凍りつく。
それが、健にも通じたのだろう。

「そう思うだろ?俺だって、それはちょっとって思うさ。
 だけどなぁ、そうじゃない時の若菜はめっちゃ可愛いんだよ・・・」

そう言って、俺の肩に手をつきながら項垂れた。

「・・・まぁ、変わった彼女でいいんじゃない?」
「そういう事にしといてくれ」
「おう」

そうしてそのまま俺たちは学校へと向かっていった。


その時は、ただ、そんな事しか思っていなかったのだ。








その日の帰り道だった。

カツ、カツ、カツ、と自分の足音の他に
少し後ろから足音が近づいてくる気がした。

ここ数日、そんな事が続いてる。

だけど、気になって振り返っても誰もいないんだ。


カツ、カツ、カツ。

まるでホラーか何かのようで、俺は足早に自宅へと辿り着いた。


足音が聞こえてくるけれど、
それが近づく訳でもない。何かが起きる訳でもない。

だから警戒はしていても、どこかで他人事のように感じていた。


そんな日が続いたある日の事。


勉強机に向かって宿題に向かっていた俺は、
一息ついたところで両手をあげて、ん~っと背を伸ばした。
同じ姿勢でいた所為で背中が痛い。

身体を動かして、何気なく今日は月が見えるかな、と
自分の部屋のカーテンを少しだけ、ほんの少しだけ開けてみた。

少し欠けた三日月が辺りを照らしている。

そのおかげで明るい。
星が見えないかな~とちらっと辺りを見渡した時だった。

あれ・・・
何かが、動いた・・・?

家の、向かいの家の陰で何かが動いたように見えた。
ちょうど電信柱が立って死角で見えにくい所だ。

何だろうと目を凝らして見ると、
それは人だった。

何故あんな所に・・・そう思って良く見ていると

それは、俺が何度も目にしている人物だった。


「佐藤道隆・・・!?」

どうして、あんな所に!?
しかもこんな時間に、だ。

確かに同じ電車で通ってはいるが最寄り駅は同じではなかった筈だ。
何か用がなくて、こんな所にいるはずがない人物だ。

何故・・・何故・・・?


その時、俺はハッとした。


通学途中でいつも感じる視線。

帰宅途中で感じる足音。

あれは全部、佐藤道隆の所為なのかもしれない・・・!


そう考えれば納得がいく。
手帳を拾ってから感じるようになった視線。
つけられているような足音。

それもこれも、始まった時期が重なっており、
全部あいつがいてもおかしくない時に起こっている。

あいつが、ストーカー?

もしかして、俺に気がある・・・とか?


その瞬間、ゾッとして身体に鳥肌が立った。



ストーカーだ。

俺にストーカーがついている。





その日は、朝方まで眠れなかった。







「おい幹、本当に大丈夫か?」
「あぁ、健」
「お前、なんか顔色悪いぞ」

昨日気になって眠れなかったせいか朝から具合が悪い。
それを健はすぐに気付いて話しかけてくれた。

「あぁ、昨日ちょっと眠れなかったんだ。
 寝不足なだけだから大丈夫だよ」

そう言って笑ったけど、健はそうは思わなかったのか

「悩みすぎるなよ?なんかあったら言えよ?」

そうして俺の頭をくしゃりと一度撫でた。

普段はふざけてばかりの軽い奴だと思っていたが
なんだこいつ、いい友達だったんだな。
そんな健の優しさがじんと身に染みた。

「なぁ健・・・」
「ん?」
「放課後、時間あるか?」

そうして、俺は気になっている事を健に相談することにした。




「え?佐藤道隆・・・って先輩?」
「あぁ、その人が昨日俺の家の前にいた。
 あの後よく電車で目が合うから間違いないと思う」

放課後の図書室で、俺と健は周りに人がいない机で
こそこそと話し合っていた。

「その人がストーカーかもしれないのね」
ふーん、という思案気な顔で健は何かを考えているようだった。

「直で問いただすってのは・・・リスクが大きいよな」
「とりあえずやめとけ。刺激するだけだ」

そのまま何かを考えるように黙ってしまった健に
こんな事に巻き込んでしまって何だか申し訳なくなる。

「健、大丈夫だよ。何かあった訳じゃないんだし」
「何かあってからじゃ遅いだろ。
 そりゃ、俺は警察みたいに何かできる訳じゃないけど
 友達が困ってるのに黙ってみてるのは嫌だよ」

そう言って健は俺の肩をぽんと叩いた。

「・・・悪い。ありがと。」
「気にすんなって」
「でもお前まで危なくなったら困るから」
「あぁ、大丈夫。気をつけるよ」

日が傾き、オレンジに染まった図書室で
健は俺に笑ってみせた。

こんな事、話してもどうにもならない。
警察だって実害がなかったら動いてもくれないのが世の中。
たかが高校生二人が話し合っても、結局は何にもならない。
だけど、俺にはそれを健に話した事で
すごく心が救われた気がしたのだ。

「ありがとな健」

そう言って健の顔を見ると
健は驚いた顔をしてそのまま顔を朱に染めた。

「ば、ばか照れるだろ!それに、終わってから言え」

そう言って健は少しだけ赤くなった顔を
夕日に向けて俺から隠した。



そして帰り道。
家がそう遠くない健が家まで送ってくれる事になった。

「なんだか俺、お前の彼女みたい」
「ばーか、お前じゃ若菜に敵わないよ」

ははっと笑う健を見て、見た事のない若菜ちゃんの為にも
早くこの事件を解決しなきゃなと思った。

「ま、暫くは行き帰りに気をつけろよ」
「あぁ」
「お前って、男にしては可愛い顔してるからなぁ」
「はぁ!?」

あんまり健が変なこと言うから思わず大きい声を出した。
可愛い顔、だぁ!?

「どこが女っぽいって言うんだよ!」
「女っぽいって言ってないじゃん。
 男にしたら、可愛いっつってんの」
「意味わかんねーよ」

その言葉に何だか苛ついて俺は少し速足になった。

「待てって。お前、女っぽくはないんだけど
 なんか小綺麗っつーか整った顔してんだよ」
「・・・なんだそれ」

俺の速足に小走りについてくる健を横目に俺は歩き続ける。
健は俺の顔を覗き込んでじっと見ていた。

「うーん。イケメンと中性的の間?」
「なんだそれ」

意味があまりに分からなすぎて笑ってしまう。
それにつられて、俺の歩みも少しスローペースになった。

「いや・・・俺も若菜の影響受けたかな」
「そうだな」

その健の呟きに俺はぷっと笑ってしまった。
その、BL好きの彼女にベタ惚れすぎて
感覚までおかしくなった健に。

「まぁ、そうは言うけど本当にお前はそんな感じだよ。
 男気ムンムンって訳でもないだろ?」
「・・・まぁそうだけど」

気にしてるんだけどね。それ。
筋肉付かないし、色も白いし。

「だから、そういうBL好き?ってかゲイ?みたいな人には
 何だか気になっちゃう対象に入っちゃうんじゃないの?」
「・・・嬉しくないそれ」
「まぁな。でもお前がそれを認めたら
それを逆手に取る事だって出来るのにな」
「え?」

何だかよく分からなくて健を見るけど、
健は俺の顔を見て、まぁそれは無理だから、と呟いていた。

「天然、っつーか鈍感っつーか」
「え?」
「あ、いや何でもない」

そう言って健は空を見上げた。
それっきり黙って歩く健に倣って俺も空を見ながら家路についた。

「まぁ、つまり可愛い顔してるからこれが落ち着いても
 またあるかもしれないって事だけ認識しとけ」
「は!?」
「ま、気をつけろよ」

そう言って門前から健は立ち去った。

何だか釈然としない。
可愛いって、なんだよ。

そう思って心の中で文句いっぱい言ったけど
思い当たることがない訳でもない俺は
その日はずっと鏡の前に立たなかった。






その次の日の朝。

(ひっ!?)

ぎゅうぎゅうの満員電車の中、
するりと尻を撫でられた。

な、な、なに!?

さすがに声にまでは出ないけど、心の中で俺は悲鳴を上げた。

今の、間違いって事はない、よな!?
ちょっと手を動かした時に触れたって感じじゃなかったぞ!?

そう、いかにも俺の尻のラインを撫で上げるって感じで・・・

(女と間違ってんじゃねーの!?)

文句でも言ってやりたい所だけど身動きとれなくて
こんな満員電車の中じゃさっきの手がどの奴かも分からない。
それに、後ろすら振り向けない体勢だ。

(くっそ・・・!)

心の中で悪態をついた瞬間、電車が大きく揺れた。

「うわ!」

何とか体のバランスをとって堪えると、
再び尻に誰かの手が当たっていた。

(やめ・・・!)

何とか止めさせたくて体を捩るけど
満員電車の中でそれは周囲の迷惑にしかならず
少し体を動かせただけだ。

その間も手は尻を撫で続け、あろうことか尻を揉んできやがった。

(俺、女じゃねーってのに!!)

これ、声出して痴漢って叫んだほうがいいのか!?
いや、でも俺男だしそしたらいい笑い物だよな?
じゃあどうしたらいいんだ!?

俺がそうやってグルグル悩んでるのを知ってか知らずか
その痴漢の行動はどんどんエスカレートしていった。

そうしてその手は徐々に前に移動してきて、
俺の前のものをゆるりと撫で上げる。

(!?)

俺は吃驚してそのまま動きを止めた。
でも手の動きは止まることなく前を往復して撫でている。

(こいつ、男だと最初から分かってやってるのか!?)


ゾクッと、鳥肌が立った。


勘違いじゃない、明らかに俺を狙ってる・・・!?


もしかして、あのストーカー、なのか・・・?


そう理解した瞬間、俺は恐怖に駆られた。
昨日の健との会話が思い出される。

可愛い顔してるから、ソッチ系の人の対象に・・・


やめろ、嘘だ・・・!
心の中でそう叫んでも、こんなに沢山人がいるのに
周囲の誰にもその声は届かない。

俺は怖くて震えていた。


そしてその手が、尻の割れ目をなぞり、
後ろの、穴の所まできて・・・

そこにくっと力を入れられた。

ビクッと身体が反応した瞬間、

「成涼高校前―、成涼高校前です。お降りの際は―」

目的の駅に着いた事を車内のアナウンスで気付き、
俺は身を捩って只管扉の前に移動しようともがいた。

チッと後ろで舌打ちが聞こえたような気がしたが
怖くて振り返る事も出来なかった。




足がガクガクする・・・

ホームにやっとの思いで降り立つと、
「あ、幹じゃん。おはよー」
とのんびりした健の声が聞こえてきた。

「健・・・」
「ん?なに変な格好してんだよ」

そののんびりした間の抜けたような声が
俺の心をほっとさせた。









「はぁ!?痴漢にあったぁ!?」

昼休みの屋上で周りに誰もいないのを確認して
俺は今朝の事を健に相談した。

「あぁー接触してきたかストーカーめ」

そう言って健は紙パックのイチゴオレをちゅうと飲んだ。
俺は俺でショックが大きすぎて午前中の授業は身が入らず、
さらに一日の楽しみの昼食まで楽しくなくなっていた。

「・・・で、顔は見たの?」
「そんな余裕なかった」
「ま、そうだろうけどね」

俺ははぁ、と思い溜め息をついた。

「そう落ち込むなよ。気持ち悪かったかもしれないけど、
 今時男も痴漢にあうのって、割と多いのよ?」
「えぇ!?」
「いやマジマジ。俺も一回あるし、結構筋肉ついたガッチリした人も
 ある時はあるみたいだしね」

それを聞いて俺は開いた口が塞がらなかった。
痴漢ってのは、男が女にするものだと思っていたのに・・・。

「最近じゃ女が襲うのもあるとか?」
「・・・・・」

そんな事いきなり言われても、
俺もう頭の中オーバーヒートしてるけど?
何それ。
じゃあ俺の中の常識って、世の中では常識じゃなかったのか。
俺の知識は微々たるものだったのか。

「まぁ、俺はお前みたいにねっとり触られてないけどねー。
 なんか矢鱈とリズミカルに触られたなー」

なんだよリズミカルって。どういう事だよそれ。
そんな事を軽く言う健に不信感を抱いたけど、
でも逆に俺だけじゃないって聞いて、少し心が軽くなった。

「ま、でもこれで理解しただろ?
 お前が可愛い顔してるって言った事」
「・・・」
「世の中自分が思ってるだけの人間じゃないって事よ」

俺はその言葉を聞いて、何も返せなかった。
だからって泣き寝入りしたくない。
でもストーカーの件もある分、
精神的に疲れてきているのは本当だ。
冷静に考える事が出来なくなっていた。

それに何より、今日はショックが大きくて
きっと何も手に付かないだろう。

「なぁ幹・・・」
「ん?」

名前を呼ばれて下を向いていた顔を健に戻すと、

「悪い、今日俺若菜と約束あるんだよ・・・。
 今日も送ってってやりたいんだけど」

目の前の健は、さっきとは打って変わって真剣な目をしていた。
俺の事、すごく心配してるって、その目が語るように。

「ばっか、大丈夫だよ!彼女のが大切だろ!
 帰りは満員電車でもないし、心配する事ねーよ」
「・・・悪い」
「謝るなって」

そう言って俺は隣の健の背中をぽんと叩いた。








男が男を恋愛の対象として見てるって、
それだけだって俺としては衝撃的な事だったのに・・・

そんな世界の狭い俺にいきなりストーカーだの痴漢だの、
いきなりハードな問題じゃなくて
少しずつ少しずつゆっくり来てほしかった。

いや、全く来ないほうがそりゃ1番いいんだけどっ!
でもいきなりいっぺんに来る事ないだろう!

俺はそうぶつぶつと心の中で文句ばかり言いながら
自分の家の最寄り駅で電車から降りた。

今頃健は可愛い彼女とデート中かぁ。
羨ましいなぁ・・・。
付き合ってまだ数カ月だとは言っていたけど
それに比べて俺にはまだ彼女すらいた事がない。

告白は、何回かされた事があるけど
いまいちピンとこないというか、話した事もない相手で、
好きになれるかどうかも分からずみんな振ってしまった。

可愛いなって思う子はいるけど、好きって訳じゃない。
だから何となく一歩踏み出せずにいる。
そんな感じだ。

なんつーか、恋愛とかまでいかなくていいから
ドキっていう感じ?
女子的に言うとときめくみたいな。
そういうの欲しいんだよね。

男にしては女々しいんだろうか。
でも男だからってロマンチックになっちゃいけないって事ないよな。

そう思って俺は空を見上げた。

夕暮れのいい空の色。
オレンジが紫に、そして夜の深い青に変わる頃。

あーなんかセンチメンタル?
って、ストーカーついてる俺が思う事じゃないか。

はぁっと一つため息ついた。
あぁ、早く帰って夕メシ食べよ。

そう思って家に早く着くように早足で歩きだした時だった。

ぽーんと、ボールが俺の足元に飛び出してきたのだ。
よく周りを見ると、公園で子供が投げたのが
道路まで飛んで来てしまったらしい。

くくっと笑って俺はそのボールを掴み、
子供たちの所まで持っていってやる事にした。

「おーい、ボール飛んできてたぞー」
「うわ!ありがとうお兄ちゃん」
「おー、もう暗くなってきたから早く帰れよー」

はーい、という声が数人からハモって聞こえ
俺は笑ってその場を後にした。

小学生の低学年か、可愛いな。
そんな風に思って公園を出ようとした時だった。

グッと後ろから口と鼻をハンカチのようなもので押えられ
俺は強い力で公園の茂みのほうへ連れて行かれた。

「んー!んー!!」

咄嗟の事で何が何だか分からず
俺は出来る限りの力で抗おうとするが
その正体不明の男のほうが上手であったようで
その動きを予想していたかのように素早い動きで
俺の両手は後ろ手に縛られてしまったのだ。

「ん!なにす・・!!」
「黙ってろ」

そう言われて俺はそのままハンカチを口に銜えさせられ
さらにタオルのようなものでそれを抑え込むようにして
グッと強く口にまかれ頭の後ろで縛られた。

喋れない・・・手も、痛ぇ・・・!!

くそ!油断した!!

なるべく人通りの多い道を選んで、
あまり一人にならないようにしてたつもりなのに、
こんな所でこんな事されるなんて想像もしてなかった。

やめろ!!
そう思ってんーんーと喋れないながらも抵抗をしていると

「静かにしないと痛い目みるぞ」

そうして後ろからナイフを見せられた。

「!?」

嘘、だろ?
俺はそれに吃驚して身体は硬直してしまった。

こ、殺されるのか!?

恐怖に身体はそのままガクガクと震えてしまう。

「そうだ、いい子にしてろ。そうすりゃ痛い事はしない」

そう言って男は俺に目隠しをして、さらに俺の体を弄り出した。

その時になって漸く気付けたが、
後ろにいる男は、俺が警戒してたあの佐藤道隆ではなかった。

全然知らない、40代くらいの男だった。
じゃあストーカーは?今朝の痴漢は?
全部こいつが犯人なのか?

そして、俺はここでヤられて、その後は・・・殺される?

そう思った瞬間、まるで全身から血の気が引くような
さぁっという音を聞いた気がした。




上半身をくまなく撫でさすられ、そして着ていたシャツのボタンを外される。
開いたシャツの間から入り込んだ男の手が、
胸の突起を探り当てそこを執拗に触り出した。

「ん!」

そんなとこ、男の触っても意味ないだろ!

そう思って身を捩るが男はまるで気にしないで触り続ける。
するとどういう訳か、身体がむずむずし始めた。

なに・・・?

乳首の先を捏ねられ、時には摘んで引っ張る。
それを繰り返され俺は下半身が反応しているのを感じた。

やめろ、なんで・・・

嫌なのに、身体がびくびくし始めた。

「ふ、ん、・・・っ」

吐息に交じり微かに声が出た。
何これ・・・!

こんな感覚知らない。
じわじわ身体が熱くなって下を弄りたくなってしまう。
それに、こんな気持ち悪い高い声、俺のじゃない。

そう思っているのに止められないんだ。

「気持ち良さそうだなぁ・・・今朝もいっぱい感じてたし。
 男に触られるのが、好きな身体なんだね」

「!?」

やっぱり、今朝の痴漢はこいつだったんだ。
俺は必至に首を横に振った。

違う違う!
そんな事あるはずない!

だけど男はそれを受け入れはしない。

「こんなに反応してるのに?」

そう言われて俺はズボンの上から兆したそれを擦られた。

「ふうぅ・・・」

そこを触られたら!
男なら誰だって、反応してしまう・・・
やめて、やめてくれ!

こんな所でイくなんて絶対嫌なのに!

「可愛いね、ねぇずっと君を見ていたんだよ。
 ずっとこういう風に君を気持ちよくさせてあげたかった」

そう言いながら後ろの男は俺の耳から首筋をねっとりと舐めあげる。
そして肌蹴られたシャツをぐいと下げて肩にも・・・

気持ち悪い・・・!
誰か、誰か助けて・・・!

助けて助けてと心の中で何度叫んでも、
この声は誰にも届かなくて、俺は絶望にも似た気持ちだった。

「ねぇここ、いっぱい弄ってあげるね」

そう言って男はズボンの前を開けて、
ついに俺のソレを直に触ってきた。

「んー!んー!」

やめろ、やめてくれとその手から逃げようとするが
その度男はナイフの存在を俺に教え、動きを取れなくする。

怖い、怖い!

男は俺のものを執拗に擦るが、
恐怖のほうが勝っているせいか立ち上がりが悪い。
男もそれに気付いたのか、ただ擦るのではなく
今度は先端だけを執拗に、強弱をつけて扱いた。

「はぅ・・・」

その刺激に俺は力が入らなくなって
後ろ手に縛られても何とか地面に伏せないようにしていたけれど
ついに陥落してしまっていた。

「あぁ、これがいいんだね。もっとしてあげるよ」

そう言って男はもっと強くぐりぐりとそこを刺激した。

あぁ、意識がだんだんと気持ちよさにおかしくなってきた。
こんな、誰だかわからない気持ち悪いやつに触られて、
気持ち良くなるなんて絶対有り得ないと思うのに、
身体は・・・

「あぅ・・・」

もう、もうダメだ。
嫌なのに。
こんなの、嫌なのに・・・

なのに身体は、ついに限界を迎えてしまった。

「んんんぁ・・・!!」

びくびくと身体を震わせ、男の手の中で俺は達してしまった。

「可愛い・・・。いっぱい出たね。
 もっと気持ち良くしてあげようか」
「ん!」

イったのに、男は手を休めることをせずに
俺から放たれた白濁で滑る手をそのまま動かし続けた。

「んん!!ん、ん、ンン―――!!」

それはイってすぐのそこにはすごい刺激で
俺の身体は痙攣のように身体を震わす事を止められない。

「ビクビクしてる・・・可愛いね」
「んん、んぅ・・・!!」

やめて、やめてもう無理だ・・・!
俺はあまりの刺激に涙を流していた。

「泣いてるの?あぁ、気持ち良すぎるんだね。
 そんなに感じてくれるなんて嬉しいなぁ」

嫌だ、嫌だ、無理、無理ぃ!!

男がそうして擦り続け、だんだんと強くなっていく刺激と
俺の頭の中が真っ白になっていくのは
まるで比例するかのように同じだった。

あまりに身体が痙攣していて、自分でも抑えられない。
もう無理だ・・・

そう思った瞬間、男は俺の一番先端をぐりっと力を入れた。

「んんんぅ・・・!!!」

その刺激に俺は勝てず、二度目の液を吐き出していた。

・・・もう、身体に力なんて入らなくて
そのままぺたりと地面に伏してしまう。

それを見た男はくっと笑い、
俺の中途半端に脱げたズボンに手をかけた。

「さぁ、次にいこうね。今度は僕のを、入れてあげるからね」

「!?」

そう言われて身体が震えた。
冗談じゃない・・・!

きっと今俺の顔は蒼白になっているだろう。
こんな、こんな風にされるなんて絶対嫌なのに!

なのに、もう俺にはそれに抵抗する力すら残っていなかった。

「怯えなくても大丈夫だよ。入れるともっと気持ちいいよ」

そうして、男は俺の尻を掴み、
左右に開いて俺の穴に指を入れた時だった。


「この野郎!!!」

そう怒鳴り声が聞こえて
俺に触っていた男の手がガツッという音とともに離れた。

目隠しをされ、地面に伏している俺には
今何が起こっているのか全く理解ができない。

なに・・・?

「大丈夫か?」

そう声を掛けられて俺はぐいっと身体を起こされた。
そして誰だかわからないもう一人の男に目隠しを外される。

そこにいたのは、
あの、佐藤道隆だった.





身体を起こされてふと横を見ると
俺に圧し掛かっていた男は気絶して横に伸びていた。

・・・もしかして、佐藤道隆が・・・殴った?

吃驚してチラと顔を見ると佐藤道隆は
心配そうな顔をしながらも困った顔で笑った。

「一発KOだな・・・」
「加減がきかなかった。我を忘れていたから」

それにしても、どうしてここに佐藤道隆が・・・?

少し状況が理解できた俺は、
今自分がどんな格好をしているのかハッと気付いた。

そうだ、俺、シャツも脱げかけで
ズボンも・・・

ズボンは下げられ、二度も放った白い液体も
そこここに付いている状態で・・・

「!!」

俺は手を解いてもらってすぐに前を隠した。
よく考えたら、男なのに同じ男に興奮され
こんな目に合ってるなんて、普通に考えたら気持ち悪いだろう。

なのに、こいつは

「痛くないか、大丈夫か」

そう何度も聞きながら自分のバックから取り出したタオルで
俺の身体を拭いてくれたりボタンを留めてくれたり
何かと世話を焼いてくれた。

それも恥ずかしいのだが、俺は疲弊しており
面倒を見てもらえるのが何だか有難かった。

身体も拭き、大体元の姿に戻ったころ
近くの茂みがガサガサと音を立てる。

俺はビクっと身体を震わせたが、
そこから聞こえてきた声は

「幹!幹か!?」
「健!?」

声のした先を見ると、茂みをかき分けて人が出てきた。
なんとそこには、いないはずの健の姿があったのだ。

「幹!!大丈夫か!?」
「おま・・・何で・・・」

呆然とする俺を見て、一先ず大丈夫なのを確認したのか
健は安心したようにほっと息を吐いた。
そして倒れている男を見て、

「こいつが犯人か?」

そう聞いて佐藤道隆があぁ、と言ったのを確認してすぐ
健は俺を縛っていた紐を持ち意識のない男の腕を縛った。

「意識を取り戻すと困るからな」

そういう健は冷静で落ち着いていて
俺がされていた目隠しまでその男に付けていた。

「悪い、遅くなったな」
「いや・・・てか何で」

佐藤道隆がここにいるのだってよく分かっていないのに、
健がここにいて、さらに何故か佐藤道隆と面識があるようだった。

「たぶんもうすぐ警察が来るから」
「え!?警察!?」

何で、どうして!?
いつの間にそんな話になったんだ!?

「・・・悪い、お前は警察沙汰になると辛いかもしれないが
 このままこの男を放置するわけにはいかないから」

そう言って俺の近くに座った健は
混乱した俺にこれまでの事を話してくれた。


今日俺に言った彼女との約束というのは実は嘘で、
俺が話した佐藤道隆という男を探り当て尾行したらしい。
ただ、尾行している最中でおかしい事に気付く。
その佐藤道隆は、確かに俺の家のほうへ歩いてはいるが
俺を尾行しているような感じではなかったのだ。
俺はもっと遥か先を歩いているのに、
なぜこんな距離を保っているのか。
それを不審に思い、思い切って佐藤道隆にコンタクトを取った。
すると、佐藤道隆は言ったのだ。
俺にずっと変なストーカーが付いているのを知っていた、と。
そして佐藤道隆は表立って何かをする事はできないけど
そのストーカーを尾行することにしたとの事だった。

つまり俺には、二重三重の尾行がされていたわけだ・・・。

「どうしてそんな事・・・」

そう、佐藤道隆に問うと

「生徒手帳を拾ってもらった時、変な男に睨まれていた。
 おかしいと思ってそれから毎日気をつけて見ていたら
 お前がずっとその男に見られていたり、つけられたりしていた。
 そのまま伝えても恐怖心を煽るだけだから、
 できればお前の知らない所で何とか決着つけられればと思っていた」

とそう言ったのだ。
その言葉に俺は吃驚するというか、感動するというか
とにかく衝撃を味わった。

なんだこれは、まるで少女漫画に出てくるナイトか?
真面目に、そんなこと面と向かって言われるとは思わなかった。

「なんで、そこまで・・・」
「・・・お前に、一目惚れして」

「!?」

その言葉に、俺は目を瞠って佐藤道隆を見続けた。
だ、だって、今なんて言った?

「ひとめ、ぼれ?」
「あぁ、生徒手帳を拾ってもらった時に。
 可愛いな、と思ったんだ」

その言葉を聞いた時、俺はしばし呆然とし、
そしてその意味を理解した途端

ぼっと、まるで音がするかのように赤面した。

「か、可愛いって・・・」

声が掠れる。心臓はばくばくと音を紡いで止まらない。
なんで、なんで

あんなに男なのに可愛いって言われる事が嫌だったのに、
健には怒ったし、倒れてる男から言われた時は
気持ち悪すぎて鳥肌だって立っていたのに

なのに、なのにどうして

どうして佐藤道隆に言われた時だけ、
心臓が破裂するようにドキッと高鳴ってしまったんだろう!








おかしい、確かにドキってしたいって思ってた。
でもそれは女の子にって意味だったはずだ。

決して男相手じゃなかったはずなのに!


「すまない。こうなる前に何とかしたかったが、
 結局怖い思いをさせてしまった」
「あぁ、悪かった幹。この人と話して事情を聞いてる隙に
 お前の事見失った。まさかこんな事になってるとは思わなかった」

そう言って二人は俺に頭を下げた。
でもそれは、この二人が悪いんじゃないんだ。

「謝るなよ・・・助けてくれてありがとう」

そう言って俺はまだ赤い顔をしながら笑った。
結局、俺と男を見失った二人は焦って探し回ったらしい。
そして佐藤道隆が助けてくれている間に
健は警察に電話をして事情を説明したのだそうだ。

その後すぐに警察が来て事情を聞かれた。
被害者も犯人も男だという事で俺はなんとも気まずかったが
警察にそう珍しい事ではないと慰められ少し安心した。
ナイフもあったしその場であの男は警察に連行された。
その件は親にもバレる事となったが、
心配されるだけで変な目で見られる事はなかったのが救いだ。

その後の詳しい事はあまり知らない。
とにかく未成年だという事もあってあまり事を荒立てないでくれたし
両親も暫くは俺を甘やかすばかりで何も言わなかった。


そして、俺に平穏な毎日が戻ってきた。


「幹―」

あれから何故か俺と健は屋上で昼を食べるのが気に入り
天気が悪くない限りはここで食べている。

「んん?」
「いい天気だなぁ・・・」

そう言って健は空を見上げていた。
その姿を見ていると、数週間前の事が嘘の事のようだ。

「だなぁ・・・」

平和でいい事だ。
そう思ってイチゴオレをちゅうと飲んだ。

健にはホント感謝してる。
健がいなかったらここまで平常心は取り戻せなかったかもしれない。
いい友人を持てた奇跡に感謝したい。

そうして長閑な昼食時間が終わる少し前の事だった。

「なぁ、お前あれ、どうした?」

そう健に聞かれたのだ。

「あれって?」
「佐藤道隆のこと」

聞き返すと健は即返答した。
まるでずっと気になっていたと言わんばかりだ。

そう。
健の前だというのにも係わらず俺に一目惚れだと言った
あの佐藤道隆とはあれ以来接触していない。
だから健に返す答えを俺は持ち合わせていなかった。

「・・・何もないの?」
「・・・」
「お前、満更でもなさそうだったのにな」

そうは、言われてもね。
俺にだって、この状況どうしたらいいのか分からないんだ。

あの時確かに俺は赤面し、ドキドキした。
不覚にもときめいてしまった。
だけど、別に付き合ってと言われた訳でも
その後何か言われた訳でもないのだ。

それを、俺はどうしたらいいのか分からない。

「悪い気はしないんだろ」
「・・・」
「話しかけてみればいいのに」

健は俺が赤面して動揺していたのを間近に見ているから
何を言おうと誤魔化しはきかないだろう。

「・・・心の整理が・・・」
「そんなの、後からだって出来るだろ」

そう言われて俺はふぅと溜め息を吐いた。
俺の気持ちなんか健にはバレバレで
何に迷って戸惑ってるのかもバレバレで。
勝てねえな。そう思った。

「話しかけて・・・みようかな」
「あぁ、そうしろ」

そして予鈴が鳴り出す。
あと5分で次の授業が始まる。
俺たちは食べていたものを片づけて急いで
階段へと続く扉のノブを捻った。

すると、

「あ・・・」
「あー・・・。幹、俺先行くわ!授業遅れんなよ!
 あ、いやサボってもいいけどな」
「健!」

そう言って健は横をすり抜け先に降りて行ってしまった。

取り残された俺は、扉を開けてすぐに立っていた人物に
平常心を装って顔を向けた。

そこにいたのは他の誰でもない
先ほどまで話題に上っていた

佐藤道隆だった。


「あの、」







空は青く、これ以上ないほどの快晴。
数週間前の心の傷も癒え始めたある日の事だった。









「若菜が喜びそうだなぁ・・・」
そう健が呟いていた事を、俺は知らない。

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