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19-1 誓約の証
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目が覚めると見知らぬ天井……天蓋? えっと、ここはどこだ……。真っ白のシーツに寝転がり、上等そうな布団を掛けられている。大人三人は余裕で眠れそうなほどの巨大なベッドの上に俺はいた。
ベッド……ベッド……!!!!
昨晩の記憶が蘇り、一気に顔が熱くなる。布団を捲りチラリとなかを覗くと素っ裸!! ジウシードに散々抱かれて、途中からの記憶がない。そのまま気を失って寝てしまったのか……。身体やシーツの汚れなどは全くない。まるで夢だったのか? と思う程、痕跡がなにもないため不安になったが、すぐさま夢ではなかったと痛感する。
身体を起こそうとすると、腰がビキッと悲鳴を上げ、俺自身は悲鳴を上げられず声にならない声のまま悶絶した……。三十一歳には激し過ぎた運動だったようだ……。
しばらく悶絶した後、横になったまま周りを見回すとジウシードの姿はない。
ベッドの周りはとても広い部屋のようで、扉までの距離がやたら遠い。ベッドの横にはバルコニーに出ることが出来る窓ガラスが、外の光を届けてくれている。扉は三つもあり、それぞれどこに繋がっているのやら……。
ベッドの横にあるサイドテーブルや、棚や時計など、調度品はどれも高級そうだった。やたらと高級感漂う広い部屋に素っ裸でポツンとひとりきり……。それがなんだか酷く不安になる。
見知らぬ場所にひとりにするなよな……って、俺もジウシードのことを家にひとり置いて仕事に行ったんだっけ……な、なんか今さらながらごめん……。
しっかし、本当にジウシードの奴どこ行ったんだよ……。不安を覚えながらオロオロとしていると、なにやら扉の向こうから物音が聞こえ、どうやらもうひと部屋あるのか扉が開かれた音がした。そして人の話し声がする。
ビクビクしながら布団を顔の辺りまで引き寄せると、ガチャリとこの部屋の扉が開かれた。ビクッ!! と、身体を強張らせ、布団から顔を覗かせ、そちらを見ると、ジウシードが扉の取っ手を持ちながら振り向き、ひとりの男となにか話している。
ジウシードの声は感情の籠らないような淡々とした声で、顔もなにやら無表情だ。そんな顔は見たことがなかったから、なにやら酷く不安になる。服装も所謂お貴族様が着ていそうな高そうな服で、そういえば最初俺の部屋に現れたジウシードはあんな格好をしていたな、と思い出す。今見ているジウシードが、俺の家にいたときの印象とあまりに違い戸惑う。まあジャージ姿ってのがそもそもおかしかったのだろうが……あれはジウシードだよな?
ジウシードの話す相手は声からすると、どうやら昨夜ジウシードにマントを掛けたラウルという男のようだ。昨夜は恥ずかしさのあまり顔を上げられず、ほとんど顔を見ることが出来なかったけど、ラウルもかなりのイケメンだな。ジウシードになんとなく似ている? ジウシードがもう少し年を取ったらあんな感じかなぁ、って雰囲気だな。赤髪に茶色の瞳でジウシードに負けず劣らずの高身長のイケオジだな。
観察するようにジィーッと見ていたことが、ジウシードのほうを向いていたラウルにどうやら気付かれてしまったようだ。バチッと目が合ってしまい、あわあわとしてしまう。
「おや、姫がお目覚めのようですよ」
ラウルのその言葉に、バッとこちらへ振り向いたジウシードは、ラウルに向けていた無表情から一変、嬉しそうな顔で足早に俺のほうへと向かって来た。そんなジウシードの姿に、またしてもラウルは目を見開いていた。
んん? どうも、ラウルの前と俺の前ではジウシードの態度があからさまに違う気が……。あんな無表情のジウシードを見たことがないしな……。
ベッド……ベッド……!!!!
昨晩の記憶が蘇り、一気に顔が熱くなる。布団を捲りチラリとなかを覗くと素っ裸!! ジウシードに散々抱かれて、途中からの記憶がない。そのまま気を失って寝てしまったのか……。身体やシーツの汚れなどは全くない。まるで夢だったのか? と思う程、痕跡がなにもないため不安になったが、すぐさま夢ではなかったと痛感する。
身体を起こそうとすると、腰がビキッと悲鳴を上げ、俺自身は悲鳴を上げられず声にならない声のまま悶絶した……。三十一歳には激し過ぎた運動だったようだ……。
しばらく悶絶した後、横になったまま周りを見回すとジウシードの姿はない。
ベッドの周りはとても広い部屋のようで、扉までの距離がやたら遠い。ベッドの横にはバルコニーに出ることが出来る窓ガラスが、外の光を届けてくれている。扉は三つもあり、それぞれどこに繋がっているのやら……。
ベッドの横にあるサイドテーブルや、棚や時計など、調度品はどれも高級そうだった。やたらと高級感漂う広い部屋に素っ裸でポツンとひとりきり……。それがなんだか酷く不安になる。
見知らぬ場所にひとりにするなよな……って、俺もジウシードのことを家にひとり置いて仕事に行ったんだっけ……な、なんか今さらながらごめん……。
しっかし、本当にジウシードの奴どこ行ったんだよ……。不安を覚えながらオロオロとしていると、なにやら扉の向こうから物音が聞こえ、どうやらもうひと部屋あるのか扉が開かれた音がした。そして人の話し声がする。
ビクビクしながら布団を顔の辺りまで引き寄せると、ガチャリとこの部屋の扉が開かれた。ビクッ!! と、身体を強張らせ、布団から顔を覗かせ、そちらを見ると、ジウシードが扉の取っ手を持ちながら振り向き、ひとりの男となにか話している。
ジウシードの声は感情の籠らないような淡々とした声で、顔もなにやら無表情だ。そんな顔は見たことがなかったから、なにやら酷く不安になる。服装も所謂お貴族様が着ていそうな高そうな服で、そういえば最初俺の部屋に現れたジウシードはあんな格好をしていたな、と思い出す。今見ているジウシードが、俺の家にいたときの印象とあまりに違い戸惑う。まあジャージ姿ってのがそもそもおかしかったのだろうが……あれはジウシードだよな?
ジウシードの話す相手は声からすると、どうやら昨夜ジウシードにマントを掛けたラウルという男のようだ。昨夜は恥ずかしさのあまり顔を上げられず、ほとんど顔を見ることが出来なかったけど、ラウルもかなりのイケメンだな。ジウシードになんとなく似ている? ジウシードがもう少し年を取ったらあんな感じかなぁ、って雰囲気だな。赤髪に茶色の瞳でジウシードに負けず劣らずの高身長のイケオジだな。
観察するようにジィーッと見ていたことが、ジウシードのほうを向いていたラウルにどうやら気付かれてしまったようだ。バチッと目が合ってしまい、あわあわとしてしまう。
「おや、姫がお目覚めのようですよ」
ラウルのその言葉に、バッとこちらへ振り向いたジウシードは、ラウルに向けていた無表情から一変、嬉しそうな顔で足早に俺のほうへと向かって来た。そんなジウシードの姿に、またしてもラウルは目を見開いていた。
んん? どうも、ラウルの前と俺の前ではジウシードの態度があからさまに違う気が……。あんな無表情のジウシードを見たことがないしな……。
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