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18-1 公開処刑…
しおりを挟む「な、な、な……」
愕然とし過ぎて言葉が出ない。俺の身体に覆い被さっているジウシードの背中にぎゅうっとしがみつくしか出来なかった。
紫色に輝いていたのはどうやら床に魔法陣らしきものがあったのだということは分かった。分かったが、分かったからといってこの状況!! こ、これってもしや……いや、もしかしなくとも……いやいやいや!!
結ばれたらジウシードの国に一緒に戻るって聞いてたよ!? 聞いてたけどさ!! まさかヤッてる最中に戻るとか思わないだろ!! いや、でもちょっと待てよ……結ばれたらってことは、ジウシードが俺のなかに出した瞬間てこと!? その瞬間に魔法陣とやらが開くってこと!?
言えよ!! なんか聞き忘れているような気がしたのはこれか!! 結ばれたときってのはどういう状態で、どんなタイミングでジウシードの国へと行くことになるのか、ってのを確認したかったんだ!! く、くそぅ……まさかこんな真っ最中の状態で!!
ひぃぃぃい!! と、一気に顔が火照る……いや、血の気が引く? 蒼褪めているような気がする!!
すると、ひとりの男がこちらに歩み寄って来たかと思うと、ジウシードにマントのようなものを掛けた。
「おかえりなさいませ、ジウシード様」
声を掛けられたジウシードは顔を上げようとしたが、俺の背中に手を回し、グッと胸を引き寄せ抱き締めたまま身体を起こした。その弾みで俺に挿入されたままだったジウシードのモノが俺の身体の重みと共にズププッと奥へと進み、こんな場所だというのに思わず声が上がってしまう。
「んあっ」
ジウシードはフッと笑い、チュッと軽く口付けた。うおぉぉい!! こんなところで!! い、いや、突っ込まれたままのほうが問題か!! いや、素っ裸なことのほうが問題か!? 頭が混乱し完全にパニックに。
「お前の可愛い声は俺だけのものだ。少し我慢してくれ」
甘い声で、優しい微笑みでそう告げられ、顔が一気に火照るが居た堪れない……。横に立つ男の顔がチラリと見えると、驚いた顔で目を見開いていた。
ジウシードは俺を抱えたまま、自身の背に掛けられたマントで俺のことも一緒に覆い立ち上がる。
「んん」
立ち上がったことで、さらにズブズブと俺の後孔にはジウシードのモノが深く沈み込み、声を上げるなというほうが無理がある。あまりの恥ずかしさのせいで、抜いて降ろしてもらうという考えには頭が回らなかった……。周りの人々の顔を見る勇気もなく、ジウシードの首元にぎゅうっと抱き付き顔を埋め隠した。
「ラウル、出迎えご苦労。遅くなったが、今帰った。部屋へ」
「かしこまりました」
ジウシードは聞いたことがないような、感情のない声でそう言葉にすると歩き出した。顔を上げられないため、周りがどんな状況なのか全く分からないが、明らかにざわざわと人々の声が聞こえ怖くなる。
こんなあられもない姿を晒すはめになり、迎える側は見せられるはめになる、ということは、『結ばれたら帰還する』という儀式そのものが、この国では当たり前のことで、ジウシードの今現在の姿も想定済みなのかもしれない。だがしかし、まさかジウシードの連れて来た伴侶が男だとはおそらく予想していなかっただろう。
きっと皆、怪訝な顔をしているんだろうな。そう思うとなおさら顔は上げられなかった……のだが、そんなことよりも!! 俺はジウシードの首元にしがみ付く腕に必死に力を籠め、なるべく身体を下がらせないようにだけ全神経が集中していた!!
だ、だって!! ジウシードが歩くたびに!! 歩くたびに身体が揺れる!! それ、当たり前!! 当たり前なんだが、そのたびに俺の後孔にズブズブと!!
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