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第21話 胸の痛み ※前半ライル視点
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あの男はなんなのだ! いきなり唇を奪うとは! 信じられん!
しかもなぜあんな恨めしそうな目で私を見るのだ! 許可なく人の唇を奪っておいてあの態度! 殺されても文句は言えないくらいだ!
しかし……なぜかあの目を見ると胸が苦しくなった。あの目に見られていたくなかった。私ともあろうものが逃げるようにあの場を出て来てしまった。
聖女……召喚の儀式が行われたそうだが記憶にない……。聖女が召喚されて、もうかなりの月日が経つと言っていた。私の記憶がなくなったとされる日から今日までのことをルースに聞いた。
聖女召喚で現れたのがさっき私の唇を奪ったショーゴという男。なぜ男なんだ。聖女とは女ではないのか。
聖女として召喚されたが男であるうえにルースの判断で『聖女ではない』とされたと言っていた。しかし放置しておくわけにもいかないという理由で私が護衛になった、と。
あの男が言っていたな「俺の護衛であることも忘れたのか」と。
私が護衛? 団長である私自ら? 聖女でもないのなら私でなくとも良いだろうに。
悶々と考えながら荷物を持ったまま団長室へと戻る。
「ライル!? な、なんだその荷物……い、いや、それよりもショーゴの護衛は!?」
団長室で仕事をしていたのか、レオンが振り向き驚いた顔をしている。
「なにをそんなに驚く。聖女の護衛は他の者へ行かせる」
「えっ」
「なにか問題でもあるか?」
「も、問題って……いいのか?」
「なにがだ?」
「ショーゴのことだよ。いくら記憶を失くしたといっても、あんなに大切にしていたのに……」
「…………」
大切……大切とはなんだ。私があの男を大切にしていたというのか。ありえない。私は誰か特別な人間を作ったりはしない。作るはずがない。
私は独りで生きていくべきなのだから……。
「あの異世界人自身が、私がいなくても良いと言ったのだから良いだろう」
私には大切な人間などいない。特別に想う人間などいない。
なぜか胸がチクりと痛む。しかし、これは気のせいだ。気のせいなんだ。私には特別な人間などいてはならないのだから……。
「レオン、明日からお前があの異世界人の護衛にいけ」
「…………分かった」
レオンはなにか言いたげだったが、そのまま部屋をあとにした。
溜まっていた書類仕事をこなし、演習場へ団員たちの様子を見に行くと、私の姿に気付いた団員たちは整列し出迎えた。
「団長お疲れ様です、今日は演習場になにか用事でも?」
「? 用事がないと来てはいけないのか」
「えっ! いえ! そんなことは!! ショ、ショーゴ殿の姿が見えないな、と思いまして!」
焦るように言葉を濁す団員たちは、あの異世界人の名を口にするとキョロキョロと周りを見回した。そういえば団員たちは私が一部の記憶を失っていることは伝えていないのだったな。
「ショーゴ殿のお傍におられなくても良いのですか?」
「なぜ私があの男の傍にいなくてはならないのだ……」
どいつもこいつもなぜあの男のことを言う。イライラとする。私はあの男のことは知らない。なぜだ。なぜ、どいつもこいつも私にあの男のことを聞くのだ。
怯えた顔の団員たちはこそこそとなにかを話し出しざわざわとしだした。
「ショ、ショーゴ殿と喧嘩でもされたのですか?」
一人の団員がおずおずと聞いてきた。今まで団員たちとこんな会話をしてきたことがなかったのに、なぜ今日はこんなにも話しかけてくるのだ。
しかも喧嘩……なんだ喧嘩とは。まともな大人が喧嘩などするわけがないだろうが。訳の分からないことを聞いてくる団員たちに苛立ちが込み上げてくる。
「お前たち、どうやら暇なようだな!! 今から終了時間まで戦闘訓練! 魔力切れを起こすまで休憩はなしだ!!」
「「「「「えぇぇぇえ!!!!」」」」」
演習場には男たちの悲鳴が響き渡った。
ふん。なんなのだ、レオンにしろ、団員たちにしろ、あの男の話ばかり。なぜ私が……苛立つ……私の知らない私……。
あの男と私は一体なんなのだ。 私があの男を大切に? ありえない。ありえないんだ。私は誰かを大切に出来る人間ではない。
しかしなぜだか胸が痛む。なんなのだ……あの男の顔を思い出すと、あの男の眼差しを思い出すと……酷く胸が痛む……。
◇◇
ライルが部屋を出て行ってから、暇さえあれば俺はレオンとルースに手伝ってもらいながら文献を読み漁った。しかし何も出て来ない。瘴気の森を調べるようになってから何度となく文献を読み漁ってきた。だから王宮の書庫にある文献はほぼ読み尽くしたのではないかと思うほどだ。
「これだけ探してもなにも出てこないなんて……」
「うん……ダウバの街に行ってみる?」
ルースが顎に手をやりながら思い付いたかのように言った。
「ダウバ?」
「あぁ。ダウバは伊達に長く瘴気の森を見張ってきた街じゃない。あの森があったからこそ出来た街でもある」
「そうだな。ダウバは瘴気の森を見張るために騎士団が結成され駐在となる前から街の者たちで森を見張っていたそうだ。だからこそなにか知っている者がいるかもしれない」
レオンもルースに同意した。
ダウバはそんな街なのか……。
「このまま城で調べていてもなにも出てこなさそうだし、ダウバに行ってみようかな……」
「じゃあ俺が同行しよう」
レオンがダウバまで一緒に行ってくれることになった。
「私も行きたいところだが、あまり頻繁に出歩くと怒られるしね。私はもう少し城で調べてみるよ」
そう言ってルースは笑った。
ルースと別れ、レオンと共に部屋へと戻ろうと王宮内を歩いていると、ある人物に声を掛けられる。
「ショーゴ様」
振り向くとそこには黒髪に青い瞳で優し気な顔。愛しい人とよく似た面差しの人がいた。
「ルフィシスさん……いえ、ギルダンドル侯爵様……」
「フフ、気軽にルフィシスとお呼びください」
そう言って優しく微笑んだルフィシスさんは手を差し出し、握手をした。その優し気な顔は優しかったライルの姿を思い出し、涙が溢れそうになってしまう。
「ルフィシス兄さん、お久しぶりです」
「やあ、レオンも立派になったね」
そうか、レオンやルースにとったら幼馴染の兄だもんな。同じく小さいころからの幼馴染なのだろう。二人は親し気に挨拶を交わしている。
「レオン、すまないが、少しショーゴ様と二人きりで話をしてもいいかな?」
レオンは俺の顔を見た。そしてもう一度ルフィシスさんの顔を見ると聞いた。
「ライルのことですか?」
「ああ。話は聞いたよ。ライルはショーゴ様との記憶を失ってしまったと。そのことで少しショーゴ様と話をさせてもらいたい」
レオンは俺に向かって「どうする?」と聞いてきた。おそらくルフィシスさんはライルのことで報告を受けて城にやって来たのだろう。
俺のせいだということも分かっているのだろう。侯爵家の人間を危険に晒してしまったことを咎められるかもしれない。それならば誠心誠意謝りたい。だからレオンに頷いてみせた。
レオンは話が出来る部屋を手配してくれ、扉の外で待機しているから、と背中をポンと叩き部屋へと促した。
しかもなぜあんな恨めしそうな目で私を見るのだ! 許可なく人の唇を奪っておいてあの態度! 殺されても文句は言えないくらいだ!
しかし……なぜかあの目を見ると胸が苦しくなった。あの目に見られていたくなかった。私ともあろうものが逃げるようにあの場を出て来てしまった。
聖女……召喚の儀式が行われたそうだが記憶にない……。聖女が召喚されて、もうかなりの月日が経つと言っていた。私の記憶がなくなったとされる日から今日までのことをルースに聞いた。
聖女召喚で現れたのがさっき私の唇を奪ったショーゴという男。なぜ男なんだ。聖女とは女ではないのか。
聖女として召喚されたが男であるうえにルースの判断で『聖女ではない』とされたと言っていた。しかし放置しておくわけにもいかないという理由で私が護衛になった、と。
あの男が言っていたな「俺の護衛であることも忘れたのか」と。
私が護衛? 団長である私自ら? 聖女でもないのなら私でなくとも良いだろうに。
悶々と考えながら荷物を持ったまま団長室へと戻る。
「ライル!? な、なんだその荷物……い、いや、それよりもショーゴの護衛は!?」
団長室で仕事をしていたのか、レオンが振り向き驚いた顔をしている。
「なにをそんなに驚く。聖女の護衛は他の者へ行かせる」
「えっ」
「なにか問題でもあるか?」
「も、問題って……いいのか?」
「なにがだ?」
「ショーゴのことだよ。いくら記憶を失くしたといっても、あんなに大切にしていたのに……」
「…………」
大切……大切とはなんだ。私があの男を大切にしていたというのか。ありえない。私は誰か特別な人間を作ったりはしない。作るはずがない。
私は独りで生きていくべきなのだから……。
「あの異世界人自身が、私がいなくても良いと言ったのだから良いだろう」
私には大切な人間などいない。特別に想う人間などいない。
なぜか胸がチクりと痛む。しかし、これは気のせいだ。気のせいなんだ。私には特別な人間などいてはならないのだから……。
「レオン、明日からお前があの異世界人の護衛にいけ」
「…………分かった」
レオンはなにか言いたげだったが、そのまま部屋をあとにした。
溜まっていた書類仕事をこなし、演習場へ団員たちの様子を見に行くと、私の姿に気付いた団員たちは整列し出迎えた。
「団長お疲れ様です、今日は演習場になにか用事でも?」
「? 用事がないと来てはいけないのか」
「えっ! いえ! そんなことは!! ショ、ショーゴ殿の姿が見えないな、と思いまして!」
焦るように言葉を濁す団員たちは、あの異世界人の名を口にするとキョロキョロと周りを見回した。そういえば団員たちは私が一部の記憶を失っていることは伝えていないのだったな。
「ショーゴ殿のお傍におられなくても良いのですか?」
「なぜ私があの男の傍にいなくてはならないのだ……」
どいつもこいつもなぜあの男のことを言う。イライラとする。私はあの男のことは知らない。なぜだ。なぜ、どいつもこいつも私にあの男のことを聞くのだ。
怯えた顔の団員たちはこそこそとなにかを話し出しざわざわとしだした。
「ショ、ショーゴ殿と喧嘩でもされたのですか?」
一人の団員がおずおずと聞いてきた。今まで団員たちとこんな会話をしてきたことがなかったのに、なぜ今日はこんなにも話しかけてくるのだ。
しかも喧嘩……なんだ喧嘩とは。まともな大人が喧嘩などするわけがないだろうが。訳の分からないことを聞いてくる団員たちに苛立ちが込み上げてくる。
「お前たち、どうやら暇なようだな!! 今から終了時間まで戦闘訓練! 魔力切れを起こすまで休憩はなしだ!!」
「「「「「えぇぇぇえ!!!!」」」」」
演習場には男たちの悲鳴が響き渡った。
ふん。なんなのだ、レオンにしろ、団員たちにしろ、あの男の話ばかり。なぜ私が……苛立つ……私の知らない私……。
あの男と私は一体なんなのだ。 私があの男を大切に? ありえない。ありえないんだ。私は誰かを大切に出来る人間ではない。
しかしなぜだか胸が痛む。なんなのだ……あの男の顔を思い出すと、あの男の眼差しを思い出すと……酷く胸が痛む……。
◇◇
ライルが部屋を出て行ってから、暇さえあれば俺はレオンとルースに手伝ってもらいながら文献を読み漁った。しかし何も出て来ない。瘴気の森を調べるようになってから何度となく文献を読み漁ってきた。だから王宮の書庫にある文献はほぼ読み尽くしたのではないかと思うほどだ。
「これだけ探してもなにも出てこないなんて……」
「うん……ダウバの街に行ってみる?」
ルースが顎に手をやりながら思い付いたかのように言った。
「ダウバ?」
「あぁ。ダウバは伊達に長く瘴気の森を見張ってきた街じゃない。あの森があったからこそ出来た街でもある」
「そうだな。ダウバは瘴気の森を見張るために騎士団が結成され駐在となる前から街の者たちで森を見張っていたそうだ。だからこそなにか知っている者がいるかもしれない」
レオンもルースに同意した。
ダウバはそんな街なのか……。
「このまま城で調べていてもなにも出てこなさそうだし、ダウバに行ってみようかな……」
「じゃあ俺が同行しよう」
レオンがダウバまで一緒に行ってくれることになった。
「私も行きたいところだが、あまり頻繁に出歩くと怒られるしね。私はもう少し城で調べてみるよ」
そう言ってルースは笑った。
ルースと別れ、レオンと共に部屋へと戻ろうと王宮内を歩いていると、ある人物に声を掛けられる。
「ショーゴ様」
振り向くとそこには黒髪に青い瞳で優し気な顔。愛しい人とよく似た面差しの人がいた。
「ルフィシスさん……いえ、ギルダンドル侯爵様……」
「フフ、気軽にルフィシスとお呼びください」
そう言って優しく微笑んだルフィシスさんは手を差し出し、握手をした。その優し気な顔は優しかったライルの姿を思い出し、涙が溢れそうになってしまう。
「ルフィシス兄さん、お久しぶりです」
「やあ、レオンも立派になったね」
そうか、レオンやルースにとったら幼馴染の兄だもんな。同じく小さいころからの幼馴染なのだろう。二人は親し気に挨拶を交わしている。
「レオン、すまないが、少しショーゴ様と二人きりで話をしてもいいかな?」
レオンは俺の顔を見た。そしてもう一度ルフィシスさんの顔を見ると聞いた。
「ライルのことですか?」
「ああ。話は聞いたよ。ライルはショーゴ様との記憶を失ってしまったと。そのことで少しショーゴ様と話をさせてもらいたい」
レオンは俺に向かって「どうする?」と聞いてきた。おそらくルフィシスさんはライルのことで報告を受けて城にやって来たのだろう。
俺のせいだということも分かっているのだろう。侯爵家の人間を危険に晒してしまったことを咎められるかもしれない。それならば誠心誠意謝りたい。だからレオンに頷いてみせた。
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