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第16話 初めて……

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 何度も何度も繰り返されるキスに頭はボーッとし、目の前には余裕のなさそうなライルの顔。超絶美形の眉間に皺が寄る。荒い息のまま貪るように唇を重ねながら、ライルはベッドに俺を押し倒した。

 そしてそのまま馬乗りになったかと思うと、上着を脱ぎ棄て上半身を露わにする。ボーッとしたままの頭でそれを眺め、男にどうなのかとは思うが、単純に「綺麗だ」と思った。彫刻のように美しく均整の取れた肉体。着痩せするらしいその身体は思っていたよりも細くなく、そこらの男よりがっしりとしている。さすが騎士だな、と見惚れてしまった。

 その茫然としていた意識が急に引き戻される。
 ライルは俺の頬を撫でたかと思うと、優しい瞳で俺を見詰め、再び唇を重ねた。しかしそれと同時に反対の手は俺の服のなかへと滑り込み、脇腹を撫でられ身を捩る。

「んん」

 そしてそのままその手は上へと撫で上がり、俺の胸の突起を押した。

「あっ」

 いつの間にか唇は首へと這い、舐められる。ライルの両手は俺の服を剥ぎ取ると、無造作にそれを投げ捨て、再び突起をまさぐる。

「んん……あ、やっ、ちょ、ちょっと!」

 ジュッと音を立てながら、首や胸を舐められ吸われる。そしてそのまま突起に舌を這わせた途端、俺の身体がビクンと跳ねた。

「んあっ!!」

 甘噛みされ、舌で転がされ、腰のあたりがぞわぞわとしだす。もぞもぞと下半身が動いてしまい、それに気付いたのかライルの片手はまたしても俺の中心をさわさわと撫でる。さっき果てたばかりのモノが再び反応し出してしまう。

「ラ、ライル!! ちょ、ちょっと! あぁ……ん」

 ライルの髪がさわさわと俺の胸をくすぐる。引き剝がそうとライルの頭に手をやるが力が入らない。それよりもライルの髪がさらさらと気持ちいいな、とか考えてしまう。

「ラ、ライル!! お、俺は良いから、ラ、ライルを!!」

 俺は先程もイカされてしまっている。ライルだって出したいんじゃ……そう思い、攻められながらもなんとかライルのモノに手を伸ばす。

 そしてそれがあるであろうところに手が触れると、予想よりも遥かにデカいものがあった……。

「ん」

 ライルの色っぽい声が耳に響きぞわりとする。ライルの中心をそっと撫でるとライルはビクンと一瞬身体を硬直させ、俺の首元に顔を埋めた。

 そして俺の耳たぶを咥え、荒い息を吹き掛ける。

「あ……ショ、ショーゴ……は、はっ……」

 痛そうなくらいガチガチのそれは限界を迎えそうだった。

「ショ、ショーゴ……入れたい……」

「!!」

 え、いや、その……そ、そりゃそうか……こんなことしてたらそりゃ入れたくもなるよな!
 …………いや、どこに!?

「えっと……あの、入れるって……どこに?」

 フ―フーと荒い息のままライルは俺の耳に唇を当て囁いた。

「お前のなかに……入りたい……」

 そう言いながら先程緩められたズボンの入り口から侵入され、俺の再び固くなりだしたモノを片手で撫で、もう片方の手は後ろへと回った。尻を撫でられ後ろの孔に……

「んあっ! い、いや、いやいや! ちょ、ちょっと待て!!」

 ライルの指が俺の孔を撫でる。

 そ、そうか、男に入れるとしたらここしかないわな! い、いやいや、ちょっと待て!!

「ラ、ライル!! ちょっと待ってくれ!! ま、まだ心の準備が!!」

 それが正直な感想だった。

 俺にだって知識くらいはある。男同士のだって聞いたことはあるし、漫画なんかではチラリとだが見たこともある。
 だから分かる……分かるんだよ!! 分かるけど!! でも!!

 俺の孔を撫でる手はその言葉を聞くと動きを止めた。

「ショーゴ……」

 荒い息のまま切ない声で名を呼ばれ、心臓がぎゅうっとなる。

「ライル……」

 俺は……ライルが好きなんだろ!? こんなに俺を求めてくれているライルをこれ以上我慢させるのか!? あんなに悲しませ苦しませたのに……これ以上まだ……。

 ゆっくりと深呼吸をし、意を決する。俺だってライルと結ばれたい……これは本心だ。

「……その……男とやるのは初めてなんだ……だから、その……怖くて……ゆっくり頼むよ……」

 緊張しながらボソッと呟くと、ライルはガバッと顔を上げ俺の顔を見詰めた。

「そ、そんな見るな。恥ずかしい!」

 顔が熱くなるのを感じ、腕で顔を隠す。
 フッとライルが笑った気がした。そして耳に唇を這わせると「あぁ、分かった」と熱い吐息と共に囁かれぞくりとした。

 ライルは俺の腰に手を当てたかと思うと、勢いよくズボンを剥ぎ取り投げ捨てた。完全に裸にされた俺は羞恥で死にそうに……。必死に隠そうと身体を縮めるが、力任せにライルに身体を開かれると、身体のあらゆるところを舐められ吸われていった。

「は……ん、あ……あっ」

 胸の突起を舌で転がされながら、後ろの孔へと手が伸びる。脚を広げられつぷりと指が侵入してくる。

「んぁああ」

 初めての感覚に驚き、ライルにしがみついた。

「力を抜け」

「そ、そんなこと言われても……」

 今までにない違和感に力なんて抜けるはずがない! 緊張しかないまま、ライルにがっしりとしがみつく。ライルは子供をあやすように、俺の頭を撫でながら、ゆっくりと指を動かした。

「あっ、はっ……んふう……」

 指になにかを付けているのかぬるぬるとした感覚で、孔をほぐされていく。懇願したとおりにライルは時間をかけて、俺の身体をほぐしていってくれた。
 徐々に指を増やされ次第に指の動きがスムーズになり、身体の力も抜けていく。俺のしがみつく力が弱まると、ライルは再び唇を合わせてきた。

 くちゅっと音を立てながら唇を合わせ、ほぐされている後ろからもぬぷっという音が響いた。
 ライルの熱い吐息が耳元をくすぐる。

「もういいか?」

 ライルは絞り出すような声で聞いた。ガチガチになったライルのモノが俺の脚に当たっている。

「う、うん」

 怖くないといえば嘘になる。でもライルを受け入れたい。それは本当に心から思ったのだ。

 俺の返事を聞くとライルは自身のズボンを勢いよく脱ぎ捨て、ガチガチになったそれを露わにした。
 俺の上で膝立ちになって俺を見下ろすライルのそれは、猛々しく主張していた。

 !! で、デカい!! だ、大丈夫なのかこれ!?

 見事な体躯に見惚れるがその中心にそそり立つモノに若干の恐怖を覚える。ごくりと唾を飲み込み覚悟を決める。

「ライル」

 ライルに向かって腕を伸ばした。
 そんな俺を見たライルは余裕のない顔でガバッと抱き付くと、自身の分身を俺の孔へと押し付けた。そしてぐぐっとそれを押し込んでいく。

「んんあ!!」

「ショーゴ」

 ライルは唇を合わせ、舌を挿入する。舌を追われ力の抜けた隙に、ライルの分身はさらに奥へと進む。

「んん……あ、はぁ」

「ショーゴ……ショーゴ……」

 甘く切ない声で名を呼ばれ、卑猥な水音を立てながらの口付け。さらに熱い分身の挿入で俺の意識はぶっ飛びそうになっていた。
 最初は痛みを感じていた後孔もゆっくりと挿入され、ゆっくりと抽送を繰り返されると、次第に気持ちよくなってくるから不思議だ。

「ん、ふ、はっ……はっ、ショーゴ……も、もう無理だ……すまない」

 ライルは苦しそうにそう呟くと、俺に合わせる余裕がなくなってしまったらしく、急激に動きが激しくなった。激しく打ち付けられ、ベッドが軋む。

「うぁっ!! あっ!! あっ!! ラ、ライル!! ま、待って!!」

「ショーゴ!! ショーゴ!!」

 ベッドがギシギシと音を立てながら、ライルに激しく打ち付けられる。荒い息遣いがもうどちらのものかも分からないほど、お互いの息遣いが響き渡る。
 打ち付けられる音とお互いの息遣い、そして卑猥な声音だけが部屋に広がり、俺たちはお互いの存在を確かめ合うように抱き合った……。



 果てた俺たちはそのまま眠りに落ちた……ことはなかった。

 な、なんでだよ!! 一度果てたかと思ったライルの分身は何事もなかったかのように再び反り立っていた……。
 そして俺は、分身ではない本体が!! 本体が果てて気を失うまで何度も抱かれるはめになったのだった……し、死ぬ……。
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