上 下
63 / 91

六十一話 神殺しの特権はチートだった

しおりを挟む
しばらく休憩したあと、部屋にあった階段を下りることにした。もうそろそろ戻ろうかとも思ったが、俺の好奇心に逆らえず、下へ行くこととなった。

だが、階段を降りるとまたもや一本道だった。さっきの階層でもそうだったのだが、敵が一体も出てこない。つまり、階層主の階層と完璧一緒なのである。まさかの2連続で階層主という可能性が出てきたのだ。

まだ可能性なので、それだけはないようにと願いつつ前へ前へと進んでいく。すると上の階層の時と同じように大きなホールが見えてきた。これはまさか...いやまだ可能性はある。

俺は一応周囲に注意を払いながら何も起こらないことを祈って、部屋の真ん中辺りに来た。すると、後ろの方からギギギという音が聞こえてきた。この音は...。
いや、でも、まだ可能性はーーー流石に無いな。諦めて戦います。

さっきから俺が何故そんなに階層主との戦闘を避けたがっているかと言うと、それはステータスが関係している。ステータスを見てみたら、値がおかしくなっていたので、もうレベルを上げなくないのだ。まあ、強くなって損は無いのだが、少し上げすぎな気がして気が引けるのだ。

俺がそんな贅沢な悩みにため息をついていると、何も無い場所からいきなり目の前にローブを被り、鎌を持っている死神だ。因みに、さっきの階層の敵は死神ではなくハデスだったらしい。なので今回こそ死神だろう。
だが、今はそんなことどうでもいい。取り敢えずこいつを倒そう。

まずは様子見で敵が動く前に、相手の顔面に軽くデコピンをする。すると、敵の顔(骨)にヒビが入った。あれ?脆くね?
いや、まだ分からないな。敵が痛みに呻いている間にもう一度顔(骨)に軽くデコピンをする。すると、骨が粉々に砕けた。その後、消滅した。ドロップ品は無しだ。

え?なに?なんでこんなに弱いの?軽くデコピンしただけだよ?
俺は驚きすぎて口を開いて、呆然と立ち尽くした。

涼太自身は知らないが、今の涼太のデコピンは閻魔ぐらいなら、1発で余裕で倒せるぐらい強いのだ。
なので、死神(仮定)をデコピン2発で倒してもおかしくないのだ。

そんなことは全く知らない涼太は、しばらくの間立ち尽くした。そして、その時に、脳内に直接

『レベルが452になりました』
                  省略
『異常的 1がLv.10になりました』
『レベルが501になりました』
                  省略
『異常的 1がLv.11になりました』
『レベルが551になりました』
                  省略
『異常的 1がLv.12になりました』
『レベルが601になりました』
                  省略
『異常的 1がLv.13になりました』
『レベルが651になりました』
『レベルが652になりました』
『レベルが653になりました』
『称号【神殺し 3】を入手しました』
『神殺しの特権 3を入手しました』
『死への誘惑を入手しました』

と響いた。そして、その音によって俺は現実へと引き戻された。そして同時に違う意味で現実逃避したくなった。それはレベルの上がり用がおかしいという事だ。

何なんですかね?このレベルの上がり用は。レベルが上がれば、経験値の必要量が増えて上がりにくくなるはずなんですけどね?
段々とレベルの上昇量が増えてる気がするんですが、気のせいでしょうか?
まあ、何でかは予想できるんですけどね。
たぶん神殺しの特権ですよね。
必要経験値が75%減の75%減はやばいですもんね。

思わず話し方が変になる俺。ま、まあ損をする訳じゃないしいいか(諦め)。
俺はその後精神的な疲れから少し休憩することにした。



休憩した後、やはり好奇心に逆らえず下の階層へ行くことにした。
結局、休憩した後に5回階層主と戦った。そして、5回目で本気でステータスがやばいと思い上へと戻ることにしたのだ。
因みに五回戦っただけで、レベルは2852になっており、異常的 1はLv.57になった。うん、確実におかしいよね。何かがおかしいよね。ステータス確認したくないよ。でも、気になるからしちゃうんだよね。
あー、精神的に疲れた。城に帰って寝よう。

あ、そういえば、今日は護衛兼アドバイス役の最終日じゃん。と言うことは今日が城での睡眠の最終日か。ゆっくり眠ろう。


俺はこう決意して、瑞希達の元へ向かったのだった───。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

スキル【アイテムコピー】を駆使して金貨のお風呂に入りたい

兎屋亀吉
ファンタジー
異世界転生にあたって、神様から提示されたスキルは4つ。1.【剣術】2.【火魔法】3.【アイテムボックス】4.【アイテムコピー】。これらのスキルの中から、選ぶことのできるスキルは一つだけ。さて、僕は何を選ぶべきか。タイトルで答え出てた。

集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!

七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」 その天使の言葉は善意からなのか? 異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか? そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。 ただし、その扱いが難しいものだった。 転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。 基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。 ○○○「これは私とのラブストーリーなの!」 主人公「いや、それは違うな」

異世界転生は、0歳からがいいよね

八時
ファンタジー
転生小説好きの少年が神様のおっちょこちょいで異世界転生してしまった。 神様からのギフト(チート能力)で無双します。 初めてなので誤字があったらすいません。 自由気ままに投稿していきます。

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

あくの
ファンタジー
 15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。 加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。 また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。 長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。 リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!

実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは

竹井ゴールド
ライト文芸
 日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。  その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。  青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。  その後がよろしくない。  青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。  妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。  長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。  次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。  三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。  四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。  この5人とも青夜は家族となり、  ・・・何これ? 少し想定外なんだけど。  【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】 【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】 【2023/6/5、お気に入り数2130突破】 【アルファポリスのみの投稿です】 【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】 【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】 【未完】

おばあちゃん(28)は自由ですヨ

七瀬美緒
ファンタジー
異世界召喚されちゃったあたし、梅木里子(28)。 その場には王子らしき人も居たけれど、その他大勢と共にもう一人の召喚者ばかりに話し掛け、あたしの事は無視。 どうしろっていうのよ……とか考えていたら、あたしに気付いた王子らしき人は、あたしの事を鼻で笑い。 「おまけのババアは引っ込んでろ」 そんな暴言と共に足蹴にされ、あたしは切れた。 その途端、響く悲鳴。 突然、年寄りになった王子らしき人。 そして気付く。 あれ、あたし……おばあちゃんになってない!? ちょっと待ってよ! あたし、28歳だよ!? 魔法というものがあり、魔力が最も充実している年齢で老化が一時的に止まるという、謎な法則のある世界。 召喚の魔法陣に、『最も力――魔力――が充実している年齢の姿』で召喚されるという呪が込められていた事から、おばあちゃんな姿で召喚されてしまった。 普通の人間は、年を取ると力が弱くなるのに、里子は逆。年を重ねれば重ねるほど力が強大になっていくチートだった――けど、本人は知らず。 自分を召喚した国が酷かったものだからとっとと出て行き(迷惑料をしっかり頂く) 元の姿に戻る為、元の世界に帰る為。 外見・おばあちゃんな性格のよろしくない最強主人公が自由気ままに旅をする。 ※気分で書いているので、1話1話の長短がバラバラです。 ※基本的に主人公、性格よくないです。言葉遣いも余りよろしくないです。(これ重要) ※いつか恋愛もさせたいけど、主人公が「え? 熟女萌え? というか、ババ專!?」とか考えちゃうので進まない様な気もします。 ※こちらは、小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

巻き込まれて気づけば異世界 ~その配達員器用貧乏にて~

細波
ファンタジー
(3月27日変更) 仕事中に異世界転移へ巻き込まれたオッサン。神様からチートもらってやりたいように生きる… と思ってたけど、人から頼まれる。神から頼まれる。自分から首をつっこむ! 「前の世界より黒くないし、社畜感無いから余裕っすね」 周りの人も神も黒い! 「人なんてそんなもんでしょ? 俺だって黒い方だと思うし」 そんな元オッサンは今日も行く!

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

処理中です...