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四十五話 久しぶりの城での夕食だった(改稿します)

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俺達は城で夕食をとることになった。瑞希は元の世界にいた時と変わらず、落ち着いて食べている。俺は申し訳ないな、という気持ちで食べていたが、エリスだけは違った。
エリスの方を見てみると緊張しているのか、ガチガチで動きがロボットのようだった。

まあ、この世界生まれの人間にとっては仕方ないだろう。
なぜならーーー国王様と一緒に夕食を食べているからである。王女様は依頼を一緒に受けて少しなれているらしいが、国王様は本気で無理らしい。

ちなみになぜ国王様と一緒に食べているのかと言うと、俺がいるので久しぶりに皆一緒に食べたいとのことだった。
俺が城を出る前は、俺と瑞希と国王様と王女様の全員で一緒に食べていたのだ。
だが、みんな一緒に食べていた理由は俺がすぐに城から出ていくので、それまでに仲良くなっておこうというものだったので、俺がいなくなると一緒に食べなくなったらしい。

夕食を食べている間は、王女様と国王様に質問されたりした。その質問はエリスにも飛んでいったが、エリスは緊張しすぎて周りの音が聞こえていないのか反応がない。更には独り言をブツブツと呟きだした。
俺はそろそろやばいんじゃないか、と思い瑞希に声をかけた後、国王様に少し外の空気を吸わせてきますと言って部屋を出ていく。

部屋の外に出ても、エリスは独り言をブツブツと呟いているので、俺はエリスの肩を掴んで前後に揺らす。するとエリスがやっと元に戻って話し始める。

「あれ?ここどこ?」

エリスがキョトンとした顔で尋ねてくるので、俺は場所を伝える。

「ここは城の庭だ」

「私、夕食食べてなかった?」

「ああ、食べてたな」

「じゃあなんでこんな所にいるの?」

「エリスがやばそうだったから」

「え?」

エリスはまだ理解ができていなさそうだ。
俺は何があったのか、エリスに説明する。
するとエリスはそうだったんだ、と言った。
覚えていないのだろうか?俺はエリスが正常に戻ったので、夕食を食べに戻るかと伝えると、エリスは大きな声で拒否してきた。

「嫌だよ!」

理由を尋ねてみると、国王様と一緒に夕食なんか食べたら失礼だから、だそうだ。俺がどうやって連れていこうかと考えていると、瑞希がエリスに話しかける。

「エリスさん、無理して一緒に食べなくても大丈夫なので、気にしないでいいですよ」

「ミズキ、優しい!それに比べてリョウタは...今絶対どうやって連れていこうかな?って考えてたでしょ!鬼畜!」

俺は図星を突かれて黙り込む。だが俺は鬼畜ではないと思うのでそこは否定しておこうと思う。

「俺は鬼畜ではない」

「鬼畜だよ!」

エリスはまだ俺を鬼畜呼ばわりしている。
俺はまあいいか、と諦める。それよりもだ、エリスは夕食をどうするのかだ。

「なあエリス、夕食はどうするんだ?国王様達が食べ終わるまで待っとくのか?」

「んー、どこが違う場所で食べようかな」

「そっか、じゃあ俺は国王様のところ戻るから」

俺はそう言って来た道を戻る。俺の後ろではエリスが何かを叫んでいる気がするが気のせいだろう。

俺は国王様の元へ戻って夕食を食べる。しばらく食べていると瑞希が戻ってきて、エリスの夕食についての話をしている。
話が終わると瑞希はエリスと自分の夕食をどこかに持っていった。多分瑞希とエリスは一緒に夕食を食べるのだろう。

俺は国王様と王女様と3人だけになり、気まずくなったので、急いで夕食を食べる。
そしてごちそうさまと言って部屋を出る。

まずはエリスがどこにいるのか探そうと思う。城の中をてきとうに歩き、歩いている人に瑞希がどこにいるのか聞き、また歩く。それを繰り返していたが全く見つからなかった。俺はどうしようかな、と思い城の庭に行く。するとそこにはエリスと瑞希の姿が見えた。2人は庭にあるベンチに座り、何かを話しているようだが、全く聞こえない。
何故だろう、さっきからくしゃみがよく出る気がする。
俺は瑞希とエリスの方に近寄って、後ろからわっ、と声をかける。すると2人が

「「うわ!?」」

と叫びながら、ベンチからかなりの勢いで立ち上がり、かなり遠くまで後ずさった。
俺はそんなに驚くか?と思っていると瑞希とエリスが声を合わせて真剣な顔付きで俺に詰め寄ってくる。

「「話の内容聞いた?」」

俺は真面目に全く聞いてない、と返事を返す。すると2人は安堵の息を漏らしバタ、と膝をついた。
俺は、そんなに聞かれたくないことだったのか?と気になったので瑞希達に聞いてみた。
すると瑞希とエリスが声を揃えて言う。

「「涼太(リョウタ)にはね」」

俺だけハブかよ。悲しくなってくるな...。
俺が少し悲しんでいると、その事に気付いてか、瑞希が俺を励ましてくれる。

「別に涼太の悪口を言ってたわけじゃないよ、どっちかと言うと、その...、涼太のいい所を言ってたみたいな?」

瑞希が俺のいいところを言っていた、うん、俺テンション上がってきた。
俺は瑞希にその話について詳しく説明してもらおうとしたが、絶対に無理と拒否されたので諦めることにした。


俺はその後瑞希に2時間程エリスの庭での事を怒られた後、魔力感知スキルについて教えてもらったのだった───。
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