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異世界に召喚されて何でもできるようになったので、取り敢えず花粉症を治します
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皆さんは花粉症というアレルギーをお持ちだろうか?このアレルギーは大変辛いものである。
例えば、学校のテストの時である。花粉症でない人はテストに集中出来るが、花粉症の人は鼻水が出る、やら目がかゆい、やらくしゃみが止まらないなどの理由で全くテストに集中出来ないのだ。
その他にも色々ある。寝ている時に鼻が詰まって起きてしまうや、口で息をしなければならないなどだ。
あげようと思えば無限に出てくるのでこの辺りでやめておくが、本当に言いたいことは花粉症は辛いということだ。
俺こと、花部 風山も花粉症なのだ。俺はかなり重症な花粉症で年中鼻水が止まらない。なので年中病院へ通い続けている。それでも、鼻水はかなり出ている。言わば末期だ。俺が通っている病院の人にも末期としっかり言われた。
言わばお医者さん公認だ。
そんな俺が一番辛い春を迎えた時のことだ。
あれは学校から家へ帰る時のことだ。
「あー疲れたなー...はっくしょん」
いつもと変わらずくしゃみが出ている。
そして、くしゃみによって出た鼻水をかむためにティッシュを出そうとした瞬間、いきなり目の前から謎の鎖が現れた。
さっきまで、目の前には何もなくただの道だったのに、だ。
その鎖は俺の両腕と両足に絡まり俺を縛り付けた。その後目の辺りも鎖が絡まり周りが見えなくなる。そして、そのまま前方向へと引っ張られた。
*
「無事成功しましたね」
「ああ、そうだな」
女性の透き通った声と、男性の渋い声が見に届く。なので俺は自分を拘束している鎖を解いてもらおうと、叫ぼうとした。
だが、それは叶わなかった。鼻がすごくムズムズしてきたのだ。
それも喋ることが許されないぐらいに。
「はくしょん」
大きなくしゃみがでる。
「はくしょん」 「はくしょん」 「はくしょん」 「はくしょん」 「はくしょん」 「はくしょん」 「はくしょん」 「はくしょん」 「はくしょん」
全く止まらない。普段ならひどくても三回連続ぐらいなのだが、今回は全く止まらない。
本当にやばい。鼻水の出てくる量もやばい。
「な、何ですかこの人は...。ずっとくしゃみをしているんですけど」
「大丈夫か?」
女性と男性がなにか話しているが何も聞こえない。取り敢えずティッシュが欲しい。
だが、くしゃみが止まらないので声に出すことが出来ない。
「なにかこの人やばくないですか?」
「い、いや、まだ分からない。取り敢えず鎖を外すぞ」
いきなりやばい人扱いされたのは悲しいが、鎖を外してくれるのはありがたいな。
そして1分後無事に鎖が外された。
その事によって女性と男性の顔を確認できるようになった。
女性は見た目10代後半の方で、体型はスラリとしている。悪くいえばペッタンコ。
服装はドレスだ。なぜドレスなの?と質問したいが、未だくしゃみが止まらないので質問することが出来ない。
いつくしゃみ止まるの?元々末期だったのに更にやばくなっちゃったよ。限界超えちゃったよ。
まあ、そんなこと考えたところでくしゃみが止まる訳では無いので考えないでおこう。
考えるだけ無駄だし、考えてたら悲しくなってくる...。
よし、気を取り直して男性を見よう。
男性は、50代というところだろうか?
そしてその男性はかなり威厳があり、そこにいるだけで空気に緊張感が生まれそうだ。
ただ俺はくしゃみでそれどころではないので関係ない。もしかしてくしゃみって最強かも?
あ、一応言うと男性の服装はどこかの王様が着ていそうな服だ。
所で2人はなぜこんな格好をしているのだろうか?ついでに言うと2人の後ろにいる剣を持った人達は誰だろうか?
ま、まさか、拉致ですか!?
絶対逃げれないじゃないですか!
剣を持ってるんですよ?剣を!法律仕事しろよ!と、内心焦っているものの、くしゃみのせいで全く焦れない。
やばい何とかして逃げないと。俺がそんなことを考えていると、男性が話しかけてきた。
「我の言葉が分かるか?」
言っている言葉は聞こえるが、何言ってるのか理解できないし、返事出来ない。
どうしたものか?
「喋れないようなら頷くだけでいい」
おお、その手があったか。俺は素直に頷く。
頷かなかっただけで殺されるという可能性もあるからな。
俺が頷いたのを確認した男性は近くの剣を持った人に近づく。
「くしゃみが落ち着くまでしばらく待っておくから、治まったらよんでくれ」
男性はそう言って女性とどこかへ行ってしまった。そして男性に頼まれた剣を持った人は俺の近くに来て話しかけてくる。
「ティッシュとかいるか?」
俺は首が折れそうになるぐらい強く、何度も頷く。なんですかこの人は!紳士ですか!?
拉致犯なのに紳士ですか!?
俺は剣を持った拉致犯の紳士(謎)に感謝しつつ、くしゃみがおさまるのを待った。
1時間後今までで喋れないぐらいの間隔で出ていたくしゃみがなんと!少し喋れるぐらいの間隔になりました!
「剣を...はくしょん、持った...はくしょん紳...はくしょん、士...はくしょん、さん...はくしょん、だいぶ...はくしょん、おさま...はくしょん、りま...はくしょん、した...はくしょん」
ほら!聞いていましたか!だいぶおさまったでしょ!(全くです)
「おお、そうだな。喋れるようにもなったしな」
剣を持った人はそう言ってどこかへと走っていった。しばらくした後、最初にいた男性と女性を連れて、剣を持った人が戻ってきた。
そして、男性と女性は未だにずっとくしゃみをしている俺を見て剣を持った人に問いかける。
「どこがおさまったんだ?」
「あまり変わっていない気がするんですけど」
男性達の疑問は正しいだろう。だが、それでもマシにはなっているんだ。喋れるようになったんだから!
「はなせ...はくしょん、るよう...はくしょん、にな...はくしょん、りました…はくしょん」
「お、おお、そうか」
男性が少し戸惑い気味に返事を返してくる。
まあ確かにそうなるよね。分かってました。
「まあ、少しマシになったということで、少し話をしようか」
あ、そう言えば俺、拉致られてるんだったっけ?剣を持った人が紳士すぎて忘れてた。
「いの...はくしょん、ちだけは...はくしょん、たすけ...はくしょん、てくだ...はくしょん、
さい...はくしょん」
「何を言ってるのかは分からんが、取り敢えず話を進めていくぞ。まずここはカフーンという世界の、カッフン王国という場所だ」
ちょっとまて!今、花粉という世界の花粉王国といっているようにきこえたんだがきのせいだろうか?絶対に気のせいじゃないよな!
絶対花粉多いだろこの場所。そのせいでこんなふうにくしゃみが止まらなくなってるんだろ、おい!
俺がそんな心からの叫びを心の中で叫んでいると男性が続きを話し始める。
「何故お主がここにいるかと言うと、我々が召喚したからだ。お主からしたら何をそんな勝手な、と思うかもしれないが、世界のことがかかっているのでどうか許して欲しい」
いや、そもそも召喚ってなんだよって所からツッコミたいんだが、喋るとしんどいので辞めておこう。
「さて、この世界に読んだ経緯も説明したわけだし、『ステータス』と言ってくれないか?それでお主の力を確認することが出来る」
おお、なんか厨二臭いこと言ってるな。
まあ、一応言うか。
『ステー...はくしょん、タス』
何も起きない。
「あの...はくしょん、なにも...はくしょん、起きな...はくしょん、いんで...はくしょん、すが...はくしょん」
「『ステータス』は続けて言わないと発動しないんだ。だから、くしゃみをしてはいけないんだ」
な・・・んだと?そんなの不可能じゃないか!
俺絶対殺されるじゃねえか!
こいつステータスも言えないようなクソ野郎だし、生かしておく価値ねえなみたいな感じで殺されるヤツじゃん。
やばい、頑張ろう。
その後30分ほど一生懸命ステータスと言い続けた。意外にも拉致犯達はずっと待ってくれており、殺されることは無かった。
逆に少し休憩しては?と言われた。俺はその言葉に甘えて少し休憩することにした。
その成果があってか、休憩が終わって一回目の挑戦で無事に成功させることが出来た。
『ステータス』「はくしょん」
俺がそういった後、目の前に謎のウィンドウが出てきた。すごい技術だな。
俺は少し興奮しつつ、そのウィンドウに視線を移す。
そこにはレベル、スキル、ユニークスキルと書かれていた。
レベルは1、スキルは言語理解と、鑑定スキルだけだった。そして最後にユニークスキルだ。するとそこにはこのようなものがあった。
『人体改造』
俺はなんだこれ?と思い、そのユニークスキルをなんとなくタップしてみた。
すると、画面が変わり、人体改造の詳細が出てきた。
人体改造
自分の体を自由に改造することが出来る。
方法:頭で想像し、命じるだけ。
あまり詳しくは書かれていないが言葉のままだということが分かった。
も、もしだぞ?もしこれが本当に使えるとしたらだぞ?俺の体を自由に変えれるとしたらだぞ?花粉症が治せるんじゃないか?
嘘だとわかっていても、1%でも可能性があるなら俺はやってみる派だ。
よし、頭で花粉症が治るように想像して、治れ!と命令する。するとその瞬間、くしゃみがおさまった。
ま、まさか本当に人体改造出来たのか?
男性達も呆然と俺の方を見つめている。
全く鼻がムズムズしない。くしゃみも鼻水も出ない。ほ、ほんとに治ったぽいぞ。
「よっしゃぁぁぁぁぁぁぁ」
俺は思わず叫んでしまった。
嬉しすぎる。よっしゃ!これでやっと普通に話せる。俺はこうして花粉症を治すことが出来たのだった。
治った後は、もう自由の身だ。あの呪いのような花粉症を克服できたんだ。何も怖くない。さあ、拉致犯よ来い!と思い、人体改造で身体能力を強化して構えていると、王様のような格好をした男性が話を始めた。
「私はこのカッフン王国の国王だ。そしてお主に頼みたいことがある…どうか、この国を助けて欲しい…!」
え、この人王様みたいじゃなくて本当に王様だったんだ。まあ、それは今は置いておいて…
「この国を助けるとはどういうことですか?」
俺の質問を聞いた国王様はこの世界について話を始めた。その話を簡単にまとめると、分かっていたことだがここは異世界で、魔王を倒せとのことだった。よくある異世界転移ものだな。だが、一つ気になることがある。
「なぜ魔王を倒さなければいけないのですか?」
この理由は知っておくべきだろう。ただ、国王様の話だけでは情報が足りないので後後この国について調べるつもりだ。そして、さっきの俺の質問に対する答えは、魔王を討伐しなければ一方的に魔物達に人間が虐殺されるからだそうだ。これは後日調べてわかったことだが、この国王はとても優しいことで有名で、邪なことなど考えていなさそうだ。
なので俺は数日たって十分に情報を集め終えたあと、その依頼を引き受けることにした。そして、目標の魔王討伐に向けてレベル上げをすることになった。幸い、レベル上げは人体改造で身体能力をあげまくったおかげで、簡単にすることが出来た。
そして1ヶ月後、魔王に挑みにいく事になった。1ヶ月で挑むとか頭おかしいんじゃないかと思われるかもしれないが、これでも十分な成果は挙げているのだ。この世界の人間はもちろん、何千、何万年と生きた邪龍や邪神を倒してきた。もうこれ以上準備はできないというところまで来たのだ。
だが、それでも不安はあるので念のために身体能力を今までよりさらに上げた。そのおかげで、魔王をワンパンした。と言うかオーバーキルだ。なにか話している途中だったが気にしてはいけない。相手のセリフを待つのはバカの所業である。
そして魔王を倒した後、元の世界に帰るかこの世界に残るかという選択を迫られた。普通少しは悩む、若しくは元の世界に帰るというだろう。だが俺はこの世界に残ることにした。何故ならこの世界から、元の世界へ帰ると花粉症に逆戻りしてしまうからだ。この世界の力はこの世界だけ、元の世界に戻ると何もかも元に戻るようになっているらしい。そんなの絶対にありえない。せっかく自由を手にしたというのに。元に戻るぐらいなら俺はこの世界で一生生きていく。
こうして俺は新たな花粉症がない人生を歩むことに決めたのだった。
この出来事は将来に文献として残されて、最強で、おかしな過去の英雄ーーーカーフンの将軍、略して『カフン・ショウ』と呼ばれ、人々に崇められるのだった。
例えば、学校のテストの時である。花粉症でない人はテストに集中出来るが、花粉症の人は鼻水が出る、やら目がかゆい、やらくしゃみが止まらないなどの理由で全くテストに集中出来ないのだ。
その他にも色々ある。寝ている時に鼻が詰まって起きてしまうや、口で息をしなければならないなどだ。
あげようと思えば無限に出てくるのでこの辺りでやめておくが、本当に言いたいことは花粉症は辛いということだ。
俺こと、花部 風山も花粉症なのだ。俺はかなり重症な花粉症で年中鼻水が止まらない。なので年中病院へ通い続けている。それでも、鼻水はかなり出ている。言わば末期だ。俺が通っている病院の人にも末期としっかり言われた。
言わばお医者さん公認だ。
そんな俺が一番辛い春を迎えた時のことだ。
あれは学校から家へ帰る時のことだ。
「あー疲れたなー...はっくしょん」
いつもと変わらずくしゃみが出ている。
そして、くしゃみによって出た鼻水をかむためにティッシュを出そうとした瞬間、いきなり目の前から謎の鎖が現れた。
さっきまで、目の前には何もなくただの道だったのに、だ。
その鎖は俺の両腕と両足に絡まり俺を縛り付けた。その後目の辺りも鎖が絡まり周りが見えなくなる。そして、そのまま前方向へと引っ張られた。
*
「無事成功しましたね」
「ああ、そうだな」
女性の透き通った声と、男性の渋い声が見に届く。なので俺は自分を拘束している鎖を解いてもらおうと、叫ぼうとした。
だが、それは叶わなかった。鼻がすごくムズムズしてきたのだ。
それも喋ることが許されないぐらいに。
「はくしょん」
大きなくしゃみがでる。
「はくしょん」 「はくしょん」 「はくしょん」 「はくしょん」 「はくしょん」 「はくしょん」 「はくしょん」 「はくしょん」 「はくしょん」
全く止まらない。普段ならひどくても三回連続ぐらいなのだが、今回は全く止まらない。
本当にやばい。鼻水の出てくる量もやばい。
「な、何ですかこの人は...。ずっとくしゃみをしているんですけど」
「大丈夫か?」
女性と男性がなにか話しているが何も聞こえない。取り敢えずティッシュが欲しい。
だが、くしゃみが止まらないので声に出すことが出来ない。
「なにかこの人やばくないですか?」
「い、いや、まだ分からない。取り敢えず鎖を外すぞ」
いきなりやばい人扱いされたのは悲しいが、鎖を外してくれるのはありがたいな。
そして1分後無事に鎖が外された。
その事によって女性と男性の顔を確認できるようになった。
女性は見た目10代後半の方で、体型はスラリとしている。悪くいえばペッタンコ。
服装はドレスだ。なぜドレスなの?と質問したいが、未だくしゃみが止まらないので質問することが出来ない。
いつくしゃみ止まるの?元々末期だったのに更にやばくなっちゃったよ。限界超えちゃったよ。
まあ、そんなこと考えたところでくしゃみが止まる訳では無いので考えないでおこう。
考えるだけ無駄だし、考えてたら悲しくなってくる...。
よし、気を取り直して男性を見よう。
男性は、50代というところだろうか?
そしてその男性はかなり威厳があり、そこにいるだけで空気に緊張感が生まれそうだ。
ただ俺はくしゃみでそれどころではないので関係ない。もしかしてくしゃみって最強かも?
あ、一応言うと男性の服装はどこかの王様が着ていそうな服だ。
所で2人はなぜこんな格好をしているのだろうか?ついでに言うと2人の後ろにいる剣を持った人達は誰だろうか?
ま、まさか、拉致ですか!?
絶対逃げれないじゃないですか!
剣を持ってるんですよ?剣を!法律仕事しろよ!と、内心焦っているものの、くしゃみのせいで全く焦れない。
やばい何とかして逃げないと。俺がそんなことを考えていると、男性が話しかけてきた。
「我の言葉が分かるか?」
言っている言葉は聞こえるが、何言ってるのか理解できないし、返事出来ない。
どうしたものか?
「喋れないようなら頷くだけでいい」
おお、その手があったか。俺は素直に頷く。
頷かなかっただけで殺されるという可能性もあるからな。
俺が頷いたのを確認した男性は近くの剣を持った人に近づく。
「くしゃみが落ち着くまでしばらく待っておくから、治まったらよんでくれ」
男性はそう言って女性とどこかへ行ってしまった。そして男性に頼まれた剣を持った人は俺の近くに来て話しかけてくる。
「ティッシュとかいるか?」
俺は首が折れそうになるぐらい強く、何度も頷く。なんですかこの人は!紳士ですか!?
拉致犯なのに紳士ですか!?
俺は剣を持った拉致犯の紳士(謎)に感謝しつつ、くしゃみがおさまるのを待った。
1時間後今までで喋れないぐらいの間隔で出ていたくしゃみがなんと!少し喋れるぐらいの間隔になりました!
「剣を...はくしょん、持った...はくしょん紳...はくしょん、士...はくしょん、さん...はくしょん、だいぶ...はくしょん、おさま...はくしょん、りま...はくしょん、した...はくしょん」
ほら!聞いていましたか!だいぶおさまったでしょ!(全くです)
「おお、そうだな。喋れるようにもなったしな」
剣を持った人はそう言ってどこかへと走っていった。しばらくした後、最初にいた男性と女性を連れて、剣を持った人が戻ってきた。
そして、男性と女性は未だにずっとくしゃみをしている俺を見て剣を持った人に問いかける。
「どこがおさまったんだ?」
「あまり変わっていない気がするんですけど」
男性達の疑問は正しいだろう。だが、それでもマシにはなっているんだ。喋れるようになったんだから!
「はなせ...はくしょん、るよう...はくしょん、にな...はくしょん、りました…はくしょん」
「お、おお、そうか」
男性が少し戸惑い気味に返事を返してくる。
まあ確かにそうなるよね。分かってました。
「まあ、少しマシになったということで、少し話をしようか」
あ、そう言えば俺、拉致られてるんだったっけ?剣を持った人が紳士すぎて忘れてた。
「いの...はくしょん、ちだけは...はくしょん、たすけ...はくしょん、てくだ...はくしょん、
さい...はくしょん」
「何を言ってるのかは分からんが、取り敢えず話を進めていくぞ。まずここはカフーンという世界の、カッフン王国という場所だ」
ちょっとまて!今、花粉という世界の花粉王国といっているようにきこえたんだがきのせいだろうか?絶対に気のせいじゃないよな!
絶対花粉多いだろこの場所。そのせいでこんなふうにくしゃみが止まらなくなってるんだろ、おい!
俺がそんな心からの叫びを心の中で叫んでいると男性が続きを話し始める。
「何故お主がここにいるかと言うと、我々が召喚したからだ。お主からしたら何をそんな勝手な、と思うかもしれないが、世界のことがかかっているのでどうか許して欲しい」
いや、そもそも召喚ってなんだよって所からツッコミたいんだが、喋るとしんどいので辞めておこう。
「さて、この世界に読んだ経緯も説明したわけだし、『ステータス』と言ってくれないか?それでお主の力を確認することが出来る」
おお、なんか厨二臭いこと言ってるな。
まあ、一応言うか。
『ステー...はくしょん、タス』
何も起きない。
「あの...はくしょん、なにも...はくしょん、起きな...はくしょん、いんで...はくしょん、すが...はくしょん」
「『ステータス』は続けて言わないと発動しないんだ。だから、くしゃみをしてはいけないんだ」
な・・・んだと?そんなの不可能じゃないか!
俺絶対殺されるじゃねえか!
こいつステータスも言えないようなクソ野郎だし、生かしておく価値ねえなみたいな感じで殺されるヤツじゃん。
やばい、頑張ろう。
その後30分ほど一生懸命ステータスと言い続けた。意外にも拉致犯達はずっと待ってくれており、殺されることは無かった。
逆に少し休憩しては?と言われた。俺はその言葉に甘えて少し休憩することにした。
その成果があってか、休憩が終わって一回目の挑戦で無事に成功させることが出来た。
『ステータス』「はくしょん」
俺がそういった後、目の前に謎のウィンドウが出てきた。すごい技術だな。
俺は少し興奮しつつ、そのウィンドウに視線を移す。
そこにはレベル、スキル、ユニークスキルと書かれていた。
レベルは1、スキルは言語理解と、鑑定スキルだけだった。そして最後にユニークスキルだ。するとそこにはこのようなものがあった。
『人体改造』
俺はなんだこれ?と思い、そのユニークスキルをなんとなくタップしてみた。
すると、画面が変わり、人体改造の詳細が出てきた。
人体改造
自分の体を自由に改造することが出来る。
方法:頭で想像し、命じるだけ。
あまり詳しくは書かれていないが言葉のままだということが分かった。
も、もしだぞ?もしこれが本当に使えるとしたらだぞ?俺の体を自由に変えれるとしたらだぞ?花粉症が治せるんじゃないか?
嘘だとわかっていても、1%でも可能性があるなら俺はやってみる派だ。
よし、頭で花粉症が治るように想像して、治れ!と命令する。するとその瞬間、くしゃみがおさまった。
ま、まさか本当に人体改造出来たのか?
男性達も呆然と俺の方を見つめている。
全く鼻がムズムズしない。くしゃみも鼻水も出ない。ほ、ほんとに治ったぽいぞ。
「よっしゃぁぁぁぁぁぁぁ」
俺は思わず叫んでしまった。
嬉しすぎる。よっしゃ!これでやっと普通に話せる。俺はこうして花粉症を治すことが出来たのだった。
治った後は、もう自由の身だ。あの呪いのような花粉症を克服できたんだ。何も怖くない。さあ、拉致犯よ来い!と思い、人体改造で身体能力を強化して構えていると、王様のような格好をした男性が話を始めた。
「私はこのカッフン王国の国王だ。そしてお主に頼みたいことがある…どうか、この国を助けて欲しい…!」
え、この人王様みたいじゃなくて本当に王様だったんだ。まあ、それは今は置いておいて…
「この国を助けるとはどういうことですか?」
俺の質問を聞いた国王様はこの世界について話を始めた。その話を簡単にまとめると、分かっていたことだがここは異世界で、魔王を倒せとのことだった。よくある異世界転移ものだな。だが、一つ気になることがある。
「なぜ魔王を倒さなければいけないのですか?」
この理由は知っておくべきだろう。ただ、国王様の話だけでは情報が足りないので後後この国について調べるつもりだ。そして、さっきの俺の質問に対する答えは、魔王を討伐しなければ一方的に魔物達に人間が虐殺されるからだそうだ。これは後日調べてわかったことだが、この国王はとても優しいことで有名で、邪なことなど考えていなさそうだ。
なので俺は数日たって十分に情報を集め終えたあと、その依頼を引き受けることにした。そして、目標の魔王討伐に向けてレベル上げをすることになった。幸い、レベル上げは人体改造で身体能力をあげまくったおかげで、簡単にすることが出来た。
そして1ヶ月後、魔王に挑みにいく事になった。1ヶ月で挑むとか頭おかしいんじゃないかと思われるかもしれないが、これでも十分な成果は挙げているのだ。この世界の人間はもちろん、何千、何万年と生きた邪龍や邪神を倒してきた。もうこれ以上準備はできないというところまで来たのだ。
だが、それでも不安はあるので念のために身体能力を今までよりさらに上げた。そのおかげで、魔王をワンパンした。と言うかオーバーキルだ。なにか話している途中だったが気にしてはいけない。相手のセリフを待つのはバカの所業である。
そして魔王を倒した後、元の世界に帰るかこの世界に残るかという選択を迫られた。普通少しは悩む、若しくは元の世界に帰るというだろう。だが俺はこの世界に残ることにした。何故ならこの世界から、元の世界へ帰ると花粉症に逆戻りしてしまうからだ。この世界の力はこの世界だけ、元の世界に戻ると何もかも元に戻るようになっているらしい。そんなの絶対にありえない。せっかく自由を手にしたというのに。元に戻るぐらいなら俺はこの世界で一生生きていく。
こうして俺は新たな花粉症がない人生を歩むことに決めたのだった。
この出来事は将来に文献として残されて、最強で、おかしな過去の英雄ーーーカーフンの将軍、略して『カフン・ショウ』と呼ばれ、人々に崇められるのだった。
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