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第3章: 三人の精霊と俺の時空ラビリンス
2度目のホーエンハイムの攻防②
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三人の精霊とルナは再び出逢えた喜びを分かち合っていたーー。
「ルナは今でもアクセルが好きなの」
単刀直入に聞くリサ。
さすがのジャックナイフぶりだ。
全くもって遠慮が無い。
「ええええええ!!
な、な、な、何で?」
いきなりど真ん中ストレートの質問にあたふたするルナ。
「ものすごく顔が真っ赤なの」
「相変わらず分かりやすいですわね」
ルナはゆでダコのように顔を真っ赤にしている。
「ま、まだ誰にも言った事ないのに、何で分かったの?」
モジモジしながらリサを見つめるルナ。
「それはねえ、私たちはーーーーふぐっ」
口をシルフィーに塞がれるエルザ。
リサはそれを見て、
「な、何となくよ。ほら、アクセルさんイケメンだし、強そうだからさ」
ハハハと作り笑いを浮かべて誤魔化す。
時の砂の話などしても信じてもらえないので、なるべくその話はしない方が良いとリサとシルフィーは思っていた。
「や、優しいの。私を特別扱いしないっていうか。一人の女の子として見てくれる。
体が大きいとか小さいとか、精霊とか人間とかそんな事を無視して同じ目線で話してくれるの」
ルナはほっこりしながら優しい口調で話す。
その声と表情から本当にアクセルの事が大好きなんだと分かる。
三人はルナがまだ、アクセルと契約はしてないとハッキリ分かった。
これは前回の世界でも同じだった。
前回の世界ではこの後の敵の襲撃でアクセルと契約するが、事故でアクセルは命を落とし、キャメロットに応援の要請をするという流れだ。
今回はその襲撃の前にホーエンハイムに来れている。
「ルナ、アクセルさんとの恋愛応援するよ!」
「ルナ頑張るの!」
「契約を勝ち取れ!!」
三人はアクセルとルナの恋愛応援団となり、興奮している。
「ありがとう。うん、頑張るよ。
みんながいて心強いよ」
ルナは頬を染めながら恥ずかしそうにしていた。
☆ ☆ ☆
「アヴァロンの聖堂騎士団とは何者なんですか?」
アクセルはマジか?と目が飛び出るような表情を見せた。
「神の崇拝者であり魔女教徒を撲滅させようとしている騎士団さ」
「魔女教徒を撲滅・・・」
「ああ。リリスはその容姿と魔法が使える事から魔女と間違えられている。
ただ単純に人間と精霊のハーフってだけなのに」
リリスは魔女じゃない?
「紫の髪と青い瞳は魔女じゃないのか?」
「確かにそのような言い伝えはあるが、
実際魔女を見た人間は一人もいない。
魔女は架空の人物とされている」
架空の人物・・・か。
この世界では魔女は存在しないって事か。
「アヴァロンはなぜ魔女教徒を狩っているんだ?」
「アヴァロンは国を上げて神聖教を崇めている神の崇拝者だ。
アヴァロンの国王であり、神の使者メイザース様がアヴァロンを納めているからだ」
「メイザースがアヴァロンの国王!!」
「あ、ああ。とんでもない人に目を付けられている。
だけど、何者であれリリスは渡さない!」
「ちなみに、アクセルとリリスはどんな関係ですか?」
「リリスは腹違いの義妹になる。
リリスには妹もいてやはり同じような容姿をしていて同じように狙われているんだ」
「エレナもここにいるのか?」
「エレナをご存知なんですか?」
リリスが口を手で押さえ驚いている。
「あっ、言え知ってるというか何と言うか」
アーサーが言葉を濁していると、
廊下をバタバタと走り寄って来る足音が聞こえる。
バタンとノックもせずに勢い良くドアを開ける。
「ーー申し上げますにゃ」
「騒々しい、アクセル様の来客中にゃ」
メルルが兵士に一喝を入れる。ーーが、
「良い。申せ!」
アクセルの一言でメルルは一歩下がった。
兵士は全力で走ってきたのか息を整え、
「て、敵襲です。聖堂騎士団が攻めてきました」
「何! 数は?」
「約千かと・・・」
アクセルは顔を歪め、メルルに視線を送る。
メルルは直ぐに事を察し「御意」と一言残し
先ほどの兵士と一緒に足早に去って行った。
「アクセル・・・」
「ああ、お主らには色々聞きたい事もあったがそうは言ってられなくなった。
キャメロットにも書状を送ってる時間も無いようだ」
アクセルは残念と肩をすくめてみせる。
「俺たちも協力するよ!」
アーサーの肩をポンと叩き、
「自分たちの国は自分たちの手で守ってみせるさ」
「ーーただ」と、アクセルは立ち止まり
「もしもの時は力を貸してくれ」
その言葉に、
「ああ、友だちじゃないか!」
「ありがとう、友よ」
振り返りニシシシと白い歯を見せるアクセルだった。
☆ ☆ ☆
「お姉様・・・」
真っ青な顔した紫の髪の少女がリリスに抱き付く。
「エレナ、大丈夫よ。きっとアクセルやメルルが助けてくれるわ」
震える少女の体を優しく抱き締める。
「何で?ただ似てるってだけでこんな仕打ちを受けるの。私たちはこの国にいてはいけないの?」
リリスは首を横に振り、そんな事はないわ。
「私たちのせいでみんなが戦いに巻き込まれて死んじゃうよ」
「大丈夫よ、アクセルやメルルは強いですもの絶対に負けないわよ」
エレナは抱き締めるリリスを突き飛ばし、
「みんな死ぬんだよ!!!!」
エレナは鬼気迫る表情で力の限り叫んだーーーー!
リリスは驚きの余り尻餅をついた。
今まで一度も見た事の無い妹の表情。
「私の中で何度も、何度も、お母様は死んで行った。みんな死んで、家も街も何もかも全部壊れちゃうんだよ・・・」
ガタガタと震えながら、髪をくしゃくしゃにするエレナ。
「エレナ、どうしたの?」
余りの変貌ぶりに動揺するリリス。
立ち上がり、ゆっくりと近寄る。
「毎日、毎日、悪夢を見るの!
燃え盛る戦火の中で、お母様は私の犠牲になり死んでしまい。お姉様は行方不明にーー」
止めどなく流れる涙・・・
リリスには何を言っているのか理解出来なかったが、
「大丈夫よ。私はどこへも行かないわ」
再び、ぎゅっと強くエレナを抱き締める。
落ち着きを取り戻し涙ながらにリリスを見上げる。
元気付けようと微笑むリリス。
「お姉様・・・ありがとうございます」
エレナは目を閉じそのまま寄り添い続けた。
悪夢で見た地獄絵図は、エレナの心の中に深く刻まれていたーーーー。
ーー 聖堂騎士団現る ーー
「ルナは今でもアクセルが好きなの」
単刀直入に聞くリサ。
さすがのジャックナイフぶりだ。
全くもって遠慮が無い。
「ええええええ!!
な、な、な、何で?」
いきなりど真ん中ストレートの質問にあたふたするルナ。
「ものすごく顔が真っ赤なの」
「相変わらず分かりやすいですわね」
ルナはゆでダコのように顔を真っ赤にしている。
「ま、まだ誰にも言った事ないのに、何で分かったの?」
モジモジしながらリサを見つめるルナ。
「それはねえ、私たちはーーーーふぐっ」
口をシルフィーに塞がれるエルザ。
リサはそれを見て、
「な、何となくよ。ほら、アクセルさんイケメンだし、強そうだからさ」
ハハハと作り笑いを浮かべて誤魔化す。
時の砂の話などしても信じてもらえないので、なるべくその話はしない方が良いとリサとシルフィーは思っていた。
「や、優しいの。私を特別扱いしないっていうか。一人の女の子として見てくれる。
体が大きいとか小さいとか、精霊とか人間とかそんな事を無視して同じ目線で話してくれるの」
ルナはほっこりしながら優しい口調で話す。
その声と表情から本当にアクセルの事が大好きなんだと分かる。
三人はルナがまだ、アクセルと契約はしてないとハッキリ分かった。
これは前回の世界でも同じだった。
前回の世界ではこの後の敵の襲撃でアクセルと契約するが、事故でアクセルは命を落とし、キャメロットに応援の要請をするという流れだ。
今回はその襲撃の前にホーエンハイムに来れている。
「ルナ、アクセルさんとの恋愛応援するよ!」
「ルナ頑張るの!」
「契約を勝ち取れ!!」
三人はアクセルとルナの恋愛応援団となり、興奮している。
「ありがとう。うん、頑張るよ。
みんながいて心強いよ」
ルナは頬を染めながら恥ずかしそうにしていた。
☆ ☆ ☆
「アヴァロンの聖堂騎士団とは何者なんですか?」
アクセルはマジか?と目が飛び出るような表情を見せた。
「神の崇拝者であり魔女教徒を撲滅させようとしている騎士団さ」
「魔女教徒を撲滅・・・」
「ああ。リリスはその容姿と魔法が使える事から魔女と間違えられている。
ただ単純に人間と精霊のハーフってだけなのに」
リリスは魔女じゃない?
「紫の髪と青い瞳は魔女じゃないのか?」
「確かにそのような言い伝えはあるが、
実際魔女を見た人間は一人もいない。
魔女は架空の人物とされている」
架空の人物・・・か。
この世界では魔女は存在しないって事か。
「アヴァロンはなぜ魔女教徒を狩っているんだ?」
「アヴァロンは国を上げて神聖教を崇めている神の崇拝者だ。
アヴァロンの国王であり、神の使者メイザース様がアヴァロンを納めているからだ」
「メイザースがアヴァロンの国王!!」
「あ、ああ。とんでもない人に目を付けられている。
だけど、何者であれリリスは渡さない!」
「ちなみに、アクセルとリリスはどんな関係ですか?」
「リリスは腹違いの義妹になる。
リリスには妹もいてやはり同じような容姿をしていて同じように狙われているんだ」
「エレナもここにいるのか?」
「エレナをご存知なんですか?」
リリスが口を手で押さえ驚いている。
「あっ、言え知ってるというか何と言うか」
アーサーが言葉を濁していると、
廊下をバタバタと走り寄って来る足音が聞こえる。
バタンとノックもせずに勢い良くドアを開ける。
「ーー申し上げますにゃ」
「騒々しい、アクセル様の来客中にゃ」
メルルが兵士に一喝を入れる。ーーが、
「良い。申せ!」
アクセルの一言でメルルは一歩下がった。
兵士は全力で走ってきたのか息を整え、
「て、敵襲です。聖堂騎士団が攻めてきました」
「何! 数は?」
「約千かと・・・」
アクセルは顔を歪め、メルルに視線を送る。
メルルは直ぐに事を察し「御意」と一言残し
先ほどの兵士と一緒に足早に去って行った。
「アクセル・・・」
「ああ、お主らには色々聞きたい事もあったがそうは言ってられなくなった。
キャメロットにも書状を送ってる時間も無いようだ」
アクセルは残念と肩をすくめてみせる。
「俺たちも協力するよ!」
アーサーの肩をポンと叩き、
「自分たちの国は自分たちの手で守ってみせるさ」
「ーーただ」と、アクセルは立ち止まり
「もしもの時は力を貸してくれ」
その言葉に、
「ああ、友だちじゃないか!」
「ありがとう、友よ」
振り返りニシシシと白い歯を見せるアクセルだった。
☆ ☆ ☆
「お姉様・・・」
真っ青な顔した紫の髪の少女がリリスに抱き付く。
「エレナ、大丈夫よ。きっとアクセルやメルルが助けてくれるわ」
震える少女の体を優しく抱き締める。
「何で?ただ似てるってだけでこんな仕打ちを受けるの。私たちはこの国にいてはいけないの?」
リリスは首を横に振り、そんな事はないわ。
「私たちのせいでみんなが戦いに巻き込まれて死んじゃうよ」
「大丈夫よ、アクセルやメルルは強いですもの絶対に負けないわよ」
エレナは抱き締めるリリスを突き飛ばし、
「みんな死ぬんだよ!!!!」
エレナは鬼気迫る表情で力の限り叫んだーーーー!
リリスは驚きの余り尻餅をついた。
今まで一度も見た事の無い妹の表情。
「私の中で何度も、何度も、お母様は死んで行った。みんな死んで、家も街も何もかも全部壊れちゃうんだよ・・・」
ガタガタと震えながら、髪をくしゃくしゃにするエレナ。
「エレナ、どうしたの?」
余りの変貌ぶりに動揺するリリス。
立ち上がり、ゆっくりと近寄る。
「毎日、毎日、悪夢を見るの!
燃え盛る戦火の中で、お母様は私の犠牲になり死んでしまい。お姉様は行方不明にーー」
止めどなく流れる涙・・・
リリスには何を言っているのか理解出来なかったが、
「大丈夫よ。私はどこへも行かないわ」
再び、ぎゅっと強くエレナを抱き締める。
落ち着きを取り戻し涙ながらにリリスを見上げる。
元気付けようと微笑むリリス。
「お姉様・・・ありがとうございます」
エレナは目を閉じそのまま寄り添い続けた。
悪夢で見た地獄絵図は、エレナの心の中に深く刻まれていたーーーー。
ーー 聖堂騎士団現る ーー
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