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47話
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「ルア~紅茶飲む?」
「はい、お願いします」
夕食の後片付けを終えたルアが食器棚を閉め終え、リビングに戻って来たタイミングでルークスは声をかけた。
「今日もお疲れ様」
「はい、ルークスも」
「ふふ、今日の子狼可愛かったなぁ」
森の中の2人だけの家に暮らしだして1ヶ月。2人は気ままな生活を送っていた。
ここは例の子供攫いの魔物がいた森のさらに奥に位置していて、人間の気配はほぼなく反対に魔物が多く暮らしている。
2人は魔物たちと食べ物を分け合ったり、魔物たちの困り事の解決を手伝ったりと、彼らと共に生きている。
今日は迷子になった白狼の子供の父親を探す手伝いをした。中々見つからないので結局はルアが抱えて空を飛び、魔物特有の優れた嗅覚と視力で見つけ出したので、ルークスはあまり役に立てなかったが。
それでなくても、ルークスにとっては毎日が驚きと発見の連続だ。
異形のものはもちろん、人型が取れるタイプの魔物たちも考え方から生活の仕方まで人間とは違うところばかり。よくルアは何年も人間世界に溶け込めたなと感心するばかりだ。
そのルアといえば、人間に見えるように魔力を調整することをやめ、姿形に関しても人間の姿に獣耳やしっぽが生えているものだったり小柄なイタチの姿だったりと日によって好きな姿で過ごしているようだ。
そして、どんな姿でどんなことをして過ごしていようと、2人が離れることはほとんどなかったことは確かである。
順調すぎる日々、だが今日だけはルアが多少不機嫌になろうとお願いを聞いてもらおうとルークスは心に決めていた。
「ねえ、ルア。お願いがあるんだけど」
「?私に出来ることなら何なりと」
「ラディオスに会いたいんだ」
ぐっとルアの眉間にしわが寄り首が傾く。
「あっそか、名前言ってなかったね。前に町に一緒に遊びに行ったりした友達だよ。急に僕がいなくなってきっと気にしてるんじゃないかなって」
「ああ…」
「お願い~!!そんな渋い顔しないで!!」
両手を顔の前で合わせて必死に頼み込む。
しばらくそうしていると、ルアがはあ~と長いため息をついた。
「ルークスがどうしてもというのなら」
「やったー!」
パッと顔を輝かせるルークスにルアの渋面がひどくなるのだった。
ラディオスの今の住居は貴族街にある、というか国所有の貴賓館である。
大国からの留学生ということで誰もが知るような場所だ。
あとは転移でひとっ飛び…なのだが、それはルアが許さなかった。
「人目につくとかよりも、せっかく自分のテリトリーに入れた番をみすみす外に出す雄はいないですよね、という話です」
とのことで、渋々ながらルアが迎えに行きこの家に連れてきてくれることになった。
「ルアは僕が誰かと親しくするとあんまりいい顔しないよねえ」
「……ルークスが誰のものか、分からないような方がいた場合は始末しなければいけなくなりますからね」
「もう~~!そんなこと言って!」
口を尖らせたルークスだったがすぐに笑顔に切り替わり、ラディオスの到着を今か今かと待つのだった。
「はい、お願いします」
夕食の後片付けを終えたルアが食器棚を閉め終え、リビングに戻って来たタイミングでルークスは声をかけた。
「今日もお疲れ様」
「はい、ルークスも」
「ふふ、今日の子狼可愛かったなぁ」
森の中の2人だけの家に暮らしだして1ヶ月。2人は気ままな生活を送っていた。
ここは例の子供攫いの魔物がいた森のさらに奥に位置していて、人間の気配はほぼなく反対に魔物が多く暮らしている。
2人は魔物たちと食べ物を分け合ったり、魔物たちの困り事の解決を手伝ったりと、彼らと共に生きている。
今日は迷子になった白狼の子供の父親を探す手伝いをした。中々見つからないので結局はルアが抱えて空を飛び、魔物特有の優れた嗅覚と視力で見つけ出したので、ルークスはあまり役に立てなかったが。
それでなくても、ルークスにとっては毎日が驚きと発見の連続だ。
異形のものはもちろん、人型が取れるタイプの魔物たちも考え方から生活の仕方まで人間とは違うところばかり。よくルアは何年も人間世界に溶け込めたなと感心するばかりだ。
そのルアといえば、人間に見えるように魔力を調整することをやめ、姿形に関しても人間の姿に獣耳やしっぽが生えているものだったり小柄なイタチの姿だったりと日によって好きな姿で過ごしているようだ。
そして、どんな姿でどんなことをして過ごしていようと、2人が離れることはほとんどなかったことは確かである。
順調すぎる日々、だが今日だけはルアが多少不機嫌になろうとお願いを聞いてもらおうとルークスは心に決めていた。
「ねえ、ルア。お願いがあるんだけど」
「?私に出来ることなら何なりと」
「ラディオスに会いたいんだ」
ぐっとルアの眉間にしわが寄り首が傾く。
「あっそか、名前言ってなかったね。前に町に一緒に遊びに行ったりした友達だよ。急に僕がいなくなってきっと気にしてるんじゃないかなって」
「ああ…」
「お願い~!!そんな渋い顔しないで!!」
両手を顔の前で合わせて必死に頼み込む。
しばらくそうしていると、ルアがはあ~と長いため息をついた。
「ルークスがどうしてもというのなら」
「やったー!」
パッと顔を輝かせるルークスにルアの渋面がひどくなるのだった。
ラディオスの今の住居は貴族街にある、というか国所有の貴賓館である。
大国からの留学生ということで誰もが知るような場所だ。
あとは転移でひとっ飛び…なのだが、それはルアが許さなかった。
「人目につくとかよりも、せっかく自分のテリトリーに入れた番をみすみす外に出す雄はいないですよね、という話です」
とのことで、渋々ながらルアが迎えに行きこの家に連れてきてくれることになった。
「ルアは僕が誰かと親しくするとあんまりいい顔しないよねえ」
「……ルークスが誰のものか、分からないような方がいた場合は始末しなければいけなくなりますからね」
「もう~~!そんなこと言って!」
口を尖らせたルークスだったがすぐに笑顔に切り替わり、ラディオスの到着を今か今かと待つのだった。
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