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入道雲が浮かぶ晴れ渡った青い空。
耳に響くセミの合唱。
あの世へ旅立った人が帰ってくるという、真夏の暑い一日。
おれは初めて目にする扉を前に立ちすくんでいた。
ごくり。
目の前の扉を穴があくほど見つめて、生唾を飲み込む。
何の変哲もない扉なはずなのに、気分的にゲームのラスボスの部屋の扉くらいに感じられる。
隣に立つ理央にも聞こえるんじゃないかってくらい、心臓が音を立てて暴れている。
「…ゆき、大丈夫?」
無言でこっくりと頷く。
なんと今日は理央のご両親に挨拶に来る、その日
あんだけ大見得をきって挨拶に行きたいと主張したのに、ここまで来てしまえば史上最高レベルで緊張している。
喉が異様に乾くし手も足も情けなく震えてしまう。
手の震えだけでもなんとか止めようとぎゅっと強く握りしめて、理央に「入ろう」と促すため顔を隣に向けた。
すると彼は固く握っていたおれの手をそっとほどいた。
「え…」
そしてその手に自分の手を強くからめて、そのままもう片方でインターホンを押した。
「りお、ちょっと…!」
このまま入るのかと慌ててつながれた手を引くが、容赦なく目の前の扉が内側から開かれた。
「いらっしゃい!」
無意識に身体を固くしたおれを迎えたのは、とても明るい女性の声だった。
「ただいま、かあさん」
「はいはい、おかえり」
「あ、えっと、塩沢雪惟です。今日はお邪魔します」
少しどもりながらも第一関門である自己紹介をして、左手に提げていた紙袋を差し出す。
「あらあら!わざわざありがとう!
理央の母です。今か今かと待ってたのよ!さ、あがってあがって」
想像していたより良いどころか、想像の何倍も歓迎されているようで、毒気を抜かれるというか呆気に取られてしまう。
理央に手を引かれるまま、一礼して玄関に入り込むと背後で扉がゆっくりと閉まった。
「うんうん、そこら辺適当に座ってくださいな!」
台所らしきところから飛んできた理央のお母さんの声に従って、空色のソファに腰をおろす。
右手は同時に座った理央の左手とつながれたままだ。
たぶんおれの手汗で大分湿ってると思う。
若干遠くで、おとうさーん!と叫ぶお義母さんの声が聞こえる。
しばらくして、メガネの長身の男性と共にお義母さんがやってくる。
向かいのソファに座ったふたりの視線はおれたちの顔を見比べた後、つながれたままの手に注がれた。
緊張しすぎて視界がぶれる。二人の表情さえよく分らない。
「初めまして。理央の父で正彦といいます。こちらは、さっき会ったのかな」
「名前言ってなかったわね!母の雪子です」
穏やかに自己紹介をしてくれた男性、正彦さんはよく理央に似ていた。きっと理央のスタイルの良さも正彦さん譲りだろう。
対して雪子さんは小柄でショートカットの可愛らしい雰囲気だが、その目元はよく理央に似ている気がした。
「初めまして、塩沢雪惟です。えっと…」
「俺がお付き合いしてる人です」
おれの自己紹介に続けるように理央が言う。その声の硬さから彼も緊張しているのが伝わる。
いきなりはいってしまった本題に思わず身をすくめる。
心臓が跳ねすぎて肋骨を突き破ってきそうだ。
肝心の正彦さんと雪子さんは顔を見合わせた後、雪子さんが口を開いた。
「おめでとう、理央。あなたが大切な人を見つけてくれて本当に嬉しいわ。
そして、雪惟さん、息子を愛してくれて、ありがとう」
こちらに顔を向けて微笑む彼女は、先ほど迎え入れてくれた時の無邪気さは消し、母親らしい慈愛に満ちた笑みを浮かべた。
「私からも。二人の様子を一目見たらこちらまで幸せになりました。息子とこんなに素敵な関係を築いてくれてありがとう」
正彦さんも同じような微笑みと優しさに満ちた言葉を贈ってくれる。
そのあまりの温かさに、ふと涙腺が緩む。
するりと手がほどかれて、そのまま肩にまわされる。
引き寄せられるまま、その肩に寄りかかる。
滲んだ視界に苦笑する目の前の二人が移る。
「子供のそういう姿見ちゃうとこっちが照れちゃうわね…」
ふふっと笑った雪子さんは理央の方をみて、少し頬を膨らませる。
「その反応ってことは、あんた私たちが反対したり怒ったりすると思ってたの?そんでなんか変なこと雪惟君にも吹き込んだんでしょ!」
「や、だって全然反応が予想できなくて…」
おどおどと返す理央が珍しくて、面白くて思わず軽くふきだす。
それを見て正彦さんが同じく笑顔で話しかけてくれる。
「おもしろいだろう?昔からこの二人はこんな感じなんだよ」
「はい。なんか意外で面白いです」
おれの発言に不満げに頬を膨らませた理央の顔が、これまた雪子さんにそっくりでまた笑ってしまった。
目の前のテーブルに置かれたオレンジジュースのグラスが、カラン、と澄んだ、軽やかな音を立てた。
「ゆきただ、ってどんな漢字を書くの?」
「えっと…」
ある意味拍子抜けの顔合わせが終わったリビング。
おれは雪子さんと雑談に興じていた。
「まあ!やっぱり”雪”なのね!私と一緒ね」
「はい」
お肌も白くて、私よりずっと"雪"らしいわ、と楽しそうに話す雪子さん。
さっきから褒められてばかりでお尻がムズムズする。
「嬉しい、けど恥ずかしいですね」
「あら、そのはにかんだ顔も可愛いわ!
本当にあなたみたいな素敵な人が来てくれると思ってなかったから、嬉しくて…。そりゃあ理央が幸せならそれが一番だけどやっぱり、ねえ!」
きゃっきゃとはしゃぐ彼女はおれなんかよりよっぽど可愛いと思うのだが。
「母さん、すっかりゆきがお気に入り…」
「当たり前じゃない!こんな可愛い見た目で性格まで可愛いんだもの!」
「…もしかして俺って母さんと好み一緒…?」
ぼそっと呟く理央はやっぱりいつもの彼とは違った顔をしていて、新鮮で。
こんな顔を見れたんだし、やっぱり来てよかった。
「そういえば、理央は雪惟君のおうちに挨拶には行ったのかい?」
今までおれ達をニコニコ見守っていた正彦さんが、ふと口を開く。
「あ…まだ…」
「えっ!すっかり済んでるものだと思ってたのに!!
今更、ゆき君はお嫁、ん?お婿?にやれないとか言われても離せないわよ!!」
がしっと抱きしめられて照れる。理央の言動はどうも雪子さん譲りな気がする。
「このお盆休みに行くことになってるんですよ。予定があったので先にこっちに来させてもらいました」
「そうか。いつ伺う予定なんだい?」
「あさって…」
明らかにさっきよりテンションが低くなっている理央。
「なあに、あなた緊張してるの?」
「当たり前じゃん…」
雪子さんにつつかれて力なく答えている。
「ゆき君が欲しいなら全力でぶつかってこなきゃだめよ。ゆき君を育てた方ならきっと酷い事なんておっしゃらないわ」
「うん」
「あ、あと態度はまじめにしとかなきゃ。理央は見た目でマイナスされるかもしれないんだから大げさなくらいでいいんだからね!」
「うぅ…はい」
洋子さんは職場の人でもあるんだし見た目でどうこうってのはないと思うけども。…職場の人でもあるから緊張するのか?
「ねっ、ゆき君」
「んっ?あ、はい。金髪オールバックですもんね」
わざと雪子さんにノっておく。
「ゆき君と出会ったときはもうこの髪型だった?」
「いや、初めて会ったときはまだ黒髪でしたね」
「ゆきと出会ってモデルになってからだからね」
「んも~ねえ、久々に帰ってきたらこの髪だったから驚いたったらなかったわ。我が息子ながら顔は整ってる方だと思うから、その分凄みが半端ないでしょう」
「夜中に夫婦会議したなあ、そういえば」
その後も、雪子さんと正彦さんは理央の昔話をたくさんしてくれて、おれは大変楽しませてもらった。
理央はめちゃくちゃ恥ずかしがってたけれど。
とっくに日の落ちた道を街灯を頼りに歩く。
隣には当然のように理央が並んでいることが温かい。
「騒がしかったでしょ、疲れてない?」
のぞき込んでくる理央の顔はさっきまでの息子の顔じゃなくて、甘い恋人の顔になっていた。
(やっぱこの顔好き。)
くふくふ、こっそり笑う。
「ん~疲れはしたけど、すごい楽しかったかな」
「はしゃぎ疲れ?」
「ん。そう」
恋人つなぎにからめた指を手慰みににぎにぎ動かす。
「っはーーー今度は俺が緊張する番か~」
「おれも緊張するよ」
ぎゅっとさらに強く握られてしまった。
「一緒に、ね」
「ん」
我が家という同じ目的地に向かう足取りは軽い。
耳に響くセミの合唱。
あの世へ旅立った人が帰ってくるという、真夏の暑い一日。
おれは初めて目にする扉を前に立ちすくんでいた。
ごくり。
目の前の扉を穴があくほど見つめて、生唾を飲み込む。
何の変哲もない扉なはずなのに、気分的にゲームのラスボスの部屋の扉くらいに感じられる。
隣に立つ理央にも聞こえるんじゃないかってくらい、心臓が音を立てて暴れている。
「…ゆき、大丈夫?」
無言でこっくりと頷く。
なんと今日は理央のご両親に挨拶に来る、その日
あんだけ大見得をきって挨拶に行きたいと主張したのに、ここまで来てしまえば史上最高レベルで緊張している。
喉が異様に乾くし手も足も情けなく震えてしまう。
手の震えだけでもなんとか止めようとぎゅっと強く握りしめて、理央に「入ろう」と促すため顔を隣に向けた。
すると彼は固く握っていたおれの手をそっとほどいた。
「え…」
そしてその手に自分の手を強くからめて、そのままもう片方でインターホンを押した。
「りお、ちょっと…!」
このまま入るのかと慌ててつながれた手を引くが、容赦なく目の前の扉が内側から開かれた。
「いらっしゃい!」
無意識に身体を固くしたおれを迎えたのは、とても明るい女性の声だった。
「ただいま、かあさん」
「はいはい、おかえり」
「あ、えっと、塩沢雪惟です。今日はお邪魔します」
少しどもりながらも第一関門である自己紹介をして、左手に提げていた紙袋を差し出す。
「あらあら!わざわざありがとう!
理央の母です。今か今かと待ってたのよ!さ、あがってあがって」
想像していたより良いどころか、想像の何倍も歓迎されているようで、毒気を抜かれるというか呆気に取られてしまう。
理央に手を引かれるまま、一礼して玄関に入り込むと背後で扉がゆっくりと閉まった。
「うんうん、そこら辺適当に座ってくださいな!」
台所らしきところから飛んできた理央のお母さんの声に従って、空色のソファに腰をおろす。
右手は同時に座った理央の左手とつながれたままだ。
たぶんおれの手汗で大分湿ってると思う。
若干遠くで、おとうさーん!と叫ぶお義母さんの声が聞こえる。
しばらくして、メガネの長身の男性と共にお義母さんがやってくる。
向かいのソファに座ったふたりの視線はおれたちの顔を見比べた後、つながれたままの手に注がれた。
緊張しすぎて視界がぶれる。二人の表情さえよく分らない。
「初めまして。理央の父で正彦といいます。こちらは、さっき会ったのかな」
「名前言ってなかったわね!母の雪子です」
穏やかに自己紹介をしてくれた男性、正彦さんはよく理央に似ていた。きっと理央のスタイルの良さも正彦さん譲りだろう。
対して雪子さんは小柄でショートカットの可愛らしい雰囲気だが、その目元はよく理央に似ている気がした。
「初めまして、塩沢雪惟です。えっと…」
「俺がお付き合いしてる人です」
おれの自己紹介に続けるように理央が言う。その声の硬さから彼も緊張しているのが伝わる。
いきなりはいってしまった本題に思わず身をすくめる。
心臓が跳ねすぎて肋骨を突き破ってきそうだ。
肝心の正彦さんと雪子さんは顔を見合わせた後、雪子さんが口を開いた。
「おめでとう、理央。あなたが大切な人を見つけてくれて本当に嬉しいわ。
そして、雪惟さん、息子を愛してくれて、ありがとう」
こちらに顔を向けて微笑む彼女は、先ほど迎え入れてくれた時の無邪気さは消し、母親らしい慈愛に満ちた笑みを浮かべた。
「私からも。二人の様子を一目見たらこちらまで幸せになりました。息子とこんなに素敵な関係を築いてくれてありがとう」
正彦さんも同じような微笑みと優しさに満ちた言葉を贈ってくれる。
そのあまりの温かさに、ふと涙腺が緩む。
するりと手がほどかれて、そのまま肩にまわされる。
引き寄せられるまま、その肩に寄りかかる。
滲んだ視界に苦笑する目の前の二人が移る。
「子供のそういう姿見ちゃうとこっちが照れちゃうわね…」
ふふっと笑った雪子さんは理央の方をみて、少し頬を膨らませる。
「その反応ってことは、あんた私たちが反対したり怒ったりすると思ってたの?そんでなんか変なこと雪惟君にも吹き込んだんでしょ!」
「や、だって全然反応が予想できなくて…」
おどおどと返す理央が珍しくて、面白くて思わず軽くふきだす。
それを見て正彦さんが同じく笑顔で話しかけてくれる。
「おもしろいだろう?昔からこの二人はこんな感じなんだよ」
「はい。なんか意外で面白いです」
おれの発言に不満げに頬を膨らませた理央の顔が、これまた雪子さんにそっくりでまた笑ってしまった。
目の前のテーブルに置かれたオレンジジュースのグラスが、カラン、と澄んだ、軽やかな音を立てた。
「ゆきただ、ってどんな漢字を書くの?」
「えっと…」
ある意味拍子抜けの顔合わせが終わったリビング。
おれは雪子さんと雑談に興じていた。
「まあ!やっぱり”雪”なのね!私と一緒ね」
「はい」
お肌も白くて、私よりずっと"雪"らしいわ、と楽しそうに話す雪子さん。
さっきから褒められてばかりでお尻がムズムズする。
「嬉しい、けど恥ずかしいですね」
「あら、そのはにかんだ顔も可愛いわ!
本当にあなたみたいな素敵な人が来てくれると思ってなかったから、嬉しくて…。そりゃあ理央が幸せならそれが一番だけどやっぱり、ねえ!」
きゃっきゃとはしゃぐ彼女はおれなんかよりよっぽど可愛いと思うのだが。
「母さん、すっかりゆきがお気に入り…」
「当たり前じゃない!こんな可愛い見た目で性格まで可愛いんだもの!」
「…もしかして俺って母さんと好み一緒…?」
ぼそっと呟く理央はやっぱりいつもの彼とは違った顔をしていて、新鮮で。
こんな顔を見れたんだし、やっぱり来てよかった。
「そういえば、理央は雪惟君のおうちに挨拶には行ったのかい?」
今までおれ達をニコニコ見守っていた正彦さんが、ふと口を開く。
「あ…まだ…」
「えっ!すっかり済んでるものだと思ってたのに!!
今更、ゆき君はお嫁、ん?お婿?にやれないとか言われても離せないわよ!!」
がしっと抱きしめられて照れる。理央の言動はどうも雪子さん譲りな気がする。
「このお盆休みに行くことになってるんですよ。予定があったので先にこっちに来させてもらいました」
「そうか。いつ伺う予定なんだい?」
「あさって…」
明らかにさっきよりテンションが低くなっている理央。
「なあに、あなた緊張してるの?」
「当たり前じゃん…」
雪子さんにつつかれて力なく答えている。
「ゆき君が欲しいなら全力でぶつかってこなきゃだめよ。ゆき君を育てた方ならきっと酷い事なんておっしゃらないわ」
「うん」
「あ、あと態度はまじめにしとかなきゃ。理央は見た目でマイナスされるかもしれないんだから大げさなくらいでいいんだからね!」
「うぅ…はい」
洋子さんは職場の人でもあるんだし見た目でどうこうってのはないと思うけども。…職場の人でもあるから緊張するのか?
「ねっ、ゆき君」
「んっ?あ、はい。金髪オールバックですもんね」
わざと雪子さんにノっておく。
「ゆき君と出会ったときはもうこの髪型だった?」
「いや、初めて会ったときはまだ黒髪でしたね」
「ゆきと出会ってモデルになってからだからね」
「んも~ねえ、久々に帰ってきたらこの髪だったから驚いたったらなかったわ。我が息子ながら顔は整ってる方だと思うから、その分凄みが半端ないでしょう」
「夜中に夫婦会議したなあ、そういえば」
その後も、雪子さんと正彦さんは理央の昔話をたくさんしてくれて、おれは大変楽しませてもらった。
理央はめちゃくちゃ恥ずかしがってたけれど。
とっくに日の落ちた道を街灯を頼りに歩く。
隣には当然のように理央が並んでいることが温かい。
「騒がしかったでしょ、疲れてない?」
のぞき込んでくる理央の顔はさっきまでの息子の顔じゃなくて、甘い恋人の顔になっていた。
(やっぱこの顔好き。)
くふくふ、こっそり笑う。
「ん~疲れはしたけど、すごい楽しかったかな」
「はしゃぎ疲れ?」
「ん。そう」
恋人つなぎにからめた指を手慰みににぎにぎ動かす。
「っはーーー今度は俺が緊張する番か~」
「おれも緊張するよ」
ぎゅっとさらに強く握られてしまった。
「一緒に、ね」
「ん」
我が家という同じ目的地に向かう足取りは軽い。
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