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鬱憤
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色々と衝撃的な事実を知った。
ゲームをしてこなかったから俺の鑑定スキルにはレベルという概念が存在しない。
俺のゲーム歴は初代ポケモンで終わっている。余裕がある家ではなかったのでゲームをしてこなかったのだ。
そして俺のレベルは38だった。どれだけ育てていないんだよ。そもそも俺は争うのが嫌いだから、戦わなくて済む方法をいつも探していた。それがレベルアップに繋がらなかったんだろう。
ちなみに愛はレベル99らしい。
そりゃあ勇者と戦えるわ。
愛の強さはレベル99が天井で、これ以上は伸びないらしい。
逆にプラスに捉えれば、レベル38ということは伸びしろしかないのだ。
レベリングすれば戦える。
「俺も修行をしたい」と俺は言った。
「私の魔力が先でしょ」とカヨが言う。
「ごめん。そうだったね。これから強くなれると思ったら興奮しすぎた」
愛が抱っこしていた可愛い赤ちゃんがオギャーオギャーと泣き始めた。
「授乳の時間じゃ」と愛が言った。
近くに建てられていたログハウスに入る。
獣人達に頼んで建てて貰ったんだろう。愛が出産する前に住んでいたログハウスに似ている。
中に入るとメイドさんがいた。
ログハウスはくつろげる空間と、赤ちゃんと共に過ごせる空間になっている。
「授乳じゃ」と愛が言うと、メイドさんが授乳用のシーツを持って来た。そして彼女にかけた。
授乳していても胸が見えないようにしているみたい。
もしかしたらココには騎士団の人も入って来るから、ココにいる時は胸が見えないようにしているのかもしれない。
「妾に何を聞きたいのじゃ?」
と愛が言って、カヨを見た。
「私の魔力を取り戻す方法」
とカヨが言った。
「無理じゃ」
と愛が言う。
「どうして?」
とカヨが尋ねた。
「お主は魔力を奪われたのでは無い。魔力の元栓から奪われているのじゃ。魔力を奪われいるだけなら回復しとるわい」
と愛が言った。
カヨの顔面が蒼白《そうはく》になる。魔力を回復して友達を助け出さないといけないのだ。
「誰に奪われたんじゃ?」
と愛が尋ねた。
「バビリニアの勇者」
とカヨは答えた。
「バビリニアの勇者は、魔力の元栓を奪って強くなっているんじゃろう」と彼女が言う。
「魔力を取り戻す方法は無いの?」
とカヨが尋ねた。
「無い」と愛が言った。
「今のお主は水が入ってない湖じゃ。ただの巨大な穴があるだけじゃ。魔力が湧き出る元栓を奪われたのじゃ。もう穴を掘っても魔力は湧き出ることはない」
「そんな」とカヨが呟いた。
「ただし補給はできる」
と愛が言った。
「補給?」
「他所から魔力を貰ってくるのじゃ」
と愛が言った。
それってまさか、まさかだよね?
「誰から魔力を貰うの?」
とカヨが首を傾げた。
「お主の魔力は強大じゃ。だからそれを埋めるには巨大な魔力が必要じゃ。それを埋めるには旦那様しかおらぬ」
と愛が言った。
「ちょーだい」
希望を見出して、カヨが俺に言う。
「いや、あげてもいいけど」
「どうやって貰ったらいいの?」
とカヨが尋ねた。
「キスをして、舌を吸うのじゃ」
と愛が言った。
カヨが俺を見て、めっちゃくちゃ嫌な顔をした。その顔をカヨにされるのが凄く嫌だった。めっちゃくちゃ凹む。
「妾も旦那様の妻じゃぞ。お主の言動には腹が立つ。殺すぞ」
と愛の威嚇《いかく》が入った。
「すみません」
とカヨが謝る。
カヨが責められている姿を俺は見ていれなかった。
「いいんだ。いいんだ。キスをするっていうのが日本の文化には無いんだ」と俺が適当な事を言う。
日本にもキスをする文化はあるよ。本当に俺は適当なことを言っている。
「コヤツは旦那様にずっと失礼じゃぞ。本来、日本にいた頃の妻と聞いてなかったら旦那様とのキスも許したくないわ」
と愛が言う。
「ごめんなさい」とカヨ。
「お主を手に入れるために旦那様はどれだけの金額を払ったのか知っておるのか? 旦那様がお主を買っていなかったら今頃どうなっていたのか考えたことがあるのか? お主はどれほど旦那様に良くしてもらってるのかわかっておるのか?」
うわー、めっちゃ鬱憤《うっぷん》溜まってるじゃん。カヨも泣きそうになってるじゃん。
「愛」と俺が言った。
カヨを睨んでいた妻が俺を見る。
「俺が好きで彼女を買ったんだ。勝手に俺が彼女のことを大切に思っているんだ。カヨに対して鬱憤があるのはわかった。だけど彼女は大切な妻の1人なんだ。もし愛が同じように売られていても、俺はいくらでも払って買い取るだろう。もし愛に俺の記憶が無くても、俺は君のことを大切にするだろう」
長文のセリフを俺は噛まずに伝えた。前半はカヨがどれほど大切かを語り、後半は愛も大切であることを語った。
「旦那様に言われたら仕方がないの」
と愛が言う。
「授乳は終わった。すまぬ。ゲップを出してあげてくれぬか?」
愛がそう言うとメイドさんが動こうとした。
俺はそれを手で制した。
「俺《パパ》がする」
赤ちゃんを受け取る。
小さい。仕事ばっかりで子育てを任せきりになっている。だから抱っこできる時は抱っこして赤ちゃんエキスを吸収しときたい。
ミイを肩に乗せて、背中を下から上に撫でるようにポンポンする。胃に入った空気を口から出すイメージである。
赤ちゃん独特のミルクの匂い。世界一優しい頭皮の匂い。たまらん。
「それじゃあ」と愛が言った。
「妾から魔力を受け取れ」
「えっ?」とカヨが戸惑っている。
「魔力が欲しいのだろう? でも妾の保有している魔力では全回復はできぬぞ」
と愛が言う。
チラっとカヨが俺を見た。
俺とベロチューするのか、愛とベロチューするのか天秤にかけているみたいだった。
「わかったわ」とカヨは決意を決めて答えた。
ゲップと俺の肩で赤ちゃんが可愛いらしいゲップをした。
ゲームをしてこなかったから俺の鑑定スキルにはレベルという概念が存在しない。
俺のゲーム歴は初代ポケモンで終わっている。余裕がある家ではなかったのでゲームをしてこなかったのだ。
そして俺のレベルは38だった。どれだけ育てていないんだよ。そもそも俺は争うのが嫌いだから、戦わなくて済む方法をいつも探していた。それがレベルアップに繋がらなかったんだろう。
ちなみに愛はレベル99らしい。
そりゃあ勇者と戦えるわ。
愛の強さはレベル99が天井で、これ以上は伸びないらしい。
逆にプラスに捉えれば、レベル38ということは伸びしろしかないのだ。
レベリングすれば戦える。
「俺も修行をしたい」と俺は言った。
「私の魔力が先でしょ」とカヨが言う。
「ごめん。そうだったね。これから強くなれると思ったら興奮しすぎた」
愛が抱っこしていた可愛い赤ちゃんがオギャーオギャーと泣き始めた。
「授乳の時間じゃ」と愛が言った。
近くに建てられていたログハウスに入る。
獣人達に頼んで建てて貰ったんだろう。愛が出産する前に住んでいたログハウスに似ている。
中に入るとメイドさんがいた。
ログハウスはくつろげる空間と、赤ちゃんと共に過ごせる空間になっている。
「授乳じゃ」と愛が言うと、メイドさんが授乳用のシーツを持って来た。そして彼女にかけた。
授乳していても胸が見えないようにしているみたい。
もしかしたらココには騎士団の人も入って来るから、ココにいる時は胸が見えないようにしているのかもしれない。
「妾に何を聞きたいのじゃ?」
と愛が言って、カヨを見た。
「私の魔力を取り戻す方法」
とカヨが言った。
「無理じゃ」
と愛が言う。
「どうして?」
とカヨが尋ねた。
「お主は魔力を奪われたのでは無い。魔力の元栓から奪われているのじゃ。魔力を奪われいるだけなら回復しとるわい」
と愛が言った。
カヨの顔面が蒼白《そうはく》になる。魔力を回復して友達を助け出さないといけないのだ。
「誰に奪われたんじゃ?」
と愛が尋ねた。
「バビリニアの勇者」
とカヨは答えた。
「バビリニアの勇者は、魔力の元栓を奪って強くなっているんじゃろう」と彼女が言う。
「魔力を取り戻す方法は無いの?」
とカヨが尋ねた。
「無い」と愛が言った。
「今のお主は水が入ってない湖じゃ。ただの巨大な穴があるだけじゃ。魔力が湧き出る元栓を奪われたのじゃ。もう穴を掘っても魔力は湧き出ることはない」
「そんな」とカヨが呟いた。
「ただし補給はできる」
と愛が言った。
「補給?」
「他所から魔力を貰ってくるのじゃ」
と愛が言った。
それってまさか、まさかだよね?
「誰から魔力を貰うの?」
とカヨが首を傾げた。
「お主の魔力は強大じゃ。だからそれを埋めるには巨大な魔力が必要じゃ。それを埋めるには旦那様しかおらぬ」
と愛が言った。
「ちょーだい」
希望を見出して、カヨが俺に言う。
「いや、あげてもいいけど」
「どうやって貰ったらいいの?」
とカヨが尋ねた。
「キスをして、舌を吸うのじゃ」
と愛が言った。
カヨが俺を見て、めっちゃくちゃ嫌な顔をした。その顔をカヨにされるのが凄く嫌だった。めっちゃくちゃ凹む。
「妾も旦那様の妻じゃぞ。お主の言動には腹が立つ。殺すぞ」
と愛の威嚇《いかく》が入った。
「すみません」
とカヨが謝る。
カヨが責められている姿を俺は見ていれなかった。
「いいんだ。いいんだ。キスをするっていうのが日本の文化には無いんだ」と俺が適当な事を言う。
日本にもキスをする文化はあるよ。本当に俺は適当なことを言っている。
「コヤツは旦那様にずっと失礼じゃぞ。本来、日本にいた頃の妻と聞いてなかったら旦那様とのキスも許したくないわ」
と愛が言う。
「ごめんなさい」とカヨ。
「お主を手に入れるために旦那様はどれだけの金額を払ったのか知っておるのか? 旦那様がお主を買っていなかったら今頃どうなっていたのか考えたことがあるのか? お主はどれほど旦那様に良くしてもらってるのかわかっておるのか?」
うわー、めっちゃ鬱憤《うっぷん》溜まってるじゃん。カヨも泣きそうになってるじゃん。
「愛」と俺が言った。
カヨを睨んでいた妻が俺を見る。
「俺が好きで彼女を買ったんだ。勝手に俺が彼女のことを大切に思っているんだ。カヨに対して鬱憤があるのはわかった。だけど彼女は大切な妻の1人なんだ。もし愛が同じように売られていても、俺はいくらでも払って買い取るだろう。もし愛に俺の記憶が無くても、俺は君のことを大切にするだろう」
長文のセリフを俺は噛まずに伝えた。前半はカヨがどれほど大切かを語り、後半は愛も大切であることを語った。
「旦那様に言われたら仕方がないの」
と愛が言う。
「授乳は終わった。すまぬ。ゲップを出してあげてくれぬか?」
愛がそう言うとメイドさんが動こうとした。
俺はそれを手で制した。
「俺《パパ》がする」
赤ちゃんを受け取る。
小さい。仕事ばっかりで子育てを任せきりになっている。だから抱っこできる時は抱っこして赤ちゃんエキスを吸収しときたい。
ミイを肩に乗せて、背中を下から上に撫でるようにポンポンする。胃に入った空気を口から出すイメージである。
赤ちゃん独特のミルクの匂い。世界一優しい頭皮の匂い。たまらん。
「それじゃあ」と愛が言った。
「妾から魔力を受け取れ」
「えっ?」とカヨが戸惑っている。
「魔力が欲しいのだろう? でも妾の保有している魔力では全回復はできぬぞ」
と愛が言う。
チラっとカヨが俺を見た。
俺とベロチューするのか、愛とベロチューするのか天秤にかけているみたいだった。
「わかったわ」とカヨは決意を決めて答えた。
ゲップと俺の肩で赤ちゃんが可愛いらしいゲップをした。
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