24 / 115
大切なお金
しおりを挟む
アニーの威嚇は幼い子が無理して怒っているようにしか俺には見えなかったけど、弱い魔物には通用するようになった。
魔物に通用するなら普通の人間にも通用するだろう。
「がんばったね」と俺が言う。
「威嚇を覚えたのは君が努力した成果だよ。アニーが一生懸命に修行をしてくれて俺は嬉しい」
子どもがいたので、結果ではなくプロセスを褒めることの方が重要だと俺は知っている。
結果を褒めると子どもはズルをしてでも結果を出そうとする。だから、その結果に至《いた》るまでの努力や頑張りを褒めるようになった。
頑張っていたら結果は後から付いて来るものだし、もし結果が付いて来なくても努力の精度が上がれば次には結果が付いて来るようになるだろう。
「はい」
昨晩の大胆さが嘘のように、褒められたのが恥ずかしいのか照れ臭そうにアニーが返事をした。
「それじゃ街に戻ろう」
「はい」
「街に戻って魔石をお金に換金しよう」
「はい」と彼女が頷いた。
セドリッグと相談して、お金のことは俺が教えることになっていた。
お金のことを知らなければ、お金持ちにもなれないし、気づかないうちに騙《だま》されるだろう。お金について教えるのは生きて行くには必要なことだった。
馬車に乗って街に帰った。
これからお金の堅苦しい話をするぜヒハハハ、この子にお金の話が付いて来れるかなグヘヘへと思いながら魔石を買い取ってくれる店に向かって歩いている最中に、バカと猫に出会ってしまった。
「小次郎、帰って来てたのかよ」
と犬という文字が書かれたTシャツを着た猫が喋りかけて来た。
隣にはドワーフのくせに全ての毛を失ったハゲがいた。しかも上半身裸である。なんで服を着ねぇーだよ。
無視しよう。こんな奴等がいたらアニーに大切なお金の話は出来ない。
「おはようございます。バラン様、チェルシー様」
「喋りかけたらバカが感染《うつ》る」
と俺は言って、アニーの腕を引っ張った。
「バカって感染るのかよ? 最近、咳が多いと思っていたらバカが感染っていたのかも」
とバランが言う。
「だいぶバカが進行してるわ」とチェルシーが言った。
魔石を買い取ってくれるアイテム屋に辿り着く。
後ろを振り返った。
「なんで付いてくんだよ?」
と俺はバカと猫に尋ねた。
「お前が帰って来てると思って待ってたんだよ」とチェルシーが言う。「最近、遊べなかったから一緒に遊んでくれよ」
猫がモジモジしながら言った。
「ハゲはただ付いて来ただけだから、無視してくれていい」
と猫がバランを指差す。
「俺だって、小次郎と一緒に遊びたい」とバランが言った。
小学生かよ、と俺は思う。
「これからアニーにお金について話さなくちゃいけないんだ。どっか行ってくれ」
「お金のことだったら俺だって教えられる」
とバランが言う。
「だまれ。帰れ。お前が知っている知識なんてクソの価値もねぇー」と俺は言った。
「寂しいことを言うなよ。俺達もお前のお金の話を教えてくれよ」とチェルシー。
「嫌だ。帰れ」
「そうじゃないとココでバランがウンチしちゃうぞ?」
「俺、ウンチするのか?」
「するな」
「なぁ?」とチェルシーが言う。
「わかった。黙って聞いとけよ」
ダンジョンで取った魔石をアイテム屋でお金に換金してもらった。
馬車の中でアニーがどれぐらいのお金の知識があるのか俺は聞いていた。
作った製品をエルフの代表が売って買い出しに行くのが年に1度だけあるらしい。だからアニーはお金のことは知っているけど使ったことがない。エルフの村では誰かが作った農作物や狩でしとめたお肉は村全員の所有物だったらしく、お金は流通していなかった。
全ての魔石を換金すると金貨1枚になった。
彼女がコインを爆弾でも扱うように慎重に受け取り、俺に差し出した。
「これは君のモノだ」
と俺は言った。
「……でも」とアニーが言う。
「いらなかったら俺にくれ」とチェルシー。
俺はチェルシーを睨む。
「わかったよ。そうカリカリするなよ」
「でもお金を貰っても何をしていいかわかりません」
「俺の口にお金を入れてくれたらケツの穴から出してみせる」
とバランが言い出す。
「ハハハハハ、最高」とチェルシーが言う。
俺はバランを睨む。
「なんで俺が睨まれているんだ?」
無視しよう。
「お金を使って何ができると思う?」
と俺はアニーに尋ねた。
「物を買う、ですか?」
「それじゃあ、なぜお金で物が買えるかわかる?」
「……」
アニーが首を捻った。
「お金に価値があるってみんなが信じているからだよ」
と俺は言った。
ハハハハハ、と大声でバランが笑い出した。
俺は睨む。
「えっ、ココは面白いところじゃないの?」
全然、面白いところじゃない。
「とりあえず邪魔になるから、店を出よう」
と俺は言って店を出た。
そして次の目的地に向かって歩き始めた。
バカ2人も俺達の後に付いて来ている。お前等、仕事はどうしたんだよ?
「みんなお金に価値があると信じているから、価値があるだけなんだ」
と隣を歩くアニーに俺は言った。
これはバカが感染った状態なのか? と後ろでバランがチェルシーに尋ねている。
どう見てもバカが感染っている状態だろうが。お前のせいだからな、とチェルシーが言っている。
めちゃくちゃ耳障りである。
無視しよう。
「でもお金の価値が無くなることはないですよね?」とアニーの質問。
俺は首を横に降った。
「価値が無くなることはある。お金の発行元である国が崩壊する、あるいは財政破綻《ざいせいはたん》すればお金の価値は無くなったりすることもある」
と俺は言った。
「それでもみんなが価値があると信じていれば使えるんじゃないですか?」
いい質問である。
俺は首を横に振った。
「お金に価値が無くなれば他国から物を買うことができなくなる。お金の価値が下がれば他国から買った物の値段が上がり、国民の生活が苦しくなるんだ」
小次郎の話がわかるか? とバランがチェルシーに尋ねた。
そんなことよりクソしてぇーよ、とチェルシーが言う。
俺もだ、とバランが言って2人が笑い合っている。
「お金の価値が無くなったら他所の国から物が買えなくって大変、ってことですね」
「そうだよ」と俺が言う。
この子、賢い子。頭を撫でてあげたい。
あと後ろの2人は死んでください。早くトイレに行ってください。もう2度と付きまとわないでください。
アニーは大切そうにお金を持っていた。
「そのお金どうするんだよ? 俺が貰ってやるよ」とチェルシーが言う。
「大事に取っておきます」とアニーがお金を取られないようにギュッと握りしめた。
「勇者様と手に入れたものなので」
「お金は貯めるより、増やした方がいい」と俺は言った。
「えっ? 増やせるんですか?」
ちょうど目的の店までやって来た。
へへへ、アニーをお金持ちにしてやろう。
魔物に通用するなら普通の人間にも通用するだろう。
「がんばったね」と俺が言う。
「威嚇を覚えたのは君が努力した成果だよ。アニーが一生懸命に修行をしてくれて俺は嬉しい」
子どもがいたので、結果ではなくプロセスを褒めることの方が重要だと俺は知っている。
結果を褒めると子どもはズルをしてでも結果を出そうとする。だから、その結果に至《いた》るまでの努力や頑張りを褒めるようになった。
頑張っていたら結果は後から付いて来るものだし、もし結果が付いて来なくても努力の精度が上がれば次には結果が付いて来るようになるだろう。
「はい」
昨晩の大胆さが嘘のように、褒められたのが恥ずかしいのか照れ臭そうにアニーが返事をした。
「それじゃ街に戻ろう」
「はい」
「街に戻って魔石をお金に換金しよう」
「はい」と彼女が頷いた。
セドリッグと相談して、お金のことは俺が教えることになっていた。
お金のことを知らなければ、お金持ちにもなれないし、気づかないうちに騙《だま》されるだろう。お金について教えるのは生きて行くには必要なことだった。
馬車に乗って街に帰った。
これからお金の堅苦しい話をするぜヒハハハ、この子にお金の話が付いて来れるかなグヘヘへと思いながら魔石を買い取ってくれる店に向かって歩いている最中に、バカと猫に出会ってしまった。
「小次郎、帰って来てたのかよ」
と犬という文字が書かれたTシャツを着た猫が喋りかけて来た。
隣にはドワーフのくせに全ての毛を失ったハゲがいた。しかも上半身裸である。なんで服を着ねぇーだよ。
無視しよう。こんな奴等がいたらアニーに大切なお金の話は出来ない。
「おはようございます。バラン様、チェルシー様」
「喋りかけたらバカが感染《うつ》る」
と俺は言って、アニーの腕を引っ張った。
「バカって感染るのかよ? 最近、咳が多いと思っていたらバカが感染っていたのかも」
とバランが言う。
「だいぶバカが進行してるわ」とチェルシーが言った。
魔石を買い取ってくれるアイテム屋に辿り着く。
後ろを振り返った。
「なんで付いてくんだよ?」
と俺はバカと猫に尋ねた。
「お前が帰って来てると思って待ってたんだよ」とチェルシーが言う。「最近、遊べなかったから一緒に遊んでくれよ」
猫がモジモジしながら言った。
「ハゲはただ付いて来ただけだから、無視してくれていい」
と猫がバランを指差す。
「俺だって、小次郎と一緒に遊びたい」とバランが言った。
小学生かよ、と俺は思う。
「これからアニーにお金について話さなくちゃいけないんだ。どっか行ってくれ」
「お金のことだったら俺だって教えられる」
とバランが言う。
「だまれ。帰れ。お前が知っている知識なんてクソの価値もねぇー」と俺は言った。
「寂しいことを言うなよ。俺達もお前のお金の話を教えてくれよ」とチェルシー。
「嫌だ。帰れ」
「そうじゃないとココでバランがウンチしちゃうぞ?」
「俺、ウンチするのか?」
「するな」
「なぁ?」とチェルシーが言う。
「わかった。黙って聞いとけよ」
ダンジョンで取った魔石をアイテム屋でお金に換金してもらった。
馬車の中でアニーがどれぐらいのお金の知識があるのか俺は聞いていた。
作った製品をエルフの代表が売って買い出しに行くのが年に1度だけあるらしい。だからアニーはお金のことは知っているけど使ったことがない。エルフの村では誰かが作った農作物や狩でしとめたお肉は村全員の所有物だったらしく、お金は流通していなかった。
全ての魔石を換金すると金貨1枚になった。
彼女がコインを爆弾でも扱うように慎重に受け取り、俺に差し出した。
「これは君のモノだ」
と俺は言った。
「……でも」とアニーが言う。
「いらなかったら俺にくれ」とチェルシー。
俺はチェルシーを睨む。
「わかったよ。そうカリカリするなよ」
「でもお金を貰っても何をしていいかわかりません」
「俺の口にお金を入れてくれたらケツの穴から出してみせる」
とバランが言い出す。
「ハハハハハ、最高」とチェルシーが言う。
俺はバランを睨む。
「なんで俺が睨まれているんだ?」
無視しよう。
「お金を使って何ができると思う?」
と俺はアニーに尋ねた。
「物を買う、ですか?」
「それじゃあ、なぜお金で物が買えるかわかる?」
「……」
アニーが首を捻った。
「お金に価値があるってみんなが信じているからだよ」
と俺は言った。
ハハハハハ、と大声でバランが笑い出した。
俺は睨む。
「えっ、ココは面白いところじゃないの?」
全然、面白いところじゃない。
「とりあえず邪魔になるから、店を出よう」
と俺は言って店を出た。
そして次の目的地に向かって歩き始めた。
バカ2人も俺達の後に付いて来ている。お前等、仕事はどうしたんだよ?
「みんなお金に価値があると信じているから、価値があるだけなんだ」
と隣を歩くアニーに俺は言った。
これはバカが感染った状態なのか? と後ろでバランがチェルシーに尋ねている。
どう見てもバカが感染っている状態だろうが。お前のせいだからな、とチェルシーが言っている。
めちゃくちゃ耳障りである。
無視しよう。
「でもお金の価値が無くなることはないですよね?」とアニーの質問。
俺は首を横に降った。
「価値が無くなることはある。お金の発行元である国が崩壊する、あるいは財政破綻《ざいせいはたん》すればお金の価値は無くなったりすることもある」
と俺は言った。
「それでもみんなが価値があると信じていれば使えるんじゃないですか?」
いい質問である。
俺は首を横に振った。
「お金に価値が無くなれば他国から物を買うことができなくなる。お金の価値が下がれば他国から買った物の値段が上がり、国民の生活が苦しくなるんだ」
小次郎の話がわかるか? とバランがチェルシーに尋ねた。
そんなことよりクソしてぇーよ、とチェルシーが言う。
俺もだ、とバランが言って2人が笑い合っている。
「お金の価値が無くなったら他所の国から物が買えなくって大変、ってことですね」
「そうだよ」と俺が言う。
この子、賢い子。頭を撫でてあげたい。
あと後ろの2人は死んでください。早くトイレに行ってください。もう2度と付きまとわないでください。
アニーは大切そうにお金を持っていた。
「そのお金どうするんだよ? 俺が貰ってやるよ」とチェルシーが言う。
「大事に取っておきます」とアニーがお金を取られないようにギュッと握りしめた。
「勇者様と手に入れたものなので」
「お金は貯めるより、増やした方がいい」と俺は言った。
「えっ? 増やせるんですか?」
ちょうど目的の店までやって来た。
へへへ、アニーをお金持ちにしてやろう。
0
お気に入りに追加
1,163
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
NTRエロゲの世界に転移した俺、ヒロインの好感度は限界突破。レベルアップ出来ない俺はスキルを取得して無双する。~お前らNTRを狙いすぎだろ~
ぐうのすけ
ファンタジー
高校生で18才の【黒野 速人】はクラス転移で異世界に召喚される。
城に召喚され、ステータス確認で他の者はレア固有スキルを持つ中、速人の固有スキルは呪い扱いされ城を追い出された。
速人は気づく。
この世界、俺がやっていたエロゲ、プリンセストラップダンジョン学園・NTRと同じ世界だ!
この世界の攻略法を俺は知っている!
そして自分のステータスを見て気づく。
そうか、俺の固有スキルは大器晩成型の強スキルだ!
こうして速人は徐々に頭角を現し、ハーレムと大きな地位を築いていく。
一方速人を追放したクラスメートの勇者源氏朝陽はゲームの仕様を知らず、徐々に成長が止まり、落ちぶれていく。
そしてクラス1の美人【姫野 姫】にも逃げられ更に追い込まれる。
順調に強くなっていく中速人は気づく。
俺達が転移した事でゲームの歴史が変わっていく。
更にゲームオーバーを回避するためにヒロインを助けた事でヒロインの好感度が限界突破していく。
強くなり、ヒロインを救いつつ成り上がっていくお話。
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
カクヨムとアルファポリス同時掲載。
金貨1,000万枚貯まったので勇者辞めてハーレム作ってスローライフ送ります!!
夕凪五月雨影法師
ファンタジー
AIイラストあり! 追放された世界最強の勇者が、ハーレムの女の子たちと自由気ままなスローライフを送る、ちょっとエッチでハートフルな異世界ラブコメディ!!
国内最強の勇者パーティを率いる勇者ユーリが、突然の引退を宣言した。
幼い頃に神託を受けて勇者に選ばれて以来、寝る間も惜しんで人々を助け続けてきたユーリ。
彼はもう限界だったのだ。
「これからは好きな時に寝て、好きな時に食べて、好きな時に好きな子とエッチしてやる!! ハーレム作ってやるーーーー!!」
そんな発言に愛想を尽かし、パーティメンバーは彼の元から去っていくが……。
その引退の裏には、世界をも巻き込む大規模な陰謀が隠されていた。
その陰謀によって、ユーリは勇者引退を余儀なくされ、全てを失った……。
かのように思われた。
「はい、じゃあ僕もう勇者じゃないから、こっからは好きにやらせて貰うね」
勇者としての条約や規約に縛られていた彼は、力をセーブしたまま活動を強いられていたのだ。
本来の力を取り戻した彼は、その強大な魔力と、金貨1,000万枚にものを言わせ、好き勝手に人々を救い、気ままに高難度ダンジョンを攻略し、そして自身をざまぁした巨大な陰謀に立ち向かっていく!!
基本的には、金持ちで最強の勇者が、ハーレムの女の子たちとまったりするだけのスローライフコメディです。
異世界版の光源氏のようなストーリーです!
……やっぱりちょっと違います笑
また、AIイラストは初心者ですので、あくまでも小説のおまけ程度に考えていただければ……(震え声)
地球からきた転生者の殺し方 =ハーレム要員の女の子を一人ずつ寝取っていきます
三浦裕
ファンタジー
「地球人てどーしてすぐ転生してくんの!? いや転生してもいいけどうちの世界にはこないで欲しいわけ、迷惑だから。いや最悪きてもいいけどうちの国には手をださんで欲しいわけ、滅ぶから。まじ迷惑してます」
地球から来た転生者に散々苦しめられたオークの女王オ・ルナは憤慨していた。必ずやあのくそ生意気な地球人どもに目にものみせてくれようと。だが――
「しっかし地球人超つえーからのう……なんなのあの針がバカになった体重計みたいなステータス。バックに女神でもついてんの? 勝てん勝てん」
地球人は殺りたいが、しかし地球人強すぎる。悩んだオ・ルナはある妙案を思いつく。
「地球人は地球人に殺らせたろ。むっふっふ。わらわってばまじ策士」
オ・ルナは唯一知り合いの地球人、カトー・モトキにクエストを発注する。
地球からきた転生者を、オークの国にあだなす前に殺ってくれ。
「報酬は……そうじゃのう、一人地球人を殺すたび、わらわにエ、エッチなことしてよいぞ……?」
カトーはその提案に乗る。
「任せとけ、転生者を殺すなんて簡単だ――あいつはハーレム要員の女を寝取られると、勝手に力を失って弱る」
毎日更新してます。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる