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「……勇者様」「……勇者様」「……勇者様」「……勇者様」
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アニーの記憶を見て、俺が受けた印象は優しくて勇気のある女の子だった。
彼女は母親を助けるために村の外に出た。友達を巻き込まないように彼女は闇の中を歩く。明かりを灯す魔法で自分の周りだけは明るい。
明かりを灯す魔法。彼女は光る球体を手元に出していた。
炎の魔法(雷の魔法でも可)の火力を調整して手元に収めるのだ。
それだけなら誰でも出来るけど彼女は炎の魔法を防御魔法の結界で囲んでいた。自分の魔法で誰かが傷つかないようにと普段からやっているんだろう。
彼女は闇の中をひたすら歩く。
そして薬草を彼女は見つけたのだ。
金貨を拾うように慌てて大量の薬草を掴んでは持って来ていたバッグに入れた。
薬草を拾っていた手が止まった。
闇の中に彼女のことを見ている目玉があった。
幾つもの赤く光った目玉が彼女のことを見ている。
アニーは息を止めた。
「……勇者様」
と願うように彼女は呟いた。
なんで俺の名前を呼んでるんだ? 映像を見ていて急に呼ばれたから驚いた。
そこで映像は一時停止する。
「お前、覚えてねぇーのかよ」
とプロジェクターになっていた猫型ロボットのチェルシーが言う。
「この子はお前が助けた幼女じゃねぇーか」
「えっ? 俺が助けた?」
映像が切り替わる。
ずいぶんと過去の映像になる。
アニーの幼少期。
お母さんと手を握って逃げている。
他のエルフ達も走って逃げていた。
後ろからは怪獣が追いかけて来ていた。
ラドン。
この映像は10年前に俺がエルフの村を助けた時の映像だった。村の結界を破壊して、エルフの村に魔物が入って来たのだ。
幼いアニーをお母さんは抱えて走った。
でもラドンに追いつかれて踏まれそうになる。
そこに現れたのが、俺だった。
彼女の瞳には巨大な悪から命を助けてくれた正義のヒーローに映ったんだろう。
それ以来、彼女は俺のことを呼んでいたらしい。
「……勇者様」「……勇者様」「……勇者様」「……勇者様」
テックトックの切り抜き映像のように、勇者様と呟いたシーンだけチェルシーが切り取って映像で流した。
それじゃあ続き。
映像は停止していたところから再スタート。
暗闇の中で何者かが彼女を見つめていた。幾つもの赤い目玉がアニーのことを見ている。
一死即発《いっしそくはつ》だった。少しでも動けば爆発しそうだった。
先に動いたのはアニーだった。
彼女は後ずさった。草を踏みしめるカサっと音が合図のように、闇の中に潜んでいたシルバーウルフ達が彼女に襲い掛かって来た。
彼女は炎魔法を出した。
獣に近い魔物は炎系が苦手である。
シルバーウルフ達は怯んだ。
だけど10匹以上の集団である。
彼女の炎魔法では攻撃が行き届かない。
アニーは走りながら追いかけて来るシルバーウルフに炎の魔法で攻撃した。
それでもシルバーウルフ達は追いかけて来る。
闇の中、木々の間を必死になって走った。
はぁ、はぁ、と荒い息遣いが聞こえた。
気づいた時にはシルバーウルフ達は追いかけて来ていなかった。
シルバーウルフ以上にヤバい魔物の住処に彼女は入ってしまったのだ。
その巨体を見て彼女は息を止めた。
アニーはケンタウルスの住処に入ってしまったのだ。
どうやらケンタウルスは眠っている。
起こさないように手元に光らせていた明かりを消し、音を立てないように歩いた。
ゆっくりとゆっくりと歩いた。
アニーの体から汗が大量に滴り落ちている。
後ろで空気が揺れたのを感じた。
彼女が後ろを振り返ると月の明かりに照らされて怪獣が立っていた。
アニーは走る。
ケンタウルスの前足がアニーを踏みつけようとした。
間一髪でアニーは避けた。
月夜の光を頼りに、彼女は走った。
森の中に慣れているエルフでも闇の中では木にぶつからないようにするのが精一杯だった。
それはケンタウルスも同じで、闇の中に隠れたアニーをケンタウルスは見失った。
それでも彼女は走った。
そこに斜面があることにアニーは気づかなかった。
斜面で足を崩した彼女は転がるように落ちて行った。
そして木に頭をぶつけて気絶した。
意識を失った彼女は、それでも斜面を転がり続けた。
彼女が目覚めた時には朝だった。
目の前にはガタイの大きい男達が3人立っていた。
「俺が先にやる」と彼等は何かを言い合っているようだった。
どうやら彼女は気絶した時に魔物に襲われなかったけど、通り過ぎた馬車と出会ったらしい。
3人のガタイの大きい男達は誰が先にエルフの可愛い女の子とヤるのか争いになっていたらしい。
3人の中でもガタイが大きい奴が先にヤることになった。
「ラッキー。生きてんじゃんか」
目覚めたアニーを見て、男が言った。
「逃げないように縄持って来い」
アニーは逃げようとした。
だけど斜面を落ちた時に体が負傷していて、動かなかった。
そのうえ男に手足も縄で縛られた。
縛られ方も手と足がセットで、カエルの格好のように縛られてしまった。
男は汚いヨダレを垂らし、アニーの体に触れようとした。
彼女は母親を助けるために村の外に出た。友達を巻き込まないように彼女は闇の中を歩く。明かりを灯す魔法で自分の周りだけは明るい。
明かりを灯す魔法。彼女は光る球体を手元に出していた。
炎の魔法(雷の魔法でも可)の火力を調整して手元に収めるのだ。
それだけなら誰でも出来るけど彼女は炎の魔法を防御魔法の結界で囲んでいた。自分の魔法で誰かが傷つかないようにと普段からやっているんだろう。
彼女は闇の中をひたすら歩く。
そして薬草を彼女は見つけたのだ。
金貨を拾うように慌てて大量の薬草を掴んでは持って来ていたバッグに入れた。
薬草を拾っていた手が止まった。
闇の中に彼女のことを見ている目玉があった。
幾つもの赤く光った目玉が彼女のことを見ている。
アニーは息を止めた。
「……勇者様」
と願うように彼女は呟いた。
なんで俺の名前を呼んでるんだ? 映像を見ていて急に呼ばれたから驚いた。
そこで映像は一時停止する。
「お前、覚えてねぇーのかよ」
とプロジェクターになっていた猫型ロボットのチェルシーが言う。
「この子はお前が助けた幼女じゃねぇーか」
「えっ? 俺が助けた?」
映像が切り替わる。
ずいぶんと過去の映像になる。
アニーの幼少期。
お母さんと手を握って逃げている。
他のエルフ達も走って逃げていた。
後ろからは怪獣が追いかけて来ていた。
ラドン。
この映像は10年前に俺がエルフの村を助けた時の映像だった。村の結界を破壊して、エルフの村に魔物が入って来たのだ。
幼いアニーをお母さんは抱えて走った。
でもラドンに追いつかれて踏まれそうになる。
そこに現れたのが、俺だった。
彼女の瞳には巨大な悪から命を助けてくれた正義のヒーローに映ったんだろう。
それ以来、彼女は俺のことを呼んでいたらしい。
「……勇者様」「……勇者様」「……勇者様」「……勇者様」
テックトックの切り抜き映像のように、勇者様と呟いたシーンだけチェルシーが切り取って映像で流した。
それじゃあ続き。
映像は停止していたところから再スタート。
暗闇の中で何者かが彼女を見つめていた。幾つもの赤い目玉がアニーのことを見ている。
一死即発《いっしそくはつ》だった。少しでも動けば爆発しそうだった。
先に動いたのはアニーだった。
彼女は後ずさった。草を踏みしめるカサっと音が合図のように、闇の中に潜んでいたシルバーウルフ達が彼女に襲い掛かって来た。
彼女は炎魔法を出した。
獣に近い魔物は炎系が苦手である。
シルバーウルフ達は怯んだ。
だけど10匹以上の集団である。
彼女の炎魔法では攻撃が行き届かない。
アニーは走りながら追いかけて来るシルバーウルフに炎の魔法で攻撃した。
それでもシルバーウルフ達は追いかけて来る。
闇の中、木々の間を必死になって走った。
はぁ、はぁ、と荒い息遣いが聞こえた。
気づいた時にはシルバーウルフ達は追いかけて来ていなかった。
シルバーウルフ以上にヤバい魔物の住処に彼女は入ってしまったのだ。
その巨体を見て彼女は息を止めた。
アニーはケンタウルスの住処に入ってしまったのだ。
どうやらケンタウルスは眠っている。
起こさないように手元に光らせていた明かりを消し、音を立てないように歩いた。
ゆっくりとゆっくりと歩いた。
アニーの体から汗が大量に滴り落ちている。
後ろで空気が揺れたのを感じた。
彼女が後ろを振り返ると月の明かりに照らされて怪獣が立っていた。
アニーは走る。
ケンタウルスの前足がアニーを踏みつけようとした。
間一髪でアニーは避けた。
月夜の光を頼りに、彼女は走った。
森の中に慣れているエルフでも闇の中では木にぶつからないようにするのが精一杯だった。
それはケンタウルスも同じで、闇の中に隠れたアニーをケンタウルスは見失った。
それでも彼女は走った。
そこに斜面があることにアニーは気づかなかった。
斜面で足を崩した彼女は転がるように落ちて行った。
そして木に頭をぶつけて気絶した。
意識を失った彼女は、それでも斜面を転がり続けた。
彼女が目覚めた時には朝だった。
目の前にはガタイの大きい男達が3人立っていた。
「俺が先にやる」と彼等は何かを言い合っているようだった。
どうやら彼女は気絶した時に魔物に襲われなかったけど、通り過ぎた馬車と出会ったらしい。
3人のガタイの大きい男達は誰が先にエルフの可愛い女の子とヤるのか争いになっていたらしい。
3人の中でもガタイが大きい奴が先にヤることになった。
「ラッキー。生きてんじゃんか」
目覚めたアニーを見て、男が言った。
「逃げないように縄持って来い」
アニーは逃げようとした。
だけど斜面を落ちた時に体が負傷していて、動かなかった。
そのうえ男に手足も縄で縛られた。
縛られ方も手と足がセットで、カエルの格好のように縛られてしまった。
男は汚いヨダレを垂らし、アニーの体に触れようとした。
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