33 / 56
2章 赤ちゃんと孤児とオークキング
第33話 支配者
しおりを挟む
地響きが近づいて来ている。
地面が揺れていた。
オークが木々から飛び出して来た。
マミがアイテムボックスから大剣を取り出す。
そして大剣を振った。
マミが振った剣はオークを真っ二つにした。
マミは強い。
だけど不安は拭えない。
少し遠くで木々が倒されているような音が聞こえた。
「冒険者のみなさん」と俺は冒険者達に言う。
意外と人見知りなので、あんまり声を張り上げる事はできなかったけど、近くにいた冒険者ギルドでよく会う顔の筋肉隆々の男がコチラを見た。
「私のスキルは能力を上昇させるスキルです。希望のある方がいましたら能力を上昇さしあげます」俺が言う。
私と一人称で使うのは大人の使い分けである。
名前は知らないが筋肉隆々の男がコチラに近づいて来た。
「あんな女の子が一撃でオークを倒したんだ。俺はやってもらう」と男が言う。
俺は男のパサパサな頭を撫でた。金箔のような光が降り注ぐ。
「おぉ」と男が叫ぶ。
「急に体が軽くなりやがった」
筋力が上昇したことで、装備品が軽く感じているのだろう。
俺も、俺も、と冒険者達が集まって来る。
俺は1人づつに『愛情』のスキルを使った。
アイリやマミ、それに俺がステータスを上昇させた冒険者達が現れたオークを倒して行く。
1匹目のオークが現れてから一瞬で人間とオークの大乱闘になってしまった。
俺がステータスを上昇させた冒険者がオークを倒すたびに、オークから魂のような白い煙が出て、討伐した人間と俺の中に入った。
白い煙は経験値である。
スキルでステータスを向上させた事で、俺も共闘したと判定されているらしく、経験値が俺にも入った。
頭の中にレベルが上がった事を告げる声が一瞬で2度も聞こえた。
30人分の戦闘の経験値が俺にも入るのだ。
一気にレベルが上がって当然だった。
冒険者のステータスを全て上昇させて、俺は辺りを見渡す。
クロスがいなかった。
「クロス」と俺は叫んだ。
「先生」とアイリの叫びが聞こえた。
アイリの目の前にはオークを食う肉食の植物が召喚されていた。
『中本淳のレベルが上がりました』
「クロスが」とアイリが叫んだ。
「1人で騎士団を追って森の中に入って行った」
体が急激に冷えた。
クロスが死ぬのを想像した。
あのバカ、と俺は舌打ちをした。
『中本淳のレベルが上がりました』
門前はアイリとマミが1番の戦力になっている。彼女達を連れて行くと他の冒険者達だけでは門を守れないだろう。
『中本淳のレベルが上がりました』
「俺はクロスのところに行く。アイリとマミは、ココで冒険者達と戦ってくれ」
と戦う弟子達に俺が言う。
大乱闘中なので声は張り上げた。
「先生お願い。あのバカを助けて」とマミが大剣を振り上げながら言った。
『中本淳のレベルが上がりました。【支配者】のスキルが追加されました』
「行って来る」
と2人の優秀な弟子達に言って、俺は走り始めた。
走りながらステータス画面を開いた。
俺のレベルが20になっている。
そして支配者の詳細を見た。
支配者……庇護下のスキルを使うことができる。
サポートスキルではなく、自ら強くなるスキルだった。
3人のスキルが頭に浮かんだ。
オークの集団が俺を見つけて飛びかかってきた。
「隠蔽」と俺は言った。
クロスのスキルを俺は使った。
支配者で庇護下の持っているスキルを使えるようになったのだ。
オーク達は俺が見えなくなったらしく、辺りを見渡している。
俺はクロスを追いかけた。
さすがにアイツも隠蔽を使っているはずだ。
あのバカはどこに向かったんだろう?
騎士団を追いかけて行った、とアイリは言っていた。
バカクロスはオークキングのところに向かったのだろう。
地面が揺れていた。
オークが木々から飛び出して来た。
マミがアイテムボックスから大剣を取り出す。
そして大剣を振った。
マミが振った剣はオークを真っ二つにした。
マミは強い。
だけど不安は拭えない。
少し遠くで木々が倒されているような音が聞こえた。
「冒険者のみなさん」と俺は冒険者達に言う。
意外と人見知りなので、あんまり声を張り上げる事はできなかったけど、近くにいた冒険者ギルドでよく会う顔の筋肉隆々の男がコチラを見た。
「私のスキルは能力を上昇させるスキルです。希望のある方がいましたら能力を上昇さしあげます」俺が言う。
私と一人称で使うのは大人の使い分けである。
名前は知らないが筋肉隆々の男がコチラに近づいて来た。
「あんな女の子が一撃でオークを倒したんだ。俺はやってもらう」と男が言う。
俺は男のパサパサな頭を撫でた。金箔のような光が降り注ぐ。
「おぉ」と男が叫ぶ。
「急に体が軽くなりやがった」
筋力が上昇したことで、装備品が軽く感じているのだろう。
俺も、俺も、と冒険者達が集まって来る。
俺は1人づつに『愛情』のスキルを使った。
アイリやマミ、それに俺がステータスを上昇させた冒険者達が現れたオークを倒して行く。
1匹目のオークが現れてから一瞬で人間とオークの大乱闘になってしまった。
俺がステータスを上昇させた冒険者がオークを倒すたびに、オークから魂のような白い煙が出て、討伐した人間と俺の中に入った。
白い煙は経験値である。
スキルでステータスを向上させた事で、俺も共闘したと判定されているらしく、経験値が俺にも入った。
頭の中にレベルが上がった事を告げる声が一瞬で2度も聞こえた。
30人分の戦闘の経験値が俺にも入るのだ。
一気にレベルが上がって当然だった。
冒険者のステータスを全て上昇させて、俺は辺りを見渡す。
クロスがいなかった。
「クロス」と俺は叫んだ。
「先生」とアイリの叫びが聞こえた。
アイリの目の前にはオークを食う肉食の植物が召喚されていた。
『中本淳のレベルが上がりました』
「クロスが」とアイリが叫んだ。
「1人で騎士団を追って森の中に入って行った」
体が急激に冷えた。
クロスが死ぬのを想像した。
あのバカ、と俺は舌打ちをした。
『中本淳のレベルが上がりました』
門前はアイリとマミが1番の戦力になっている。彼女達を連れて行くと他の冒険者達だけでは門を守れないだろう。
『中本淳のレベルが上がりました』
「俺はクロスのところに行く。アイリとマミは、ココで冒険者達と戦ってくれ」
と戦う弟子達に俺が言う。
大乱闘中なので声は張り上げた。
「先生お願い。あのバカを助けて」とマミが大剣を振り上げながら言った。
『中本淳のレベルが上がりました。【支配者】のスキルが追加されました』
「行って来る」
と2人の優秀な弟子達に言って、俺は走り始めた。
走りながらステータス画面を開いた。
俺のレベルが20になっている。
そして支配者の詳細を見た。
支配者……庇護下のスキルを使うことができる。
サポートスキルではなく、自ら強くなるスキルだった。
3人のスキルが頭に浮かんだ。
オークの集団が俺を見つけて飛びかかってきた。
「隠蔽」と俺は言った。
クロスのスキルを俺は使った。
支配者で庇護下の持っているスキルを使えるようになったのだ。
オーク達は俺が見えなくなったらしく、辺りを見渡している。
俺はクロスを追いかけた。
さすがにアイツも隠蔽を使っているはずだ。
あのバカはどこに向かったんだろう?
騎士団を追いかけて行った、とアイリは言っていた。
バカクロスはオークキングのところに向かったのだろう。
53
お気に入りに追加
221
あなたにおすすめの小説

転生貴族可愛い弟妹連れて開墾します!~弟妹は俺が育てる!~
桜月雪兎
ファンタジー
祖父に勘当された叔父の襲撃を受け、カイト・ランドール伯爵令息は幼い弟妹と幾人かの使用人たちを連れて領地の奥にある魔の森の隠れ家に逃げ込んだ。
両親は殺され、屋敷と人の住まう領地を乗っ取られてしまった。
しかし、カイトには前世の記憶が残っており、それを活用して魔の森の開墾をすることにした。
幼い弟妹をしっかりと育て、ランドール伯爵家を取り戻すために。

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️

僕だけレベル1~レベルが上がらず無能扱いされた僕はパーティーを追放された。実は神様の不手際だったらしく、お詫びに最強スキルをもらいました~
いとうヒンジ
ファンタジー
ある日、イチカ・シリルはパーティーを追放された。
理由は、彼のレベルがいつまでたっても「1」のままだったから。
パーティーメンバーで幼馴染でもあるキリスとエレナは、ここぞとばかりにイチカを罵倒し、邪魔者扱いする。
友人だと思っていた幼馴染たちに無能扱いされたイチカは、失意のまま家路についた。
その夜、彼は「カミサマ」を名乗る少女と出会い、自分のレベルが上がらないのはカミサマの所為だったと知る。
カミサマは、自身の不手際のお詫びとしてイチカに最強のスキルを与え、これからは好きに生きるようにと助言した。
キリスたちは力を得たイチカに仲間に戻ってほしいと懇願する。だが、自分の気持ちに従うと決めたイチカは彼らを見捨てて歩き出した。
最強のスキルを手に入れたイチカ・シリルの新しい冒険者人生が、今幕を開ける。

序盤でざまぁされる人望ゼロの無能リーダーに転生したので隠れチート主人公を追放せず可愛がったら、なぜか俺の方が英雄扱いされるようになっていた
砂礫レキ
ファンタジー
35歳独身社会人の灰村タクミ。
彼は実家の母から学生時代夢中で書いていた小説をゴミとして燃やしたと電話で告げられる。
そして落ち込んでいる所を通り魔に襲われ死亡した。
死の間際思い出したタクミの夢、それは「自分の書いた物語の主人公になる」ことだった。
その願いが叶ったのか目覚めたタクミは見覚えのあるファンタジー世界の中にいた。
しかし望んでいた主人公「クロノ・ナイトレイ」の姿ではなく、
主人公を追放し序盤で惨めに死ぬ冒険者パーティーの無能リーダー「アルヴァ・グレイブラッド」として。
自尊心が地の底まで落ちているタクミがチート主人公であるクロノに嫉妬する筈もなく、
寧ろ無能と見下されているクロノの実力を周囲に伝え先輩冒険者として支え始める。
結果、アルヴァを粗野で無能なリーダーだと見下していたパーティーメンバーや、
自警団、街の住民たちの視線が変わり始めて……?
更新は昼頃になります。

10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)
犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。
意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。
彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。
そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。
これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。
○○○
旧版を基に再編集しています。
第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。
旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。
この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~
冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。
俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。
そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・
「俺、死んでるじゃん・・・」
目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。
新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。
元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる