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2章 赤ちゃんと孤児とオークキング
第14話 ネンネ
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ネネちゃんはすくすくと育っていった。
そして俺は思う。世のお母さんお父さん、本当に大変。いつもお疲れ様です。
サイレンのような夜泣き。美子さんは負けたボクサーのように倒れている。
ネネちゃんは自分が産まれて来たことに気づいたのだ。「ココはどこ? ワタチ生まれて来てるやん」と喚いているのだ。
部屋はオレンジ色のランプで照らされていた。寝る時用のランプである。
俺は起き上がり、ダブルベッドの真ん中で叫んでいるネネちゃんを縦抱っこした。
なぜか彼女は横抱っこがお気にめさないらしく、縦抱っこを要求した。
あんなにグネングネンだった首も、3ヶ月もしたら据わった。
俺の腕に赤ちゃんの小さなお尻を乗せた。パパの心臓の鼓動を聞くように彼女は俺の胸にほっぺをくっ付けた。
俺は彼女の小さくて柔らかい背中を優しくトントンと叩いた。
ネネちゃんを抱っこしてからが勝負だった。
スクワットをして睡眠に誘う縦揺れ。そして『銀河鉄道の夜』を子守唄代わりに歌う。
100回スクワットをしたら終了、と生易しいモノじゃない。ネネ姫が寝るまでスクワットをするのだ。
夜中に30分ぐらいスクワットをして汗まみれの状態になる。ネネちゃんが静かだから寝たのかな? と思って赤ちゃんを見る。
目がギンギンの状態で、パパのことをジッと見ていた。
寝ろよ、と俺は思う。
「変わろうか?」と美子さんが尋ねた。
「いいよ。寝とき」と俺が言う。
ボロボロの美子さんにバトンタッチは可哀想すぎて出来なかった。
「明日、仕事でしょ?」
「明日は軽い仕事だから」と俺が言う。
「頼む」と美子さんが言って、眠った。
俺はネネちゃんの背中をトントンと叩いた。もうネネちゃんが座っている腕は痛かった。
彼女は小さな手で、俺の服をギュッと掴んでいた。俺は部屋をグルグルと歩き回った。
「まだ寝らないの?」
と俺はネネちゃんに尋ねた。
ネネちゃんは俺のことを上目遣いで見ていた。
「ちょっと外に出ようか?」
と俺は言った。
そして俺はネネちゃんを抱っこして庭に出た。
どこまでが自分達が借りている敷地かわからないけど、家の周りに生えていた雑草はむしって、一応は俺達の庭ということにして家庭菜園をしていた。
俺は夜空を見上げた。
「ネネちゃん星が綺麗だよ」
ネネちゃんは星じゃなく、俺の事をジッと見ている。
「ネンネ、ネンネ」と俺は言いながら、赤ちゃんの背中を優しく叩いた。
「パパがずっとそばにいるから、ネンネ、ネンネ」
ココは異世界だった。なぜ俺達はココにいるのか? それ以上に自分に娘がいることが不思議だった。
俺達がいなくてはネネちゃんは生きてはいけない。脆くて、守ってあげないといけない存在。
「ずっとパパがそばにいるからね。ネンネ、ネンネ」と俺は言った。
抱っこし続けた腕の痛み。赤ちゃんが小さい手で俺にしがみついている。ネネちゃんの柔らかい髪の毛。全てが愛おしくて胸がギュッと掴まれたみたいに痛くなる。
早く寝ておくれぇ~。
そして俺は思う。世のお母さんお父さん、本当に大変。いつもお疲れ様です。
サイレンのような夜泣き。美子さんは負けたボクサーのように倒れている。
ネネちゃんは自分が産まれて来たことに気づいたのだ。「ココはどこ? ワタチ生まれて来てるやん」と喚いているのだ。
部屋はオレンジ色のランプで照らされていた。寝る時用のランプである。
俺は起き上がり、ダブルベッドの真ん中で叫んでいるネネちゃんを縦抱っこした。
なぜか彼女は横抱っこがお気にめさないらしく、縦抱っこを要求した。
あんなにグネングネンだった首も、3ヶ月もしたら据わった。
俺の腕に赤ちゃんの小さなお尻を乗せた。パパの心臓の鼓動を聞くように彼女は俺の胸にほっぺをくっ付けた。
俺は彼女の小さくて柔らかい背中を優しくトントンと叩いた。
ネネちゃんを抱っこしてからが勝負だった。
スクワットをして睡眠に誘う縦揺れ。そして『銀河鉄道の夜』を子守唄代わりに歌う。
100回スクワットをしたら終了、と生易しいモノじゃない。ネネ姫が寝るまでスクワットをするのだ。
夜中に30分ぐらいスクワットをして汗まみれの状態になる。ネネちゃんが静かだから寝たのかな? と思って赤ちゃんを見る。
目がギンギンの状態で、パパのことをジッと見ていた。
寝ろよ、と俺は思う。
「変わろうか?」と美子さんが尋ねた。
「いいよ。寝とき」と俺が言う。
ボロボロの美子さんにバトンタッチは可哀想すぎて出来なかった。
「明日、仕事でしょ?」
「明日は軽い仕事だから」と俺が言う。
「頼む」と美子さんが言って、眠った。
俺はネネちゃんの背中をトントンと叩いた。もうネネちゃんが座っている腕は痛かった。
彼女は小さな手で、俺の服をギュッと掴んでいた。俺は部屋をグルグルと歩き回った。
「まだ寝らないの?」
と俺はネネちゃんに尋ねた。
ネネちゃんは俺のことを上目遣いで見ていた。
「ちょっと外に出ようか?」
と俺は言った。
そして俺はネネちゃんを抱っこして庭に出た。
どこまでが自分達が借りている敷地かわからないけど、家の周りに生えていた雑草はむしって、一応は俺達の庭ということにして家庭菜園をしていた。
俺は夜空を見上げた。
「ネネちゃん星が綺麗だよ」
ネネちゃんは星じゃなく、俺の事をジッと見ている。
「ネンネ、ネンネ」と俺は言いながら、赤ちゃんの背中を優しく叩いた。
「パパがずっとそばにいるから、ネンネ、ネンネ」
ココは異世界だった。なぜ俺達はココにいるのか? それ以上に自分に娘がいることが不思議だった。
俺達がいなくてはネネちゃんは生きてはいけない。脆くて、守ってあげないといけない存在。
「ずっとパパがそばにいるからね。ネンネ、ネンネ」と俺は言った。
抱っこし続けた腕の痛み。赤ちゃんが小さい手で俺にしがみついている。ネネちゃんの柔らかい髪の毛。全てが愛おしくて胸がギュッと掴まれたみたいに痛くなる。
早く寝ておくれぇ~。
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