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過去編① 邂逅
Side Story 1 - Boy Meets Boy
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やっと見つけた。
もしもあいつを見つけたら、絶対に俺のものにするって決めてた。
ずっと探してた。会いたかった。
あいつのことばっか考えてた。
この広い東京で、もしもまたあいつに会えたら、それはもう偶然なんかじゃない。
運命だ。
* * *
ずっと探してた野良猫は、夜の街に迷い込んでた。
警戒心丸出しなのに、流されやすいから危なっかしくて。
頑固で意地っ張りなくせに、気まぐれに甘えてみせたり。
臆病そうにみえて、実は勝ち気だったり。
ほんと、あいつ、野良猫みてえなの。
あいつを見つけた、あの夜。
ほんとは抱くつもりなんてなかった。
ただ、あいつの名前が知りたかった。
俺の名前を呼んで欲しかった。
そこから少しずつ始めていければいい。
そう思ってたのに。
あいつが帰るなんて言うから。
俺が捕まえとかねえと、誰か別の男に抱かれに行くんだろう。
それなら俺が抱いてやる。そう思った。
男に慣れてんのかと思えば、そうでもなくて。
緊張で体は強張ってるし、逃げ腰だし、目は泳いでるし。
手加減してやろうとしたら、今度は一方的に攻められて。
あやうく先にイかされそうになった。
あいつのあの初心な反応には完全に騙された。
あいつに騙されるんなら本望だけど。
あの可愛さはヤバすぎる。
白く透き通った、驚くほどなめらかな肌。
どこに触れても敏感に反応する、感じやすい体。
しなやかな筋肉のついた背中から、細く引き締まった腰に続く芸術的なライン。
ちょっと掠れた甘い声も。
誘うように濡れた唇も。
色を纏った眼差しも。
あいつのすべてが凶暴なほど愛おしくて。
ずっと触っていたい。
もっと俺の痕を刻みつけたい。
ずっと、もっとって、際限ないくらい。
あいつのすべてに翻弄された。
男だとか、女だとか、性別なんて関係ない。
あいつはあいつで、他の誰とも違う。
何度抱いても足りなくて、もっともっと欲しいと思ったことも。
体だけじゃなくて、すべてを手に入れたいと思ったことも。
そして、あんなにも誰かを愛しいと思ったことも。
ぜんぶ、初めてだった。
もしもあいつを見つけたら、絶対に俺のものにするって決めてた。
ずっと探してた。会いたかった。
あいつのことばっか考えてた。
この広い東京で、もしもまたあいつに会えたら、それはもう偶然なんかじゃない。
運命だ。
* * *
ずっと探してた野良猫は、夜の街に迷い込んでた。
警戒心丸出しなのに、流されやすいから危なっかしくて。
頑固で意地っ張りなくせに、気まぐれに甘えてみせたり。
臆病そうにみえて、実は勝ち気だったり。
ほんと、あいつ、野良猫みてえなの。
あいつを見つけた、あの夜。
ほんとは抱くつもりなんてなかった。
ただ、あいつの名前が知りたかった。
俺の名前を呼んで欲しかった。
そこから少しずつ始めていければいい。
そう思ってたのに。
あいつが帰るなんて言うから。
俺が捕まえとかねえと、誰か別の男に抱かれに行くんだろう。
それなら俺が抱いてやる。そう思った。
男に慣れてんのかと思えば、そうでもなくて。
緊張で体は強張ってるし、逃げ腰だし、目は泳いでるし。
手加減してやろうとしたら、今度は一方的に攻められて。
あやうく先にイかされそうになった。
あいつのあの初心な反応には完全に騙された。
あいつに騙されるんなら本望だけど。
あの可愛さはヤバすぎる。
白く透き通った、驚くほどなめらかな肌。
どこに触れても敏感に反応する、感じやすい体。
しなやかな筋肉のついた背中から、細く引き締まった腰に続く芸術的なライン。
ちょっと掠れた甘い声も。
誘うように濡れた唇も。
色を纏った眼差しも。
あいつのすべてが凶暴なほど愛おしくて。
ずっと触っていたい。
もっと俺の痕を刻みつけたい。
ずっと、もっとって、際限ないくらい。
あいつのすべてに翻弄された。
男だとか、女だとか、性別なんて関係ない。
あいつはあいつで、他の誰とも違う。
何度抱いても足りなくて、もっともっと欲しいと思ったことも。
体だけじゃなくて、すべてを手に入れたいと思ったことも。
そして、あんなにも誰かを愛しいと思ったことも。
ぜんぶ、初めてだった。
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