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過去編① 邂逅
第五話 ヤバすぎるあいつ
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啓のものはでかすぎて、俺の口には収まりきらない。それでも精一杯口に含んで舌を絡め、入りきらない分は手で扱く。咥えながらチラリと啓の顔を窺ったのは間違いだった。だって啓はエロすぎる。欲に塗れた熱っぽい視線も、半開きの唇から覗く赤く熟れた舌も、漏れる吐息さえもエロい。啓を見てるだけでイってしまいそうで、俺はすぐに目を逸らし、啓を感じさせることだけに没頭した。
「ぅ……、くっ、……は、ぁっ……」
俺が与える刺激が啓にこんな色っぽい声を出させてるんだと思うと嬉しくて、俺は夢中になった。鈴口を舌先でくすぐると、とろりとした先走りが溢れ出る。少し苦いそれを唇で吸い上げれば、啓が「幸っ」と切羽詰まった声で俺の名前を呼んだ。
「ちょ、ま、っ……、待てって」
無理やり引き剝がされそうになって、目だけで「なんで?」と訴えた。
「も、ヤバいから」
「いいよ。このまま出して」
啓に見せつけるように先っぽを舐めあげながらそう言ったのは、出したら飲んであげるって意思表示だったのに、何が気に入らないのか、舌打ちした啓に押し倒された。
「出すなら幸の中に出したい」
啓の乾いた指が俺の奥まった場所を探り当てる。
「ここに、挿れたい」
耳元で囁やかれ、期待で背筋がぞくぞくと震えた。
・
・
・
仰向けになって両膝を深く折り曲げられて、俺は啓の目の前にすべてを曝している。たっぷりのローションで濡れたそこはすでに啓の指を二本銜え込み、ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てていた。
「んっ、けい、も……、これ、欲し……」
啓のものに伸ばした手を、触る寸前で阻止された俺はほとんど涙目だった。挿れたいって言ったのは啓なのに、ずっと焦らされてばかりなんて酷い。
「だーめ。ちゃんと解さねえと。三本入るようになってからな」
「やだっ、も……、ゃ……」
「ほら、もう一本」
三本目の指がゆっくりと入ってくる圧迫感を、息を吐いてやり過ごす。確かに、指三本でもきついのに、啓のでかいのを受け入れるなんてまだ無理なのかもしれない。けど、もうすでに啓の口と手で一回イかされて、その後も解すって理由で散々弄られて、このままだとまたイっちゃう。
「け、い……、も……、い、から」
「やべえな、幸。お前ん中、熱くて。ひくついてる」
「ぁああっ、そこ、や、……やめっ」
俺の弱いところを擦られて、ぞくんと背中がしなった。
「ここだろ? 幸のいいとこ」
啓の長い指でそこを擦られるたび、がくがくと体が痙攣する。
「や、やだっ、……も、やだぁ」
「嫌じゃねえだろ? ほら、こっちも。もうこんな、ぬるぬる」
痛いくらいに勃ち上がり、先走りで濡れているものをぬるりぬるりと擦られて、俺はいよいよ半泣きになった。
「さわん、なっ……、イっちゃ……」
「イけよ。何度でもイけばいい」
「や、だ……、けいの、……で、イきた、」
指なんかじゃなくて、啓のが欲しい。
啓のものにぐちゃぐちゃに犯されて、もっと啓を感じたい。
「けいの、欲し……、おねが、……啓ぃ」
堪えきれずに零れた涙のせいでぼやけている啓の顔に手を伸ばす。
「ったく、お前は」
ため息交じりの呆れ声とともに、俺の上から啓の重みと熱が消えた。
「前からヤられんのと、後ろからヤられんの。幸はどっちが好き?」
さっさとゴムを着け終わった啓に囁かれ、ごくりと喉がなる。答える余裕なんてない俺を余裕の笑みを浮かべて見つめ返しながら啓が言う。
「俺はどっちも好きだけど、やっぱ最初だし、幸の顔見たいから」
それから啓は俺の足を抱えあげ、膝がシーツにくっ付くくらい折り曲げた。
「すげえ、いい眺め」
ゴムをつけた先っぽで啓がそこをぬぷぬぷと撫でる。
「やべ、まじ、こんだけでイきそ」
「けぃ、……は、やくぅ、」
焦れて腰を揺すれば、「挿れるぞ」という啓の声がして、やっと念願のものが押し入ってくる。
「っ、ぁぁあっ!」
ぐりゅん、と奥のいいところを押しつぶされ、脊髄から全身に電流が走る。頭がスパークしたみたいに真っ白になって、なにが起きたかわからなかった。
「すげ、幸、イった?」
え? イった?
トコロテン? 俺が?
「なっ、……ち、……ちがっ、……」
後ろに挿れられただけでイったことなんてない。
しかも挿れられた瞬間とか、あり得ない。
でもこの倦怠感は間違いなく……
見れば確かに俺の腹の上を白濁したものが汚している。
「う、そ……」
それを指で掬って呆然としていると、俺の汚れた指ごと啓がぱくりと口に入れた。
「な、え? 啓っ!」
「甘い」
「んなわけ、……っ」
ずしん
と。さらに奥にねじ込まれた衝撃で、一瞬呼吸が止まる。
「くっ……、すげ、きっつ」
「ぁ、ま……、ぅ、はぁっ……」
「幸お前まじヤバい。エロすぎ」
そう言って啓はぎちぎちに俺のなかを拡げていたものを焦れったいほどゆっくりと引き抜き、またゆっくりと奥まで突き入れる。まるでその形を俺に覚えさせようとでもするかのように何度かそれを繰り返すと、今度は容赦なくがつがつとそこを穿ち始めた。
「ぁ、くっ、……はっ、ぁ、……んっ」
一方的ともいえる激しさで揺さぶられ、突き上げられた。その質量の大きいものが引き出されると奥が切なく疼き、奥のいいところを突かれると脳を直撃する快感に指先まで痺れた。
頬にぽたぽた落ちる冷たい雫の感触に見上げると、苦げに顔を歪める啓のから大粒の汗が滴っている。
「幸」
啓の額に伸ばした指は啓の手に囚われ、俺は切なげに俺を見つめる啓の視線に囚われた。このままだと心まで啓に囚われてしまいそうで、俺は啓の視線から逃れるために、啓の首に腕を回して抱きついた。
「啓、もっと。めちゃくちゃにして」
そう強請ったのを後悔するほど、この後の啓は凄かった。体がずり上がってヘッドボードに頭を打ち付けるほどがんがん突き上げられ、そのたびに俺のものはだらしなく先走りを零しながらぺたんぺたんと腹に打ちつけられた。喘ぎ声が漏れる口は啓の唇で塞がれ、ぱんぱんと肌がぶつかり合う乾いた音だけが淫らに響く。体の奥も視覚も聴覚もぜんぶ啓に犯されて、頭が吹っ飛ぶくらい気持ちよくて。
「あぁっ……けい、また……イ、く……」
「幸……はっ、……俺も、くっ、ぅ……」
啓にぎゅっと抱き締められ、さらに激しく腰を打ち付けられて。
「ぁぁあああっ」
「はっ、ぁっ、……くっ」
俺はまた、後ろだけでイった。たぶん啓も一緒に。
すげ、きもちい……
はぁはぁと肩で荒い息をしながら、イったあとの余韻にひたる。さっき初めて後ろでイったときは混乱しててよくわからなかったけど、前でイくときとは比べられないくらい深い快感が体の奥から込み上げてくる。
ヤバい、なにこれ。
とまんない。
未だ続く快感の波に、びくんびくんと体が跳ね上がる。そこはまだ中に入ったままの啓のものをぎゅうぎゅうと締め上げ、そんなわずかな刺激さえもまた新しい快感の波を呼んだ。
「啓……、も、抜け、よ」
「なんで? ちょー気持ちよさそうじゃん」
「だっ、て……、きもち、すぎ……、ゃ、まっ」
ぎりぎりまで引き抜かれた啓のものに、またぐんっと奥を抉られて悲鳴をあげた。今さっき出したばかりなのに、もう回復するなんて信じられない。さらに信じられないことに、啓はそのままもう一戦始めるつもりのようだ。
「やだ……、それ、やめっ」
「だよな。じゃあ次は後ろからにすっか」
俺のことばをどう履き違えたのか、それともわざとなのか。すでに臨戦状態のそれを俺の中からずるりと引き出しながら、啓が嬉々として言う。
「え、ちがっ。やっ、……ちょ、ま、」
啓は俺の体を軽々と反転し、すかさず腰を掴んで引き上げた。すでに体のどこにも力の入らない俺はベッドに頭から突っ伏して膝をつき、ただ腰だけを啓に抱えられてる体勢だ。
「ほら、幸。もっとケツ突き出せ」
「っ、……ゃ、やめっ」
「すげ。えっろ。赤くなってる」
さらに腰を高く抱えられ、ぐいっと左右に開かれた奥の窄まり、ひくついているであろうそこをゆるゆると撫でられて、ぶるりと震える。
「ちょ、待ってろ。ゴム代えっから」
そこを片手で弄りながら器用にゴムをつけ終わった啓に一気に貫かれ、脳天が痺れた。その後は、啓の律動に与えられる快感だけに身を委ねた。気持ちいい。気持ちいい。気持ちいい。ただそれしか考えられなかった。
「すげえな、幸お前。さっきからイきっぱなし? たらたら垂れてんぞ?」
「やっ、ば、……さわんなっ、……ぃ、ぁぁあっ」
容赦なく奥を穿ちながら、啓が俺のものをくちゅくちゅと弄った途端、俺はイった。啓が言うように、もしかしてイきっぱなしだったのかもしれない。
だって、こんな脳みそも体も蕩けるような快感、俺は知らない。頭の中も体もぜんぶめちゃくちゃのどろどろで、もっとぐちゃぐちゃにされたいって思う。こんなセックス、したことない。
その後も、何回イったかわからないくらいヤりまくった。
ことが終わって二人でシャワーを浴びた後、さすがに疲れたのか啓はすぐに眠ってしまった。俺は啓が熟睡するのを見届けてから、ふらつく体に鞭打ってベッドから起き上がり、服を身に付けた。一年のブランクはあれど、ガキの頃から野球で鍛えた体力は伊達じゃない。
冷静になって思い返せば、信じられないことをやっちゃったなとは思う。けど不思議と後悔はなかった。
それにしても、啓とのセックスはヤバい。よすぎて、癖になりそうで、まじでヤバい。でかすぎるのも、エロすぎるのも、絶倫すぎるのもヤバいけど、なかでも一番ヤバいのは、俺を見つめる啓の目だ。まるで俺のことが好きだって言ってるみたいな、甘いその眼差し。けど勘違いしちゃダメだ。啓とは一夜限りの関係で、もう会うこともない。
さよなら、啓。
ベッドで寝息を立ててぐっすり眠っている啓のあどけない寝顔に心の中でそう呟いて、俺は啓の部屋をあとにした。
「ぅ……、くっ、……は、ぁっ……」
俺が与える刺激が啓にこんな色っぽい声を出させてるんだと思うと嬉しくて、俺は夢中になった。鈴口を舌先でくすぐると、とろりとした先走りが溢れ出る。少し苦いそれを唇で吸い上げれば、啓が「幸っ」と切羽詰まった声で俺の名前を呼んだ。
「ちょ、ま、っ……、待てって」
無理やり引き剝がされそうになって、目だけで「なんで?」と訴えた。
「も、ヤバいから」
「いいよ。このまま出して」
啓に見せつけるように先っぽを舐めあげながらそう言ったのは、出したら飲んであげるって意思表示だったのに、何が気に入らないのか、舌打ちした啓に押し倒された。
「出すなら幸の中に出したい」
啓の乾いた指が俺の奥まった場所を探り当てる。
「ここに、挿れたい」
耳元で囁やかれ、期待で背筋がぞくぞくと震えた。
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仰向けになって両膝を深く折り曲げられて、俺は啓の目の前にすべてを曝している。たっぷりのローションで濡れたそこはすでに啓の指を二本銜え込み、ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てていた。
「んっ、けい、も……、これ、欲し……」
啓のものに伸ばした手を、触る寸前で阻止された俺はほとんど涙目だった。挿れたいって言ったのは啓なのに、ずっと焦らされてばかりなんて酷い。
「だーめ。ちゃんと解さねえと。三本入るようになってからな」
「やだっ、も……、ゃ……」
「ほら、もう一本」
三本目の指がゆっくりと入ってくる圧迫感を、息を吐いてやり過ごす。確かに、指三本でもきついのに、啓のでかいのを受け入れるなんてまだ無理なのかもしれない。けど、もうすでに啓の口と手で一回イかされて、その後も解すって理由で散々弄られて、このままだとまたイっちゃう。
「け、い……、も……、い、から」
「やべえな、幸。お前ん中、熱くて。ひくついてる」
「ぁああっ、そこ、や、……やめっ」
俺の弱いところを擦られて、ぞくんと背中がしなった。
「ここだろ? 幸のいいとこ」
啓の長い指でそこを擦られるたび、がくがくと体が痙攣する。
「や、やだっ、……も、やだぁ」
「嫌じゃねえだろ? ほら、こっちも。もうこんな、ぬるぬる」
痛いくらいに勃ち上がり、先走りで濡れているものをぬるりぬるりと擦られて、俺はいよいよ半泣きになった。
「さわん、なっ……、イっちゃ……」
「イけよ。何度でもイけばいい」
「や、だ……、けいの、……で、イきた、」
指なんかじゃなくて、啓のが欲しい。
啓のものにぐちゃぐちゃに犯されて、もっと啓を感じたい。
「けいの、欲し……、おねが、……啓ぃ」
堪えきれずに零れた涙のせいでぼやけている啓の顔に手を伸ばす。
「ったく、お前は」
ため息交じりの呆れ声とともに、俺の上から啓の重みと熱が消えた。
「前からヤられんのと、後ろからヤられんの。幸はどっちが好き?」
さっさとゴムを着け終わった啓に囁かれ、ごくりと喉がなる。答える余裕なんてない俺を余裕の笑みを浮かべて見つめ返しながら啓が言う。
「俺はどっちも好きだけど、やっぱ最初だし、幸の顔見たいから」
それから啓は俺の足を抱えあげ、膝がシーツにくっ付くくらい折り曲げた。
「すげえ、いい眺め」
ゴムをつけた先っぽで啓がそこをぬぷぬぷと撫でる。
「やべ、まじ、こんだけでイきそ」
「けぃ、……は、やくぅ、」
焦れて腰を揺すれば、「挿れるぞ」という啓の声がして、やっと念願のものが押し入ってくる。
「っ、ぁぁあっ!」
ぐりゅん、と奥のいいところを押しつぶされ、脊髄から全身に電流が走る。頭がスパークしたみたいに真っ白になって、なにが起きたかわからなかった。
「すげ、幸、イった?」
え? イった?
トコロテン? 俺が?
「なっ、……ち、……ちがっ、……」
後ろに挿れられただけでイったことなんてない。
しかも挿れられた瞬間とか、あり得ない。
でもこの倦怠感は間違いなく……
見れば確かに俺の腹の上を白濁したものが汚している。
「う、そ……」
それを指で掬って呆然としていると、俺の汚れた指ごと啓がぱくりと口に入れた。
「な、え? 啓っ!」
「甘い」
「んなわけ、……っ」
ずしん
と。さらに奥にねじ込まれた衝撃で、一瞬呼吸が止まる。
「くっ……、すげ、きっつ」
「ぁ、ま……、ぅ、はぁっ……」
「幸お前まじヤバい。エロすぎ」
そう言って啓はぎちぎちに俺のなかを拡げていたものを焦れったいほどゆっくりと引き抜き、またゆっくりと奥まで突き入れる。まるでその形を俺に覚えさせようとでもするかのように何度かそれを繰り返すと、今度は容赦なくがつがつとそこを穿ち始めた。
「ぁ、くっ、……はっ、ぁ、……んっ」
一方的ともいえる激しさで揺さぶられ、突き上げられた。その質量の大きいものが引き出されると奥が切なく疼き、奥のいいところを突かれると脳を直撃する快感に指先まで痺れた。
頬にぽたぽた落ちる冷たい雫の感触に見上げると、苦げに顔を歪める啓のから大粒の汗が滴っている。
「幸」
啓の額に伸ばした指は啓の手に囚われ、俺は切なげに俺を見つめる啓の視線に囚われた。このままだと心まで啓に囚われてしまいそうで、俺は啓の視線から逃れるために、啓の首に腕を回して抱きついた。
「啓、もっと。めちゃくちゃにして」
そう強請ったのを後悔するほど、この後の啓は凄かった。体がずり上がってヘッドボードに頭を打ち付けるほどがんがん突き上げられ、そのたびに俺のものはだらしなく先走りを零しながらぺたんぺたんと腹に打ちつけられた。喘ぎ声が漏れる口は啓の唇で塞がれ、ぱんぱんと肌がぶつかり合う乾いた音だけが淫らに響く。体の奥も視覚も聴覚もぜんぶ啓に犯されて、頭が吹っ飛ぶくらい気持ちよくて。
「あぁっ……けい、また……イ、く……」
「幸……はっ、……俺も、くっ、ぅ……」
啓にぎゅっと抱き締められ、さらに激しく腰を打ち付けられて。
「ぁぁあああっ」
「はっ、ぁっ、……くっ」
俺はまた、後ろだけでイった。たぶん啓も一緒に。
すげ、きもちい……
はぁはぁと肩で荒い息をしながら、イったあとの余韻にひたる。さっき初めて後ろでイったときは混乱しててよくわからなかったけど、前でイくときとは比べられないくらい深い快感が体の奥から込み上げてくる。
ヤバい、なにこれ。
とまんない。
未だ続く快感の波に、びくんびくんと体が跳ね上がる。そこはまだ中に入ったままの啓のものをぎゅうぎゅうと締め上げ、そんなわずかな刺激さえもまた新しい快感の波を呼んだ。
「啓……、も、抜け、よ」
「なんで? ちょー気持ちよさそうじゃん」
「だっ、て……、きもち、すぎ……、ゃ、まっ」
ぎりぎりまで引き抜かれた啓のものに、またぐんっと奥を抉られて悲鳴をあげた。今さっき出したばかりなのに、もう回復するなんて信じられない。さらに信じられないことに、啓はそのままもう一戦始めるつもりのようだ。
「やだ……、それ、やめっ」
「だよな。じゃあ次は後ろからにすっか」
俺のことばをどう履き違えたのか、それともわざとなのか。すでに臨戦状態のそれを俺の中からずるりと引き出しながら、啓が嬉々として言う。
「え、ちがっ。やっ、……ちょ、ま、」
啓は俺の体を軽々と反転し、すかさず腰を掴んで引き上げた。すでに体のどこにも力の入らない俺はベッドに頭から突っ伏して膝をつき、ただ腰だけを啓に抱えられてる体勢だ。
「ほら、幸。もっとケツ突き出せ」
「っ、……ゃ、やめっ」
「すげ。えっろ。赤くなってる」
さらに腰を高く抱えられ、ぐいっと左右に開かれた奥の窄まり、ひくついているであろうそこをゆるゆると撫でられて、ぶるりと震える。
「ちょ、待ってろ。ゴム代えっから」
そこを片手で弄りながら器用にゴムをつけ終わった啓に一気に貫かれ、脳天が痺れた。その後は、啓の律動に与えられる快感だけに身を委ねた。気持ちいい。気持ちいい。気持ちいい。ただそれしか考えられなかった。
「すげえな、幸お前。さっきからイきっぱなし? たらたら垂れてんぞ?」
「やっ、ば、……さわんなっ、……ぃ、ぁぁあっ」
容赦なく奥を穿ちながら、啓が俺のものをくちゅくちゅと弄った途端、俺はイった。啓が言うように、もしかしてイきっぱなしだったのかもしれない。
だって、こんな脳みそも体も蕩けるような快感、俺は知らない。頭の中も体もぜんぶめちゃくちゃのどろどろで、もっとぐちゃぐちゃにされたいって思う。こんなセックス、したことない。
その後も、何回イったかわからないくらいヤりまくった。
ことが終わって二人でシャワーを浴びた後、さすがに疲れたのか啓はすぐに眠ってしまった。俺は啓が熟睡するのを見届けてから、ふらつく体に鞭打ってベッドから起き上がり、服を身に付けた。一年のブランクはあれど、ガキの頃から野球で鍛えた体力は伊達じゃない。
冷静になって思い返せば、信じられないことをやっちゃったなとは思う。けど不思議と後悔はなかった。
それにしても、啓とのセックスはヤバい。よすぎて、癖になりそうで、まじでヤバい。でかすぎるのも、エロすぎるのも、絶倫すぎるのもヤバいけど、なかでも一番ヤバいのは、俺を見つめる啓の目だ。まるで俺のことが好きだって言ってるみたいな、甘いその眼差し。けど勘違いしちゃダメだ。啓とは一夜限りの関係で、もう会うこともない。
さよなら、啓。
ベッドで寝息を立ててぐっすり眠っている啓のあどけない寝顔に心の中でそう呟いて、俺は啓の部屋をあとにした。
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