上 下
3 / 15

学食でゲイビ予告編

しおりを挟む
トイレで一回出したらすっきりして腹が減ったので学食にやって来た。

窓際の奥の席が俺らの定位置で、いつもは他のやつらも何人かいるんだけど、今日はまだ誰も来ていないようだ。ちょうどいいので俺と圭介はゲイビの話題で盛り上がっていた。もちろんヒソヒソ声で。

「え、予告編?」
「ああ、昨日送ってきた。見る?」
「見たい見たい、見して」

圭介のイヤフォンをシェアして携帯の画面に見入る。

『今月のお勧めAV!!!Jニーズ系イケメンノンケ大学生同士の初ガチセックス』

真っ黒い画面に白い文字でタイトルが出た後は……

インタビューを受ける俺。
完勃ちしてる俺の勃起ちんぽ。
圭介のでかすぎちんぽをフェラしてる俺の顔。
顔射されてザーメンで汚れた俺の顔のアップ。
大股開きのM字開脚でアナル晒してる俺。
圭介にアナル弄られて泣き出す俺。
にゃんこな俺。




「なにこれ、俺ばっかじゃね?」

一分経っても俺俺俺。編集偏り過ぎじゃね?

「こういうのはネコが主役だからだろ?」
「あー、そういうこと。AVでも男は脇役だもんな」 
「なになに、AVが何だって?」
「うわぁっ」

横から急に声を掛けられて、俺は文字通り飛び上がった。

「なんだよ、祥吾。ビクつきすぎ」
「お前ら、やっぱAV見てたんだろ?」
「二人してこそこそして、やーらし」
「み、見てねえし」

まだ心臓がどくんどくんいってる。

「祥吾、別にいいだろ? 隠さなくたって」
「な、な、圭介、なに言って……」

圭介に冷ややかな目を向けられて俺は愕然とする。

隠すに決まってんじゃん。
まさかバラすんなて言わねえよな?!

「ほらやっぱ見てたんじゃん」
「てか祥吾はともかく圭介がAV見るなんて珍しいな」
「確かに。圭介はモテモテだからAVなんて見る暇ねえもんな」
「今のは超可愛い子が出てたんだよ」
「まじで?」
「圭介が超可愛いっていう子がどんなのか気になる」
「俺らにも見せろよ」
「いいけど?」
「ダ、ダメっ!」

俺は慌てて圭介の手から携帯を奪い取った。

ニャーニャーニャー

「え……」

白くてふわふわした子猫が映し出された携帯の画面を見て目が点になる。

「な? 可愛いだろ?」

しれっとした顔で肩を竦める圭介。

「なんだ猫かよ」
「AVじゃねえじゃん」
「つまんねー」
「AV見てたなんて一言も言ってねえし」
「そうだけどさー」
「絶対何か隠してんだろ?」
「祥吾のリアクション変だし」
「祥吾が変なのはいつもだろ?」
「まあな」
「そりゃそうだけど」
「確かに」

そんなことねえよ! と反論したいところだけど、口を挟むとボロが出そうなので黙っておくことにする。

「大体、AV見てたからって祥吾が隠すわけねえだろ?」
「まあ、それもそうだよな」
「今月のお勧めAVはこれ! とか言っていつも騒いでんの祥吾だもんな」
「そうそう、祥吾はAVマニアだから」

マニアじゃねえけど……
とりあえず丸く収まったみたいでよかった。

ほっと安堵の息を吐いた俺は、まさかこのあと圭介にお仕置きされることになるなんて考えもしなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。

白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。 最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。 (同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!) (勘違いだよな? そうに決まってる!) 気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話

深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?

どうして、こうなった?

yoyo
BL
新社会として入社した会社の上司に嫌がらせをされて、久しぶりに会った友達の家で、おねしょしてしまう話です。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます

猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」 「いや、するわけないだろ!」 相川優也(25) 主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。 碧スバル(21) 指名ナンバーワンの美形ホスト。博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。 「僕の方がぜってー綺麗なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ」 「スバル、お前なにいってんの……?」 冗談? 本気? 二人の結末は? 美形病みホスと平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

処理中です...