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4.行政大学校イベント編
7.ダイコン役者には腹をたてることのススメ
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狼型のフォレストディンゴ4頭が俺の探知魔法網に引っかかった。
『こちらに向かってくるな。あと10分ほどで野営地に到着する』
『対象の進行速度を探知する精度があがり、探知魔法全体の確度が上がったではないか、主殿よ』
エクスは、接近するフォレストディンゴのことより、俺の探知魔法の確度が向上していることに感心したようだ。
気になるのはそっちかよ。まったく。
少しすると、テントの近くで、ハンターたちの一人の声が聞こえてくる。
「何か近づいてきている。急いで全員を起こして!」
『ほう。人間にしては、なかなか優秀な者達だのう』
とエクスが感心する。
急いでハンターたちが俺たちを起こしに来て、火の回りに集まるよう指示される。
その後、すぐにフォレストディンゴの姿が見えた。
『あの真ん中のリーダーの一頭が魔法で使役されているようじゃ。単純な命令のみ与えられているな。使役魔法の基礎の基礎じゃ』
と、エクスが解説してくれる。
リーダーの1頭が他の3頭を従えている構図だ。俺たちを囲みながら接近し、4頭がじりじりと獲物をおいつめるように距離をつめてくる、俺や魔技研幹部、シルフェさんを庇うように、ハンター4名が壁となり狼に対峙する。
『リーダー狼の使役魔法の魔素とあのフーバというやつの魔素って似ているよね?』
とエクスに声を掛ける。
『今頃魔素の偽装に気づきおったのか。主殿よ』
とダメだしされる。
あの時、フーバが新参者の俺に話しかけてきたのは、俺が何者か探りを入れるためだったのだな、と思った。
横をみると、シルフェさんも違和感を持ったのか、リーダー狼とフーバを順に一瞥していた。
魔技研の4名は魔法を使えないから魔素の偽装に気が付けない。
また、フーバを除いたハンター3名も、魔素の偽装とフーバが黒幕であることに気が付いていないようだ。
さてどうするか?
俺は、隠し持っているナイフを両手に持ち、ハンターたちの壁の後ろで臨戦態勢をとる。
ちなみにフーバは狼から一番遠くの右端で俺たちの壁のふりをしていやがる。
フォレストディンゴの一頭が中央のハンターの一人にとびかかり、残り2頭もフーバ以外のハンターへたちへ襲い掛かる。フーバは剣を構え、最後の一頭へ斬りかかるが、フォレストディンゴに躱され、フーバをスルーし、ジェシカさんへとびかかる。一瞬フーバの表情がニヤっとしたのを俺は見逃さない。
俺は、魔女姉さんとアイコンタクトで、急ぎ、それぞれの護衛対象の役割分担を決めた。
俺がジェシカさんのいる右側の護衛担当。
シルフェさんは、左側の護衛担当となった。俺は素早くジェシカさんとフォレストディンゴの間に入り、フォレストディンゴへ両手のナイフを投げつける。
その後、すかさず隠し持っていた小太刀を左手に構える。
俺の投げた2本のナイフが、フォレストディンゴの右目と首の左下に見事刺さるが、そのまま俺に突進してくる。フォレストディンゴの牙を避け、左側面から小太刀で首を切り裂き、左足でケリをいれて、2メートルほどフォレストディンゴを吹き飛ばす。さらにフォレストディンゴに追撃をかけ、吹き飛ばれ地面に転がったフォレストディンゴの頭から馬乗りになる。俺は、フォレストディンゴの首を抱えるようにして、小太刀で首を掻っ切った。
フォレストディンゴは首から血を流しながら倒れ、ぐったりとし動かなくなったため、すぐにジェシカさんのいる位置まで下がり周りを警戒する。
俺が倒したフォレストディンゴがリーダーだったため、残りの3頭が怯み、ハンターたちと少し距離をあけ、足並みを揃え、逃げて出していった。
ジェシカさんはフォレストディンゴに襲われそうになった恐怖からか、腰が抜け、座り込みでしまい、呆然としている。
フーバが何気なく俺が倒したフォレストディンゴに近寄ろうとするのを、大声で制止させる。
「動くな!」
「アルフレッド君、いきなり大声をだしたりしたら、びっくりするじゃないか」
とフーバはどこ吹く風とばかりに返答してくる。
「そのフォレストディンゴは俺が倒した。俺が調べる。それ以上その狼に近寄ったら、お前を敵とみなし殺す」
俺が本気で小太刀を構えてフーバに斬りかかろうとしているのを理解した他のハンターたちもフーバを止める。
「フーバ!アルフレッド君はフォレストディンゴと戦った直後で、殺気立っているみたいだから、気が済むまでフォレストディンゴを調べさせよう。そうしたら、彼も少し落ち着くだろう」
気が立っているのは、フーバの演技に腹を立てているからなんだけど、と心の中で俺はぼやいた。
『こちらに向かってくるな。あと10分ほどで野営地に到着する』
『対象の進行速度を探知する精度があがり、探知魔法全体の確度が上がったではないか、主殿よ』
エクスは、接近するフォレストディンゴのことより、俺の探知魔法の確度が向上していることに感心したようだ。
気になるのはそっちかよ。まったく。
少しすると、テントの近くで、ハンターたちの一人の声が聞こえてくる。
「何か近づいてきている。急いで全員を起こして!」
『ほう。人間にしては、なかなか優秀な者達だのう』
とエクスが感心する。
急いでハンターたちが俺たちを起こしに来て、火の回りに集まるよう指示される。
その後、すぐにフォレストディンゴの姿が見えた。
『あの真ん中のリーダーの一頭が魔法で使役されているようじゃ。単純な命令のみ与えられているな。使役魔法の基礎の基礎じゃ』
と、エクスが解説してくれる。
リーダーの1頭が他の3頭を従えている構図だ。俺たちを囲みながら接近し、4頭がじりじりと獲物をおいつめるように距離をつめてくる、俺や魔技研幹部、シルフェさんを庇うように、ハンター4名が壁となり狼に対峙する。
『リーダー狼の使役魔法の魔素とあのフーバというやつの魔素って似ているよね?』
とエクスに声を掛ける。
『今頃魔素の偽装に気づきおったのか。主殿よ』
とダメだしされる。
あの時、フーバが新参者の俺に話しかけてきたのは、俺が何者か探りを入れるためだったのだな、と思った。
横をみると、シルフェさんも違和感を持ったのか、リーダー狼とフーバを順に一瞥していた。
魔技研の4名は魔法を使えないから魔素の偽装に気が付けない。
また、フーバを除いたハンター3名も、魔素の偽装とフーバが黒幕であることに気が付いていないようだ。
さてどうするか?
俺は、隠し持っているナイフを両手に持ち、ハンターたちの壁の後ろで臨戦態勢をとる。
ちなみにフーバは狼から一番遠くの右端で俺たちの壁のふりをしていやがる。
フォレストディンゴの一頭が中央のハンターの一人にとびかかり、残り2頭もフーバ以外のハンターへたちへ襲い掛かる。フーバは剣を構え、最後の一頭へ斬りかかるが、フォレストディンゴに躱され、フーバをスルーし、ジェシカさんへとびかかる。一瞬フーバの表情がニヤっとしたのを俺は見逃さない。
俺は、魔女姉さんとアイコンタクトで、急ぎ、それぞれの護衛対象の役割分担を決めた。
俺がジェシカさんのいる右側の護衛担当。
シルフェさんは、左側の護衛担当となった。俺は素早くジェシカさんとフォレストディンゴの間に入り、フォレストディンゴへ両手のナイフを投げつける。
その後、すかさず隠し持っていた小太刀を左手に構える。
俺の投げた2本のナイフが、フォレストディンゴの右目と首の左下に見事刺さるが、そのまま俺に突進してくる。フォレストディンゴの牙を避け、左側面から小太刀で首を切り裂き、左足でケリをいれて、2メートルほどフォレストディンゴを吹き飛ばす。さらにフォレストディンゴに追撃をかけ、吹き飛ばれ地面に転がったフォレストディンゴの頭から馬乗りになる。俺は、フォレストディンゴの首を抱えるようにして、小太刀で首を掻っ切った。
フォレストディンゴは首から血を流しながら倒れ、ぐったりとし動かなくなったため、すぐにジェシカさんのいる位置まで下がり周りを警戒する。
俺が倒したフォレストディンゴがリーダーだったため、残りの3頭が怯み、ハンターたちと少し距離をあけ、足並みを揃え、逃げて出していった。
ジェシカさんはフォレストディンゴに襲われそうになった恐怖からか、腰が抜け、座り込みでしまい、呆然としている。
フーバが何気なく俺が倒したフォレストディンゴに近寄ろうとするのを、大声で制止させる。
「動くな!」
「アルフレッド君、いきなり大声をだしたりしたら、びっくりするじゃないか」
とフーバはどこ吹く風とばかりに返答してくる。
「そのフォレストディンゴは俺が倒した。俺が調べる。それ以上その狼に近寄ったら、お前を敵とみなし殺す」
俺が本気で小太刀を構えてフーバに斬りかかろうとしているのを理解した他のハンターたちもフーバを止める。
「フーバ!アルフレッド君はフォレストディンゴと戦った直後で、殺気立っているみたいだから、気が済むまでフォレストディンゴを調べさせよう。そうしたら、彼も少し落ち着くだろう」
気が立っているのは、フーバの演技に腹を立てているからなんだけど、と心の中で俺はぼやいた。
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