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1.子爵領編
閑話 家族目線からの3兄弟
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【父親:エルモ・プライセン目線】
うむ。そうだな。息子たちそれぞれを一言で表すと、こんな感じだ。
長男モンドは、「保守的」
次男ピーチャーは、「短絡的」
三男アルフは、「個性的」
ちなみに3人の息子たちの下の妹たちは、こんな感じだ。やっぱり、娘の方がかわいいものだな。おっと、話が逸れたな。
長女エルフィーは、「献身的」
二女ルーシーは、まだ小さいからこれからが楽しみだな。
モンドは、堅実で、真面目で、儂の後をちゃんと継いでくれるだろう。
もう少し経験さえ積めば、儂も隠居できるだろうな。
ただ、少し寡黙で堅すぎるので、もう少し気楽にふるまわないと部下から信頼されないな。
それと、プライセン子爵家は尚武の家なので、もっと武芸、特に剣術に励んでほしいものだ。
それにしても、よくつまみ食いに厨房にくるとメイド達から苦情がきてしまっている。仕方がないやつだ。
そんな気が起きないくらい、しばらくの間は、こってり剣術で絞ってやるか。
ピーチャーはお調子者で気分屋だな。
上の者にばかりに気を使っているので、もう少し目下の者の声に耳を傾けないと、プライセン子爵家の重臣にはなれないだろう。この辺りは儂とピーチャーの守役とで、教育してやらんといかんな。
それはそうと、隣の伯爵家のお嬢様にご執心とは、仕事も半人前のくせにそういうことだけは成長が早い。まったくどうしようもないやつだ。色気づくのは10年早いぞ。
こいつも、しばらくの間は、こってり剣術で絞ってやるか。兵士たちとの100人組手でもやらせて、血反吐を履かせて性根を叩きなおさないとな。
アルフには、正直おどろかされたわい。
いつも書庫に入り浸り、政治、経済、兵法、魔法、料理とどんなジャンルの本も満遍なく読んでいたので、学者肌なのかもしれんとおもっていたわ。
にもかかわらず、シスプチン王国を見事撃退して、軍事参謀の才能があるとは驚きだ。荷が重い役目だったが、いざというときは、シンバがアルフを連れて逃げ帰ってきてくれるものと思っておったわ。
いや、それ以上に、尚武のプライセン子爵家において、あれだけ武功を挙げたのに、中央官吏、つまり王都で内官になりたい、とはまったく呆れるわ。まぁ、テイラー卿と知己を得たので、将来はどんなふうに化けるか楽しみだな。
【次兄:ピーチャー・プライセン目線】
モンド兄さんは、真面目で、余計なことを話さないので、正直、息が詰まる。
父上を尊敬していて、いつかは父上みたいに!といつもいっている。
冗談も通じない。
きっと将来、近隣の貴族たちともうまくやれないだろうから、その点は俺がフォローしないとな。モンド兄さんがプライセン家の当主になるのは、ほぼ決まりだから、今のうちにご機嫌をとっておこう。
そうだ!モンド兄さんのよくつまみ食いは、父上も苦い顔をしているらしいから、食べ物の差し入れをして、父上と兄さんの両方に点数稼ぎをしておこう。
それはそうと、弟のアルフだが、こういうは相当な変わり者だ。
モンド兄さんとはまた別の意味で、普段はめったに口を開かない。
魔法も使えないくせ、魔法師の恰好がお気に入りとは、笑えるな。
甘いものばかり食べているしな。いつまでたってもガキだな。
俺の矢除けになってくれさえすればいいから、好きにさせておこう。
と思い、先日の戦で海岸線の指揮を押し付けたら、大手柄を立てやがった。
ひょっとして、俺の立ち位置を狙ってやがるのか?と報告を聞いた直後は真剣に心配した。
が、アルフのやつ、王都で内官になりたいだと。焦って損した。
お前みたいなネクラは地味な内官がちょうどいいな。
ついでに、今回の大手柄を上げた作戦は、俺の助言がもとになっているということにしてくれるらしい。
持つべきものは、愚弟だな。
これからも役に立ってくれ。
【妹:エルフィー・プライセン目線】
私には、兄さまが3人いらっしゃいますの。
一番上の兄さまは、モンド兄さま。歳が10も離れているので、夕食の時以外は、あまりお話したことがありませんの。モンド兄さまは、いつも父上様のお手伝いをされ、「父上を見習わないと」、とおっしゃっています。
モンド兄さまが、気が向いたときに勉強を教えてくださるので、尊敬していますわ。でも、礼儀作法にとても厳しいので、モンド兄さまとお話しするときはとても緊張しますわ。
二番目の兄さまは、ピーチャー兄さま。歳が7つも離れていますので、モンド兄さまと同じく、最近は、夕食の時以外は、あまりお話していませんの。
私が5つの時に、お気に入りの人形にいたずらをされて、それ以来、少し苦手ですの。ピーチャー兄さまは、いつも大きな声で笑い声をあげたり、家臣の娘たちや若い使用人の娘たちのお尻をさわったりして、父上様と母上様に、貴族としての「品がない」とお叱りを受けていますわ。
「品がない」というのはどういう意味なのかしら。モンド兄さまに教えてもらいましょう。
三番目に兄さまは、アルフ兄さま。歳は2つしか離れていないので、よく遊んでもらっていますわ。
以前から、書庫で本を読んでいらっしゃるか、裏山でシンバと小太刀やナイフのお稽古をしていますの。稽古といっても、ケガをされたことがないから、シンバが手加減してくれているのでしょうね。それにしても、貴族なのに、剣をつかわないなんて、変わっているわ。
書庫に私がついていって、勉強でわからないところがあると、丁寧に教えてくださるので、大好きですわ。そうそう、アルフ兄さまは、武器以外にも変わっているところがありますの。
魔法が使えないのに、魔法師みたいな黒のローブがお気に入りなのですって。
あと、いつも緑色の重たい本を持ち歩いていらっしゃっるの。あんなに重たそうなのに疲れないのかしら。
それと、甘いものが大好きで、虫歯にならないか心配ですわ。今度、私の甘味も分けてさしあげますわね。アルフ兄さま。
うむ。そうだな。息子たちそれぞれを一言で表すと、こんな感じだ。
長男モンドは、「保守的」
次男ピーチャーは、「短絡的」
三男アルフは、「個性的」
ちなみに3人の息子たちの下の妹たちは、こんな感じだ。やっぱり、娘の方がかわいいものだな。おっと、話が逸れたな。
長女エルフィーは、「献身的」
二女ルーシーは、まだ小さいからこれからが楽しみだな。
モンドは、堅実で、真面目で、儂の後をちゃんと継いでくれるだろう。
もう少し経験さえ積めば、儂も隠居できるだろうな。
ただ、少し寡黙で堅すぎるので、もう少し気楽にふるまわないと部下から信頼されないな。
それと、プライセン子爵家は尚武の家なので、もっと武芸、特に剣術に励んでほしいものだ。
それにしても、よくつまみ食いに厨房にくるとメイド達から苦情がきてしまっている。仕方がないやつだ。
そんな気が起きないくらい、しばらくの間は、こってり剣術で絞ってやるか。
ピーチャーはお調子者で気分屋だな。
上の者にばかりに気を使っているので、もう少し目下の者の声に耳を傾けないと、プライセン子爵家の重臣にはなれないだろう。この辺りは儂とピーチャーの守役とで、教育してやらんといかんな。
それはそうと、隣の伯爵家のお嬢様にご執心とは、仕事も半人前のくせにそういうことだけは成長が早い。まったくどうしようもないやつだ。色気づくのは10年早いぞ。
こいつも、しばらくの間は、こってり剣術で絞ってやるか。兵士たちとの100人組手でもやらせて、血反吐を履かせて性根を叩きなおさないとな。
アルフには、正直おどろかされたわい。
いつも書庫に入り浸り、政治、経済、兵法、魔法、料理とどんなジャンルの本も満遍なく読んでいたので、学者肌なのかもしれんとおもっていたわ。
にもかかわらず、シスプチン王国を見事撃退して、軍事参謀の才能があるとは驚きだ。荷が重い役目だったが、いざというときは、シンバがアルフを連れて逃げ帰ってきてくれるものと思っておったわ。
いや、それ以上に、尚武のプライセン子爵家において、あれだけ武功を挙げたのに、中央官吏、つまり王都で内官になりたい、とはまったく呆れるわ。まぁ、テイラー卿と知己を得たので、将来はどんなふうに化けるか楽しみだな。
【次兄:ピーチャー・プライセン目線】
モンド兄さんは、真面目で、余計なことを話さないので、正直、息が詰まる。
父上を尊敬していて、いつかは父上みたいに!といつもいっている。
冗談も通じない。
きっと将来、近隣の貴族たちともうまくやれないだろうから、その点は俺がフォローしないとな。モンド兄さんがプライセン家の当主になるのは、ほぼ決まりだから、今のうちにご機嫌をとっておこう。
そうだ!モンド兄さんのよくつまみ食いは、父上も苦い顔をしているらしいから、食べ物の差し入れをして、父上と兄さんの両方に点数稼ぎをしておこう。
それはそうと、弟のアルフだが、こういうは相当な変わり者だ。
モンド兄さんとはまた別の意味で、普段はめったに口を開かない。
魔法も使えないくせ、魔法師の恰好がお気に入りとは、笑えるな。
甘いものばかり食べているしな。いつまでたってもガキだな。
俺の矢除けになってくれさえすればいいから、好きにさせておこう。
と思い、先日の戦で海岸線の指揮を押し付けたら、大手柄を立てやがった。
ひょっとして、俺の立ち位置を狙ってやがるのか?と報告を聞いた直後は真剣に心配した。
が、アルフのやつ、王都で内官になりたいだと。焦って損した。
お前みたいなネクラは地味な内官がちょうどいいな。
ついでに、今回の大手柄を上げた作戦は、俺の助言がもとになっているということにしてくれるらしい。
持つべきものは、愚弟だな。
これからも役に立ってくれ。
【妹:エルフィー・プライセン目線】
私には、兄さまが3人いらっしゃいますの。
一番上の兄さまは、モンド兄さま。歳が10も離れているので、夕食の時以外は、あまりお話したことがありませんの。モンド兄さまは、いつも父上様のお手伝いをされ、「父上を見習わないと」、とおっしゃっています。
モンド兄さまが、気が向いたときに勉強を教えてくださるので、尊敬していますわ。でも、礼儀作法にとても厳しいので、モンド兄さまとお話しするときはとても緊張しますわ。
二番目の兄さまは、ピーチャー兄さま。歳が7つも離れていますので、モンド兄さまと同じく、最近は、夕食の時以外は、あまりお話していませんの。
私が5つの時に、お気に入りの人形にいたずらをされて、それ以来、少し苦手ですの。ピーチャー兄さまは、いつも大きな声で笑い声をあげたり、家臣の娘たちや若い使用人の娘たちのお尻をさわったりして、父上様と母上様に、貴族としての「品がない」とお叱りを受けていますわ。
「品がない」というのはどういう意味なのかしら。モンド兄さまに教えてもらいましょう。
三番目に兄さまは、アルフ兄さま。歳は2つしか離れていないので、よく遊んでもらっていますわ。
以前から、書庫で本を読んでいらっしゃるか、裏山でシンバと小太刀やナイフのお稽古をしていますの。稽古といっても、ケガをされたことがないから、シンバが手加減してくれているのでしょうね。それにしても、貴族なのに、剣をつかわないなんて、変わっているわ。
書庫に私がついていって、勉強でわからないところがあると、丁寧に教えてくださるので、大好きですわ。そうそう、アルフ兄さまは、武器以外にも変わっているところがありますの。
魔法が使えないのに、魔法師みたいな黒のローブがお気に入りなのですって。
あと、いつも緑色の重たい本を持ち歩いていらっしゃっるの。あんなに重たそうなのに疲れないのかしら。
それと、甘いものが大好きで、虫歯にならないか心配ですわ。今度、私の甘味も分けてさしあげますわね。アルフ兄さま。
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