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第七章 闘技大会編
勇者王都に着く
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勇者王都に着く
「お、見えてきたな!あれがカノン王国王都だ!」
僕たち勇者一行はイルス魔導国で魔王を滅するカギを手に入れて旅立った。
そして今、幾つもの町を経由してやっとカノン王国王都が見えてきた。
「うわー、すごい行列だわ」
「ん、人いっぱい」
「だろ?王都は特に栄えているからな。行商人や冒険者が多いんだ」
僕たちは遠くに見える人の行列に驚く。ざっと200人くらいはいるのではないだろうか?
「時間かかりそうだね」
「そうだな」
「いや大丈夫だ。ついてこい」
僕たちは言われた通りノヴァさんについていく。城壁に近づくにつれて、門が2つあることが分かった。
ノヴァさんは、行列が出来ている門の隣にある門に向かっていく。これはどういうことなのだろうか?
「おい見ろ!拳王だ!」
「あれがSSランク冒険者1色か!」
「拳王をお目にかかれるなんて光栄だわ!」
「すごい筋肉だ!」
行列の隣を歩くたびに周囲から声がかけられる。さすがノヴァさんだ。違う町とかでもサインを求められたり、弟子入り志願の人がいたりしたからなぁ。
「俺たちはここから通るぜ」
「ここって貴族専用の門?」
門は2種類ある。1つは平民用の門、もう1つは貴族専用の門だ。ノヴァさんは貴族じゃないのになぜ通れんだろう?
「何でノヴァさんは貴族じゃないのに通れるんですか?」
「それはな、SSランク冒険者の特権ってやつだ。SSランク冒険者は希少だからどの町も顔パスで通れるんだぜ!」
「え、じゃあなんで今までの町はそうしなかったんだ?」
「お前たちを驚かせたいからだ!どうだ?驚いたか?」
「いや驚きましたけど…」
「なんで今まで使わなかったんだよぉぉぉお!違う町で門に入るまでの時間は無駄だったってことだろ!?」
「いや悪い悪い。まあそんなことどうでもいいじゃねぇか!ほら、ここが王都だ!」
「どうでも良くないで──」
僕の言葉は途中で途切れる。身分証明が終わり門を潜ったからだ。笑顔の人々、綺麗に整備された道、大賑わいの店、全てがどの町よりも優れていて圧巻される。
「す、すごい…」
「これが大陸一の大国の王都か!」
「ん、いい匂い」
「みんな笑顔で見てるこっちも気持ちよくなるわ!」
「ここは世界で一番治安がいいと言っても過言ではないからな!なんたって英雄の住む町だしな!」
「この町だけ他の町とは雰囲気が違う」
「これからどうする?早速英雄に会いにいく?」
「いやまずは冒険者ギルドで魔王に関する情報を集めよう」
「「「賛成!」」」
「じゃあ俺についてこい!」
冒険者ギルドにはすぐついた。ノヴァさん曰く、緊急の時にすぐ城外に出れるようにだそうだ。
「よっ!みんな久しぶり!」
ノヴァさんが勢いよく冒険者ギルドの扉を開く。だがなんか様子がおかしい。人が極端に少なすぎるような気が…。
「あ、こんにちはノヴァさん!お久しぶりです!依頼の方は完璧だとお伺いしました!流石ですね!」
「あぁ、今帰ってきたところなんだが、これは一体どういうことだ?」
「冒険者の皆さんですか?それならフリーデン王国で行われる闘技大会に行ったんですよ。なんでも優勝賞品が港町ハーレの3泊4日旅行券だとか」
「闘技大会!もうそんな時期か!なるほどな、道理でいないわけだ」
「ですから3日ほど前にフリーデン王国に行っちゃいましたよ。今年はノヴァさんも参加されると思ってたんですが」
「ノヴァさん、闘技大会とはなんですか?」
「あぁ、闘技大会は4年に一度フリーデン王国で開催される力比べ大会のことだ」
「へぇー、ノヴァさんは今年は参加しないんですか?」
「いや、忘れてたわ。それに今から行っても間に合わないしな」
「そうですか。ノヴァさんが参加すれば優勝は間違いないのにもったいないです!」
「いや無理だ。優勝は厳しいと思うぞ。あの大会には隠れていた化け物が何人も出てくる。受付さんよ、アイツは今年も闘技大会に出るのか?」
「はい、聞いた限りだと参加すると思われますよ。あの方の技術はすごいですからね!やっぱりノヴァさんは4年前の決勝戦が悔しいんですか?」
「いや、あれは戦った瞬間勝てないと悟ったからそれほど悔しくはなかったな」
「そうですか」
「今年もアイツが参加するなら優勝は確定だな」
「いえ、私は今年の優勝者が多分変わると思ってますよ」
「な!?それほどの奴が参加するのか?」
「ノヴァさんも知ってるじゃないですか!」
「俺の知ってる奴?──まさか!」
「はい!今年は英雄アルベルト様も参加されますから勝敗はどうなるか、まだ分かりませんよ!」
「そうだな!アルならアイツに勝てるかもしれねぇ!」
「ってことは英雄アルベルトはこの町にいない!?」
「じゃあ魔王討伐はどうするの?」
「はぁ…英雄が帰ってくるまで待つしかないか…」
「いやまだだ!渚が転移魔法を使える!」
「ん、転移したら一瞬」
「おぉ!その手があったか!じゃあフリーデン王国に戻ろう!」
「「「賛成!」」」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
更新遅くてすみません!
話にちょっと出てきたアイツとは何者なんでしょうかねw
その辺も後々出てきますのでお楽しみに!
アルの過去最大のピンチ!?
「お、見えてきたな!あれがカノン王国王都だ!」
僕たち勇者一行はイルス魔導国で魔王を滅するカギを手に入れて旅立った。
そして今、幾つもの町を経由してやっとカノン王国王都が見えてきた。
「うわー、すごい行列だわ」
「ん、人いっぱい」
「だろ?王都は特に栄えているからな。行商人や冒険者が多いんだ」
僕たちは遠くに見える人の行列に驚く。ざっと200人くらいはいるのではないだろうか?
「時間かかりそうだね」
「そうだな」
「いや大丈夫だ。ついてこい」
僕たちは言われた通りノヴァさんについていく。城壁に近づくにつれて、門が2つあることが分かった。
ノヴァさんは、行列が出来ている門の隣にある門に向かっていく。これはどういうことなのだろうか?
「おい見ろ!拳王だ!」
「あれがSSランク冒険者1色か!」
「拳王をお目にかかれるなんて光栄だわ!」
「すごい筋肉だ!」
行列の隣を歩くたびに周囲から声がかけられる。さすがノヴァさんだ。違う町とかでもサインを求められたり、弟子入り志願の人がいたりしたからなぁ。
「俺たちはここから通るぜ」
「ここって貴族専用の門?」
門は2種類ある。1つは平民用の門、もう1つは貴族専用の門だ。ノヴァさんは貴族じゃないのになぜ通れんだろう?
「何でノヴァさんは貴族じゃないのに通れるんですか?」
「それはな、SSランク冒険者の特権ってやつだ。SSランク冒険者は希少だからどの町も顔パスで通れるんだぜ!」
「え、じゃあなんで今までの町はそうしなかったんだ?」
「お前たちを驚かせたいからだ!どうだ?驚いたか?」
「いや驚きましたけど…」
「なんで今まで使わなかったんだよぉぉぉお!違う町で門に入るまでの時間は無駄だったってことだろ!?」
「いや悪い悪い。まあそんなことどうでもいいじゃねぇか!ほら、ここが王都だ!」
「どうでも良くないで──」
僕の言葉は途中で途切れる。身分証明が終わり門を潜ったからだ。笑顔の人々、綺麗に整備された道、大賑わいの店、全てがどの町よりも優れていて圧巻される。
「す、すごい…」
「これが大陸一の大国の王都か!」
「ん、いい匂い」
「みんな笑顔で見てるこっちも気持ちよくなるわ!」
「ここは世界で一番治安がいいと言っても過言ではないからな!なんたって英雄の住む町だしな!」
「この町だけ他の町とは雰囲気が違う」
「これからどうする?早速英雄に会いにいく?」
「いやまずは冒険者ギルドで魔王に関する情報を集めよう」
「「「賛成!」」」
「じゃあ俺についてこい!」
冒険者ギルドにはすぐついた。ノヴァさん曰く、緊急の時にすぐ城外に出れるようにだそうだ。
「よっ!みんな久しぶり!」
ノヴァさんが勢いよく冒険者ギルドの扉を開く。だがなんか様子がおかしい。人が極端に少なすぎるような気が…。
「あ、こんにちはノヴァさん!お久しぶりです!依頼の方は完璧だとお伺いしました!流石ですね!」
「あぁ、今帰ってきたところなんだが、これは一体どういうことだ?」
「冒険者の皆さんですか?それならフリーデン王国で行われる闘技大会に行ったんですよ。なんでも優勝賞品が港町ハーレの3泊4日旅行券だとか」
「闘技大会!もうそんな時期か!なるほどな、道理でいないわけだ」
「ですから3日ほど前にフリーデン王国に行っちゃいましたよ。今年はノヴァさんも参加されると思ってたんですが」
「ノヴァさん、闘技大会とはなんですか?」
「あぁ、闘技大会は4年に一度フリーデン王国で開催される力比べ大会のことだ」
「へぇー、ノヴァさんは今年は参加しないんですか?」
「いや、忘れてたわ。それに今から行っても間に合わないしな」
「そうですか。ノヴァさんが参加すれば優勝は間違いないのにもったいないです!」
「いや無理だ。優勝は厳しいと思うぞ。あの大会には隠れていた化け物が何人も出てくる。受付さんよ、アイツは今年も闘技大会に出るのか?」
「はい、聞いた限りだと参加すると思われますよ。あの方の技術はすごいですからね!やっぱりノヴァさんは4年前の決勝戦が悔しいんですか?」
「いや、あれは戦った瞬間勝てないと悟ったからそれほど悔しくはなかったな」
「そうですか」
「今年もアイツが参加するなら優勝は確定だな」
「いえ、私は今年の優勝者が多分変わると思ってますよ」
「な!?それほどの奴が参加するのか?」
「ノヴァさんも知ってるじゃないですか!」
「俺の知ってる奴?──まさか!」
「はい!今年は英雄アルベルト様も参加されますから勝敗はどうなるか、まだ分かりませんよ!」
「そうだな!アルならアイツに勝てるかもしれねぇ!」
「ってことは英雄アルベルトはこの町にいない!?」
「じゃあ魔王討伐はどうするの?」
「はぁ…英雄が帰ってくるまで待つしかないか…」
「いやまだだ!渚が転移魔法を使える!」
「ん、転移したら一瞬」
「おぉ!その手があったか!じゃあフリーデン王国に戻ろう!」
「「「賛成!」」」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
更新遅くてすみません!
話にちょっと出てきたアイツとは何者なんでしょうかねw
その辺も後々出てきますのでお楽しみに!
アルの過去最大のピンチ!?
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