99 / 114
第七章 闘技大会編
学校対抗戦初戦
しおりを挟む学校対抗戦初戦
「おい、待てよ」
声をかけてきたのはルークとその取り巻き3人だった。
一体何の用だってんだ。テンプレ的な絡みは受けつけてないんだが。
「なに?僕忙しいから早く用件を言ってくんない?」
俺はちょっとキレ気味で返事をした。
「それはすまない。僕はルーク・ウェン・カストリア。ちょっと君に興味があってね」
え、それだけ?コイツ舐めてんのか?俺はさっきの開会式で疲れてんだよ!どっかの王様のせいでさ!
そんなつまんないことで呼び止めのかよ?
「それだけ?」
「うん、それだけだよ」
「じゃあこれで失礼──」
「待てよお前!」
本当につまらない理由で止められたので退散しようとしたら取り巻きの1人に待てと言われた。まだ何かあるのかよ。
「君、強いでしょ。分かるよ、僕も強いからね!英雄とか言われてるけど僕は信じない!大体まだ10歳じゃないか!君が成し遂げたという実績もありえないものばかりだ。嘘で民をたぶらかすのはやめもらいたいものだね」
「ぶふぉっ!」
「何を笑っている!」
「いや失礼、君があまりにも滑稽だったから──ぶふぉっ!」
や、やばい。ダメだ、腹痛えぇ。
この俺にこれほどの精神ダメージを与えるとは…。中々やるじゃないか。
「くっ!まぁいい。その実力が偽りだと僕が証明して見せよう!試合でね!」
「あ、あぁ分かった分かった。じゃあ 失礼」
俺は一方的に別れを告げた。だってあのままあそこにいたら本当に耐えきれなくなりそうだ。
俺の試合は40分後。それまでは控え室でゆっくりしよう。
「アル君!アル君起きて!試合始まっちゃうよ!」
メアに起こされた。どうやら控え室で眠ってしまったようだ。自分では分からないが相当疲れが溜まってたんだろう。
時計を見ると──10時19分!?
あと1分で試合じゃないか!早く行かないと!
「起こしてくれてありがとうメア!」
「どう致しまして!それより早く行くよ!」
俺とメアは急いで選手入場口に向かった。すでにフォヴァとカテリーナがいた。
「遅いぞアル」
「ごめんごめん。いつの間にか寝てたみたい」
「アルが寝落ちなんて珍しいな。疲れが溜まってたのか?」
「そうかも」
『これより第2試合を行います!選手入場!』
闘技場の舞台の方から実況の人の声が聞こえてきたので入場する。
「「「「おぉおぉお!」」」」
「すごい歓声だな」
「そりゃアルがいるからだろ」
「アル君は民に愛されてるからね!」
「そうかな?あまり実感無いんだけど」
俺たちは舞台に上がる。相手はブルメン魔法学院、魔法教育に力を入れている学院だ。その実績は凄まじく、卒業した生徒に4人ほど宮廷魔術師になったり、国で働く魔法使いになったりと、卒業した生徒の進路がいいのだ。
「第2試合、王立カノン学園VSブルメン魔法学院の試合を行います。両者準備はいいですか?始め!」
「こっちは英雄様に勝てるなんてこれっぽっちも思ってない。だが仲間は倒させてもらう!」
「『土よ、我が手に集い敵を貫け!』土中級魔法 アースジャベリン!」
「『風よ、刃となり敵を切り裂け!』風中級魔法 ウィンドカッター!」
「『火よ、我が手に集い敵を貫け!』ファイアランス!」
「『水よ、刃となり敵を切り裂け!』水中級魔法 ウォーターカッター!」
ブルメン魔法学院の選手それぞれが魔法を打ってきた。どれも中級魔法だ。
まだ学院を卒業していないのに中級魔法を使えるとはな。流石ブルメン魔法学院といったところか。
「火神流真剣術 5の型 真空連斬!」
俺の教えた火神流真剣術はカテリーナ様にしてある。例えばこの真空連斬は光の速さで剣を振り、真空の刃を飛ばす技だ。俺にしか出来ないため、カテリーナには、風魔法を剣に纏わせて風の刃を飛ばす技という風に教えてる。
カテリーナの風の刃4つがそれぞれの魔法に向かっていく。そして当たったと同時に相殺する。
「ばかな!中級魔法を相殺しただと!」
「まだなにか手はあるはずだ!」
「遅い!火神流真剣術 2の型 紫電一閃・4連!(峰打ち)」
「「「「グハッ!」」」」
カテリーナが一瞬で間合いを詰めると同時に一人一人を斜めに斬りあげる。4人はそれぞれの方向に吹っ飛び、意識を失った。
それにしてもカテリーナは応用がうまい。今だって連続で繋げる様に4連したしね。
「勝者、王立カノン学園!」
「「「「「うおぉぉ!」」」」」
「なんだ今の!」
「すごい技だ」
「最初の技は何だったんだ?魔法が何かにぶつかった様に見えたが」
「きゃー!カテリーナ様カッコいい!」
ん?カッコいい!?
あーそうか。今のを見ちゃったらそうなるわな。
「これは圧倒的な試合でしたねー!まず最初にブルメン魔法学院の選手がそれぞれ中級魔法を使ったようです。それをカテリーナ選手が何かの技で相殺したようです!そして一瞬で懐に潜りこみ、4人を倒しました!」
実況の人が解説をする。
とりあえずこれで初戦突破だ。次の相手はデザイア騎士学院、ルークのいるところか。まぁカテリーナに任せて大丈夫だろう。
0
お気に入りに追加
892
あなたにおすすめの小説
破滅する悪役五人兄弟の末っ子に転生した俺、無能と見下されるがゲームの知識で最強となり、悪役一家と幸せエンディングを目指します。
大田明
ファンタジー
『サークラルファンタズム』というゲームの、ダンカン・エルグレイヴというキャラクターに転生した主人公。
ダンカンは悪役で性格が悪く、さらに無能という人気が無いキャラクター。
主人公はそんなダンカンに転生するも、家族愛に溢れる兄弟たちのことが大好きであった。
マグヌス、アングス、ニール、イナ。破滅する運命にある兄弟たち。
しかし主人公はゲームの知識があるため、そんな彼らを救うことができると確信していた。
主人公は兄弟たちにゲーム中に辿り着けなかった最高の幸せを与えるため、奮闘することを決意する。
これは無能と呼ばれた悪役が最強となり、兄弟を幸せに導く物語だ。
レベルカンストとユニークスキルで異世界満喫致します
風白春音
ファンタジー
俺、猫屋敷出雲《ねこやしきいずも》は新卒で入社した会社がブラック過ぎてある日自宅で意識を失い倒れてしまう。誰も見舞いなど来てくれずそのまま孤独死という悲惨な死を遂げる。
そんな悲惨な死に方に女神は同情したのか、頼んでもいないのに俺、猫屋敷出雲《ねこやしきいずも》を勝手に転生させる。転生後の世界はレベルという概念がある世界だった。
しかし女神の手違いか俺のレベルはカンスト状態であった。さらに唯一無二のユニークスキル視認強奪《ストック》というチートスキルを持って転生する。
これはレベルの概念を超越しさらにはユニークスキルを持って転生した少年の物語である。
※俺TUEEEEEEEE要素、ハーレム要素、チート要素、ロリ要素などテンプレ満載です。
※小説家になろうでも投稿しています。
「残念でした~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~ん笑」と女神に言われ異世界転生させられましたが、転移先がレベルアップの実の宝庫でした
御浦祥太
ファンタジー
どこにでもいる高校生、朝比奈結人《あさひなゆいと》は修学旅行で京都を訪れた際に、突然清水寺から落下してしまう。不思議な空間にワープした結人は女神を名乗る女性に会い、自分がこれから異世界転生することを告げられる。
異世界と聞いて結人は、何かチートのような特別なスキルがもらえるのか女神に尋ねるが、返ってきたのは「残念でした~~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~~ん(笑)」という強烈な言葉だった。
女神の言葉に落胆しつつも異世界に転生させられる結人。
――しかし、彼は知らなかった。
転移先がまさかの禁断のレベルアップの実の群生地であり、その実を食べることで自身のレベルが世界最高となることを――
スキル喰らい(スキルイーター)がヤバすぎた 他人のスキルを食らって底辺から最強に駆け上がる
けんたん
ファンタジー
レイ・ユーグナイト 貴族の三男で産まれたおれは、12の成人の儀を受けたら家を出ないと行けなかった だが俺には誰にも言ってない秘密があった 前世の記憶があることだ
俺は10才になったら現代知識と貴族の子供が受ける継承の義で受け継ぐであろうスキルでスローライフの夢をみる
だが本来受け継ぐであろう親のスキルを何一つ受け継ぐことなく能無しとされひどい扱いを受けることになる だが実はスキルは受け継がなかったが俺にだけ見えるユニークスキル スキル喰らいで俺は密かに強くなり 俺に対してひどい扱いをしたやつを見返すことを心に誓った
神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。
異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。
アイテムボックスを極めた廃ゲーマー、異世界に転生して無双する。
メルメア
ファンタジー
ゲームのやり過ぎが祟って死亡した楠木美音。
人気プレイヤーだった自身のアバターを運営に譲渡する代わりに、ミオンとしてゲーム内で極めたスキルを持って異世界に転生する。
ゲームでは、アイテムボックスと無効スキルを武器に“無限空間”の異名をとったミオン。
触れた相手は即アイテムボックスに収納。
相手の攻撃も収納して増幅して打ち返す。
自分独自の戦い方で、異世界を無双しながら生き始める。
病気の村人を救うため悪竜と戦ったり、王都で海鮮料理店を開いたり、海の怪物を討伐したり、国のダンジョン攻略部隊に選ばれたり……
最強のアイテムボックスを持ち、毒も炎もあらゆる攻撃を無効化するミオンの名は、異世界にどんどん広まっていく。
※小説家になろう・カクヨムでも掲載しています!
※9/14~9/17HOTランキング1位ありがとうございました!!
世界最強で始める異世界生活〜最強とは頼んだけど、災害レベルまでとは言ってない!〜
ワキヤク
ファンタジー
その日、春埼暁人は死んだ。トラックに轢かれかけた子供を庇ったのが原因だった。
そんな彼の自己犠牲精神は世界を創造し、見守る『創造神』の心を動かす。
創造神の力で剣と魔法の世界へと転生を果たした暁人。本人の『願い』と創造神の『粋な計らい』の影響で凄まじい力を手にしたが、彼の力は世界を救うどころか世界を滅ぼしかねないものだった。
普通に歩いても地割れが起き、彼が戦おうものなら瞬く間にその場所は更地と化す。
魔法もスキルも無効化吸収し、自分のものにもできる。
まさしく『最強』としての力を得た暁人だが、等の本人からすれば手に余る力だった。
制御の難しいその力のせいで、文字通り『歩く災害』となった暁人。彼は平穏な異世界生活を送ることができるのか……。
これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる