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第六章 勇者編

圧倒的強者

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圧倒的強者



古代竜エンシェントドラゴンってSSランク上位の竜だよ!無理だ、勝てるわけが無い!」

「こいつはヤバいな。すまんがその魔力を抑えてくれないか?魔力にあてられただけで体が動かないんだ」

「む?ああそうか、嘔吐したのはワシの魔力を見たからか。これでよいか?」

「ああ、感謝する」

魔力を抑えたらただの少女だな。これが古代竜エンシェントドラゴンというのだから世界は広いものだ。

「ではさっさと始めるのじゃ。せいぜいワシを楽しませてくれ!1発で終わるなんてつまらないことをしないことを願う」

「みんな聞いてくれ。古代竜エンシェントドラゴンに勝てないことは分かりきってる、だけど俺たちがどこまで通用するか試すいい機会だと思うんだ。だから最初から全力でいくぞ!」

「分かったわ!」

「元からそのつもりだよ!」

「作戦会議は終わったか?ならどこからでもかかってくるのじゃ!」

この竜に勝てるなんて誰1人として思ってない。だがここで全力を出さなければ上に行ける気がしない!生態系の頂点に君臨するお前に、どこまで通用するか試してやる!
俺たちは一斉に全力を出し始めた。最初はレイだ。

「身体強化、能力向上、腕力強化、『風よ、我が剣に集い刃を作り出せ!』奥義、風刃閃!」

身体強化、能力向上、腕力強化によって身体能力が最大限向上した上での最高の一撃。それがレイの奥義、風刃閃だ。
今まで戦った中に硬い魔物もいた。しかし風刃閃はそれらをものともしないで切り裂いてきた。いくら竜でも簡単には防げまい。

「ほう?中々の斬れ味じゃの。いくらワシでも傷くらいはつけられるだろう。じゃがまだまだじゃな。風剛璧」

一見すると何もしてないように見えるが、よく目を凝らすと古代竜エンシェントドラゴンの前に風の壁が出来ている。まさかあんなのでレイの最大の一撃を防げるっていうのか?

ガキんッ 

「人間にしてはやるのう。褒めて遣わす。さあ次は誰じゃ?」

「なっ!?ありえない!私の最大の一撃が完全に防がれた?」

「つ、次は俺だ!」

こいつの防御は魔法を防ぐのに特化してるとみた。ならば手段は近接戦で攻撃するのみ!

「身体強化、脚力強化、超脚力強化!」

俺は地竜アースドラゴンを倒した時のように上空に跳んだ。

「腕力強化、剛腕、振り下ろし!これが俺の最大の一撃だー!」

身体強化、腕力強化、剛腕、振り下ろしによって俺の一撃は40倍もの攻撃力になった。それに合わさって上空からの一撃のため当たれば粉砕するだろう。

ドッッゴーン

俺は勝利を確信した。だが、目に映ったのはあまりにも異常な光景だった。
なんと俺の最大の一撃を片腕で防いでいるのだ。古代竜エンシェントドラゴンの立っている地面は攻撃の重さによってめり込んでいる。それなのに傷1つどころか片腕で止められたのだ。

「ば、化け物…」

「物凄い威力じゃな。ワシのスキル風護膜が無かったら傷を負っていたのじゃ。人類最強の一撃と言ってもいいじゃろう」

風護膜、それは自身の体に風を纏うスキルだ。ただそれだけのスキルなのに、魔力が功を成してとてつもない防御力となっている。

「お主はもう用済みじゃ、風拳」

「ガハッ」

片腕でザクの大剣を受け止め、片腕に纏った風を集中させる。それがザクの腹に命中した。パンッと音が鳴りザクの腹に穴が空いた。

「ザク!?」

「畜生!『我の手に集いし土よ、隙間を残さず敵を捕らえよ!』土上級魔法 アースプリズン!」

アースプリズンは敵を閉じ込める魔法で中からは破壊できない。

「攻撃が効かないなら窒息させればいいのよ!この魔法は中から破壊出来ないんだし!」

「こちらも中々やるのう。じゃがこんなものでワシを拘束出来るとでも?」

「出来るわ!中からは絶対に破壊不能だからね!」

「破壊不能?何を言ってるのじゃ?こんなの圧倒的攻撃力で壊せば問題ない。風連拳」

破壊不能のはずのアースプリズンがどんどん削り取られていく。

「こんなのってあり?勝てるわけないじゃない!」

やがて古代竜エンシェントドラゴンを捕らえていたアースプリズンが壊れた。

「中々楽しませてもらったのじゃ。お主らより強い者がおるなら挑戦するよう言って欲しいのじゃ。ではさらばじゃ。風刃の村雨」

上空に雨の如く、多くの風刃が精製され、降り注ぐ。
2人とも為す術も無く打ちのめされた。

次に目が覚めた時、全員上級ダンジョンの入り口前にいた。


「お疲れ様ー!いいビデオが撮れたよ!」


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次回主人公視点に戻ります!
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