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1章【地獄のスパルタ訓練編】
第109話・輪廻転生:後編
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──輪廻転生。
つまり「魂の循環」とは、“宇宙という単位”から成り立っている。
魂っていうのは、一応はエネルギーの塊である訳だけど、少なからず魔力での干渉は不可。
それをどうこう出来るのは、基本的にはオーガやフィリップみたいな神だけなんだ。
例外として、“一定以上”まで力を高めた者は、感じ取れる様になる場合もあるけどね。
例えば、私とか。
⋯⋯ついでに、話しておこうか。
魔力に限った話ではないけど、エネルギーっていうのは、一定以上の密度に達すると“別物”になるんだ。
勿論、それはちゃんとしたロジックの元に完成しているけど、それを理解出来るのは一握り。
分かりやすく言うなら、ダイヤモンドは炭素で出来ている的な感じかな?
一般的には、理解の範疇を超えた超常現象みたいな話なんだよ。
まぁ、兎に角だ。
現状、弱体化している私は魔力を頼るしかない訳だけど、本来の私が使う力っていうのは魔力ではないんだ。
そして“この世界”での、言うなれば「到達者」っていうのは、神を除くと現状で3人⋯⋯。
っと、そろそろ話が脱線してきちゃうね。あはは。
ん? 『なんでその話をしたか』って? そりゃあ、予感がしたからだよ。
紅志は、必ず“私達”の所まで登り詰めてくるっていう予感がさ。
ふふ。君が辿り着くのを、 楽しみに待っているよ。
──さてと。じゃあ、話を戻そう。
初めに言った、オーガとフィリップの“先輩と後輩”っていう関係の説明から。
オーガという“理(システム)”の管理者が居なくなった事で、世界は新たな管理者を生み出した。
それが、フィリップという存在だ。
つまり神としては、オーガの方が先輩、フィリップが後輩となる訳だね。
そして、現状。
そのフィリップは、オーガによって操られている状態なんだ。
私から奪った力を使って、オーガがフィリップを操作。フィリップに神の力を使わせて、アレコレしているのが実態だ。
偽物の神であるオーガが、神の力を使えている所以(ゆえん)がソレだね。
⋯⋯ただ、完璧に神の力を使えている訳ではない。
まぁ、神ではないオーガが、強引に神の力を使っている訳だからねぇ。当然だよ。
問題なのは、“神ではないオーガ”と、“力が使えないフィリップ”という状態である事なんだ。
管理できる者が居ないせいで、“理(システム)”が正常に機能していないんだよ。
──ただし、だ。
今の世界の状況からしたら、逆にそれが好都合なんだよね。
また例えば話になるけど、この宇宙で紅志が死んだとするね?
そうすると、「紅志の魂」っていうのは、隣の宇宙へと移動を始める訳だ。
その時、魂は、宇宙と宇宙の間にある“通路”を通っていく事になる。
まぁ、仮に“魂の回廊”とでも名付けようかな。
その魂の回廊っていうのは、「半々」で分かれているんだ。
途中までが「紅志の魂があった宇宙」で、途中からが「紅志の魂が向かう宇宙」って感じだね。
そして、その回廊の中心には、“境界”がある。
「紅志の魂」がその“境界”を超えると、「初期化」が発生するんだ。
つまり「紅志の魂」である状態から、「純粋な魂」へと変化してしまう。
そうなると、もう生き返らせる事は困難になってしまうんだけど──⋯
「⋯──裏を返せば、その“境界”を超えない限りは、死者の蘇生は可能というワケ♪」
「そ、そうなのか⋯⋯?」
「そうそう。今の“世界”の状態っていうのが、『私達の宇宙に魂が詰まっちゃってる』って感じだからねぇ。
勿論、本来であればその状態っいうのは良くない事なんだけど⋯⋯今は、ね?」
「あぁ。コレで、希望が見えたって訳だ」
「⋯⋯まぁ、“オーガの撃破”と“フィリップの奪還”の2つが、私達の勝利条件という事になるけどね。
両方を同時に、完璧にこなさなければならないのが課題点だけど⋯⋯」
「問題ない。俺がオーガをぶっ飛ばしている間に、他の連中がフィリップの救出に注力すればいい」
「──ふふふ、強気だねぇ。いい事だ♪
よし。フィリップ救出の件は、私が仲間に伝えておくよ♪」
「あぁ、頼んだ」
「⋯⋯ただ、どの道だけど、紅志とオーガとのタイマンになる以上、今後の鍛練はより厳しくなるよ?」
「勿論、分かってる。
希望が見えているんだから、努力をしないなんてのは有り得ないだろ?」
「そう言うと思った♪ ──世界を頼むよ、紅志」
「あぁ⋯⋯!!」
つまり「魂の循環」とは、“宇宙という単位”から成り立っている。
魂っていうのは、一応はエネルギーの塊である訳だけど、少なからず魔力での干渉は不可。
それをどうこう出来るのは、基本的にはオーガやフィリップみたいな神だけなんだ。
例外として、“一定以上”まで力を高めた者は、感じ取れる様になる場合もあるけどね。
例えば、私とか。
⋯⋯ついでに、話しておこうか。
魔力に限った話ではないけど、エネルギーっていうのは、一定以上の密度に達すると“別物”になるんだ。
勿論、それはちゃんとしたロジックの元に完成しているけど、それを理解出来るのは一握り。
分かりやすく言うなら、ダイヤモンドは炭素で出来ている的な感じかな?
一般的には、理解の範疇を超えた超常現象みたいな話なんだよ。
まぁ、兎に角だ。
現状、弱体化している私は魔力を頼るしかない訳だけど、本来の私が使う力っていうのは魔力ではないんだ。
そして“この世界”での、言うなれば「到達者」っていうのは、神を除くと現状で3人⋯⋯。
っと、そろそろ話が脱線してきちゃうね。あはは。
ん? 『なんでその話をしたか』って? そりゃあ、予感がしたからだよ。
紅志は、必ず“私達”の所まで登り詰めてくるっていう予感がさ。
ふふ。君が辿り着くのを、 楽しみに待っているよ。
──さてと。じゃあ、話を戻そう。
初めに言った、オーガとフィリップの“先輩と後輩”っていう関係の説明から。
オーガという“理(システム)”の管理者が居なくなった事で、世界は新たな管理者を生み出した。
それが、フィリップという存在だ。
つまり神としては、オーガの方が先輩、フィリップが後輩となる訳だね。
そして、現状。
そのフィリップは、オーガによって操られている状態なんだ。
私から奪った力を使って、オーガがフィリップを操作。フィリップに神の力を使わせて、アレコレしているのが実態だ。
偽物の神であるオーガが、神の力を使えている所以(ゆえん)がソレだね。
⋯⋯ただ、完璧に神の力を使えている訳ではない。
まぁ、神ではないオーガが、強引に神の力を使っている訳だからねぇ。当然だよ。
問題なのは、“神ではないオーガ”と、“力が使えないフィリップ”という状態である事なんだ。
管理できる者が居ないせいで、“理(システム)”が正常に機能していないんだよ。
──ただし、だ。
今の世界の状況からしたら、逆にそれが好都合なんだよね。
また例えば話になるけど、この宇宙で紅志が死んだとするね?
そうすると、「紅志の魂」っていうのは、隣の宇宙へと移動を始める訳だ。
その時、魂は、宇宙と宇宙の間にある“通路”を通っていく事になる。
まぁ、仮に“魂の回廊”とでも名付けようかな。
その魂の回廊っていうのは、「半々」で分かれているんだ。
途中までが「紅志の魂があった宇宙」で、途中からが「紅志の魂が向かう宇宙」って感じだね。
そして、その回廊の中心には、“境界”がある。
「紅志の魂」がその“境界”を超えると、「初期化」が発生するんだ。
つまり「紅志の魂」である状態から、「純粋な魂」へと変化してしまう。
そうなると、もう生き返らせる事は困難になってしまうんだけど──⋯
「⋯──裏を返せば、その“境界”を超えない限りは、死者の蘇生は可能というワケ♪」
「そ、そうなのか⋯⋯?」
「そうそう。今の“世界”の状態っていうのが、『私達の宇宙に魂が詰まっちゃってる』って感じだからねぇ。
勿論、本来であればその状態っいうのは良くない事なんだけど⋯⋯今は、ね?」
「あぁ。コレで、希望が見えたって訳だ」
「⋯⋯まぁ、“オーガの撃破”と“フィリップの奪還”の2つが、私達の勝利条件という事になるけどね。
両方を同時に、完璧にこなさなければならないのが課題点だけど⋯⋯」
「問題ない。俺がオーガをぶっ飛ばしている間に、他の連中がフィリップの救出に注力すればいい」
「──ふふふ、強気だねぇ。いい事だ♪
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「あぁ、頼んだ」
「⋯⋯ただ、どの道だけど、紅志とオーガとのタイマンになる以上、今後の鍛練はより厳しくなるよ?」
「勿論、分かってる。
希望が見えているんだから、努力をしないなんてのは有り得ないだろ?」
「そう言うと思った♪ ──世界を頼むよ、紅志」
「あぁ⋯⋯!!」
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