親子そろって悪役令嬢!?

マヌァ

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お茶会編。

105話『和やかなお茶会 1』

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お茶会当日。

私とベリアル様は朝11時の時点で寮を出た。

着替えは教室の隣にあるドレスルームで着替える予定だ。



まずはカフェに頼んでいるお菓子を取りに行くのだ。

今日の馬車は、少し大きめの馬車を王都の屋敷から持ってきた。

内装は向かい合わせのソファーは皆同じ向きに揃えてある感じだ。

前世で言うところの6人乗りの車のイメージだ。

馬車に乗車しているのは私とベリアル様、従者達に、

お屋敷から連れて来た料理人の2人。

彼らには、教室での料理の飾りつけをしてもらう。



大きめの馬車に乗せるのはもちろんお菓子の入った籠だ。

籠には状態維持のスクロールを敷いている。



カフェの前に馬車を止める。

カフェからお菓子たちが次々に運ばれてくるので、籠に順番に入れていく。

ティラミスとショコラケーキのホールが6つも運ばれてきた。



あれ???



テーマ決めの時に確認せずに店長にメニューをそのまま渡してしまった。

そうだった。 迂闊だった。



カイン様とコンラート様は、

きっとナナリーの好きなケーキ2つに、丸を付けたのだろう。

しかも、好きだろうからとホールで頼んでいる。


まぁ、食べるのは本人達に任せよう。

がんばって食べてもらうしかない。

余ったら、お察しのベリアル様の出番だ。



ちなみに、私と兄はレアチーズケーキ以外はピース単位で頼んである。



私はプリンとムース。兄はレアチーズケーキのホールとスフレだ。



ベリアル様は苺のタルトホールとミートパイのホール。



マリエラはマカロンとプリン。

どうせ他の人のケーキが余るだろうという予想で決めたのだと。



レヴァンヌはババロアとゼリー。



カレン様とケヴィン君は2人ともショートケーキとマロンケーキだ。



それぞれ積んで、教室に移動した。

教室の照明は水晶を埋め込んだスタンドライトだ。

色とりどりの水晶から漏れ出る光が、

ステンドグラスのように部屋を明るく照らす。

侍女のメーデと料理人2人にお菓子の飾りつけをしてもらっている間、

私とベリアル様はカーラとポアソン君を伴って、ドレスルームへ移動した。

ちなみに、ドレスルームは男女別に分かれているよ。



着替え終わったら、私とベリアル様は位置について待っている事にした。



「エミリアはやはり黄昏の巫女姫の格好がすごく似合っているな。

 本当に素敵だ。 今なら邪神の気持ちもわかる気がするな」



ベリアル様はそう言って、隣に座る私の髪にキスを落とした。

一気に私の体温が上昇した。



「す、素敵なのはベリアル様も一緒です。

 私も、助けてもらう側なので、巫女姫の気持ちが……ごにょごにょ」



コ、コレイジョウは、ムリデシター!!!!!



ボフン!! と顔が一気に赤く染まる。

恥ずかしすぎて、言葉尻にいくにつれ、声が小さくなってしまった。

しかし、ベリアル様には、私が何を言いたいのか伝わったようで、

すっごい笑顔を向けてくれた。 まぶしー!!



「「ごちそうさまです」」



急にかけられた声に驚いて慌ててそちらを見ると、

教室の入口には最初の参加者の2人が到着したようだ。



侍女カーラが教室の入口に立って、招待カードを確認して入室してもらう。

先に来たのはマリエラとレヴァンヌだ。



私とベリアル様は、お互いに目を合わせて

「やっぱりね」というアイメッセージを送りあった。

そう。 フ・ラ・グ・回・収!!!



マリエラとレヴァンヌは登場人物の魔術師団の邪魔をする、

邪神の配下2人の格好だった。



マリエラは美しい見た目の悪魔バビロア。

ピッチリとした皮製のワンピースタイプのボンテージ衣装っていうんだっけ?

それに網タイツと黒のハイヒール。背中にはコウモリの羽。

頭には、尖った2本の角。本物の小悪魔って感じだ。

腰には武器である長いムチがクルクルと丸められている。





レヴァンヌは、露出の多い黒い甲冑と魔剣を操る妖艶な美女カトリーヌだ。

頭は、顔が見える兜に羽が数枚飾られている。

胸の形に添った漆黒の鎧は肋骨から下はへそ出し。

黒の皮パンツの上から、漆黒のフォールズはスカートの様な形。

膝上の漆黒の鉄ブーツも丸く太ももが大胆に見えていた。

漆黒の大剣は背中に背負われている。





あきまへーん!! 

マリエラ、レヴァンヌ、なんっちゅう色気のある格好してんねーん!!



興奮でテンションが上がって変な関西弁? が出てしまった。



教室には、『勇敢なる魔術師団』の悪役が先に全員集合したのだった。


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