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学園生活開始~学園祭。
39話『ビッフェと案内』
しおりを挟む昼休みになったので、ベリアル様と一緒に一般食堂に向かった。
貴族食堂にはナナリーと愉快なイケメンsが居るので会いたくないからだ。
「ここの食堂はビッフェ形式なのですよ」
私は、ベリアル様にビッフェ形式の説明や食べ方など
いろいろ教えながら、料理の置いてある場所に案内する。
「面白いな。好きなものを自分で好きなだけ確保するのか」
ベリアル様は、わくわくしながら料理を眺めていた。
「ふふ。好きなものばかりだと他の皆さんが困ってしまいますので
ほどほどにお願いしますね」
私とベリアル様は、トレーを手にとって料理の前に向かう。
卵系の料理は目の前で注文すると作ってくれるので、
私はミニオムレツを注文して、その間にキッシュとオニオンスープを取る。
肉系は牛肉のステーキに赤ワインのコンフィチュールのソースを適量かけて、
サラダはさっぱりとキャベツのザワークラフトを選んだ。
ミニオムレツを最後に取りに行く。
ベリアル様は、白い固焼きパン2つ(フランスパンのようなもの)とバター、
皮がカリカリの厚切りグリルチキン3切れに、
ブラウンソース(デミグラスソースみたいなもの)をたっぷりかけて、
サラダはさっぱり生野菜とオニオンソース。
スープはコーンスープだ。
庶民食堂はカフェと一緒になっているので、
ネコ足の丸テーブルとイスが2つある席が、等間隔で配置されている。
奥のほうに行くと、長テーブルとイスが4つ配置の席も、もちろんある。
私とベリアル様は、ベランダ側の外の景色が見える場所を選んだ。
(侍女達に確保してもらった。)
「なかなか、楽しいな」
ベリアル様は、ビッフェ形式の食堂がお気に入りになったようだ。
「そうですね。私は前世の記憶があるので、ここの形式のほうが
実は合っているんですよね。ですけど、ちょっと食べ過ぎてしまう
ので大変です」
そう、ビッフェ形式だとついついおかわりをして、さらにはデザートまで
たくさん食べてしまうのだ。
体型維持のために、あらかじめ個数を決めておかねばならぬ。
「確かに。しかし、エミリア嬢はそんなに気にしなくても
今でも十分に可愛らしいぞ」
ぐぬぬ。
なんでそんなセリフをポーンと言えるのか……この魔王め!
私は顔が熱くなるのを必死に抑えるのだった。
食事を楽しんだ後は、お待ちかねの案内だ。
ベリアル様は湖に行ってみたいらしく、パーティホールや礼拝堂、
グラウンド周辺はまた今度になった。
「恋人達の憩い場」という名称の湖は、桟橋に小船が数隻ある。
森がグラウンドの奥なので、パーティホール前の道を通って
森を迂回するルートで湖に行くのだ。
ちなみに、貴族用の食堂側からまっすぐに行くと小さな礼拝堂だ。
星教会の信心深い生徒もいるので、朝のお祈りの場所として利用される。
湖へ行く道を馬車で進む。
私は、ベリアル様に以前から考えていた新しい魔法について話した。
ベリアル様と試行錯誤を話し合ってから自分の中でまとまった内容を
紙に書き写す。これを、今日の夜にでも寮で試してみる予定だ。
そんなこんなであっという間に湖についたのだった。
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