双焔の黄昏(トワイライト)

リエルと愉快な作者佐伯リナセンセー

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幼少期編

1.私の名前はソフィア・アストレア

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俺は竜神の攻撃によって死んだ。28歳の若さで死ぬのは悔いが残る。幸せだったあの生活が全てが消え去ってしまった。俺はまだあの世界でやりたいことが沢山あった。だからこそ俺は死後、天使に出逢った。



「ん.....ここは何処だ?」



目を覚ますとそこは何もない暗闇の空間。静かでこの場に俺しか居ない。そうか、ここが死後の世界なのか。と考えていたらある人物が俺の目の前に現れる。



「ようやく目を覚ましましたか。」



「誰だ!」



突然現れた人物は背中に羽を生やしている女性。しかも美しい。



「私の名はミルディ、天使です♪」



笑顔で名前を名乗る自称天使?なのか良くわからん。まあこの際、俺も名乗るか。



「俺はアルフ───」



「アルフ・ライザートですよね。知ってますよ。貴方の生前は凄い活躍をされたと天界ではとっても有名です。お逢い出来て光栄です♪」



「は、はあ~」



ミルディと言う天使と握手する。天界で有名って俺ってそんなに有名なのか。



「で、ここは何処だ。」



ここが死後の世界なのか天界の何処かなのかわからないが彼女は知ってそうだし聞いてみた。



「ここはですね。新天の狭間です。」



「し、新天の狭間?」



新天の狭間と聞いたことない単語を言ってきた。



「その反応は驚いていますね。無理もありません。貴方の魂は今、この空間へと勝手に移動させました。」



魂を勝手に移動させたと。じゃあ結局のところ俺は死んでるのか生きているのかわからない存在ってことか。でも何故、俺の魂を生かしたんだ?



「貴方は幸せの人生を送るはずでした。しかし、貴方は自分の命を捨ててまで子ども達を助けたことに私は大いに感心しました。ですので貴方に私からのプレゼントとして第二の人生を送ってもらいたいのです。」



第二の人生を送ることができるだと!それは俺にとって願ったり叶ったりの事だ。あの世界にはまだやりたいことが悔いが残ってるんだ。シルヴィーに伝えられてないことだってある。ちょっとは喜びを浮かべる。



「ですが、貴方の生前姿としてではなく別の体になります。それでも大丈夫でしょうか?」



別の体か。この際体についてはどうだって良い。ただあの世界で過ごせたら別に構わない。



「大丈夫です!」



「そうですか。一様、貴方に新たなギフトを追加と天使からの加護をしておきました。それでは新たな人生をお楽しみくださいね♪」



彼女は笑顔で俺を見送る。転生魔法が起動し俺の体の隅々まで通る。まあこれが後に後悔することになるんだけど、いくら転生出来たとしても生前と同じ性別だとは限らないことにこの時は気付かなかった。









とまあ転生してくる前にこのような出来事があったわけだよ。転生し赤ん坊として産まれてきて五年経つ。



つまり今俺は5歳だ。その間に色んな体験があった。今の父親であるガレス・アストレアに母親のティア・アストレア。



この二人はどっちとも生前の俺と身内だったこと。それなりに愛情を注がれて来た俺はすっかりと女として過ごしてきた。



まあスカートを着るとかこの長い髪には今だ抵抗感はあるけど。長く伸ばした髪と瞳は母親似で銀髪と碧眼だ。それに対して俺は5歳と言いながらも体力や頭脳と言った技量的優れていた。



これは父親似。外見が母で中身が父で完璧過ぎてた。そして俺は今、専属メイドのリアーナ・クロフォードと会話している。



「ねえねぇリアーナ。髪可愛く結んで。」



何故俺がこんな可愛い言葉を言ってるのはまあ察してくれ。5年もの間に気が付けばこうなってた。



俺も認めたくないけど年齢的にまだ若いから直せないんだ。



「まあ~ソフィアお嬢様。今日はどのような髪型で?」



特に決めていなかった俺はいつも通りリアーナのお任せにしよう。リアーナはとても可愛いのだ。歳は14歳で若い。



俺はリアーナを実の姉として親している。昔から色んなお世話をして今ではかけ換えのない存在までとなっている。



「お嬢様、完成致しました。」



「ありがとーリアーナ。」



鏡に写っている俺は髪型を見る。ツインテールにしてくれたようだ。ちょっと恥ずかしいけど可愛いから良しとしよう。



「お嬢様、今日の予定はどうなさいますか?」



ふむ、今日の予定か。全く決めていなかったが久しぶりにお出掛けでもするか。ここ最近、母にメイドと一緒にならお出掛けしてもいいって許可を貰えている。この機会だ。自分の住んでいる国の情報でも得よう。



「お出掛けしようよ。」



「そうでございますか。お嬢様からそのような申し出が来るとは成長して....」



俺の成長をとても喜んでいるリアーナ。嫌、違うから。ただ外に出て情報を得るためだから。リアーナは俺の頭に手をのせて撫でてくれる。



「えへへ。」



撫でられるのは好きだ。撫でられる感触が気持ちいいしこれからも撫でられるために頑張ろうと決意する。俺、アルフ・ライザートはこの可愛らしさ全開の幼女のソフィア・アストレアとしてすっかりと受け入れていたのだった。
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