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リヒャルトは襲いくる糸攻撃を面倒くさそうに氷でいなし、イアニスは「ロレッタ、お疲れ様!迎えの体が来るからお入り」とボロボロのロレッタちゃんに叫ぶ。
一方、勇敢なパメラちゃんが己より大きな蜘蛛に向かって爪で切り掛かっていた。アラクネは自身を守る大蜘蛛同士が突然争い合うを目の当たりにし、驚愕している。
ビキビキビキビキッ
追い討ちをかけるように、アラクネの攻撃手段である壁全体の蜘蛛の巣が轟音を上げて凍りついていく。壁を覆うカーテンのような大量のそれらは、半分以上がカチカチに固まってしまった。
アラクネは怒りの形相で新たな糸を腹から飛ばした。広範囲に網状の糸が降りかかってくるが、イアニスが松明と風の魔法で燃やす。
「アヂヂヂッ!頭こげた!」
「クソッ、この下手くそめ!やはり炎は好かん。臭いし熱いし…!」
イアニスはリヒャルトほどスマートに防げず、文句を言われている。そんな中、ズシンズシンとブルーオーガがイアニスの元へ戻ってきた。巻きついたままの糸が所々燃えていて凄い有様だが、慌てた様子もないのがまた不気味だ。
「ん、ロレッタ。まだ行けそうかい?」
「……」(こくり)
「よしよし、頑張り屋さんだね。ならアラクネを倒してくれ。他の蜘蛛たちは狙わないでね、サマンサとパメラがいるから」
もう一度頷きイアニスへネズミの体を返すと、ロレッタちゃんはズシンズシンとアラクネへ突進していった。己に絡まった糸へ更に火をつけてその身を火だるまにしながら、アラクネへ一目散にボディーブローを仕掛ける。
「ぎいいぃぃっ!!」
ロレッタちゃんからの体当たり(炎属性)をくらい、悍ましくも悲痛な声を上げるアラクネ。もじゃもじゃの胴体は燃えやすいのか、あっという間に炎が燃え移っていく。パメラちゃんとサマンサちゃんはアラクネを守ろうとする大蜘蛛と戦い、足止めをしている。
「しまった、指示をミスったな。このままじゃロレッタが燃えちゃう!」
「フン。後先考えられんとは、所詮は虫ケラの脳みそだ」
「こ、この子達の知性は宿主の脳みそによりけりなんで!つまり、ブルーオーガが脳筋なせいだ」
「ああそうかよ」
イアニスの擁護にリヒャルトがおざなりな返事をしつつ、燃え盛る2体の魔物へ向けて氷柱をお見舞いする。人型の胸を貫かれたアラクネは長い黒髪を振り乱し、燃える腕で氷柱を引き抜こうともがくも、氷柱の表面が溶けてツルツルになるだけだった。
なんて光景だ…。
イアニスは大急ぎで駆け寄っていくと、ロレッタちゃんの本体を回収した。メラメラ上がる炎に炙られ熱そうにしながら、その頭部に向かってネズミを掲げる。途中、やたらめたらに振り回されるアラクネの爪を受けそうになったが、サマンサちゃんが糸を放ってギリギリ防いだ。
「ふぅ、あっぶねー。ありがとねサマンサ」
早足で戻ってきたイアニスはいつもらしからぬ口調で胸を撫で下ろし、サマンサちゃんにお礼を言った。その手には鼻先をモゾモゾと動かしたロレッタちゃん・ネズミのすがたが収まっている。無事に回収できたみたいだ。
ブルーオーガの抜け殻と共にアラクネは炎に包まれていく。
「ひとまず終わったね」
「まだ帰りがあるだろうが。気を抜くな……よッ!」
掛け声に合わせてリヒャルトが手を振り上げると、アラクネの胸に2本目の氷柱が深々と突き刺さる。もがき苦しんでいたアラクネはとどめの一撃を受け断末魔もなく動かなくなった。炎だけがメラメラと盛んに燃えている。
残された大蜘蛛もリヒャルトがブスブス仕留めていき、サマンサちゃんとパメラちゃん以外は全滅。するとゴゴンと音が上がり、次の階層へ続くドアが出現した。
俺は思わず息を吐く。見ていた限りでは二人に負傷もなく、あとは帰るだけだ。無事に討伐が終えられて良かった。
ステルスを解いてドアを開ける。
「お、お疲れさんでした……」
うわ、焦げ臭っ。糸を焼いた匂いだろうか、部屋中に従満している。
俺が車から出てくるや否や、サマンサちゃんとパメラちゃんが爪を掲げて威嚇してくる。ギョッと立ち竦むも、すぐに「サマンサ、パメラ、止まって。あの人間は敵じゃないよ」とイアニスが声をかけ大人しくさせた。大奮闘してくれた味方だが、恐ろしい六つの目と目が合って背筋が凍る。
気を取り直して静かに近寄ると、二人へ声をかけた。
「怪我はしてなさそうだな」
「フン、無傷だ。たかが虫にあれだけ慎重に挑んだのだから、当然だろう」
リヒャルトがしかめ面で強気に言った。発言はいつも通りだが、流石に疲労が色濃い様子だ。
「いやいや、こんなおっかない蜘蛛がゾロゾロ出てくるとは思わんかったよ。よく普通に相手できるな…」
俺は大人しくしてるサマンサちゃんたちをチラッと見上げそう言った。パメラちゃんがカササ…と遠慮がちにこちらへ寄ってきたが、俺も遠慮がちに同じぶんの距離を置く。
「確かに、初めて見るシマヤさんには刺激が強いかもね。アラクネの厄介なところは、この眷属を呼び出す戦い方だよ」
顔にちょっと煤をつけたイアニスが説明してくれる。
10階エリアボス・アラクネは敵と相対すると、手始めにグレートタランチュラなる眷属を召喚する。眷属に自分を守らせながら相手を追い詰めていくのだ。1回目は数匹、2回目はその倍と、回数を追うごとに数は増えていき、それを全て許すと取り返しのつかない群となってしまう。ちょっと想像したくないな。
「だから、眷属呼びを1回に留まらせる必要があったんだ。特にリヒャルトの実力を悟られれば、初手で蜘蛛地獄にされかねない。そこで、この子たちの出番さ」
イアニスはそう言って、手のひらでぐったり休んでいるロレッタちゃん・ネズミのすがたを見やる。
おお、そうか。大蜘蛛を乗っ取って味方へつければ、増援を呼ばれる前に形勢逆転できるという事ね。アラクネからすれば、何が起きたかをすぐには理解できないだろうし。
「私が最初からフルパワーでアラクネを仕留めれば、それで済む話だがな」
「そんな無茶できんだろ」
「ハイリスク過ぎるからやめて欲しいところだ」
「できるの!?」
「それよりほら、休もうか。パメラ、初仕事が成功して嬉しいのはわかるけど、ちょっかいかけちゃダメ」
ふと気がつけば、パメラちゃんが足元に忍び寄って俺の靴をツンツンしていた。一番小さいとはいえ、小型犬サイズの大蜘蛛である。俺はすんでのところで大声を上げるのを抑え込む。
「その人は僕らを無事に家まで送ってくれる味方だよ。載せてくださいって可愛くご挨拶してね」
せっかく抑えた矢先に、イアニスが要らん事を言って台無しにした。
「ひっ!?ストップ、近い近い!うわーっ!」
「ギィー!」(来ないでー!)
遠慮なくやってきたパメラちゃんと恐れ慄いて部屋の隅へ逃げ出す俺を他所に、魔族二人は一休みの準備をさっさと進めだした。
一方、勇敢なパメラちゃんが己より大きな蜘蛛に向かって爪で切り掛かっていた。アラクネは自身を守る大蜘蛛同士が突然争い合うを目の当たりにし、驚愕している。
ビキビキビキビキッ
追い討ちをかけるように、アラクネの攻撃手段である壁全体の蜘蛛の巣が轟音を上げて凍りついていく。壁を覆うカーテンのような大量のそれらは、半分以上がカチカチに固まってしまった。
アラクネは怒りの形相で新たな糸を腹から飛ばした。広範囲に網状の糸が降りかかってくるが、イアニスが松明と風の魔法で燃やす。
「アヂヂヂッ!頭こげた!」
「クソッ、この下手くそめ!やはり炎は好かん。臭いし熱いし…!」
イアニスはリヒャルトほどスマートに防げず、文句を言われている。そんな中、ズシンズシンとブルーオーガがイアニスの元へ戻ってきた。巻きついたままの糸が所々燃えていて凄い有様だが、慌てた様子もないのがまた不気味だ。
「ん、ロレッタ。まだ行けそうかい?」
「……」(こくり)
「よしよし、頑張り屋さんだね。ならアラクネを倒してくれ。他の蜘蛛たちは狙わないでね、サマンサとパメラがいるから」
もう一度頷きイアニスへネズミの体を返すと、ロレッタちゃんはズシンズシンとアラクネへ突進していった。己に絡まった糸へ更に火をつけてその身を火だるまにしながら、アラクネへ一目散にボディーブローを仕掛ける。
「ぎいいぃぃっ!!」
ロレッタちゃんからの体当たり(炎属性)をくらい、悍ましくも悲痛な声を上げるアラクネ。もじゃもじゃの胴体は燃えやすいのか、あっという間に炎が燃え移っていく。パメラちゃんとサマンサちゃんはアラクネを守ろうとする大蜘蛛と戦い、足止めをしている。
「しまった、指示をミスったな。このままじゃロレッタが燃えちゃう!」
「フン。後先考えられんとは、所詮は虫ケラの脳みそだ」
「こ、この子達の知性は宿主の脳みそによりけりなんで!つまり、ブルーオーガが脳筋なせいだ」
「ああそうかよ」
イアニスの擁護にリヒャルトがおざなりな返事をしつつ、燃え盛る2体の魔物へ向けて氷柱をお見舞いする。人型の胸を貫かれたアラクネは長い黒髪を振り乱し、燃える腕で氷柱を引き抜こうともがくも、氷柱の表面が溶けてツルツルになるだけだった。
なんて光景だ…。
イアニスは大急ぎで駆け寄っていくと、ロレッタちゃんの本体を回収した。メラメラ上がる炎に炙られ熱そうにしながら、その頭部に向かってネズミを掲げる。途中、やたらめたらに振り回されるアラクネの爪を受けそうになったが、サマンサちゃんが糸を放ってギリギリ防いだ。
「ふぅ、あっぶねー。ありがとねサマンサ」
早足で戻ってきたイアニスはいつもらしからぬ口調で胸を撫で下ろし、サマンサちゃんにお礼を言った。その手には鼻先をモゾモゾと動かしたロレッタちゃん・ネズミのすがたが収まっている。無事に回収できたみたいだ。
ブルーオーガの抜け殻と共にアラクネは炎に包まれていく。
「ひとまず終わったね」
「まだ帰りがあるだろうが。気を抜くな……よッ!」
掛け声に合わせてリヒャルトが手を振り上げると、アラクネの胸に2本目の氷柱が深々と突き刺さる。もがき苦しんでいたアラクネはとどめの一撃を受け断末魔もなく動かなくなった。炎だけがメラメラと盛んに燃えている。
残された大蜘蛛もリヒャルトがブスブス仕留めていき、サマンサちゃんとパメラちゃん以外は全滅。するとゴゴンと音が上がり、次の階層へ続くドアが出現した。
俺は思わず息を吐く。見ていた限りでは二人に負傷もなく、あとは帰るだけだ。無事に討伐が終えられて良かった。
ステルスを解いてドアを開ける。
「お、お疲れさんでした……」
うわ、焦げ臭っ。糸を焼いた匂いだろうか、部屋中に従満している。
俺が車から出てくるや否や、サマンサちゃんとパメラちゃんが爪を掲げて威嚇してくる。ギョッと立ち竦むも、すぐに「サマンサ、パメラ、止まって。あの人間は敵じゃないよ」とイアニスが声をかけ大人しくさせた。大奮闘してくれた味方だが、恐ろしい六つの目と目が合って背筋が凍る。
気を取り直して静かに近寄ると、二人へ声をかけた。
「怪我はしてなさそうだな」
「フン、無傷だ。たかが虫にあれだけ慎重に挑んだのだから、当然だろう」
リヒャルトがしかめ面で強気に言った。発言はいつも通りだが、流石に疲労が色濃い様子だ。
「いやいや、こんなおっかない蜘蛛がゾロゾロ出てくるとは思わんかったよ。よく普通に相手できるな…」
俺は大人しくしてるサマンサちゃんたちをチラッと見上げそう言った。パメラちゃんがカササ…と遠慮がちにこちらへ寄ってきたが、俺も遠慮がちに同じぶんの距離を置く。
「確かに、初めて見るシマヤさんには刺激が強いかもね。アラクネの厄介なところは、この眷属を呼び出す戦い方だよ」
顔にちょっと煤をつけたイアニスが説明してくれる。
10階エリアボス・アラクネは敵と相対すると、手始めにグレートタランチュラなる眷属を召喚する。眷属に自分を守らせながら相手を追い詰めていくのだ。1回目は数匹、2回目はその倍と、回数を追うごとに数は増えていき、それを全て許すと取り返しのつかない群となってしまう。ちょっと想像したくないな。
「だから、眷属呼びを1回に留まらせる必要があったんだ。特にリヒャルトの実力を悟られれば、初手で蜘蛛地獄にされかねない。そこで、この子たちの出番さ」
イアニスはそう言って、手のひらでぐったり休んでいるロレッタちゃん・ネズミのすがたを見やる。
おお、そうか。大蜘蛛を乗っ取って味方へつければ、増援を呼ばれる前に形勢逆転できるという事ね。アラクネからすれば、何が起きたかをすぐには理解できないだろうし。
「私が最初からフルパワーでアラクネを仕留めれば、それで済む話だがな」
「そんな無茶できんだろ」
「ハイリスク過ぎるからやめて欲しいところだ」
「できるの!?」
「それよりほら、休もうか。パメラ、初仕事が成功して嬉しいのはわかるけど、ちょっかいかけちゃダメ」
ふと気がつけば、パメラちゃんが足元に忍び寄って俺の靴をツンツンしていた。一番小さいとはいえ、小型犬サイズの大蜘蛛である。俺はすんでのところで大声を上げるのを抑え込む。
「その人は僕らを無事に家まで送ってくれる味方だよ。載せてくださいって可愛くご挨拶してね」
せっかく抑えた矢先に、イアニスが要らん事を言って台無しにした。
「ひっ!?ストップ、近い近い!うわーっ!」
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