【新訳】帝国の海～大日本帝国海軍よ、世界に平和をもたらせ！第一部

最終章 対米戦終了 そして、

第六十九話 ソロモン海戦⑦日本改造機動艦隊壊滅

1944年5月28日16:35、日本艦隊の最後の攻撃隊がユナイテッド・ステーツに殺到する。
「敵将の首だけ狙え！！！！！」
この一声で敵空母に攻撃が殺到する。
しかし、ここで今海戦最大の悲劇が起こる。敵戦艦の対空射撃が攻撃隊に直撃したのだ。普通なら壊滅まではしないが、運悪く他の戦艦や砲塔の砲撃も次々に命中。攻撃隊が壊滅したのだ。これは、次の日に分かったことだが、敵艦隊は対空レーダー射撃システムを独自に開発していたのだ。これで日本攻撃隊は戦闘機隊や後方の攻撃隊を除いて壊滅となった。これにより、日本改造機動部隊はユナイテッド・ステーツに攻撃されまくる。まず、残りの伊勢がユナイテッド・ステーツの攻撃隊により、誘爆。火災、浸水が発生し、必死の応急作業もむなしく二時間後に沈没する。残った山城も敵駆逐隊を壊滅させるなど奮闘するが、敵水雷戦隊の雷撃により、船体が真っ二つに折れ沈没。ここに日本改造空母機動艦隊は壊滅した。
これを、翌日東太平洋沖で第一機動戦隊を指揮していた栗田はこのことを聴き絶望した。日本改造機動艦隊が壊滅したのもそうだが、一番驚いたのはユナイテッド・ステーツを逃がしてしまったことだった。もし、ここにユナイテッド・ステーツが来たら制空権がタダでさえ拮抗しているのに完全に不利になってしまうからだ。これにより、栗田は短期決着を目論んだ。ここから栗田の伝説が幕を開ける。

80機ほどの第一次攻撃隊は1944年5月29日09:00に敵巨大機動部隊に殺到する。昨日からのソロモン海戦の詳細がついさきに到着したため敵の対空レーダー射撃についてはもうわかっている。
やはり、一番日本機が殺到したのは、旗艦ランドルフ.....ではなく、敵新鋭戦艦『アイオワⅡ』であった。この戦艦の一番厄介なところはこの戦艦の装甲は、航空機か甲斐、越後、大和、武蔵、信濃の20インチ砲（51㎝砲）でしか抜けないことだ。これにより、アイオワⅡに攻撃隊が集中した。そして、零式艦攻の魚雷が艦中央部に命中。浸水が発生する。しかし、これといったダメージを与えることもできず、第一次攻撃隊は帰路についた。ここに、栗田の大胆な作戦が実行される。
戦艦甲斐が突撃する。ここでとてつもない砲撃戦が幕を開ける。まず、甲斐の20.3cm副砲がアイオワのレーダー部に命中。アイオワはレーダーを使用不能にする。これは知った栗田は何を思ったか、甲斐を撤退させた。ここで日米戦最後の大勝負が幕を開ける。