66 / 83
第三章 日本近海超決戦
第五十七話 日米最後の海戦へ...............
しおりを挟む
八丈島海戦が終了した日の09:20、艦隊は横須賀に寄港していた。しかし、艦隊は一機戦、出雲を残してほとんどが大中破。それに新型の装甲空母『白龍』が沈んだのは痛かった。だが、熟練パイロットがほとんど出撃して、被害がなかったのは唯一の救いだろう。そんなことを思いながら角田は横須賀の地に降り立った。
「角田さん、お疲れさま」
いつからいたのだろうか。振り向くと杉田上飛曹がいた。上飛曹といっても、実力は少尉、いや中尉にも匹敵するほどであった。そして、角田とも仲が良かった。
「杉田さん!どうして?」
と、横から割り込んできたのはつい先ほど帰投した菅野上飛曹改め菅野少尉であった。
「まぁ。いろいろとあってな。それより、例の作戦は?」
「敵空母全隻中破・大破・撃沈にしてやったぜ」
「そうか」
と、角田・杉田は安心した顔を見せる。角田に関しては、出撃いらい初めて見せた笑顔であった。
「それを言うなら、おめぇらは?」
菅野が目を輝かせて聞いた。
「まぁ。白龍が撃沈され、ほとんどの艦が大中破したが敵空母も沈めた」
「そうか」
満面の笑みを見せる菅野。しかし、その笑みもつかの間。警報が鳴ったのだ。
「空襲警報?いや、これは......出撃警報だ!!!!」
角田が珍しく驚いた顔をしている。
「出撃警報?なんだそれ」
菅野・杉田が口をそろえて聞く。
「そうか、お前たちにはまだ知らされてないのか。最近追加されたらしいんだよ。ほら、最近は敵艦隊の出没がすごいだろ。だから、追加されたらしい。にしても、どこに出没したんだ?」
淡々と説明する角田に二人はただ角田を見つめることしかできなかった。
〔敵艦隊ビスマルク海ニテ出没セリ。各艦隊・航空隊ハ直チニ、配置ニツケ〕
「ビスマルク海⁉」
三人が口をそろえて驚く。
「横須賀からでも最低2450海里はある!!それに、航路も合わせれば........」
その場にいるものがごくりと息をのむ。
「...................................................................................................................」
その場が数分静まり返る。その場に最初に声を出したのは、菅野だ。
「風翔でも片道すらいけん。上層部は正直馬鹿なのか?」
あとの二人も同感と言わんばかりに顔を縦に振る。
「いっそのところ、上層部に一喝入れに行くか?」
と、角田。
「いや、俺らじゃ無理だろう」
と、杉田。
「いや、行けるって!」
菅野も続く。
「あぁもう、いい!行くぞ!!!」
杉田が言う。
「おう!」
こうして三人は大日本帝国海軍 第一防衛艦隊司令部へと向かった。
「角田さん、お疲れさま」
いつからいたのだろうか。振り向くと杉田上飛曹がいた。上飛曹といっても、実力は少尉、いや中尉にも匹敵するほどであった。そして、角田とも仲が良かった。
「杉田さん!どうして?」
と、横から割り込んできたのはつい先ほど帰投した菅野上飛曹改め菅野少尉であった。
「まぁ。いろいろとあってな。それより、例の作戦は?」
「敵空母全隻中破・大破・撃沈にしてやったぜ」
「そうか」
と、角田・杉田は安心した顔を見せる。角田に関しては、出撃いらい初めて見せた笑顔であった。
「それを言うなら、おめぇらは?」
菅野が目を輝かせて聞いた。
「まぁ。白龍が撃沈され、ほとんどの艦が大中破したが敵空母も沈めた」
「そうか」
満面の笑みを見せる菅野。しかし、その笑みもつかの間。警報が鳴ったのだ。
「空襲警報?いや、これは......出撃警報だ!!!!」
角田が珍しく驚いた顔をしている。
「出撃警報?なんだそれ」
菅野・杉田が口をそろえて聞く。
「そうか、お前たちにはまだ知らされてないのか。最近追加されたらしいんだよ。ほら、最近は敵艦隊の出没がすごいだろ。だから、追加されたらしい。にしても、どこに出没したんだ?」
淡々と説明する角田に二人はただ角田を見つめることしかできなかった。
〔敵艦隊ビスマルク海ニテ出没セリ。各艦隊・航空隊ハ直チニ、配置ニツケ〕
「ビスマルク海⁉」
三人が口をそろえて驚く。
「横須賀からでも最低2450海里はある!!それに、航路も合わせれば........」
その場にいるものがごくりと息をのむ。
「...................................................................................................................」
その場が数分静まり返る。その場に最初に声を出したのは、菅野だ。
「風翔でも片道すらいけん。上層部は正直馬鹿なのか?」
あとの二人も同感と言わんばかりに顔を縦に振る。
「いっそのところ、上層部に一喝入れに行くか?」
と、角田。
「いや、俺らじゃ無理だろう」
と、杉田。
「いや、行けるって!」
菅野も続く。
「あぁもう、いい!行くぞ!!!」
杉田が言う。
「おう!」
こうして三人は大日本帝国海軍 第一防衛艦隊司令部へと向かった。
11
お気に入りに追加
63
あなたにおすすめの小説
【第十回 歴史・時代小説大賞投稿】帝国の海 外伝~風翔搭乗員戦記
山本 双六
歴史・時代
1942年1月完成した、ニ式艦上戦闘機『風翔』この戦闘機に乗り、国のため、そして、愛する人たちのために戦った男たちの戦いが幕を開ける
帝国の海にでてくる、二式艦上戦闘機『風翔』風翔搭乗員の、物語である...
明日の海
山本五十六の孫
歴史・時代
4月7日、天一号作戦の下、大和は坊ノ岬沖海戦を行う。多数の爆撃や魚雷が大和を襲う。そして、一発の爆弾が弾薬庫に被弾し、大和は乗組員と共に轟沈する、はずだった。しかし大和は2015年、戦後70年の世へとタイムスリップしてしまう。大和は現代の艦艇、航空機、そして日本国に翻弄される。そしてそんな中、中国が尖閣諸島への攻撃を行い、その動乱に艦長の江熊たちと共に大和も巻き込まれていく。
世界最大の戦艦と呼ばれた戦艦と、艦長江熊をはじめとした乗組員が現代と戦う、逆ジパング的なストーリー←これを言って良かったのか
主な登場人物
艦長 江熊 副長兼砲雷長 尾崎 船務長 須田 航海長 嶋田 機関長 池田
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
タイムワープ艦隊2024
山本 双六
SF
太平洋を横断する日本機動部隊。この日本があるのは、大東亜(太平洋)戦争に勝利したことである。そんな日本が勝った理由は、ある機動部隊が来たことであるらしい。人呼んで「神の機動部隊」である。
この世界では、太平洋戦争で日本が勝った世界戦で書いています。(毎回、太平洋戦争系が日本ばかり勝っ世界線ですいません)逆ファイナルカウントダウンと考えてもらえればいいかと思います。只今、続編も同時並行で書いています!お楽しみに!
我らの輝かしきとき ~拝啓、坂の上から~
城闕崇華研究所(呼称は「えねこ」でヨロ
歴史・時代
講和内容の骨子は、以下の通りである。
一、日本の朝鮮半島に於ける優越権を認める。
二、日露両国の軍隊は、鉄道警備隊を除いて満州から撤退する。
三、ロシアは樺太を永久に日本へ譲渡する。
四、ロシアは東清鉄道の内、旅順-長春間の南満洲支線と、付属地の炭鉱の租借権を日本へ譲渡する。
五、ロシアは関東州(旅順・大連を含む遼東半島南端部)の租借権を日本へ譲渡する。
六、ロシアは沿海州沿岸の漁業権を日本人に与える。
そして、1907年7月30日のことである。
第二艦隊転進ス 進路目標ハ未来
みにみ
歴史・時代
太平洋戦争末期 世界最大の46㎝という巨砲を
搭載する戦艦
大和を旗艦とする大日本帝国海軍第二艦隊 戦艦、榛名、伊勢、日向
空母天城、葛城、重巡利根、青葉、軽巡矢矧
駆逐艦涼月、冬月、花月、雪風、響、磯風、浜風、初霜、霞、朝霜、響は
日向灘沖を航行していた
そこで米潜水艦の魚雷攻撃を受け
大和や葛城が被雷 伊藤長官はGFに無断で
作戦の中止を命令し、反転佐世保へと向かう
途中、米軍の新型兵器らしき爆弾を葛城が被弾したりなどもするが
無事に佐世保に到着
しかし、そこにあったのは………
ぜひ、伊藤長官率いる第一遊撃艦隊の進む道をご覧ください
ところどころ戦術おかしいと思いますがご勘弁
どうか感想ください…心が折れそう
どんな感想でも114514!!!
批判でも結構だぜ!見られてるって確信できるだけで
モチベーション上がるから!
自作品 ソラノカケラ⦅Shattered Skies⦆と同じ世界線です
GAME CHANGER 日本帝国1945からの逆襲
俊也
歴史・時代
時は1945年3月、敗色濃厚の日本軍。
今まさに沖縄に侵攻せんとする圧倒的戦力のアメリカ陸海軍を前に、日本の指導者達は若者達による航空機の自爆攻撃…特攻 で事態を打開しようとしていた。
「バカかお前ら、本当に戦争に勝つ気があるのか!?」
その男はただの学徒兵にも関わらず、平然とそう言い放ち特攻出撃を拒否した。
当初は困惑し怒り狂う日本海軍上層部であったが…!?
姉妹作「新訳 零戦戦記」共々宜しくお願い致します。
共に
第8回歴史時代小説参加しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる