【新訳】帝国の海~大日本帝国海軍よ、世界に平和をもたらせ!第一部

山本 双六

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第三章 日本近海大海戦

第五十三話 八丈島沖海戦⑤夜戦砲撃戦

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戦艦部隊を率いるのは潜水戦艦 出雲に座乗する近藤中将である。
旗艦は出雲、続いて信濃、鹿野、秋葉が進む。その後続に超甲巡(超甲巡洋艦)『あおば』、『はぐろ』、『たかお』、『あたご』、『みょうこう』、『なち』、『あしがら』が続いた。敵艦隊に向けて単縦陣である。時はすでに日が沈んだ20:10であった。そして、両水上艦隊は激突することとなる。先に敵艦隊をとらえたのはやはり世界TOP3の軍事力を持つ日本である。その電探(3号4型電探、いわゆる三十四号電探)の発見距離は計5万ⅿに及ぶという。距離二万五千mにて敵艦隊を補足した日本はつかさず、出雲を除く全艦が砲撃を開始した。20:45のことであった。アメリカも遅れること十五分。日本艦隊をとらえ、攻撃を開始した。知6号砲撃潜水艦からは、敵戦艦部隊の陣容はモンタナ級戦艦 モンタナ、アラスカ級戦艦 アラスカ、アイオワ級戦艦 アイオワ、サウスダコタ級戦艦 サウスダコタ、アラバマの計五隻の戦艦と重巡洋艦十隻の艦隊である。とのことらしい。対してこちらは戦艦五隻出雲はは戦力外のため計四隻と超甲巡洋艦七隻の戦力である。戦いは泥沼化していた。

アメリカ艦隊旗艦 戦艦『モンタナ』艦橋
戦艦群の長官はリー提督が抜擢されていた。
「くそ!敵艦隊に先を取られた!しかし、T字戦法は譲れん!面舵いっぱい!」

巨離2万2000mにてアメリカ艦隊は転舵。T字を取った。しかしそれを黙ってみている日本ではない。すぐさま戦艦群が砲撃を開始した。特に超甲巡洋艦『あおば』はこの時イギリスのネルソン型をマネしていたため前方に砲が集中配置されていた。これは後に修正されるが。

「しかし、大丈夫だ。そらには夜戦型ドーントレスがいるからな」
こうリーは自信を持っていたが、日本とは違い航空機にはレーダーが搭載されていなかった。


「敵航空機接近!」
「分かった」
近藤はある秘密兵器の使用を許可した。それは第二次改装で取得したものであった。
「一番から五番開け!対空噴進弾発射用意!うてっ!」
発射後、数秒で上空爆発。

「攻撃隊が全滅⁉」
リーは正直驚きを隠せなかった。しかし、リーにまたもや悲劇が起こる。

潜水戦艦 出雲
「潜水用意!主砲扉閉め~!縦舵ー30!(潜航)」
近藤は今、世界初の潜水戦艦の実戦での戦いを見ようと、胸を躍らせていた。

一時間後、21:30
「縦舵30!(浮上)」
その後出雲から発射された49.4サンチ砲が敵戦艦サウスダコタ・アラバマの重装甲区画に命中。わずか1000mにもみたない至近距離から発射された、49.4サンチ砲弾が命中二隻の戦艦はあっという間に爆沈した。
そして信濃、秋葉、鹿野から対艦噴進弾が計20発発射。と、同時に46サンチ砲、36サンチ砲が火を噴き敵艦隊に発射された。そのほとんどが命中し、新型戦艦アイオワが航行不能に、アラスカが大破。モンタナが中破の損害を受け重巡二隻が沈没。その他五隻が小中破している。そして、敵艦隊は撤退行動を開始した。しかしこれを見逃すわけにはいかない。空母を含める全艦艇で最大速力で追いかけた。補足だが一応、アウトレンジ戦法の予定なので、たいして損害は受けないだろう。
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