【新訳】帝国の海~大日本帝国海軍よ、世界に平和をもたらせ!第一部

山本 双六

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第一章 真珠湾占領

第十一話 第一次ミッドウェー沖航空戦①

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200機を超える第一次攻撃隊がアメリカ艦隊を攻撃しているとき、ミッドウェー攻撃隊は攻撃を終え、母艦に帰投していた。真珠湾攻撃の隊長も務めた少尉の淵田やのちに航空十二軍神としてほめたたえられる菅野少尉もその一人だ。
「ふぅ。これで一次攻撃は終了だな。あんな対空網の中であれだけ被弾機が少ないとは。不幸中の幸いってやつか」菅野が操縦管を触りながら空を飛んでいたその時、菅野の目に何か光っているものが映った。そう。米軍機だ。すぐさま菅野は無線で淵田に伝える。
「二時の方向敵機あり!淵田さんは攻撃機を連れて帰投してください!戦闘機隊は俺についてこい!!」
「了解。ご武運を」
淵田はその一言を菅野に伝えてこの空域を攻撃機と共に離脱した。
「さぁ、この改20㎜の出番か。どれだけ敵の装甲を抜けるかな?」
改20㎜機関砲とは、零戦などに載せている20㎜機関砲を改良に改良を重ねたものである。
〔ダダダダ!〕
轟音が鳴ったと思うと狙ったワイルドキャットが火を噴いて墜ちていた。
「こりゃいい」
菅野は一説によると戦闘中は鬼のような顔をしていたらしい。
戦闘開始から僅か1分で米戦闘機群の損害は5機撃墜2機被弾であった。
このまま戦えばかてる......はずだった。

「これで敵機は一掃したかな。案外あっけなかったな」
「隊長!航空電探に感アリ!敵の新手です!!」
「分かった。航空隊攻撃態勢!」
「了解!!」
菅野隊四番機が敵の新手に照準を定めるが、すぐさま敵に後ろを取られ墜とされた。
「なんだよ、あの旋回性能.....」
「少尉、あれは敵の新型機です!」
(!?....)
「敵機の性能は今は不明だ!取り合えず敵は二機一組で相手しろ!!」
「了解!」
(あの化け物....)
「五番・六番機も落とされました!!」
「おいおい、嘘だろ....」
「航空電探に感アリ!....ニ十機以上いるかと...」
(あ、)
無線を通じても編隊が静まり返る。
その静寂を破ったのは二番機の秦だった。
「いや!これは...味方機!!」
「えっ?」
突然の報告にいくら荒くれ物の菅野でさえ口を開けていたという
「あれは....?あんな機体見たことねぇぞ」
「とりあえず、私たちはここで退きましょう。損傷機が多すぎます」
「....分かった」
「航空隊反転!!母艦へ帰投する!後は援軍の味方機に任せよう!」
「「「了解!」」」
(残った機体は6機か...最初は俺の隊で14機ぐらいいたのに半分も落とされるとは...今回は負け戦か。あいつらにどう顔を向ければいいんだろうな。どちらにせよ、あの新型機にあとは託すしかないか...)
菅野はこの戦いで初めて自隊の味方機を失ったのであった。
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