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10 赤い彼女は娼婦のようで、聖母のようでだった
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廊下から見える彼女ベティー(黄)の部屋は、薄暗かった。
「灯りぐらいつけさせて下さればいいのに」
溜息交じりにフレイヤ(赤)は呟く。 もし、その場にフレイヤ以外の誰かがいたなら、貴方はあの女と若様とどちらが大切なのですか!! そう、声を荒げたに違いない。
分かっている。
分かっているけど……不憫だと思う。
夕食を終え片付け終わったキッチンであっても、側の待機部屋には料理人が待機している。 いつ、夜食を頼まれてもいいように。
ノックをして、フレイヤは気まずそうに問いかけた。
「キッチンを使わせて頂いてもよろしいかしら?」
年若く愛らしい妻を迎えた若い主の事を考えれば、愛人として屋敷に居座る三人を良く思っていない使用人が殆どだろう。 それでも、元高級娼館のTopだった女性が、色香溢れる微笑みを向け、身体を摺り寄せ、その手を握り胸に抱けば、年若い料理人は頭が沸騰したようになった。
その気なのかと……若い料理人に邪心が過らなかった。 と言えば嘘になるだろう。 ただ……フレイヤは悲し気な表情を作り、その瞳には器用に涙を浮かべ若い料理人を見つめ、胸に抱いたその手を聖母が祈りを捧げるように重ねていた。 その瞬間邪まな心は四散し若い料理人は罪悪感に襲われる。
「……手伝います。 勝手にキッチンを使われ汚されては困りますから。 それより料理なんてできるんですか?」
邪まな心を抱いた気まずさから強くは出られなかった。
「私には、弟妹が大勢いますの。 母が亡くなってからは、私が親代わりに家の事をしていましたから。 私の家族には好評でしたのよ。 あの子も……私と変わらない農村の生まれ……きっと、懐かしみ、心をほぐしてくれると思いますの」
本館には秘密とされている。
それでも、午前中の騒動は大抵のものが知っていたし……ここだけの秘密と明日には本館の使用人達全てが知る事実となるだろう。 そんな秘密の出来事に対して、他の使用人がそうであるように、若い料理人は余り良くは思っていなかった。
「懐かしい料理を食べたからと言って、人を傷つけようと……下手をすれば殺しかけた行為が改善されるとは思えないけど……まぁ、好きにすればいいさ。 スープだったら、そこに料理長が作ったベースがある」
「違うわ。 私が作りたいのはそんな立派なものではなくて、もっと、とれたての野菜の泥臭さを感じられるようなもの」
「公爵家にそんな素材がある訳ないだろう」
「そう、ですか……では、仕方がありませんね。 コチラを使わせて頂きます」
若い料理人は、美しい赤いドレスに身を包んだ色香漂う女性を見続けていた。
女性らしい女性。
豊満な肉体が愛欲を誘う。
そう言う人間だと思い込んでいた。 だけど……気づけば若い料理人の瞳は涙で潤んでいた。 その慣れた手つき、不器用な鼻歌、実家の母を思い浮かんだ。
「なんで……気に掛けるんだ? 感情のままに殺されても不思議では無かったし、そうでなくても……次期公爵にケガをさせようとしたんだ。 農村生まれの庶民が……良くて強制収容所だろう」
「本当……感謝するように伝えないといけませんわね。 でも、きっと今のままでは伝わらないの……。 あの子は、とても想像力が豊かで、行動力のある女の子だから」
女の子と言っても、エーファよりも一つか二つ年上だと考えれば、フレイヤが年齢だけでベティーを可愛がっている訳ではないのが分かるだろう。
「で、なんで、気に掛けるんだ?」
再び聞いて来た若い料理人にフレイヤは苦笑を向ける。 誤魔化せると思っていたのにとでも言うような苦笑だった。
「そうね……。 あの子は田舎にいる私の妹と同じ年なのよ。 読みつくされボロボロになった本を抱えて王子様の夢を語る可愛らしい子なの。 何時かは王子様が迎えに来てお姫様になれるって疑ってなかったわ」
「子供の頃でしょう?」
「えぇ、それでも……妹を思い出すの。 それに、あの子のお腹には赤ん坊がいるわ。 私が望めない新しい命。 生まれてくる新しい命が不幸であって言い訳が無いと思うの」
「別にアンタが気に掛ける必要はないだろう? だって、アイツはアンタの妹ではないし……それに、子供だって……若様が戦場に行っていた頃の子じゃないか? って、噂がある」
「噂……に過ぎませんわ。 使用人の方々は、カスパー様を特別な方と思っているかもしれませんが、私があの方に助けてもらったきっかけは、あの方が私の顧客だったからですのよ。 それに……昨日だって顔合わせをしたばかりの若奥様の気持ちを全く配慮することなく、欲求を処理しようとされた訳でしょう?」
「……」
「怒らないで……ただカスパー様も世間一般的な男性と言う事。 ただ、恋をしたことの無い不器用な方と言うだけ……。 だって、そうでしょう? あの方の昨日の行為は……娼婦に対する行為と同じなのですから」
「本当は優しい方なんです!!」
「知っておりますわ。 私はこの身を助けて頂きましたもの。 でも、だからカスパー様が優しい方だと知っています。 私だけではなく、グレーテル、それにベティもカスパー様に助けて頂いているのですから……。 ただ……性欲を向けられただけの若い子とは違うのですよ。 そうね……そう……あの子にソレを伝えれば、きっと元気になってくれるはずだわ。 ありがとう、話し相手になってくれて」
「ぇ、何を、言っているんだ?」
「私は、ただベティーに、生まれてくる赤ん坊に元気でいて欲しいの。 だから……私達の方が大切にされているのだと。 ただ、彼女は娼婦のように扱われただけ。 そんなに心を乱すものではないわ。 そう言っているのよ」
「いや、だが……若奥様は……!!」
何を言えばいいのか若い料理人には分からなかった。
頭の中がごちゃごちゃと、乱雑に煮えくり返っていた。
そんな若い料理人に、フレイヤは微笑む。
娼婦のように
そして、聖母のように、
赤い唇が優雅に艶やかに微笑んで見せ、料理人を上目遣いで見つめるのだ。
「さぁ……スープが出来ましたわ。 温かなうちに届けましょう。 そうだ、パンは残っていないかしら。 後、何か甘い物があると心が穏やかになれていいわ。 出していただけるかしら?」
若い料理人は、あぁ……と言われるままに要求されたものを差し出した。
頭の中がおかしくなりそうだった。
フレイヤと言う人が、他の二人が、若い新妻が、お仕えする若様が……誰が悪くて、誰が悪くない? 誰が許されて、誰が罰せられる? 誰が……。
翌日、若い料理人は公爵家に仕える事を止めると料理長に告げるのだった。
「灯りぐらいつけさせて下さればいいのに」
溜息交じりにフレイヤ(赤)は呟く。 もし、その場にフレイヤ以外の誰かがいたなら、貴方はあの女と若様とどちらが大切なのですか!! そう、声を荒げたに違いない。
分かっている。
分かっているけど……不憫だと思う。
夕食を終え片付け終わったキッチンであっても、側の待機部屋には料理人が待機している。 いつ、夜食を頼まれてもいいように。
ノックをして、フレイヤは気まずそうに問いかけた。
「キッチンを使わせて頂いてもよろしいかしら?」
年若く愛らしい妻を迎えた若い主の事を考えれば、愛人として屋敷に居座る三人を良く思っていない使用人が殆どだろう。 それでも、元高級娼館のTopだった女性が、色香溢れる微笑みを向け、身体を摺り寄せ、その手を握り胸に抱けば、年若い料理人は頭が沸騰したようになった。
その気なのかと……若い料理人に邪心が過らなかった。 と言えば嘘になるだろう。 ただ……フレイヤは悲し気な表情を作り、その瞳には器用に涙を浮かべ若い料理人を見つめ、胸に抱いたその手を聖母が祈りを捧げるように重ねていた。 その瞬間邪まな心は四散し若い料理人は罪悪感に襲われる。
「……手伝います。 勝手にキッチンを使われ汚されては困りますから。 それより料理なんてできるんですか?」
邪まな心を抱いた気まずさから強くは出られなかった。
「私には、弟妹が大勢いますの。 母が亡くなってからは、私が親代わりに家の事をしていましたから。 私の家族には好評でしたのよ。 あの子も……私と変わらない農村の生まれ……きっと、懐かしみ、心をほぐしてくれると思いますの」
本館には秘密とされている。
それでも、午前中の騒動は大抵のものが知っていたし……ここだけの秘密と明日には本館の使用人達全てが知る事実となるだろう。 そんな秘密の出来事に対して、他の使用人がそうであるように、若い料理人は余り良くは思っていなかった。
「懐かしい料理を食べたからと言って、人を傷つけようと……下手をすれば殺しかけた行為が改善されるとは思えないけど……まぁ、好きにすればいいさ。 スープだったら、そこに料理長が作ったベースがある」
「違うわ。 私が作りたいのはそんな立派なものではなくて、もっと、とれたての野菜の泥臭さを感じられるようなもの」
「公爵家にそんな素材がある訳ないだろう」
「そう、ですか……では、仕方がありませんね。 コチラを使わせて頂きます」
若い料理人は、美しい赤いドレスに身を包んだ色香漂う女性を見続けていた。
女性らしい女性。
豊満な肉体が愛欲を誘う。
そう言う人間だと思い込んでいた。 だけど……気づけば若い料理人の瞳は涙で潤んでいた。 その慣れた手つき、不器用な鼻歌、実家の母を思い浮かんだ。
「なんで……気に掛けるんだ? 感情のままに殺されても不思議では無かったし、そうでなくても……次期公爵にケガをさせようとしたんだ。 農村生まれの庶民が……良くて強制収容所だろう」
「本当……感謝するように伝えないといけませんわね。 でも、きっと今のままでは伝わらないの……。 あの子は、とても想像力が豊かで、行動力のある女の子だから」
女の子と言っても、エーファよりも一つか二つ年上だと考えれば、フレイヤが年齢だけでベティーを可愛がっている訳ではないのが分かるだろう。
「で、なんで、気に掛けるんだ?」
再び聞いて来た若い料理人にフレイヤは苦笑を向ける。 誤魔化せると思っていたのにとでも言うような苦笑だった。
「そうね……。 あの子は田舎にいる私の妹と同じ年なのよ。 読みつくされボロボロになった本を抱えて王子様の夢を語る可愛らしい子なの。 何時かは王子様が迎えに来てお姫様になれるって疑ってなかったわ」
「子供の頃でしょう?」
「えぇ、それでも……妹を思い出すの。 それに、あの子のお腹には赤ん坊がいるわ。 私が望めない新しい命。 生まれてくる新しい命が不幸であって言い訳が無いと思うの」
「別にアンタが気に掛ける必要はないだろう? だって、アイツはアンタの妹ではないし……それに、子供だって……若様が戦場に行っていた頃の子じゃないか? って、噂がある」
「噂……に過ぎませんわ。 使用人の方々は、カスパー様を特別な方と思っているかもしれませんが、私があの方に助けてもらったきっかけは、あの方が私の顧客だったからですのよ。 それに……昨日だって顔合わせをしたばかりの若奥様の気持ちを全く配慮することなく、欲求を処理しようとされた訳でしょう?」
「……」
「怒らないで……ただカスパー様も世間一般的な男性と言う事。 ただ、恋をしたことの無い不器用な方と言うだけ……。 だって、そうでしょう? あの方の昨日の行為は……娼婦に対する行為と同じなのですから」
「本当は優しい方なんです!!」
「知っておりますわ。 私はこの身を助けて頂きましたもの。 でも、だからカスパー様が優しい方だと知っています。 私だけではなく、グレーテル、それにベティもカスパー様に助けて頂いているのですから……。 ただ……性欲を向けられただけの若い子とは違うのですよ。 そうね……そう……あの子にソレを伝えれば、きっと元気になってくれるはずだわ。 ありがとう、話し相手になってくれて」
「ぇ、何を、言っているんだ?」
「私は、ただベティーに、生まれてくる赤ん坊に元気でいて欲しいの。 だから……私達の方が大切にされているのだと。 ただ、彼女は娼婦のように扱われただけ。 そんなに心を乱すものではないわ。 そう言っているのよ」
「いや、だが……若奥様は……!!」
何を言えばいいのか若い料理人には分からなかった。
頭の中がごちゃごちゃと、乱雑に煮えくり返っていた。
そんな若い料理人に、フレイヤは微笑む。
娼婦のように
そして、聖母のように、
赤い唇が優雅に艶やかに微笑んで見せ、料理人を上目遣いで見つめるのだ。
「さぁ……スープが出来ましたわ。 温かなうちに届けましょう。 そうだ、パンは残っていないかしら。 後、何か甘い物があると心が穏やかになれていいわ。 出していただけるかしら?」
若い料理人は、あぁ……と言われるままに要求されたものを差し出した。
頭の中がおかしくなりそうだった。
フレイヤと言う人が、他の二人が、若い新妻が、お仕えする若様が……誰が悪くて、誰が悪くない? 誰が許されて、誰が罰せられる? 誰が……。
翌日、若い料理人は公爵家に仕える事を止めると料理長に告げるのだった。
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