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都合を合わせよう

ムシャムシャしたくて殺った。後悔なんてなかった。

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 体長が50cmほどある茶色い角兎さんをどうしてくれようか。
スライム君を身代わりにしてできた隙に、首の骨を蹴り抜いて倒したから状態はいい。

 「調理手段がねぇじゃねぇか!日没までに有効な手立てがなかったら生で食うしかねぇな!」
 「もしくは私が取り込むか、困った時の生贄か罠として使うかしかありませんね。
…取り込み続けたらポイントが貯まり景品と交換できるかもしれませんよ!」
 「ライフ生命ポイントですね分かります。時には貯まりに貯まったライフポイントが一発クリティカルで持ってかれるんだろうw
…ムシャムシャ食いたいから殺った。
角うさぎさんは良い奴だったよ。」

 
 命とは千変万化だな。食われることもあれば、戦う為の道具にされたり。
 だが、ペットにするにしろエネルギーにするにしろ何らかの手段になるのは間違いない。
 まぁただ単に最終処分場行きにはさせないよう努力しよう。アレは土中の栄養にもなりにくいと思うからな。

 「とりあえず火を起こしたいから森をさがそうかね!」
 「山火事を起こしてモンスター食料をあぶり出しにしましょう!」
 「熊とか炙ったらうまそうだよな!」
 うさぎ?とりあえず手で持ち歩くよ。

というわけで森探し。

 見つかった。
草原にまばらに生えている木を頼りに2時間ほど歩くとだんだん木の間隔が狭まっていき、最終的に森に辿り着いた。
 ちなみに、俺が最初に落ちた大木と呼べるような木は見当たらなかった。なんせあれ12メートル位はあるからね!

 「いよいよ森林ですね!森ガールの私がいるので毒キノコ収集は滞りなく行えますね!」
 「錬金術でも始めたら存分に森ガールぶりを発揮してくれw
 それより森林案内人を所望する!」

 森は適度に光が差し込んでいて小鳥の囀りさえずなんかが聞こえてくる。
…凶暴なモンスターの鳴声ではありませんように。

 入ってみたらなおさら分かる空気のうまさ。草原の空気もよかったが、やっぱ森だねぇ。どっちもうまいが緑あふれる森は格別だ!
 あとは澄んだ水があれば完璧だ!


 地面を走りながら、木の根を飛び越え、木の枝を潜り抜ける。
颯爽と森を駆け抜け、心の中のスピード狂もご満悦だ!
 その間、微乳様は乱立する木の間を跳ね、俺の先を行っていたりする!
 負けじと俺が抜き返し、お互いに追い越し合う!
 ちなみに、うさぎさんは首根っこを掴まれたままだ!なので走るとぶらんぶらんしている!

 喉が渇いたらどこぞのマラソンよろしく、バッグからスライム君を取り出し、かじる。ゼリー食感の草餅は中々うまい!
 
 ある程度進み、本来の目的を思い出した。
 「焼きうさぎをするために森にきたんだった!」
 「あまりにも楽しそうでしたのでほっときました!」

 動きを止めた俺たちは、枯葉や手頃な枝を拾い集め始めた。
ん?これは握りやすそうな見事な枝だ!

安倍はひのきのぼうを装備した!

 「かりんとうか麩菓子か見分けるのに使えそうですね!」
 「どっちもUNKじゃねぇか!
カレーライス大好きです!」

と遊んでいたら、唸り声が聞こえた。

 背後の草むらの先で、女騎士達が怪物の群れに囲まれていた!

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