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3.馬車の中にて
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私とお父様を乗せた馬車は乗り心地がとても良く、沢山のクッションのおかげもあってお尻が痛くなるなんてことはありませんでした。
走り始めて暫くすると、お父様が私にキャベンディッシュ家について話してくれました。
「私の邸はここから馬車で30分程の所にあってね、2人の子供と執事やボーイといった邸の管理や私達のお世話をしてくれる者達が住んでいるんだよ。フィリスちゃんが家族の一員になるからね、メイドも2人だけで申し訳ないんだが雇えるよう手配したからね。
詳しいことは邸に着いてから説明しようと思うんだが、皆フィリスちゃんが来ることをとても歓迎しているから何も心配はいらないからね。」
あれ?エドワードお父様お子さんはいるのに奥さんは?と思ったのですが、きっと何か事情があるのでしょう、なんとなく聞き辛くてまた機会があったら訪ねてみようと思いました。
それに私の為に女性が圧倒的に少ないこの世界でメイドさんを2人も探すのは大変だったと思います、少しの申し訳なさと沢山の有難さに胸がいっぱいになりました。
「はい、皆様にお会いできるのが今から楽しみです。
それに会ったこともなかった私の為にメイドさんを探してくれるなんて本当にありがとうございます、とっても嬉しいです。
あ、でも私はあの教会から一歩も出たことがない世間知らずですし、もしかしたら自分でも気が付かないうちに何か失礼なことを言ったりしてしまうかも、とちょっと心配です。」
そう言って私が少し俯くと、お父様は今までの優しい話し方にちょっとだけ焦りを交えたような喋り方で私に大丈夫だと言ってくださいました。
「フィリスちゃん、私とフィリスちゃんが出会ってからまだ数時間しかたっていないがフィリスちゃんの話し方や所作はとても6歳とは思えない程丁寧で、その優し気な雰囲気も含めてとても好感がもてる。それに私は6歳の女の子といったらもっと我儘で自分本位だとばかり思っていたから、こうしてフィリスちゃんと話していると…何ていうかとても癒されるんだ。
だからフィリスちゃんはそのままでいてくれたらきっと私以外の邸の者達も同じように感じると思うよ。」
私の頭にそっと手を乗せて優しく撫でてくれるその手はとても暖かくて、私の心にあった心配事は気にしなくても大丈夫なんだと思えました。
まだお父様以外の方に実際に会ったことないのにお父様の話を聞いただけでそんな風に思えるなんて、私って自分で思ってたよりも単純に出来ているのかもしれません。
走り始めて暫くすると、お父様が私にキャベンディッシュ家について話してくれました。
「私の邸はここから馬車で30分程の所にあってね、2人の子供と執事やボーイといった邸の管理や私達のお世話をしてくれる者達が住んでいるんだよ。フィリスちゃんが家族の一員になるからね、メイドも2人だけで申し訳ないんだが雇えるよう手配したからね。
詳しいことは邸に着いてから説明しようと思うんだが、皆フィリスちゃんが来ることをとても歓迎しているから何も心配はいらないからね。」
あれ?エドワードお父様お子さんはいるのに奥さんは?と思ったのですが、きっと何か事情があるのでしょう、なんとなく聞き辛くてまた機会があったら訪ねてみようと思いました。
それに私の為に女性が圧倒的に少ないこの世界でメイドさんを2人も探すのは大変だったと思います、少しの申し訳なさと沢山の有難さに胸がいっぱいになりました。
「はい、皆様にお会いできるのが今から楽しみです。
それに会ったこともなかった私の為にメイドさんを探してくれるなんて本当にありがとうございます、とっても嬉しいです。
あ、でも私はあの教会から一歩も出たことがない世間知らずですし、もしかしたら自分でも気が付かないうちに何か失礼なことを言ったりしてしまうかも、とちょっと心配です。」
そう言って私が少し俯くと、お父様は今までの優しい話し方にちょっとだけ焦りを交えたような喋り方で私に大丈夫だと言ってくださいました。
「フィリスちゃん、私とフィリスちゃんが出会ってからまだ数時間しかたっていないがフィリスちゃんの話し方や所作はとても6歳とは思えない程丁寧で、その優し気な雰囲気も含めてとても好感がもてる。それに私は6歳の女の子といったらもっと我儘で自分本位だとばかり思っていたから、こうしてフィリスちゃんと話していると…何ていうかとても癒されるんだ。
だからフィリスちゃんはそのままでいてくれたらきっと私以外の邸の者達も同じように感じると思うよ。」
私の頭にそっと手を乗せて優しく撫でてくれるその手はとても暖かくて、私の心にあった心配事は気にしなくても大丈夫なんだと思えました。
まだお父様以外の方に実際に会ったことないのにお父様の話を聞いただけでそんな風に思えるなんて、私って自分で思ってたよりも単純に出来ているのかもしれません。
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