染みてない大根

鯨骨

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大学1年生

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お昼にちょっと雨が降ってきたけど、折り畳み傘がある!って思った。
だけど、カバーなくしてて、荷物濡れちゃうから結局使えないじゃん!って思って荷物守るためにパーカーをトートバッグの中に詰めて、守った。

帰りも雨が降ってたけど、もう家だから荷物濡らさずにすむ!って思って折り畳み傘使って帰った。
昼と違ってだいぶ雨が激しかったんだけど、いつもの傘より小さいはずの折り畳み傘なのに、なんだか無敵になったような気分で面白かった。

そういえば、傘がなくて雨の中そのまま帰ることも結構あった気がする。
とにかく、自分が濡れても、本が濡れてないならセーフという考え。
それをみかねた人が高校生のとき2回、人に声をかけられたことがあった。
1回目は、ビニール傘を渡されかけたけど、もうすぐ駅なのでみたいなこと言って断った。
2回目は、どこまで?ってきかれて○○駅ですって答えたら、同じ方向だからって途中までいれてくれた。
こういうふとした瞬間にちょっと恥ずかしいけど、人間捨てたもんじゃないと思うことがある。

一番傘がなくて辛かったのは、高3の冬の日だったと思う。
記憶が正しければ雪の日。
ジャージで荷物をおおって、半袖短パンで帰った気がする。
そんで、もう暗くなったら普段は通らないけど、そっちの方が近いから早く帰りたくて、怖いなあって思いながら雪で足も冷たくてたまらない中歩いてるときに、梅の花をみつけて、そこだけ白くぼうっと光ってるみたいで心ひかれてた。

そんな記憶があるんだけど、これが同じ日だったか、半袖短パンで帰る羽目になったのは雪なんだか雨なんだか覚えてない。
とにかく寒かった。


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