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娼館の制圧
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「客を取るのは初めてだったな。怯えるなと言っても、無理な話か」
ルーカスは直接的な言葉を用いず、少女に確認を取ろうと試みる。
「いえ、でも、初めてがお客様のような素敵な方で……私たちは恵まれてます」
「はは、口上は一人前だ。ポールにそう言えと指示されたのか」
ルーカスはソファに腰かけた。
リリアは首を振る。
「いえっ、違います。入り口でお客様を見た時、本当にそう思って……」
リリアはティメオに同意を求めた。ティメオは慌てて首肯する。
「わかった、わかった。ありがとう。君は……リリアか。そちらがティメオ。せっかくだから、俺のことは”お客様”ではなくレヴァンシエルと呼んでもらおう」
「失礼しました。レヴァン、シエル様……」
リリアが反復する。
ルーカスは、ソファに深く腰掛けた。
色々と聞き出す前に、少女たちにリラックスさせる必要がある。
「あー……リリアと、ティメオ。先ずは何か飲み物を頂こうか」
と、同時に背後で微かな気配が動いて、ルーカスは質問を変えた。
(――セルゲイだな)
セルゲイが、この部屋に辿り着いた。窓の鍵を開錠してくれている。
「何になさいますか?」
ティメオが聞いた。
「そうだな……君たちは何が飲める? 酒以外で」
ルーカスは、少女たちを質問の標的に定めた。
リリアとティメオは顔を見合わせる。どちらが答えるか、躊躇っている様子だ。
「では、お茶はいかがでしょう。私が淹れてきます」
ティメオが名乗り出た。
「……聞いていないのか? この部屋は今施錠されている。そこのベルで呼べば他の従業員が来てくれる」
施錠、と聞いて2人の表情が強張った。
「俺も不思議に思っていたんだ。君たちはどういう経緯でこの館に来たんだ? 当然、客にどんなサービスをするかくらいは承知しているんだろう」
「はい。それは……」
ティメオは一瞬、泣き出しそうなほど顔を歪めた。
しかし、リリアに肘でつつかれ、堪える。
リリアはそれを取り繕うように笑顔を浮かべた。
「私たちは、どんな方でも、お客様をおもてなします。望まれれば、身体を使ったご奉仕も、致します。ですからさっき、レヴァンシエル様が素敵な方でよかったと、申し上げたんです」
ルーカスは、ゆっくりと頷いた。
リリアはなかなか、気骨がある。
「君たちは、望んで……ここへ来たんじゃないよな? お茶でも飲みながら、よかったら理由を、聞かせてくれ」
ルーカスは呼び鈴を鳴らした。
現れた給仕に、ティメオがリクエストを伝える。
三人の前にカップが揃ってから、ルーカスは切り出した。
ルーカスは直接的な言葉を用いず、少女に確認を取ろうと試みる。
「いえ、でも、初めてがお客様のような素敵な方で……私たちは恵まれてます」
「はは、口上は一人前だ。ポールにそう言えと指示されたのか」
ルーカスはソファに腰かけた。
リリアは首を振る。
「いえっ、違います。入り口でお客様を見た時、本当にそう思って……」
リリアはティメオに同意を求めた。ティメオは慌てて首肯する。
「わかった、わかった。ありがとう。君は……リリアか。そちらがティメオ。せっかくだから、俺のことは”お客様”ではなくレヴァンシエルと呼んでもらおう」
「失礼しました。レヴァン、シエル様……」
リリアが反復する。
ルーカスは、ソファに深く腰掛けた。
色々と聞き出す前に、少女たちにリラックスさせる必要がある。
「あー……リリアと、ティメオ。先ずは何か飲み物を頂こうか」
と、同時に背後で微かな気配が動いて、ルーカスは質問を変えた。
(――セルゲイだな)
セルゲイが、この部屋に辿り着いた。窓の鍵を開錠してくれている。
「何になさいますか?」
ティメオが聞いた。
「そうだな……君たちは何が飲める? 酒以外で」
ルーカスは、少女たちを質問の標的に定めた。
リリアとティメオは顔を見合わせる。どちらが答えるか、躊躇っている様子だ。
「では、お茶はいかがでしょう。私が淹れてきます」
ティメオが名乗り出た。
「……聞いていないのか? この部屋は今施錠されている。そこのベルで呼べば他の従業員が来てくれる」
施錠、と聞いて2人の表情が強張った。
「俺も不思議に思っていたんだ。君たちはどういう経緯でこの館に来たんだ? 当然、客にどんなサービスをするかくらいは承知しているんだろう」
「はい。それは……」
ティメオは一瞬、泣き出しそうなほど顔を歪めた。
しかし、リリアに肘でつつかれ、堪える。
リリアはそれを取り繕うように笑顔を浮かべた。
「私たちは、どんな方でも、お客様をおもてなします。望まれれば、身体を使ったご奉仕も、致します。ですからさっき、レヴァンシエル様が素敵な方でよかったと、申し上げたんです」
ルーカスは、ゆっくりと頷いた。
リリアはなかなか、気骨がある。
「君たちは、望んで……ここへ来たんじゃないよな? お茶でも飲みながら、よかったら理由を、聞かせてくれ」
ルーカスは呼び鈴を鳴らした。
現れた給仕に、ティメオがリクエストを伝える。
三人の前にカップが揃ってから、ルーカスは切り出した。
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