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ことの顛末

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「お帰りぃ。待ってたよー!」

 こちらB組6班の女子部屋。

 深雪が大浴場から戻ると高杉、峰岸、高倉の三人が部屋の入り口で待ち受けていた。

 何がどうでもそっとしておいてはくれないらしい。

 友香も阻止は不可能と判断したのか、助けてくれそうな気配はない。




「あっ、ねえ。もらったのってそれ? 見せて見せて」

「うん。……どうぞ」

「うわあカワイイ。この赤い石ってルビー? じゃないよね?」

「うん。ガーネットだって……」

「あ、誕生石だ! 植田さん一月生まれだっけ?」

「うん。一月・・」

「やるじゃん浜崎! それじゃあつい盛り上がって?」

「う……んぇ?」

 流れに沿わない質問に喉が詰まる。今までみんな肯定するばかりだったのに。

 つい盛り上がって? と、言ったのか、今は?

「隠しても無駄だって! 連絡あった時間の割りに帰ってくるの遅かったよネ~~」

「そうそう。誤解が解けてプレゼントまでもらって、結局どこまでいったの?」

 こんなセリフどこかのドラマや漫画でよく聞いたことあるなぁ。

 とか深雪は部外者のような感想を抱いていた。

 まんまガールズトークな話題は逆に新鮮だ。

「どこまでって……」

「私達だって心配してたんだから! それくらい聞かせてよ!」

「ね、ここから先は誰にも言わないし」

 伝家の宝刀『心配してたんだから』を持ち出され、深雪の心は一瞬にしてぐらついた。

 友香をはじめ、所在がわかるまで心配をかけていたことに変わりはない。

(まあ、……隠すほどでも、ないんだよね?)

 口に出すのは恥ずかしいけれど、恥ずべきことでもないのだし……

 ただ当事者の和貴にだけは、了承を得ないまま申し訳ない気もするが。

「結局……勘違いだってわかったでしょ、で、そのあとはね……」

 こほん、と照れ隠しに咳払いをする。

 この三人を相手に、深雪がのらりくらりと言い逃れをできるはずもない。

〝そのあと〟を思い出しながら、深雪はゆっくりと唇を動かした。

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