ホドワールの兄弟 

keima

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あなたに花を

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花農園を営むミリーの花農園はこの時期は特に忙しい。 特に春は祝いごとがあるため、花の出荷量が多い。

「お花~春のお花はいかがですか~!!今なら安いですよ~。」

農園主ミリーの娘ミラはこの日、農園で咲いた花を小さな荷台に積んで花を売っていた。 


「ミ~ラちゃ~ん!!」

「あっ、ライリー!!」

手を振りながらライリーがミラのもとにパタパタと駆けよる。 

「うわぁ、キレイなお花がいっぱいだぁ。」

「エッヘッヘ、ことしは色んな種類の花があるからねぇ。」

「どれもキレイだから、目移りしちゃうね……」

ほぅ…と花を見つめる友人ライリーの姿にミラは閃いたとばかりに両手を叩く。 


「そうだ、ライリー……」












「んっ?」

カインが往診から戻ってみると、自分の机の上に小さな花瓶にビオラの花が飾られている。 

「……何だこれ?」

訝しむカインの問いに答えてくれたのは、この診療所で働く看護師だった。 

「カイン先生、さっき妹さんが来てくれましたよ。」

「ライリーが?」

「はい。往診に行っていると伝えたら、この花を兄に渡して下さいって……優しい妹さんですね。」

「へえ、ライリーがねぇ……」

ふぅんとあまり興味のない様子のカインだが、その口元は少しほころんでいた。



「お~い、ルカ兄さ~ん!!」 

呼ばれて振り返ってみると、ライリー
がこちらに向かって駆けよってきた。 

「どうしたのライリー?」

「兄さんにこれあげる。」

ルカの目の前に差しだされたのは、大ぶりの花弁が特徴の赤い花だった。 

「なあに、コレ?」

「これねぇ、ラナンキュラスって花なんだって。ルカ兄さんに」 

「ほ~っ、ライリーありがとう。」



「じゃあ、この花は?」

「この花はねぇ………」










































「ただいま!!」



家に帰ると、エドワードはダイニングテーブルの上で書き物をしていた。  

「おかえりなさい……ずいぶんと機嫌がいいですけど、何かありました。」


「えへへ……はい。エドワード兄さん。」

「?」 
 
エドワードの目の前に差しだされたのは、ピンクのバラだった。  

「……綺麗なバラですね。これを私に?」

「うん。 ミラちゃんのおうちで買ってきたの。」

「ああ、そういえばミラさんの家は花農園でしたね。」

(確かピンクのバラの花言葉は……)

エドワードは視線をバラからライリーにうつすと、少し照れくさそうなその表情かおに、何を伝えようとしているのかわかった。 


「……ライリー。」

手を伸ばし、滑らせるようにライリーの髪を撫でる。 


「ありがとう。」

目を細めて微笑むエドワードの表情かおを見て、確かにエドワードに伝わったのだと分かり、ライリーは少しはにかみながら目を細めて笑った。 

 











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ビオラ

花言葉 「信頼」 

赤いラナンキュラス

花言葉 「あなたは魅力に満ちている」

ピンクのバラ 

花言葉 「感謝」
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